2枚がポストカード目当てに劇場で買った全国共通前売券、10枚がチケットショップで1枚1000円で誰かが発券したファミマの前売券。
「傷だらけの男たち/傷城」の前売券も、あと2枚に減った。日比谷みゆき座でトニーの緊急来日舞台挨拶に加えて映画を見たときは、関東の友人にチケットを買ってもらっておいたので、前売券が使えなかったのだ。
ええと、結局14回見るわけ? 自分。
香港でも2回は見たし…。
香港での第一印象は、
こちら。
二回目鑑賞完了後の感傷は、
こちら。
ちなみに、電話会社のサーバーらしき機械にノートパソコンを直繋ぎしデータを不法ダウンロードして、スポーツパブ「世界杯」のカウンターで封筒パンパン、阿邦に渡して報酬をもらっていた「線人」こと情報屋は、やはり撮影カメラマンのライ・イウファイ黎耀輝ではなく、脚本家のロー・イウファイ羅耀輝サンの方でしたね。谷徳昭と組んで「ゴージャス/玻璃樽」を書き、ジェームス・ユン阮世生とジェシカ・フォン方晴と一緒に共同脚本で「
神經侠侶」「我要成名」を書いた若手。せっかく阿邦に強いられてビールジョッキで乾杯したのに「行け! ビールは外買(おいまい=テイクアウト)しろ!」と追っ払われてまごついていた、あの人のよさそうな=要領の悪そうな兄ちゃんです。
……生ビールはいくらなんでもテイクアウトできないって、阿邦。ここは突っ込みながら笑うべきところ。
今日も大阪梅田で鑑賞。

この映画館=OS劇場&OS名画座は9月21日にいったん閉めて
、「TOHOシネマズ梅田アネックス」として10月1日からグランドオープンするらしい。
はるか昔は名画座の方で、見たくてみたくて待ちわびていた「グラン・ブルー」も見たっけ。
ここで「上海の伯爵夫人」も見たし、てっきり「ラスト、コーション/色、戒」もここで見るものとばかり思ってきたけど、どