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2008年03月02日

チャン・チェン張震、来阪!

張震in大阪01
 第3回おおさかシネマフェスティバルの最終日、授賞式で外国映画部門主演男優賞を受け取るために来阪したチャン・チェン張震、ご機嫌でトークショー「チャン・チェンとの夕べ」に臨んでくれました。

 関西一円から、囲碁関係者らしき高齢男性、長年のアンディ劉徳華ファンの友人、ジャッキー・チョン張學友のファン、レスリーファンらしきグループも見かけたし、そしてもちろんトニーファン仲間も澤東ジェットトーンの可愛い弟分+孫権サマを、周瑜の代理でお護りすべく駆けつけていたのですが、残念ながら日曜夕方の大阪国際交流センター大ホール(1006席)は、5分の3程度の入り…。
 中央は最後列近くまでほぼ埋まったのですが、左右翼の空席が辛かったです。

 グレーの光沢のあるタキシードジャケットの下に、切りっ放しの白Tシャツと黒長袖カットソー(袖口がかなり長く広いのがカワイイ)とを重ね着し、すらりと長い足はブルーグレーの洗いざらしジーンズで包むというカジュアルスタイルのチャン・チェンには、北京語通訳の女性が付いてくれたのですが、女性司会者の日本語に即時に反応して日本語で受け答えする、彼の聡明ぶりと機転にビックリ。

 「呉清源〜極みの棋譜」撮影後、北京で「レッド・クリフ/赤壁」を撮影したり、かなり日本語から遠ざかっていたはずなのに、すごいです。

 トークは「呉清源〜」撮影当時の話有り、田荘荘監督への敬愛ぶりありと楽しいもので、質問タイムも設けられ「ずっとずっとファンです! 結婚してくださいと言いたかったんですが、もーわざわざ大阪に来てくださっただけで…だけでも…感激です!!!」と涙声で絶句する女性ファンもいて、大受けでした。
 「ケッコンって…どっひゃー」とばかりに、前にのめり顔を伏せて照れ笑いするチャン・チェンが、初々しくも可愛かったです。
 えと、31歳…のはずなんだけど、そうは見えない。絶対に。
 髪型は少年ぽいのに、物腰が落ち着いたムードの20代後半にしか見えない。
 来場者10人に、彼のサイン入り「呉清源」大判ポスターのプレゼントまでありました。

 東京ではなく大阪での催しとあって、色々と制限が緩く、トークの後には、ちゃんと参加者のための撮影タイムを設けてくれたのです。
 電子ぴあで大奮闘し、前の方の席にありついたおかげで、ありがたく撮らせていただきました。
張震in大阪02

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2008年02月20日

チャン・チェン張震、3月に来阪!

 どもども。

 業務がややヒマになった職場で、隣の部署での研修を半強制的に4時間ずつ受けさせられて、日々ヘトヘトのnancixです。

 やっともらえた休憩タイムに、何気なく日刊スポーツを開いて、目を剥いた。この小さなベタ記事↓が、目に飛び込んできたのです。
 主演男優賞チェン出席、大阪シネマフェス
 中国映画「呉清源 極みの棋譜」で第3回大阪シネマフェスティバル外国映画部門の主演男優賞を受賞したチャン・チェン(31)が3月2日、大阪歴史博物館(大阪市中央区)で行われる授賞式に出席することが19日、決まった。14歳で来日し昭和の囲碁の世界で一世を風びした“20世紀最高の天才棋士”を田壮壮監督が描きあげた作品。究極の映像美が高く評価された。関係者によると、受賞を聞いた本人が大喜び、自ら「出席したい」と熱望し来日を決めたという。同映画祭は33年(中断5年)の歴史ある手作り映画祭だが、外国関係の受賞者が出席するのは初めて。当日午後6時半から大阪国際交流センターで「チャン・チェンとの夕べ」(上映とトークショー)を行う。[2008年2月20日11時46分 紙面から]

 あのチャン・チェンが!
 トニー・レオンと同じ澤東ジェットトーン・プロダクション所属で、トニーの弟分とも言える、チャン・チェンが!
 「百年恋歌」「呉清源 極みの棋譜」の好演はもちろん、韓国のキム・ギドク監督の「ブレス/息 breath」(日本ではシネマート六本木で5月3日公開)にも主演した、東アジア一円でノリノリのチャン・チェンが!
 「レッド・クリフ/赤壁」で周瑜の主君、亡き親友の弟、呉(現在の蘇州)の命運を背負って立つ若き孫権を演じる、チャン・チェンがーー!

 しかし、「おおさかシネマフェスティバル」といえば、地元でも知る人ぞ知る、大阪歴史博物館やミニシアターの「シネ・ヌーヴォ」の有志がNPO法人コミュニティシネマ大阪として頑張るだけで、万年累積赤字の積み上がる大阪府や大阪市の助成は得られない、OSAKA ASIAN BEAT 推進協議会の共催などによって何とかなっている、地元民手作りの映画祭…。
 この映画祭の概要は、大阪歴史博物館のサイトのこちらで。
 「チャン・チェンとの夕べ」については、こちらで。
 
 チャン・チェンともあろう、カンヌにヴェネチアにベルリンと世界の熱い注目を集める映画スターが、そんなあなた、自ら熱望して出席してくださるなんてことが……あるんだなァ…。
 外国からのゲストを迎えるのが初めて、なんて映画祭なのに…粗相があったら大阪の、いや関西の恥であるぞ!
 何より、トークショーに客が集まらなかったら、どれだけチャン・チェンががっかりするか! 大阪国際交流センターの大ホール座席数1006もあるのに!
 いやその話がジェットトーンに伝わって、トニー・レオンが大阪に来てくれなくなったら!(自己中)。
 あの橋元大阪府知事が「税金の無駄遣い」とか何とかケチつけてこないうちに、このイベントを成功させて実績作らなきゃ!

 周瑜気分でお守りします、孫権さまぁぁぁ!
 というわけで、2月23日(土)は地元の歯科医で歯の定期健診なのだが、何とかしてチケットぴあに並んで前売券をGETする決心であります!
 おっと、この23日って、東京では、シネマート六本木で上映される「ブレス」の前売券発売日なんですね。
 チャン・チェンファン、がんばれー。
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2007年11月17日

TOKYO FILMeX 「それぞれのシネマ」02

 「ハイファの悪霊」は、タイトルが作品終了後に出てくる一作。「ワルシャワ1936」と注釈付きで紳士淑女が白黒映画(悪魔メフィストフェレスが出てくる「ファウスト」じゃないかと思った)を鑑賞する姿が映し出された後、時空はその70年後のハイファ(イスラエルで3番目に大きな都市)に飛ぶ。
 客席にはジーンズなどアメリカン・カジュアルなファッションの若者が多い。彼らも70年前のワルシャワと同じ白黒映画を見ているのだが、突然上映が打ち切られ「空襲警報が発令されました。ただいま情報を集めています」と映画館スタッフが説明に現れる。いっせいにブーイングする若者たち。
 だがその時…爆撃機が投下した一発が、観客をも襲うのだった…。「ラスト、コーション/色、戒」で、日本占領下にある上海の映画館で、洋画を見ていると唐突に打ち切られてニュース映画(戦果を告げる日本の自己宣伝映画)が始まる、あの一幕を連想した。映写技師がたけしでなくても、平和でないと映画は楽しめないのよね…しみじみ。

 どんどん飛ばして「是夢」と漢字でタイトルが出たとたん、「あ、ツァイ・ミンリャン蔡明亮!」と思わず呟きそうになった作品。ナレーションで「父親の夢を見た…」と状況説明がなされ、映画館内で、なぜか若い父親、幼い息子、白髪のおばあちゃんが床に座り込み、父親がドリアンを手で裂いて息子とおばあちゃんに分け与える。息子は何だか、匂いにへきえきしているような表情。BGMは李香蘭の甘いあまーーーい声の「是夢是真」、懐メロだ。
 マナーも何も吹っ飛ばして貪り食らうこと+タバコ+懐メロが、やはりツァイ・ミンリャンセットなのね!
 もちろん「父親」に扮しているのは小康こと李康生。白髪のおばあちゃんは何と、ツァイ・ミンリャンの母親?!

 続くマギー・チャンの元亭主オリヴィエ・アサイヤス監督作「Recrudescence(再発?)」。カップルが待ち合わせて映画館へ。その様子をじっと見ている一人の男。元カレか?女の方と何やら因縁があるのか?と思いきや、館内に入って行き、彼女が座席に無造作に置いたバッグを置き引きする。まったくもう、映画館は危険がいっぱい、の警告CMなのか? 映画人がそんなアピールしては、逆効果では?
 置き引きは映画館を出て行き、カフェに入る。しばらくすると、バッグから取り出し、テーブルに置かれた女の携帯電話が鳴り出す。なぜか置き引きは電源を切らない。カフェのガラス窓の向こうに、動揺したカップルが歩いて来る。面と向かって対決する気か? どうするつもりだ、置き引き!
 これも(……で、オチは?)。

 「職業」も、上映中の客席が舞台。「きちんと蝶ネクタイをしめ、タキシードを着た紳士、ドレス姿の淑女が居並ぶ客席。そのなかで、一人の観客の男が傍若無人にも、髪型だけスピルバーグに似た隣の男に話しかける。話しかけられた男は別に彼の知り合いでも何でもないようで、迷惑そうな表情。なのに、おしゃべり男は話しかけるのを止めない。自分は事業に成功した実業家で、車を8台持っていて、毎日別の車に乗り、1台は"特別な用途にしか使わないなど、まあ単なる自慢話ですな。酒の席ならともかく、そこは映画館だっつーに。だんだん彼の声が大きくなり、周囲の観客も驚き顔をしかめる。当然、話しかけられている男が最も映画に集中できずいらついている。
 「で、あんたの職業は?」とおしゃべり男に聞かれた隣の男、ついにこう言って金槌を取り出す。「俺か? 俺は殺人者だよ!」。そして容赦なく、金槌のとがってる方でおしゃべり男をめった打ち…。あーりーえーねー…。
 血しぶきが周囲の淑女の花のかんばせやドレスにも飛んでるっつーのに、男は「もういい、大丈夫ですから」などと周囲をなだめ、無残な血まみれ頭蓋骨陥没遺骸を横に置いたまま、平然と映画鑑賞再開…。
 監督はやはり、悪趣味で、二度と観たくないとnancixに思わせた「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を撮影したラース・フォン・トリアー。"隣の男"役も彼本人でした……。何か溜まってますか、監督?

 ところで「今年のウォン・カーワイ王家衛は一味違うぞ!?」と題して紹介した王家衛監督作品「I Travelled 9000 Kilometers To Give It To You」、ぜーーーーんぜん予期した内容とは違ってました(泣)。ファン・チーウェイ范植偉君のアップがスローモーションで映し出されるのだけど、それは機内でも列車内でもなくて、映画館内。しかもロードムービーでも何でもなくて、舞台は映画館内だけ。台湾「聯合新聞網」の嘘つき(泣)。真っ赤な座席の背もたれは印象的だけど。
 ま、内容は世の男どもの妄想をスケッチしてみましたって感じで。悲しいのは香港女優、チャン・ヨーリン張睿玲。一瞬でもいいから顔を映してあげれば?! いくら美脚の持ち主だとしても、膝のあたりしか映らないなんて、酷いよ……。まったくもって足フェチ優先、出演者の心理なぞ二の次の王家衛には困ったものだ。とかボヤキながらもぐぐぐーーーっと見入ってしまうんだからマニアも困ったものだ。
 作品タイトルは范植偉が見ているという設定の映画の台詞(歯が浮くような…)にも出てきた。何でしたっけ、この映画タイトル?

 チェン・カイコー陳凱歌の作品は、文字通りの"寒村"が舞台の「Zhanxiou Village」…漢字で書いたら何村になるのだっけ?
 1960年代、冬の中国の寒村。やはり村の腕白坊主たちが、自転車にまたがったまま集まってたむろする、広場?に設置されたスクリーンと、映写機(8ミリ? 16ミリ?)。映し出されているのはチャーリー・チャップリンのドタバタコメディ。腕白坊主たちは大喜び。ところが映写機の電源が切れてしまい、がっかり。ある子が思いつく。自転車にコイル?をつなぎ、漕いだらライトの要領で電気が生じるんじゃないか? 思いつきは3台の自転車を懸命に漕ぐことで実現、再びチャップリンが、スクリーン狭しと動き出す。調子に乗って夢中で自転車を漕ぎ、映像を早回ししていると、映写技師と思しき青年が駆けつけ、一喝。腕白坊主らは蜘蛛の子を散らすように逃げ去る。ところが、1人だけ逃げずにスクリーンに向かってじっと座ったままの子供がいた…。「おじさん、もう映画見るの、やめてもいい?」と子供は尋ねる。何故彼は逃げずにそう尋ねたのか? ご想像にお任せします。
 数十年後。その子は成人し、ゆっくりと映画館内の通路をたどっている…。
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TOKYO FILMeX 「それぞれのシネマ」01

 今回は初めて、神戸空港から羽田へ。
 ところが乗り継ぎ駅に到着してみると、土・休日ダイヤのため、いつもと違って接続の電車が12分後になることが判明。こりゃ間に合わない!と青ざめて、その駅前からタクシーに切り替えた。沖縄出身という運転手さんの機転と温かい励ましで、何とか到着。せっかく往復2万100円に抑えたのに、6000円弱は痛い出費…。でも時間的には、ミネラルウォーターを自販機で買える余裕もあった。ありがとう、運転手さん!

 羽田からはモノレール+山手線内割引切符を利用、500円で東京駅まで行けた。成田とは時間といい運賃といい、やはり雲泥の差だなー。
 丸の内の和食ダイニング(個室といっても簡単に仕切っただけで騒がしい関西の店と違い、しっかりした造りでとてもいい感じ)で友人らと和食ランチして、いったん皆と別れてビックカメラへ。持ってくるのを忘れた携帯電話の充電アダプターを購入。これで3個目だぞ…自分。いざ東京国際フォーラム・ホールCへ。東京国際フォーラムはレスリーコンサート、「インファナル・アフェア」プレミア上映会と、思い出深い場所。「東京攻略」ロケ地のひとつでもあるしね(^_^;)

 まずはオープニング・セレモニー。会場にはプレノン・アッシュの篠原弘子さんや、アジア映画研究家で字幕翻訳家の松岡環さんのお姿もあった。エスカレーターで上に上がっていく、俳優の西島秀俊さんを見たという目撃談も有り。NHK土曜ドラマ「ジャッジ」、シニカル過ぎもしない、浪花節にもならない、いいドラマでしたっすぅぅ!(エンクミちゃんこと遠藤久美子ちゃんと藤木勇人さんという、トニー主演作の出演者が2人も出てたし!)
 そういえば、この日の夜の「無用」上映後は、敬愛する中国語通訳のサミュエル・チャウ周家[王探]さんもお見かけしました! 業界人の方をエスコートしていらしたようなので、お声はかけませんでしたが。

 ディレクターの林加奈子さんの挨拶は、日本語と英語を交互に。
 「37本の素晴らしい映画に支えられて、今日この日を迎えることができました」「何度でも申し上げます、映画祭の命は充実したプログラムです!」という力強いメッセージが心に響いた。
 そう、豪華スターや有名タレント監督、お騒がせTVアイドルなどのゲストではなく、プログラム作りに腐心し作品集め・字幕付けに奔走するスタッフの熱意と、観客の熱気による総合的イベントなのだよ、映画祭とは。
 そして市山尚三さんもステージへ。嗚呼…ほとんど白髪になっておられる…はっと胸を突かれた。「フラワーズ・オブ・シャンハイ」製作当時は「若手の」「新進気鋭の」プロデューサーだと思っていたのに…(その分、自分も老けたのよね…ううう)

 行定勲監督ら、審査員も登場。なんと、イ・チャンドン審査委員長は「所用でオープニング・セレモニーには参加できない」とのことで、ちょっとあっけに取られた。代わりに、是枝裕和監督作「ワンダフル・ライフ」や「誰も知らない」などの撮影監督を務めてこられた山崎裕(ゆたか)さんがスピーチした。テレビドキュメンタリー出身の山崎さんだけど、子供の頃から映画が好きだったそう。「作り手の思いと、スタッフの汗で作るのが、映画です。しかし、ひとたびスクリーンにかかった時から、映画は観客のモノになります。どうか存分に楽しんでください」というようなメッセージをされておられた。

 そしていよいよ、カンヌ映画祭60周年記念作品「それぞれのシネマ」の上映に突入。
 おっと、その前に、カンヌ映画祭プレジデント(首席代表?)のジル・ジャコブからのメッセージを、今回の審査員でもある、坊主頭のクリスチャン・ジュンヌ氏がフランス語で代読した。「ミーゾグーチィ、クロサァワー、イマムーハー、オーシマ、ティシーガワラァ、オグーリィ、クマイ、アオヤマ、コレエダァ、そしてもちろんタケーシ・キタノォ」って、一瞬頭のなかで漢字に置き換えられなくて参ったよ。もちろん溝口健二、黒澤明、今村正、大島渚、勅使河原宏、小栗康平、今年5月に亡くなられた熊井啓(合掌)、青山真治、是枝裕和、北野武のことである。おっこれだけ漢字変換できれば、「映画検定」受かるかも?! なんちゃって。

 「〜映画を作ること自体をミッション(任務)として〜、”映画館”をテーマに、こうして7番目の芸術である映画に関する、まるで愛の告白のような映画作品が完成しました」って、さすがはロマンチストのフランス人だね。短編のなかには、どう考えても愛の告白というよりペシミストの自虐ネタ、みたいなのもあったんだけどね。
 「五大陸25カ国からやってきた、35人(兄弟ペア含む)の監督たちによる作品には、中には突拍子もないものもあります。ヴィム・ヴェンダースはコンゴで、ツァイ・ミンリャンはクアラルンプールで、そしてクローネンバーグはなんと、トイレで撮影しました。そしてタケシ・キタノの作品……田舎の映画館で、あの自転車はどこへ消えたのだと思いますか? それぞれの美的感受性をご覧ください。(中略)そしてひょっとしたら、続きがあるかもしれないこのプロジェクトをお楽しみください、そして皆様にボン・ヴォヤージュ(よいご旅行を)!と申し上げたい」と、粋に結ぶジル・ジャコブなのでした。
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posted by nancix at 23:33 | Comment(0) | TrackBack(1) | アジア映画

TOKYO FILMEXに初参戦。

 ご無沙汰いたしました!
 香港から戻ると職場で新人教育係に任ぜられ、ルーティンワークにプラスアルファで声無き悲鳴を上げてました。

 ま、いろいろありましたが大阪シネマート心斎橋で「私の胸の思い出」を見られ、「大阪アジアン映画祭」も半分参加でき、何とかかんとか過ごしております。

 そして本日は東京に。「TOKYO FILMeX」に初参戦中。
 といっても「オープニングセレモニー&『それぞれのシネマ』」と、ジャ・ジャンクー監督の「無用」しかチケット取れなかったんですけどね…。

 来る前に書き込むと、また変な嫌がらせコメント(@ニフティをプロバイダにしてる人間…国籍不明)が殺到し、削除作業に追われそうで怖かったんですけどね。
 来ちゃったんだもーん。明日には帰るんだもーん…(涙)。

 では、映画の感想は今夜にでも。さっと夕食食べて、また懐かしの国際フォーラムに駆けつけなきゃーー!
posted by nancix at 18:31 | Comment(2) | TrackBack(0) | アジア映画

2007年08月28日

朝日新聞朝刊に陳凱歌監督登場

 現在、朝日新聞では朝刊で「歴史は生きている 東アジアの150年」という特集を不定期に掲載しています。
 今朝の特集は、韓国の「明成皇后(閔妃)、日本海海戦と「三笠」。そして「シリーズ・識者20人に聞く――東アジア近現代史の10大出来事は?」のコーナーに、中国のチェン・カイコー陳凱歌監督が登場。京都の立命館大学ででもインタビューしたんでしょうかね。「京劇の名女形を描く『梅蘭芳』を制作中」とも紹介されています。
 陳監督が選んだ「10大出来事」は。
1:アヘン戦争
2:ペリー来航と日本の開国
3:日本の倒幕と統一国家の形成
4:戊戌の変法と失敗
5:中日戦争
6:米軍の日本占領
7:中ソ、日米の同盟関係
8:文化大革命
9:[登β]小平の改革・解放
10:温家宝、安倍晋三首相の相互訪問
 というもので、読者が日本人であることを前提にしているとしても、やや意外。
 監督の実の父との、あまりに苛酷な記憶を抱えた、文化大革命がもっと上位に来るものと思っておりました。

 で、高2からは日本史を選択してほとんど世界史をやらなかったnancixは、「戊戌(ぼじゅつ)の変法」を知りませんでした。日本の「戊辰戦争」なら覚えているんだけどなあ。

 「戊戌(ぼじゅつ)変法」とは、清朝末期の光緒帝の御世の1898年に起きた政治改革運動のことなんですね。日本では「戊戌の政変、または百日維新」と呼ばれているそうよ朝日新聞の記者さん。あえて陳凱歌監督の口にした用語に合わせたのかしらん。

 光緒帝自ら立憲君主制への政治体制の変革・現代化を図るも、慈禧太后こと西太后と清朝廷内の保守勢力、並びに袁世凱の武力に阻まれて、光緒帝は軟禁され、「日本明治変政考」の著者で広東省南海出身の康有為は、英国領事館員の援助を受け上海〜香港経由で日本に逃げ去り、康有為の弟は殺され、康有為の弟子の梁啓超は日本大使館に逃げ込んで保護を求め、そのほか数十人が逮捕されて主要な6人の官僚は斬殺され、永久監禁を言い渡された者もいたという体たらく…。

 たったの103日で、清国を一気に近代化・改革の夢はあえなくも費(つい)えたのでした。
 …あー、何だか映画「ラストエンペラー」「火龍」つながりで西太后や光緒帝関連の本を読んだとき、そういう逸話も織り込まれていたような気が、かすかにする。光緒帝が幽閉されたために、わずか3歳で愛新覚羅溥儀が即位したんだよね?

 とにかく、陳凱歌監督が不思議がる「日本の急速な近代化」、そういわれてみれば確かに、内戦を幾つも経ながら、どうにかこうにか欧米ロシアに侵略されずに、政治経済に於いてぐんぐん近代化を推し進められたことは、奇跡的だったのかもしれないなあ。多くの血は流れたんだけどなあ…と、"日本最後の内戦"とされる西南戦争で西郷隆盛+桐野利秋側に加担したご先祖様が一人いたnancixとしては、思ったりなんかする。

 まあとにかく、asahi.comにインタビュー全文が載ったら、興味のある方は読んでみておくんなまし。って、まだ載ってないけど。

 この「歴史は生きている 東アジアの150年」特集、次は「辛亥革命と民衆運動」がテーマで、10月初めの朝刊に載るらしい。ではアン・リー監督へのインタビューは、その次の特集に載れば「色、戒」日本公開に間に合うかな、などと。取らぬ狸の皮算用。

日中戦争の全貌 (河出文庫) まだ張愛玲が愛した"漢奸"胡蘭成の著書「今生今世」(中国語! 分厚い!)も読み終わってないのに、昼休みに文庫本「日中戦争の全貌 (河出文庫 (た22-6))」(2007年7月20日初版発行)なんか買っちゃったよ…。
 というのも、文中に挿入されている白黒写真のなかに「ガーデンブリッジにおける中国車両の検閲」という一枚があり、「色、戒」予告編のなかに出てきた鉄橋と車両、日本兵の姿が酷似していたものだから。この文庫本の写真・資料協力は「近現代フォトライブラリー」となっているけど、アン・リー監督らも、この写真やそれに近い資料をもとに、あの外白渡橋(旧ガーデン・ブリッジ)のシーンを作り出したのだろうか。

 上海事変、南京攻略、広東攻略、桐工作と汪兆銘(精衛)政府の承認、日本、米英に宣戦、香港を占領…と、読み進めるのは日本人としてまことに辛いけど、その時代に生き、その時代に斃れた易先生や王佳芝を想うには、やはり基本的な時代の流れを知っておかなくては……(-_-;)
posted by nancix at 23:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | アジア映画

2007年08月27日

東京国際映画祭でエドワード・ヤン追悼特集?

 本日届いた「香港電影通信」第203号に、東京国際映画祭アジアの風部門の新ディレクター、石坂健治氏の文章が載っていた。

 「東京国際映画祭はエドワード・ヤン追悼特集をやります」という見出しで、どうやら同映画祭では、初期作品「海辺の一日」「タイペイ・ストーリー」の35mmフィルム・字幕付き初上映や「恐怖イ分子」「ヤンヤン・夏の思い出」上映、関係者による追悼トークは期待できそう。
 「海辺の一日」は未見だし、主演があの、敬愛してやまないシルヴィア・チャン張艾嘉ですよ! ほうちゃんこと侯孝賢も俳優として出てるんですよ! 撮影はクリストファー・ドイル杜可風なんですよ! 見たいなあ……。

166分もあるけど……。

 問題は、それらの日程が平日か否かってことなんですよ、地方の勤め人には…………_| ̄|○

 追悼トークはこの際無念の涙を呑むとして、大阪でせめて同じ内容で上映を……ダメ?

 それにしても「恐怖イ分子」、「エドワード・ヤンの恋愛時代」「カップルズ」が、プリントは配給会社に残っているが上映権が切れているという状態というのは、いささかショック。まして、「クーリンチェ([牛古]嶺街)少年殺人事件」の権利関係が、そんなややこしいことになっていようとは…。あわてて文中で紹介されていた、シネマヴェーラ渋谷館主の内藤篤氏のブログ「館主のひとりごと」を読みに行きましたよ。

 いつかはトニー・レオン出演作特集上映なんて、日本でやれないのかなあ、と胸ときめかせていた時代もあったけど、トニーも旧作は全くバラバラな配給会社が諸権利を持っているわけで、「月夜の願い〜新難兄難弟」みたいに上映権が切れたものも多々あるんだろうなあ。市川雷蔵特集、ジェラール・フィリップ特集のように、一部の企画者の情熱と苦労で可能になる企画もあるんだろうけど…。
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2007年08月24日

「待ち暮らし」金城&ツイィーで映画化

 ジョン・ウー呉宇森監督作品でトニー・レオン、金城武らの「赤壁」や、ピーター・チャン陳可辛監督のアンディ・ラウ、ジェット・リー、金城武主演の「投名状」はもちろん、
 チェン・カイコー陳凱歌監督の新作「梅蘭芳」、チャウ・シンチー周星馳の新作「長江7號」、ジャッキー・チェン成龍とイー・トンシン爾冬陞が組む注目の「新宿事件」、ルー・チュアン陸川監督の「南京! 南京!」などに出資している、半官半民の、中国最大の映画会社といえば、中影こと中国電影集団公司です。
韓三平董事長
 ↑中華圏映画界で独り、ブイブイ言わせまくってる"勝ち組"の中影集団・韓三平董事長。

 23日、中国では「中影星美院線」の中国映画配給網についての「上映検討会及び国産映画推介会」が、北京の中影で開かれ、香港から駆けつけたピーター・チャン陳可辛監督、「温故一九四二」の著名な作家で「手機」やブラックユーモアコメディ映画「我叫劉趺進」のシナリオライターでもある劉震雲、女優のチン・ハイルー秦海[王路]らが出席したそうです。
 その席で、中影集団董事長の韓三平が、中影の今年と来年の上映予定及び撮影計画を説明しました。そのなかの目玉として、なんとピーター・チャン陳可辛が長年温めてきた企画、ハ・ジン金哈による小説「待ち暮らし」の映画化を、チャン・ツイィー章子怡と金城武で実現するという発表もあったのです!

 新華網の記事はこちら
 Chinafilm.comの記事はこちら。


韓三平とピーターさん
 会場でいかにも和気あいあいとした様子を見せる、韓三平とピーターさん。(ピーターさん、キミはもう、香港の中国回帰による中国共産主義の絶対圧力を怖れ、規制のない自由な映画作りを切望してハリウッドに行った時期のことは、無かったことにしておるのだね…)

 ぐあああああぁぁぁぁぁぁぁん………_| ̄|○

 そりゃ、チョウ・ユンファ周潤發兄貴とマギー・チョン張曼玉が出演を承諾するのを待ってたら、それこそ18年経ってしまうけどさぁ……。

 ツイィーですかぁ……。

 そりゃアジア圏以外の、日本や欧米にも売れる女優ではあるけどさ……。
 広東語訛りを心配しなくても済むけどさ……。

 「待ち暮らし/Waiting」は、米国で最も権威のある文学賞とされる全米図書賞(99年)や、ノーベル賞受賞作家のウィリアム・フォークナーの名前にちなんだPEN/フォークナー賞(00年)を受賞した、全編英語の小説。
待ち暮らし ハ・ジン金哈は中国遼寧省に生まれ、14歳で人民解放軍に入隊、中ソ国境の警備をしながら読書に励み、文学に目覚めます。19歳で除隊後、文化大革命が終わって学校が再開された年に大学に入学、米国文学を専攻します。1985年にボストンの大学に留学。4年後、あの天安門事件をテレビで見てショックを受け、もう中国で作家活動を続けることはできないと絶望してから、英語で小説を書き始めたという大器晩成型の作家なのです。

 中国ではその受賞・米国での評価・作家活動がほとんど報道されておらず、この「Waiting」も、英語で出版されてから土屋京子先生による日本語訳が2000年に早川書房から出て、その後台湾で中国語訳が出版されたはず。中国では今ではもう出版されたんでしょうか?

 あらすじはこんな感じ↓
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posted by nancix at 23:55 | Comment(0) | TrackBack(1) | アジア映画

2007年08月22日

イ・ビョンホンとショーン・ユー余文樂も出る「I come with the Rain」

 あらら、何だか情報が錯綜している…。

 2000年9月の台湾金馬映画祭の頃からトラン・アン・ユン(中国語表記は陳英雄)監督が撮りたい、撮りたいと表明していた「I come with Rain(仮の中国語タイトルは2000年当時は「他從雨中來」、今年6月頃は「我隨雨來」、現在は「伴雨行」)」。

 トニー・レオンとハーヴェイ・カイテル共演で、"現代の短髪キリスト"的な人類の救世主やら、連続殺人犯やら私立探偵やらが出てくると聞いただけで、当時は(……「アンディ・ラウのアルマゲドン/天地雄心」的トンデモ映画?)と引きまくっていたのですが。

 香港ロケハンにやって来たトラン・アン・ユン夫妻を迎えて、もてなしていたトニーが、夫の仕事中に香港見物させてあげようと、何の気なしにトラン・ヌー・イェン・ケー陳努安姫夫人を助手席に乗せたせいで「トニーに新恋人出現か! しかも結構年齢いってるし、オンナの趣味を変えたか!」と失礼な騒がれ方をした今年6月の事件を経て、いよいよ撮影開始してたんですねー。
 「バベル」(06)のセントラル・フィルムズや、王家衛作品「The Lady from Shanghai 」にも出資予定のStudio Canal(フランス)など4社による、米国・フランス共同出資映画ですが、全編英語だそうです。海外配給会社はTFIインターナショナル。すでに今年のカンヌ映画祭フィルムマーケットで、同社がイ・ビョンホンの出演予定をセールスポイントとしてアピールしてたんですが、キム・ジウン監督の韓国映画「いい奴、悪い奴、変な奴」の撮影スケジュールと重なるので無理かも、とビョンホン側は慎重だったはず…。スケジュール、何とかなったんですね。

 しかし、あくまで主演はクライン役のジョシュ・ハートネット(29)。クラインはロサンゼルス市警の元刑事、シリアル・キラーを自分の手で射殺したトラウマを癒やすことができず退職し、今は私立探偵(ん? どっかで聞いたような設定…)。ハーヴェイ・カイテルがやるはずだった役なんでしょうね。

 共演が、クラインの調査協力者となる香港警察の刑事「孟子」役のショーン・ユー余文樂と、マフィア組織ボスのス・ドンポ役のイ・ビョンホン李秉憲。その美しき愛人だが麻薬依存症のリリ役がトラン・ヌー・イェン・ケー。クラインが射殺の記憶に悩まされるシリアル・キラーのハスフォード役が、カナダ出身、アクターズ・スタジオで演技を学んだイライアス・コーティーズ(エリアス・コーティアスとも表記。「ゾディアック」(07)「コラテラル・ダメージ」(02)「シン・レッド・ライン」(98)「悪魔を憐れむ歌」(97)デヴィッド・クローネンバーグ監督の「クラッシュ」(96)ほか)。

 そして、失踪し誘拐の疑いがあると家族がジョシュ・ハートネットに捜索を依頼することになる富豪御曹司、シタオ役の木村拓哉さん。ショーン・ユーとの共演シーンがかなりある様子です。
 これは……中村獅童と木村拓哉さんの共演映画実現を目論む某A社映画部門のプッシュがあったのか…? いやこれは単なるナントカの勘繰り。トラン・アン・ユン監督はドラマ「華麗なる一族」も見ていて、7月下旬には密かに来日して打ち合わせしていたそう。うわーん、緊急来日トニーとはすれ違いだぁ!

 というわけで、助演とはいえ、ショーン・ユー君のカンヌ・レッドカーペット闊歩が楽しみですねえ。今月は4作の映画が同時にクランクイン、今年後半で6作の映画を撮る予定というほどの売れっ子になってますし♪(10月には南京大虐殺を描く中国映画に出演し、一般庶民を演じるとか…ひぃぃ、大日本帝国軍の兵隊の銃剣で殺されるのかぁぁ! まさか自分で墓穴掘らされて、日本人兵士が日本刀で首を……あああぁぁぁあ…)

 韓国系新聞サイトでは、イ・ビョンホンの役名は「蘇東坡」_| ̄|○。(ヲイヲイ…北宋代最高の詩人の名前じゃないか…)。木村拓哉の役名は「石島」。うん、シタオよりはマシ…。

 中華系新聞サイトには、失踪したのは中国富豪の御曹司で、木村拓哉の役は現在のところ不明、と報じているところもある。


 残念ながら米国滞在中に足を負傷して、アクションシーンの撮影が不可能だからと降板を余儀なくされたダニエル・ンー呉彦祖ですが、なぜか21日、イ・ビョンホン、ショーン・ユーの九龍城・旧啓徳国際空港跡地でのカーチェイス撮影現場にいたとか。午後4時過ぎでもまだまだ炎天下で暑く、ダニエルはジュースや冷やしたお茶を段ボール箱一個分、気前よく差し入れし、イ・ビョンホンと握手して挨拶し、ショーン・ユーと談笑していたとか。…ダニエルの友情出演も有り得る??
 イ・ビョンホンはパパラッチに気づいてもムッとした顔もせず、微笑して手まで振っていたそうです。
 あいにく午後6時過ぎには夕立に見舞われ、6時15分過ぎには撮影はお開きに。

 このフレンドリーな皆さんのフレンドリーな雰囲気の中に、果たしてまたまたの日本代表選手?は溶け込めるんでしょーか…?
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posted by nancix at 23:52 | Comment(3) | TrackBack(0) | アジア映画

2007年07月02日

エドワード・ヤンの静かなる微笑み

 エドワード・ヤン楊徳昌監督の訃報を、ついさっき知った。

 米国ビバリーヒルズで結腸癌と7年闘い続けてきて、ついに6月29日に力尽き、自宅で亡くなられたそうだ。

 ……ガンを発病していたことですら、全然知らなかった……。香港以上に冷え込んだままの台湾映画界で、資金集めに苦労しつつ、じっくりと次作のプランを練っているんだろうとばかり思ってたのに。
 享年59歳。nancixの亡き母がガンで亡くなったのと、同じ年齢じゃないか…。
 映画監督としては脂が乗り、ますます円熟味を増した人物描写で楽しませてくれるはずの年齢なのに。

 思えばチョウ・ユンファという、アクションもハートフルな恋愛もイメージかなぐり捨ててのコメディもやってのける稀有な男優との巡り会いをきっかけに、香港を中心とするアジア映画に興味を引かれた頃、羅針盤にできたのはたった2冊の書籍だけだった。

 「電影ニューシネマ イメージフォーラムNo.103」(88年、ダゲレオ出版)と「台湾香港新映画宣言 WAVE21」(89年、ペヨトル書房)。
 どちらでもエドワード・ヤン監督は注目すべき映画人として紹介されていた。だけど4人の新人監督がオムニバスで撮影したという「光陰的故事」(82)も、クリストファー・ドイルが撮影し、シルヴィア・チャン張艾嘉が出演した長編映画第一作「海辺の一日/海灘的一天」(83)も、「恐怖分子」(86)も、当時は上映会もなく、見る機会に恵まれなくて、ただただ本の簡単な紹介で、どんなシーンがどのように展開されるのか、想像してばかりいたものだ。ほうちゃんことホウ・シャオシエン侯孝賢監督の作品は、すでに東京じゃ映画祭まで開かれて、一気見もできてたのになあ。

 そして第4回東京国際映画祭インターナショナル・コンペティションで、あの衝撃作「クーリンチェ少年殺人事件/[牛古]嶺街殺人事件」(91)に巡り会う。チャン・チェン張震のデビュー作でもあるこの作品、長いながい、重いテーマの映画なのだが、決して飽きなかった。最後まで息を詰めるようにして見届けた。
 少年のあどけなさや初々しさと、危なっかしい、思い詰めがちな生真面目さを併せ持ったチャン・チェン。その実父でありベテラン俳優でもあるチャン・クォチュー張國柱(ジェリー・イェン出演の「「白色巨塔」 にも出てる)が見せた、大人の苦悩と葛藤。能面のような色白、静謐なクールフェイスが日本のカワイコちゃんアイドルには決して出せない少女の妖しさをかもし出していた、ヒロイン。
 ただ途中で日本のヤクザ映画か歌舞伎の"だんまり"か?という大立ち回りが、暗闇のなかで展開するので、いやそんな凄惨な抗争描写でなく、少年犯罪の経緯に早く話を戻してよ、と思ったのも確かである。何だかその後、4時間バージョンも、ビデオだっけ?で発売されて、さすがにこっちには手が出せなかったっけ。

 「恋する惑星/重慶森林」を追いかけフラレまくった94年、nancixは初めて香港から台湾に足を伸ばし、西門町に宿を取って台湾・香港映画を見まくった。そのなかの1本が「エドワード・ヤンの恋愛時代/獨立時代」(94)だったんである。

 Confucian Confusion=儒者の困惑、なんて韻を踏んだ英語題がついていて、アイロニーあふれる漢字字幕が随時挿入されるのだけど、要するに"ギョーカイ人"とその周辺の男女の恋愛群像劇であって、日本の舞台劇にアレンジしたって充分受ける内容。
 まあ日本人女性にはあまり見られないほどやいのやいのと叫びまくるボーイッシュな女社長と、その彼女に、愛されキャラでソツの無いお嬢さんぶりをなじられ困惑する"台湾のオードリー・ヘップバーン"チェン・シャンチー陳湘[王其]、結婚しても苦労させられるだけとはなっから解るような、殴りたいほどだらしなくロクでもないトホホ男どもの右往左往、を描いていて。
 nancixにとっては明石屋さんまと大竹しのぶなんかでリメイクしてもおかしくないなあ、ヒロインを巡る連中が宮本亜門のそっくりさんと、佐野史郎のそっくりさんと、大鶴義丹のそっくりさんと、松尾貴史のそっくりさんと、越前屋俵太のそっくりさんにしか見えないし、なんてふうにしか思えなかったのであった。
 これを日本の映画批評家が「都市部の若者たちが感じている伝統的な価値観と現代的な実利主義との葛藤を表している」なんつー小難しい言葉を駆使して絶賛し深読みするので、これだからアジア映画への一般女性の敷居が高くなるんだわ…と痛感したりもしたのだった。

 だって、常日頃トホホ男に手を焼いているOLやら自営業やらの女性が見たって、絶対苦笑いできるし女の友情についてわが身を振り返れるし、ギョーカイ人に憧れたって所詮は連中だってトホホ男に過ぎないんだよ、と教訓を得られるし……ってな気安いアプローチで、なぜ誰も紹介してくれなかったんだろう。

 台湾くんだりまでわざわざ出かけていってトレンディー恋愛群像劇を見る必要があったのだろうか、などと首をひねりながら、まあいいや次、とばかりに「アンディ・ラウの天と地/天與地」(94)上映館に移り、「しまったぁぁぁ、北京語吹き替えだぁぁぁ」と内心泣きながら映画館内を舞台にしたアンディ兄貴の派手なワイヤーアクションに口を開けて見とれ、何十回めかの(やっぱりどーしてもこーしてもこういう悲劇的な結末にしないとアンディ兄貴は気がすまんのかーーーい!)との内心の叫びを上げながら堪能したことであったよ。

 その年の秋、第7回東京国際映画祭・京都大会で、いちはやく「エドワード・ヤンの恋愛時代/獨立時代」が上映され、おなじみ宇田川幸洋せんせとエドワード・ヤンが上映後のティーチ・インに現れたのだった。
 「少年時代から、コミックを読むのも描くのも好きだった」と話していたエドワード・ヤン。確か映画製作のかたわら、コミック雑誌の編集長を務めていた時期があったはずだ。当時、開港したばかりだった関西国際空港に降り立った時、後の便で到着するはずの当時の妻でベテラン歌手のツァイ・チン蔡琴(トニー・レオンとは「地下情」で共演、「インファナル・アフェア」シリーズの挿入歌「被遺忘的時光」の歌い手)やスタッフを待つ間に、空港案内所で「宝塚市立手塚治虫記念館には車で何時間ぐらいで行けるのか?」と聞いていたというほどだ。
 彼の個人プロダクションは「アトム・フィルム/原子電影」と名付けられ、「エドワード・ヤンの恋愛時代」に登場するある人物は「アトムだいすき!」と日本語でプリントされたTシャツを着ていたりもした。「関空からは往復4時間はかかります」と案内嬢に言われ、その日の見学はあきらめたとのことだったが、その後宝塚に行ける機会はあったのだろうか。1995年8月には、蔡琴とも離婚したし……。

 するってぇと、エドワード・ヤン監督が神戸100年映画祭のゲストとして来神してくれたのは、 「カップルズ/麻将」(96)の完成後のことだったんだろうか。「さらば、わが愛〜覇王別姫」の日本公開前だったチェン・カイコー陳凱歌監督、長蛇の列ができた「ブエノスアイレス」撮影中だったクリストファー・ドイル杜可風に比べると地味な扱いだったけど、地元映画サークル所属の映画祭スタッフと、テルちゃんこと暉峻創三せんせとの計らいで、地元での映画祭の告知に少しだけ賛助できたnancixも、夜の古めかしいパブでの歓談会に参加させてもらったと記憶しているんだけど。それともあれはメイベル・チャン張婉[女亭]&アレックス・ロー羅啓鋭が来神した99年のことだったっけ? エドワード・ヤンとは、テルちゃんが「ちょっと飲みに行きますか」と数人だけを誘ってくれた時に同席したのかなあ。

 寡黙で、だけど店内に流れるジャズに耳を傾けながら、気だるい雰囲気に身を浸しているようなエドワード・ヤンだった。こちらも決して雄弁ではなくトツトツとしゃべるテルちゃん、英語のボキャブラリーに不自由なnancixでは、わっと盛り上がるまではいかなかったし、いくら手塚漫画の話をしたくても台湾題名と日本題名の対照表でもなければ会話にできないジレンマがあったりした。覚えているのは「音楽でいちばん好きなのはどんなものですか?」とnancixが聞くと「……ビートルズ」と答えたのが、やや意外だったことぐらいだ。てっきりビートルズ以前の、いわゆるオールディーズなのかと思っていたのだが…。
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posted by nancix at 03:33 | Comment(3) | TrackBack(1) | アジア映画

2007年06月03日

6月16日から上海国際映画祭開催

 香港國際電影節&香港電影金像奨領奨典禮に追いつけ追い越せで頑張っている、中国唯一の国家A級クラス国際映画祭「上海電影節」=上海国際映画祭&金爵賞、今年でついに第10回を迎えました。今年は6月16日〜24日に開催です。(公式サイト、むちゃくちゃ重くてなかなか表示されません。海外からの閲覧は当局の監視下にあるのか??)
 すでに映画祭参加が確定しているゲスト・スターは、王家衛と組んでのディオールCAPTUREのCM撮影もしたシャロン・ストーン、ドラマ「LOST」や映画「プライベート・ライアン」(98)で知られるカナダ生まれのネイサン・フィリオン
 母親が上海人のマギー・チョン張曼玉、ジェイと再会かアンソニー・ウォン黄秋生、いまやすっかりジョニー・トー一派のニック・チョン張家輝、シャーリーン・チョイ蔡卓妍、
 台湾のスー・チー舒淇、ジェイ・チョウ周杰倫、チャン・チェン張震、すっかり男っぽくなったチェン・ボーリン陳柏霖、
 韓国からは「王の男」「初雪の恋〜ヴァージン・スノー」の若手俳優のイ・ジュンギ李準基、ドラマ「イブのすべて」と中華圏映画「セブンソード/七剣」(05)でブレイクした女優のキム・ソヨン金素妍、
 日本からは「武士の一分」が参加ということで、「SAYURI」でも中華圏で注目の我らが桃井かおり姐さん(主人公役は呼ばれていない様子)、
 中国武侠ドラマで人気のホァン・シャオミン黄暁明、リウ・イエ劉[火華]、チェン・クン陳坤(彼はヴィッキー・チャオ趙薇と北京電影学院で同級生だったそう)、「墨攻」の紅一点で上海戯劇学院出身のファン・ビンビン范冰冰、「セブンソード/七剣」「門徒」(07)のチャン・ジンチュー張靜初、大ベテラン女優のスーチン・ガオワー斯琴高琴や「大地の子」の陸一心の妻役が懐かしいチァン・ウェンリー蒋[雨/文]麗、米中合作映画「紅美麗/Shanghai Red」(07)のヒロイン&製作プロデューサーも務めたヴィヴィアン・ウー郎君梅、
 という顔ぶれ。
 久しく中国映画関連のイベントに出席していなかったマギー・チョン、今回は回顧上映特集の対象になるそうで、これは出席しないわけにはいかないでしょうね。あああ、上映されるフィルムとマギー本人を、瞬間移動でそのまんま東京国立近代美術館フィルムセンターにさらって来たい! 金もヒマもコネもない単なる日本人ファンは指をくわえてせっかくの機会を傍観するしかなくて、辛いなぁ……(T_T)。

 今年から、カンヌやベルリン映画祭と同じく国際フィルムマーケット部門が設けられることになり、取引会場は中国映画と国際映画に分けられます。また中国映画撮影基地展(中国国内の撮影所紹介ってことかな)、共同撮影プロジェクトの商談コーナーも設置され、3ゾーン構成に。上海影視楽園で日本のドラマ「華麗なる一族」、横店影視城で映画「西遊記」、勝強影視基地で映画「魍魎の箱」を撮影したようなケースも、世界的にもっと増えるかもしれないわけね。

 73の国と地域から895作品が参加とのことで、誰が全作品を見られるんだか(^_^;) あっ犬童一心監督の「眉山─びざん─」もコンペ部門に参加してます。「蒼き狼」よりも興収的によかったと伝え聞く「バッテリー」や、のだめこと上野樹里主演の「幸福のスイッチ」、チン・シウトン程小東が参加した「どろろ」も「日本映画週間」(6月17日〜26日)で招待上映予定。この「日本映画週間」協賛企業募集の勧誘ページを見ると、1口1万元(約16万円)なんだそうで、うひゃー……。

 目玉となる中華圏の作品といえば、

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2007年05月15日

ユンファ、"友情出演"を否定

 【続報】 前後しますが、東方網経由での北京娯楽信報の報道によりますと、黄蓋役は、14日午後に中国の俳優・チャン・シャン張山が「赤壁」製作側との正式出演契約を成立させたそうです。何というか、綱渡り状態…。

 この張山という俳優は、CCCVこと中国中央電視台が4年かけて製作、日本でもNHK BSで放映されたことがあり、今ではDVD-BOXになっている1994年度テレビドラマ「三国志(原題:三國演義)」(全84話)で趙雲役を演じたことがあります。
 この「シネマルネサンス」のページで、趙雲に扮した張山の勇姿が拝めます。上から5番目、銀白色の鎧兜に身を包んだ方ですね。
 このヒトとトニーが示し合わせ、衆人の前で言い争い、トニーが激怒したフリして杖で百叩きする(させる?)のか〜〜。
 曹操の"潜入捜査官"にその姿を充分見せ付けておいて「こんな仕打ちをする周瑜には到底付いていけません。寝返ります」と黄蓋が一芝居打つのか〜(だからそれは「三国演義」のエピソードで、正史に基づく『赤壁』ではあるかどうか…?)
 でも孫堅の代から仕えた老将にしては、若く見えるような。あっでも94年のドラマだからこのときから13年経ってるのか。老けメイクすればおかしくないか。

 北京娯楽信報の記者は当初、「赤壁」広報担当の翁さんに問い合わせ、ユンファの「黄蓋」役での友情出演は「可能性大です。『パイレーツ・オブ・カリビアン3-ワールドエンド』の宣伝に香港を出発する前に、チョウ・ユンファが自ら製作サイドに連絡を入れて来て『黄蓋』役で復帰を、と申し入れてきた。しかし協議中で、まだ口約束の段階なので可能性は大であるとしか申し上げられない。劇中で400人以上の武将が登場するのですから、大スターがどこにゲスト出演してもおかしくありません」という証言を得ていたそうです。
 ところが、記者が原稿を書き上げた直後、突然張山が黄蓋役で出演とのニュースが飛び込んできた。すぐに張山のマネージメント会社の華映星國際傳媒集團の広報担当者に連絡を取ったところ「契約成立は事実。チョウ・ユンファがこの役を演じるかもしれないという話は全く知らなかった」との返答。「『赤壁』製作側が流した派手な宣伝なのかもしれません。しかし我々の手元には契約に合意したという証書があります。我々は今日の午後、正式な契約を交わしたのです」という話も聞けたということです。
 広報担当者も記者も、混乱の極みですね…。やれやれ。
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 やはりチョウ・ユンファご本人は否定されたそうです〜。
 今朝の香港「文匯報」サイトによりますと、同紙の記者がチョウ・ユンファ周潤發に電話連絡を取ろうとしましたが、もちろんチョウ・ユンファは「パイレーツ・オブ・カリビアン3/ワールドエンド」のプレミア上映に参加するため香港から米国に出発した後。しかし、アシスタントを通じて記者の問い合わせに返答をくれたそうです。
・「赤壁」に黄蓋役で友情出演する、という説については全く知らない。
・ユエン・ウーピン袁和平監督の「周瑜傳」なる映画の出演依頼を受けたという説についても、映画自体「聞いたことがない」。
 とのことで、やっぱりデマかーーーーっ!
 東方日報もユンファ側のアシスタントは否定した、と報じています。ただし「黄蓋」役はいったんは中国のある俳優に決まっていたが、ウー監督が面談して役に合わないと判断、配役発表を保留しているとも。そこからこんな話が出て来たんでしょうか?

 しかし一方、中国の東方網では午前0時半付けで
ユンファがジョン・ウー呉宇森に電話をかけて丁重に契約不成立の行き違いとそれに伴い多大な心労をかけたことを詫び、ギャラ無しでいいから何かお手伝いしたいと涙声で告げ、ジョン・ウーももちろん感動して熱い涙を流し、双方泣きながら和解し、ウー監督はすぐに復帰を快諾し、テレンス・チャンと検討して臨時に参加できる役として「黄蓋」役を選び、しかしこれらは口約束であって本契約成立ではないので、前回の騒ぎを教訓として、大々的に発表しないのだ…
と、まことしやかに伝えているのでした。
 うーーーーーん…香港と中国のメディアの温度差が気になります…。 それに1本の電話で復帰決定って、ジョン・ウー監督が語ったトニーのエピソードを真似て大げさにしたようなでっち上げ方?で、ほんっっっとにもう、何だかなあ…。
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2007年04月22日

お買い物ユンファと東西映画界事情

 とりあえず、突然長いオフタイムが取れてプレッシャーから解放された気分なのか、
 夜7時ごろ、灰色のスポーツウェアに身を包みスニーカーを履きキャップを被った、完全な"休日のパパ"スタイル(*^^*)で、ユンファ兄貴は一人でぶらぶらと香港の九龍城(かなり下町の住宅街)の市場に姿を現しました。
 彼は市場の常連客なので、各店舗の店主も一般市民も「發哥(ユンファ兄貴!)」と、気軽に呼びかけていたといいます。
買い物中ユンファ
 香港の街中でお買い物するチョウ・ユンファ周潤發兄貴。

 香港で見た「満城蓋帯黄金甲」では(……老けたなぁ…(T_T)でもよくぞここまで、自己チューで歪んだ心の帝王の役作りをしたなあ)と内心涙しつつ喝采したものですが、すっかり若返って見える…。

 香港市民は80%の敬意と20%の好奇心で、彼を眺めていたようですよ。中には市場に入る前のユンファ兄貴に、自分の携帯電話カメラをかざして「2ショット写真お願いします!」と頼む市民も。ユンファは笑顔で応え、自分でその市民の電話を手に取り、ふざけて自分を撮影したりしていたそう。
 また子どもが「サインくだしゃい」と頼むと、ユンファ兄貴は気さくに応え「勉強、頑張るんだぞ!」と子どもに言い聞かせてから、市場に入ったのでした。

 ユンファ兄貴はまずは魚屋に向かい、エビやカニ類を1袋買いました。店主が生きたカニを調理している間、彼は外の雑貨店にも入り、海鮮料理に使う調味料を調達。また顔馴染みの店主や常連客と冗談を言い合ったりして立ち話を続けたのでした。
 まだカニの調理が終わらないので、ユンファ兄貴は店の隣の惣菜屋台を覗き、店頭で調理中の各種の煮物や炒め物の香ばしい香りを嗅いでしばし楽しみました。そして1箱16香港ドルの惣菜を二種類選び、2箱で30ドルにしてもらってアツアツをお持ち帰り。代金を払う前に店主と値引きの掛け合いをしましたが、もちろん店主はユンファ兄貴が冗談半分で「まけてくれー」と頼んでいるのを解っていて、2箱に目一杯惣菜を詰めてやり、彼が自宅に帰ってゆっくりと食事できるように取り計らったのでした。
鼻くんくんユンファ

 ユンファ兄貴の食欲旺盛なこと、また街角でフランクに話しては笑っていたことで、取材陣は彼が最近の一連の騒動に少しも影響を受けず、人生を笑って楽しく過ごしていることを悟った、と書いてありますが、意識的なデモンストレーションなのでしょうか…? 明らかに芸能記者に尾行され撮影されているのに気づいてますが。

 そしてこの海鮮の手料理と惣菜、夫人と二人で食べたんでしょうか…?

 こんなフランクでゴーイング・マイ・ウェイで庶民的なユンファ兄貴が、なぜ「赤壁」契約に対して強硬になり一方的に悪者にされるハメになったのか…本当に合点がいかない(泣)。

 匿名スタッフが語ったという、契約条件のなかに「撮影現場ではウー監督と台詞担当者以外は一切、ユンファと口を利くな。違反した時はすぐに降板する」なんて条件が本当にあったのか誇張が過ぎるのか解りませんが、誰も口を利いてくれない、きけない職場なんて楽しいですか? よほど「満城蓋帯黄金甲」(日本公開予定)の撮影現場で何かあったんでしょうか。持ち前のサービス精神で冗談口を叩いたら現場に居合わせた誰かから漏れ、芸能記者がそれっとばかりに悪く書きたてたんでしょうか…?

 ところで、華商報の記者はハリウッドと中国映画の両方にまたがって仕事をしてきた、事情通の何人かに今回の件にちなんだインタビューを敢行しています。東西合作の現在がわかりちょっと興味深かったので、はしょってご紹介。

 インタビューされた一人は、懐かしの女優ヴィヴィアン・ウー郎君梅。「ラスト・エンペラー」で清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀から離れていく、泣きそうな顔の第二夫人を演じましたね。その後彼女は渡米して「ミュータント・ニンジャ・タートルズ3」「天と地と」(93)などに出た後、「ジョイ・ラック・クラブ」「宋家の三姉妹」(97)のような文芸作品にも出演。「宋家の三姉妹」以後、中国映画界での仕事に重点を置き始めたとのこと。最新作は29日から公開予定の米中合作映画「紅美麗/Shanghai Red」(07)で、ドラマ「デスペラートな妻たち」でヒロインの一人スーザンの元夫役を演じたリチャード・バージと、香港のケニー・B鍾鎭濤と共演。監督はOscar L. Costo。ヴィヴィアンはこの映画の製作プロデューサーも務めています。
ヴィヴィアン・ウーとリチャード・バージ

 ヴィヴィアンによると「紅美麗」もハリウッドスタイルで製作・撮影し、どのキャストもハリウッド俳優と同じ待遇だった、またハリウッドから上海にやって来たCosto監督も、撮影監督らも、撮影チームもハリウッドの標準的な映画撮影時と同じ扱いだったといいます。

 また記者はヴィヴィアンに紹介され、この作品の別のプロデューサー、台湾出身で現在は北京で仕事をしているスン・ワイクォン孫維均にも電話インタビューしています。
 ヴィヴィアン以上に業界に詳しい孫維均によると、俳優へのギャラの支払いは、ハリウッドでも出演契約を交わした後に、支払いを開始します。まずはギャラの2割を手付金とします。俳優が撮影を始めてから、またギャラの3割を支払います。撮影が峠を越し半分辺りまで撮り終わった時に、さらに3割を払います。撮影が無事に終了した後、最後の2割を支払うのです。
 もしもユンファ側が「ギャラを一括払いで、撮影開始前に支払ってくれ」と要求したとすれば「それはユンファ側の製作チームに対する不信の表れでしかない、普通は俳優がそのような要求をするはずがない」と孫維均は言うのです。映画撮影には莫大な資金が動きます。俳優が撮影前にそのような多額のギャラを取ってしまえば、映画撮影に大きな影響を及ぼすのです。

 またユンファが「満城蓋帯黄金甲」で、出資会社の北京新画面影業有限公司社長のチャン・ウェイピン張偉平プロデューサー(「HERO/英雄」でも製作総指揮したんですね…忘れてた)と組んだとき、張偉平はユンファが宿泊地(ホテル)を出発した時間からを就業時間としてギャラ請求したことに、とても不満を抱いたと報じられています。
張偉平と張藝謀
 長年の盟友、チャン・イーモウ張藝謀監督と、病院薬剤師から不動産投資や航空、食品業などで成功し、映画製作に転じた経歴を持つ張偉平です。

 孫維均が記者に説明したところによると、ハリウッド基準では、俳優の1日の就業時間は8時間が標準で、また週休2日制なのだそうです。しかし一般的に言って、この俳優の「就業時間」は楽屋やメイクルームに入ってからで計算されます。宿泊地から計算し始めるのは、不合理といえないだろうかと、記者は疑念を明らかにしています。
 トニーとマギー・チャン張曼玉が「HERO/英雄」撮影で、ロケ地まで自転車で仲よく"通勤"していた時間は、まさか就業時間とはいえないでしょう…。もしも俳優の宿泊地がスタジオやロケ現場から車で2時間離れているなら、その移動中の2時間まで就業時間に含められるものなのでしょうか?
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2007年04月19日

トニーは「赤壁」周瑜、ユンファは孫文に?

 今朝の香港・台湾ニュースサイトでも、トニー・レオン梁朝偉が改めて「赤壁」に加わることが報道されました。
 「周瑜役」と断言するところもあれば、台湾「総合新聞網」のようにトニーのマネージメント事務所の澤東公司は「トニーはじっくりと脚本を読み、それから役柄についてジョン・ウーと討論する」と言っているところも。

 そして奇妙なことに、本来は金城武が演じると発表されていた映画「孫中山」の孫文役を、突然チョウ・ユンファが演じることになると、台灣電影基金會のチュウ・フウション邱復生董事長(かつては「悲情城市」の製作者)が発表したところによると、この作品で孫文を演じるには大量の英語台詞を話さなければならず、ハリウッドでも実績を築いてきたユンファが適任だし、最も重要なのはユンファのまなざしが、孫文のものとそっくりなことだ、と言うのですが…??
 nancixは孫文さんとゆかりの深い神戸生まれの神戸育ちで、地元紙などで写真も幾つか拝見していますが、同じくっきり二重まぶたでも、ユンファ兄貴のいかにも南方中国人のパッチリまなこと、孫文さんの、夏目漱石を連想させる文人の奥深いまなざしは、あまり合致しませんが…。
 あまりのタイミングのよさに、記者が邱復生に「ユンファは孫文を演じるために、周瑜役を降りたのか?」と問い質すと、彼はこの映画がまだ準備中であるため、キャスティングに影響を与えないために詳細は語りたがらなかった、とのことです。

 さて、かつては米国留学中の大学生の身ながら、夏休みにジョン・ウーのもとで映画のタイロケの下働きを務め、映画界入りのきっかけを作り、
 なおかつUFO電影人製作有限公司で活躍時には、チョウ・ユンファ主演作として「裏街の聖者」製作を企画し、米国から香港映画界に戻ってからも小説「待ち暮らし」の映画化をユンファ主演でと企画していたピーター・チャン陳可辛監督は、ユンファの降板&ジョン・ウー呉宇森との決裂のニュースに大変ショックを受けています。
 ピーターさんのハリウッド進出に大いに貢献し、「ウインターソング」も共に創った米国人プロデューサーのアンドレ・モーガン氏と共に、台湾で新会社「發行拳發行國際有限公司」(東西のメインストリームの映画を配給する会社だそうで、「TAXI4」の台湾配給も手がけるとのこと)を設立したピーターさん(また会社作ったのかー!)。「赤壁」をユンファがギャラ問題と脚本の遅れを不服として降板したと聞かされ、大いに震撼したそう。
 俳優が早くからシナリオに目を通すことと、それに関連して待遇に対する要求を提出するのはごく当然のことであり、誰が誰に対して間違っていたかではない、要するにコミュニケーション不足がもたらした悲劇だと、ピーターさんは言うのです。
「(自分の最新作の)『投名状』を例にとれば、昨年12月1日にクランクインしたときはただシノプシスがあるだけで、今年の撮影終了の3日前まで、完全な脚本はなかった。3大国際ビッグスターを起用することは自分にとってとても大きな挑戦で、幸いに自分自身は独裁的な監督ではない、充分にスターと公平に接したので、とても順調に撮影が進んだ。みんな視点は異なるもので、自分が3人のスターのうち1人とコミュニケーションを取る時は、絶対に傍に来てもらって面と向き合い、じっくりと話し合った。そうでなければスタジオ内で(他人を介さずに本人同士で)互いに携帯電話(レシーバーかもしれません)でコミュニケーションを取ったよ」。
 「ジェット・リー李連杰と交わした出演契約も、ハリウッドクラスだよ。多くのビッグ・スターの契約項目は、100を超えるものなんだ。ジョン・ウーもチョウ・ユンファも、映画界で最も紳士的な監督と俳優だと僕には思えるのに。こんなに反目するなんて、これでは"相討ち"になってしまう。本当に残念だよ。実際には何があったのか、僕には本当に解らないよ」。
 また、ピーターさんはどの俳優も当然自分の役柄について主観と考えがあり、彼は監督はそれぞれの役柄のバランスを取るもので、それが映画のクランクイン時には俳優に完成脚本を渡せない原因だと言います。「投名状」撮影当時、彼は常にその日の撮影終了時に、俳優が素晴らしい演技をしたと感じ、帰宅後再びその日の演技を元に脚本を書き換えた、そのために完成脚本は撮影終了3日前にやっと出来上がったといいます。


 ええですから世界中を飛び回ってるおイソガシ屋のピーターさん、どうかサンドラとも東西各国の映画人とも仲よく、穏やかに付き合って、短気を起こさず頑張るんですよー!

 ところで、仕事しながら昨夜〜今朝飛ばし読みした中華圏ニュースを思い返してつらつら考えるに。
 一見、ユンファ降板劇に寄せてジョン・ウー支持を表明するかに思えた、4月18日の中影集団公司の声明文と、橙天艾迴公司が出した声明文が、にわかに重要なもののように思われてきました。
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posted by nancix at 07:54 | Comment(2) | TrackBack(0) | アジア映画

再び参戦! トニーが周瑜に!!

 ……やはり今夜も……寝られそうにないよ……トニー…(T_T)

 北京晨報に、出ました。「梁朝偉火線回帰《赤壁》 前諸葛亮改行扮周瑜」。
 "トニー・レオン、「赤壁」最前線に復帰 以前の諸葛亮孔明、転職して周瑜に"てな見出しですね。

 新浪娯楽では、「梁朝偉回赤壁救駕 暫定接替發哥演“周瑜”」。
 "トニー・レオンが戻って赤壁を救わんと操縦する 暫定的にユンファに替わって周瑜を演じる"とでも訳しましょうか。

 北京晨報の楊蓮潔記者は、周瑜諸葛亮(孔明)の宿命の逸話を踏まえつつ
「紀元210年、長い嘆息の後に"天はこの世に周瑜を生みながら、なぜ諸葛亮をも生んだのだ!"と一言残して、東呉における最高の美男子と称された周瑜が巴丘(現在の湖南省岳陽市一帯)で、血を吐いて亡くなった。現代では、カンヌ影帝トニー・レオンが諸葛亮を"投げ打って"、毅然として周瑜を選択することを決めた。昨晩7時(北京時間)、「赤壁」制作プロデューサーが各メディアに声明した。チョウ・ユンファの代わりに出演し周瑜を演じる人物が確定した。まさに先日、諸葛亮役を辞退したばかりのトニー・レオンであると。周公瑾(周瑜の字=あざな)は1000年以上後に、1作の映画を通じて宿敵の諸葛亮に打ち勝ったのだ、もって瞑目すべし」
と記事を始めています。

(中略) 中影集団が昨日発表したのは、後継者の俳優はチョウ・ユンファよりも若く、演技は素晴らしく、国際知名度もユンファに劣らないということだった……結果はぐるりと一回りして、ジョン・ウーは馬上から槍の一突きで殺し、先ほど出演を辞退したトニー・レオンを招き周瑜を演じさせることにしたのだった。「赤壁」のプロデューサー、テレンス・チャン張家振は昨晩発表した。「トニー・レオン氏と連絡した後、トニー・レオン氏はジョン・ウー呉宇森監督との20年以上の友情に基づき、またチョウ・ユンファ周潤發がキャストから抜けたことを見て、「赤壁」は中国映画史上これほど期待されている作品であるから撮り続けなければならないと痛感した。そこでジョン・ウー監督が、彼にチームに戻ってほしいと懇願した時に、彼は一言で承諾したのだ」

 記者がトニーのマネージメント事務所に確かめたところ、ジョン・ウーの招請を受けて、香港で王家衛の「一代宗師」の準備をしていた(え? 王家衛はまだカンヌ映画祭関連で忙殺されているはず…トニーは金像奨出席だし)トニーは、急いで北京に飛び、特別に「赤壁」の契約を結んだ。ジョン・ウーがかつて言ったようには、「赤壁」の周瑜はもうチョウ・ユンファに属さない。バトンを渡されたトニーはイメージ上、ユンファと相当違っている。しかしテレンス・チャンは「トニー・レオンの容姿はもちろん、彼が演技上で形作れる空間はとても大きい。トニー・レオン版の周瑜はきっと、大きな驚きと喜びを観客に与えるだろうことを信じている」と表明している。

 というわけで記者は了解した。「赤壁」の中の周瑜の役回りはとても重要で、決して金城武の演じる諸葛亮孔明よりも目立たないことはないと。

 トニー・レオンが周瑜を演じるにあたり、第一の難問は身長だ。「三国志・周瑜伝」の中に記載されている「背が高く容姿が壮麗」「身長七尺七寸」などによると、現在の180cmぐらいはあったはずだ。トニーの身長は古代の周瑜に比べて追いつかず、身長174cmの小喬役の林志玲と一緒のシーンでは、ハイヒールを履かなければならないだろう。
 第二の難問は、台詞をそらんじることだ。記者は理解しているが、「赤壁」の中の周瑜のファーストシーンは遅くても5月中旬に撮影開始になる。たとえトニーが昨日、最終稿の脚本を受け取ったとしても、1ヶ月足らずの時間で周瑜の台詞と演技を熟悉しなければならない。トニーの役作りに対する真剣さは映画界でも知られているところで、今年のゴールデンウイーク(中華圏の)にはトニーは休暇を取ることができないと看た。


 ゴールデンウイークどころか…トニーは、いやトニー&金城武ほかの皆さんは、これから半年以上、大変な苦労を強いられるですよ(T_T)
 身長のことは、言わないでやってよぉぉぉ! 林志玲とのシーンは、トニーが台に乗ってチーリンが裸足になって、足元を映さなければいいだけの話よー!

 さて、新浪娯楽の記事は…。
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posted by nancix at 03:37 | Comment(0) | TrackBack(1) | アジア映画

2007年03月30日

マギーは"南京モノ"映画に出演せず…

 はー、やれやれ。やっとマギー・チョン張曼玉本人のコメントらしきものが各紙に出ましたよ。
 「大紀元(epochtimes.com)
 「新華網
 「北京新浪網」などなど。
華のように微笑むマギー・チョン張曼玉

 マギーはやはり、陸川監督の「南京、南京」及び、スタンリー・トン唐季禮監督の「日記」という、中華圏における2大?南京事件70周年モノ映画の出演は辞退したそうです。「南京、南京」のシナリオは確かにマネージャーから受け取って目を通し、陸川監督や唐季禮監督とは積極的にやり取りをしてみたものの、最終的には出演する気にはなれず、とのこと。陸川監督は、女教師役をマギーに、女教師と恋仲?の軍士官役をトニーに、出演依頼していたようなんですけどねえ…。
 ただしジャ・ジャンクー賈樟柯監督の叙事詩映画「雙雄會」は彼女のお眼鏡にかない、出演を決めたそう。おっとその前に、何とツァイ・ミンリャン蔡明亮監督+ルーブル美術館の合作「莎樂美(たぶん、サロメ?)」もしくは「臉」のヒロイン役で出演する予定だとか。ロケはパリで行われる予定。共演はトニーではなく、もはやツァイ・ミンリャンの分身とも言えるリー・カンション李康生です。

 カンヌ映画祭で最優秀女優賞を獲得した「クリーン」(04)以来、スクリーンから遠ざかっていたマギーですが、「クリーン」以後、出演依頼のあった作品の脚本はなんと40数冊にも及ぶとか。彼女の役柄とストーリーに対する要求はますます苛烈になり、どんな類型的な役でも嫌がるわけではないけれど、自分の心を揺り動かすような物語や役でなければ、むしろ平穏なオフタイムを楽しんでいたいそうで。キモチはわかりますよ、ええ。
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posted by nancix at 23:46 | Comment(1) | TrackBack(0) | アジア映画

2007年03月15日

いったい三国志映画ブームはどうなって…

 いったい"三国志映画ブーム"は今後どうなってしまうんだろう、尻つぼみか?と心配になってしまった「三国志:龍的復活」改め「三國之見龍卸甲」からのアンディ・ラウ劉徳華降板の知らせ。

 かつては、ジョン・ウー呉宇森監督がユンファに加えアンディ&トニーの「赤壁」出演を熱望しているともっぱらの評判だったというのに、
 アンディは男一匹わが道を行く!とばかりに2006年10月15日に韓国・釜山電影節の機会を借りて、ダニエル・リー李仁港監督と組んでの「三国志:龍的復活」製作記者会見を敢行、
 そして現在では「三國之見龍卸甲」としてポスターまで出来上がっているというのに、
 ここにきて"アンディ・ラウ降板か?"っていうのは、どーしたことなんでしょう。
幻に終わるか?趙子龍アンディ

 14日の東方日報の記事を見て以来、反論や記事を笑い飛ばす、打ち消すような関係者の談話は出ないものかとネットサーフィンしてきましたが、どうも思わしくない。

 とりあえずアンディの映画会社(Focus Film?)の担当者は「我々が答えるべき話ではありません」と電話取材を拒否。うろたえているともっぱらの噂のダニエル・リー監督ご本人は、電話取材に対して「いま、私はすでに敦煌にいて、撮影準備を急いでいるところだ。ただの噂だろう? 仕事は順調、いまの段階で言えるのはこれだけ」でガチャン。

 そもそもこの「三国志」を題材にした映画は、中国・韓国(「王の男」「タイフーン」のCJエンターテインメント)共同で2500万米国ドル=約29億3000万円を投資(日本からの出資も有りとも)して、ダニエル・リー監督が幼い頃、文人だった亡き父が寝る前に枕元で語ってくれた三国志への思いが忘れ難く、2時間の映画にすることを目標に、「三国演義」を現代的に解読し新解釈を加えたという小説「三國之見龍卸甲」を書き下ろし、それを原作として蜀の国の大将軍・槍の名手の趙子龍(趙雲とも)の伝奇的な一生を中心に据えて描くという企画でした。

 アンディ自身も、子どもの頃から「三国演義」の漫画版を読んで育ち、文武両道の豪胆な趙子龍を演じることが長年の念願だったと大乗り気だった…自らの会社Focus Filmで製作を決めた、と記憶しているのです。

 当初は今年3月8日に敦煌でロケ開始、のはずだったのですが…。
 はて、アンディ本人はピーター・チャン陳可辛監督作品「刺馬」改め「投名状」の上海での撮影、ついこないだ終わったばかりですよねえ?  撮影は終わっても、アフレコ(録音)作業などがあるかもしれないし…。
 ダニエル・リー監督は4月1日から敦煌で撮影開始、アンディも6月から北京で「三國之見龍卸甲」の撮影に入る、とも読みましたが、ここに来て……。

 たとえば今回の降板騒動を伝える新華網の記事では
・ジョン・ウー作品「赤壁」と題材的にぶつかるため「三國之見龍卸甲」の投資者が(「赤壁」を上回るヒットを狙えるか)自信不足な上に(各国への配給権販売などでの)資金集めも難しい
・中国のリー・シャオホン李少紅監督が「青龍偃月刀」、香港のメイベル・チャン張婉[女亭]監督も女性的視点で「三國演義之紅[王久]瑰與白[王久]瑰」を企画する(年末にはジョウ・シュン周迅出演でクランクイン予定)など、三国志モノの濫作で観客にうんざり感を与える
・いくら2500万米国ドルの資金の大作と言っても「赤壁」の7500万米国ドルにはかなわず、ショボいイメージになってしまう。もちろんチョウ・ユンファ、金城武、林志玲、張震といった豪華な顔ぶれを揃えた「赤壁」に、たとえアンディ・ラウという金看板があってもかなうわけがない、「赤壁」は世界規模での公開を狙っており、そこまでの規模にはなりそうもない「三國之見龍卸甲」が頼みとするアジアマーケットだって「赤壁」に席巻されること間違いない。こうした情況では投資側が二の足を踏んでも致し方ない…ましてやアンディが降板しても…。
 なんて分析しております。

 いやそんなの、ずっと前から解っていながら、それでもあえて智恵と勇気と工夫でハリウッド後押しの大作「赤壁」に挑むんだって話だと思ってた…(唖然呆然)。

 この映画製作の夢を、14年も追って来たというダニエル・リー監督、無期延期なんてことになれば、さぞやご心痛でありましょう。
 アンディ、頼むからこの映画の代わりに、もう一つのトレンド(?)南京大虐殺を題材とした映画に出る、なんてことにはしないでくれい…(ーー;)。日本人として忸怩たる思いがあるんだからさ……出ないよね? ね?ね?

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posted by nancix at 23:58 | Comment(2) | TrackBack(0) | アジア映画

2007年03月07日

王家衛は關錦鵬と台湾青春映画製作

 トニー・レオン梁朝偉降板のニュースを聞いて、すわっっ王家衛が香港に戻って即興映画を撮影するんじゃ?と冗談のつもりで書いたりしましたが、
 実はホントに4月には、王家衛率いるジェット・トーンフィルム澤東電影公司が、初めての台湾映画製作に入るそうです。

 タイトルは「[泪少][泪少](Miao Miao)」
 猫の鳴き声みたいだ(^_^;)
 プロデューサーは香港・台湾共に人脈のあるスタンリー・クワン關錦鵬が務めます。
 主演は「サウンド・オブ・カラー/地下鐵」(03)でトニー・レオンらと共演した、ファン・チーウェイ范植偉。地下鉄天使として、様々な場面に登場するあの青年です。最近は、英語名がViterとなっている。ヴィター・ファンでいいんだろうか?
トニーとファン・チィワイ
 ↑「地下鐵」公開当時の范植偉クンと、トニー。

地下鉄天使の范植偉クン
 ↑「地下鐵」劇中の、クリスマスのショッピングモールでキャンディを配るサンドイッチマン、実は"地下鉄天使"姿になった范植偉クン。
 さあ思い出すんだ、「地下鐵」を見た皆さん!

 「最愛の夏」(99)で映画デビュー、「きらめきの季節/美麗時光」(01)を経て「地下鐵」の映画及び舞台劇に出演し、F4揃い踏みドラマとして知られる「部屋(うち)においでよ〜Come To My Place〜」の塩村ミキオ役など、ドラマ出演を活動の中心に据える。

 台湾の有名作家白先勇の同名小説を原作にした中国ドラマ「玉卿嫂」に昨年出演した後、ファン・チーウェイはいったん故郷の竹東に戻り、ビリヤード店を開いて経営に専念していたそうで。道理で全然、映画やドラマ出演の話を聞かないと思ったわ…。まだジェット・トーンとマネージメント契約をしていたのね。

「一年之初」ポスター そして台湾の女優、ケー・ジァヤン柯佳[女燕]。2006年の「一年之初/Do Over」という映画でスクリーン・デビューを飾っています。この作品は昨年の第19回東京国際映画祭アジアの風部門では「一年の初め」という邦題で上映されています。ティーチインには彼女も参加したんですね。
 もともとは幼稚園の先生をしていて、彼女の抜きん出た美貌に台北メトロの同じ車両に乗り合わせた業界人が驚愕、スカウトしてCMやミュージックビデオに出演するようになったとか。ジェイ・チョウ周杰倫のMV「楓」にも、ジェイの親友の恋人として登場しています。
 「[泪少][泪少]」が映画第2作目。何だか中学生(日本でいう高校生)時代に2歳上の初恋の男性と衝動的に結婚手続きを取り、激怒した父親は1年、彼女と口を利かなかった、芸能界デビューしたために結局は20歳で離婚せざるを得なかった…なんて過去も暴露されています。

 映画の内容は、2人の中学高等科の女生徒の物語。この二人は擬似同性愛関係にあるのかな? しかし1人の女生徒は、いつもビリヤード店にたむろしていて、ギターを弾き音楽好きな、どこか虚無的ムードを漂わせる若者を好きになってしまい…という、ライトコメディー?らしい。
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posted by nancix at 17:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | アジア映画

2007年02月20日

劉徳華主演「三國之見龍卸甲」にネット有名人出演

 ジョン・ウー呉宇森監督の「赤壁」もさることながら、アレはどうなってるの?と気にかかっておりました。
 そう、アレです。アンディ・ラウ劉徳華が旧友のダニエル・リー李仁港監督と組んで、ジョン・ウー+国際スター組にまっこうから立ち向かう…もとい、製作する「三国志:龍的復活」改め「三國之見龍卸甲」です。
アンディ三國志ポスター

 英語題は「Three Kingdoms-Resurrection of the Dragon」。
英題アンディ三國志ポスター
 おおっかっこいーーい。

 2006年10月15日に韓国・釜山で製作記者会見して以来、どうなってるんだろうなあ、タフなアンディ兄貴もさすがに「門徒」を撮影しながら「墨攻」プロモで来日したりして大変だもんなあ…と心配していたら、どしどし製作を進めて、この3月8日にクランクイン、敦煌での風景撮影は5月8日に終わらせ、6月に北京でアンディ兄貴が撮影開始、2008年3月1日に公開……、とまで具体的な予定を立てているらしい。ポスターも上記の2種類を発表済み。

 さすがはスーパープロデューサー様だ、仕事が早い!
 出資は中国+韓国となり、総投資額は2500万米国ドルに達したとか。
 
 で、出演者なんですけど。
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posted by nancix at 00:55 | Comment(2) | TrackBack(0) | アジア映画

2007年02月04日

この非常時に愛など…「墨攻」

 公開2日目の日曜夜なのに、「日立世界ふしぎ発見!」で取り上げてくれた翌日なのに「墨攻」観客は20人足らず…。
 神戸の観客〜〜。「どろろ」見るよりこっち見ようよーー!
「墨攻」中国版DVDジャケット

 嘆きつつも、面白く興味深く見ましたですよ。
 告白いたしますと、nancixはかつて「ビッグコミック」よりも「ビッグコミックスピリッツ」派でありまして、ビッグコミックでの「墨攻」連載時は「画力のあるヒトだなあ、描き分け上手いなあ」と感心しながら立ち読みしてたんですが(買えよ)、何しろ週刊だとなかなか話が進まない。
 しかも泥臭いかクセのある人物ばかりで、ちっとも爽やかな王子様だとか、すらりとした美青年だとか、美少年小姓だとかが活躍しない。
 主人公が澄んだ眼をした"ヒゲのおっさん"で、見た目はちっとも強そうじゃないのに超人的な跳躍や五感をフルに駆使して智略で活躍するのがミソ、と解ってはいたんですが、やはりオンナとしては美形に弱く。
 単行本で一気に読もう、よもうと思いながら月日がいたずらに流れてしまったことでした。

 かつて「北朝鮮で大軍勢のモブシーンを撮影する、北朝鮮軍部も全面的協力を約束してくれたよ」と嬉しげにジェイコブ・"ラヴリー"・チョン張之亮監督が語っていたのも、おそらくはこの「墨攻」のことだったんでしょうね。
 「北朝鮮だけは関わるのやめとけーー! 拉致軟禁されて将軍様の偉大さを称えるアクション映画を作らされたらどーするんだ! 朝鮮戦争での将軍様の尊父の大活躍を描く映画を作らされたら! 奥さんと娘さんと双子の息子さんがどれだけ心配するかーー!」と叫んだものでした…。

 結局、北朝鮮の代わり(というわけじゃないけど)に、ブイブイ言わせている韓国企業が出資してくれて、アン・ソンギ安聖基とアンディ夢の競演が実現して、この上もなくうれしいよん。
 若者向け韓国映画「デュエリスト」では、あまりにコミカルな演技をさせられていて(おいたわしや…アン・ソンギともあろう名優が…)と内心ハラハラと涙をこぼしたものですが、今回は渋い!
 いつかはアン・ソンギと緒形拳とチョウ・ユンファが異なる立場に立ちながら、熱い男の友情の絆を結ぶアジア合作映画を創ってほしいよ…と密かに願っているのですが、どーでしょうか井関惺(さとる)プロデューサー!

 妄想はこのへんにしておいて、映画の話。
 荒れた大地で、振り向く寂しそうな幼女に「隠れているのよ、絶対に出ちゃダメ…」と別の少女の声が響く、ちょっと謎めいた冒頭から、すでに「どろろ」とは異なり”映画だぁー!”と引き込まれます。
 
 革離って、北京語ではクーリーって発音するんですね。
 頭の中で勝手に「苦力」って誤変換するので、困りました。
 粗末な麻衣、粗末な靴(ブーツ?)に厩舎の藁くっつけたまま宮廷で梁国王に謁見する姿は、まさに「苦力」でしたけどね。

 その革離は、軍師として諸国に頼られている墨家の一員であり、なぜか墨家のグループではなく単身で、大国・趙の軍勢に蹂躙される危機を迎えた小国・梁の城にやって来る。

 趙といえば、「HERO 英雄」の残剣さまと飛雪の出身国であり、まもなく秦帝国に滅ぼされる運命にあるあの国でありますよ。映画「墨攻」ではまだ大国として権勢を誇っていて、燕国への侵攻を目論んで10万人の大軍勢を送り出したわけですが。
 燕国と趙国との境にあるのが、小国・梁なんですね。

 「HERO 英雄」中国語原作本では、軍師として趙国王に秦に立ち向かう軍略を説いた青年残剣さまに、ヘタレ趙国王が従わず、城を出た残剣さまが血の涙を流して咆哮し、一刺客となる経緯が描かれていましたっけ。
 一刺客となった残剣さまが、実の両親及び趙国民の復讐を目指す無名に、そして無名を通じて間接的に秦王に説いた「天下(を思え)」というのも、墨家が説いたという「非攻」「兼愛」の精神に近かったのでしょうか…?
 いやしかし、「大国の強大な統率者が天下統一してこそ戦乱の世を終わらせることができ、民の心を安らかにできる」という考えは、墨家の「非攻」の正反対の考えなのか。超人的な力を身につけた残剣さまには、凡人を統率したり弾圧したり政治的術策を謀ったりなんて面倒なこと、できないもんなあ。

 浦川とめさんも書いているパンフレットを読んで、いろいろ考えさせられました。

 後の趙国王がヘタレなら、「墨攻」の梁国王(ワン・チーウェン王志文)も祖国存亡の危機だというのに美姫をはべらせて酒宴にふけるばかりのヘタレ。確か、老獪な重臣の司徒(ウー・マ午馬)の勧めでだったか、あっさりと趙に「降伏する」と伝える親書を送ったと思う。なんせ10万人の大軍勢に対し、梁国は全住民足しても4千人…。
 梁適王子と牛子張将軍(チン・シウホウ銭小豪)だけが、危機感を露わにします。国王直属近衛兵の騎馬隊を率いるオスカル…じゃなくて女戦士の逸悦(ファン・ビンビン)もです。
 …って、おおっ! さすがはラヴリー・ジェイコブ。ちゃんと香港から昔なじみのチン・シウホウ銭小豪を起用しているではないですか。
 銭小豪、銭嘉楽(チン・カーロッ)兄弟といえば、幼時から武術を学び、80年代から90年代にかけて主演級のアクションスター兼アクション指導者としてならした兄弟。兄の方がすっきりと整った容貌で、女性にモテモテでスピード感溢れるアクションやカースタントを魅せてくれていましたよ。「セブンスカース・七番目の呪い/原振侠與衛斯理」(86)ではチョウ・ユンファ演じるウェスリー衛斯理の助手・原振侠の役とはいえ、実質的には主役として大活躍でした。懐かしいなあ。ジェイコブ・チョン監督とは監督の作品「玩命雙雄/Goodbye Hero」(90)で、身体障害者になってしまった元スタントマン役を演じて以来の縁なのかなあ。イー・トンシン爾冬陞監督とは縁が深いようだけど、アンディとは共演したことあっただろーか?

 そして名バイプレイヤーとして、台湾と香港で活躍したウー・マ午馬さん。「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」シリーズで人気を呼んだら、さっそく台湾でモドキ映画を製作し出演してたっけ。監督・映画製作者としてもベテランです。最近あまり見かけなかっただけに、何もかも、懐かしい…。

 梁適王子に侮られ「墨家に送ったはずのナントカ玉を持っていない」と疑われ、厩舎にしか泊めてもらえない革離。平気のへいざで飼い葉桶に藁を詰め込み、寝台にしてさっさと寝てしまいます。……ん? 飼い葉桶? まさか救世主イエス・キリストになっちまうのでは…?
 なりませんでした。しかし趙国の先遣隊を率いる高賀用隊長(将軍?)の出鼻を、逆光で放った1本の矢でくじき、弓隊の一兵卒・子団(ニッキー・ウー…っていうかウー・チーロン呉奇隆)の信望を得て、国王に要望してついには戦略に関する全権を得ることができました。
 ……さすがは元アイドルトリオ・小虎隊のニッキー。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのレゴラス王子ばりの気品と凛々しさで、戦場に咲いた一輪の花と化します。
 …花と思ったのはnancixだけか?

 革離は巧みな演説で国民の危機感を煽り、老若男女に囚人まで大動員して、食糧や物資をかき集めます。一兵卒の子団の抜擢に気を悪くし、弓の腕勝負を挑む梁適王子は、さすがに「宮廷女官 チャングムの誓い」でラスト近くにミン・ジョンホとの弓勝負を挑んだ"王様"晋城大君と同じ国の人…。いやいや。
 
 マクダラのマリアならぬ逸悦に付きまとわれ、困惑するストイックぶりは、いつものアンディ映画のノリですな。どうも逸悦の甲高い声が耳障りで、柴崎コウと声だけトレードしたかったです。
>>ややネタばれだが続きを読む
posted by nancix at 23:03 | Comment(7) | TrackBack(2) | アジア映画

「どろろ」「墨攻」ハシゴ〜!

 今朝は初めて、漢字検定試験二級と準二級を受検して来ました。
 社会人になってしまうと、なかなか「試験勉強」「試験」って味わえないものだしね。
 案の定、弱点だと思ってきた部首はボロボロだし、久々の「試験」にすっかり惑乱して「蚊」を「虫交」「撤去」を「徹去」「諮問」を「詔問」と書いてしまうし、
 さんざんでした…(--;)
 2級は200点満点で175点、準2級は185点は取れたと思うんだけど、どうかなあ?

 とにかく午後から映画鑑賞、晴れて解禁です!
 まずはミント神戸で「どろろ」鑑賞。
 うへ〜っ、前売券持ってシネコンの長い列に並んでならんで、ぎりぎり座席指定券にありつけた、満席でした!

 映画自体は…。
 確かにニュージーランドロケだけあって、タイヤ跡など少しもない広大な荒野、雄大な山脈、断崖絶壁には事欠きません。
 賢帝暦○○年、と架空の時代の架空の国の話ですから、「南総里見八犬伝」よりもさらにさらに自由に設定できるはず。

 しかーし。
 
 赤と黒の旗印のもと、激突する歩兵たちは「赤と黒のエクスタシー」がキャッチコピーだった某角川映画から借りてきたようにしか見えなかったし。
 黄色い落葉ハラハラ舞い散る中で、空中戦? アレ?
 クライマックスの対決で、和太鼓ドンドコドンドン? あれれ?
 
 さすがは、パクリドラマ「無間輪舞曲」を東アジアに売ったTBS製作の映画だ……。

 まあ今回は大御所チン・シウトン程小東をアクション指導に迎えて「パクリじゃないもん、ちゃんとギャラ払ってるもん」と言い訳できるよね(爆)。

 でもチン・シウトン先生、「満城蓋尽黄金甲」ではあんなにたくさんお気に入りの忍者を出せたのに、ご本家日本映画ではたった二人しか出させてもらえなくて、しかも弱っちくアクション付けさせられて、ご不満じゃなかったかと(^-^;
 母の遺言と、戦乱の世に放り出された孤児の少女…「宮廷女官チャングムの誓い」? 「功名が辻」の千代? あっこれは手塚治虫大先生の方が先か。

 予想外に柴崎コウが、野太い腕白そのものの声を出して、頑張って踏ん張って突っ張っていたんですが…。

 やはり中井貴一と、貴一っつぁんの息子役がピッタリな汎アジア顔の瑛太と、原田美枝子が現れると世界が変わるんだよね…ちゃんと手塚映画になる。
 義理の父・寿海役の原田芳雄はそのまんまチャン・イーモウ張藝謀の映画に出しても恥ずかしくない存在感だし、琵琶法師の中村嘉葎雄は「HERO 英雄」の盲目の琴弾きと見間違うばかりでありましたよ。

 妻夫木クン、止めのポーズは頑張ってクールにカッコよく決めているんだけど、やはりアクションの素養がないとこうなっちゃうか…。
 いいところはほとんど中国スタントチームが巧みに入れ替わってまして。
 何より、ウォーターボーイ・妻夫木クンの「隣のお兄ちゃん」的な親しみやすさは、テレビドラマサイズの画面なら映えるんだけど、スクリーンでは物足りない。「涙そうそう」で長澤まさみに「ニイニーィ(おにいちゃーん)」と甘えられ頼られてる方が、断然似合った。
 百鬼丸って、どんなに設定年齢が若くても(原作では14歳??)、ものすごい屈託を抱え、世の中を斜に構えて見てしまう昏さが必要だと思うのです。
 育ての親しか知らない、実の親に捨てられたらしい、生まれながらのハンディキャップを抱えて戦乱の世のどこにも居場所がなく、流浪しているという条件からしても。
 松田"悪夢探偵"龍平ほどの根っからのドス暗さでなくても、もうちょっと翳りと少年っぽさを兼ね備えた若手俳優ならなあ…。
 せめて、トニーさんみたいに減量して、頬をもう少しこけさせてくれれば…。

 何が「世界に通用する映画」じゃないなあと感じたって、やっぱり妖怪ですよ。
 クリーチャーのマンガチックさです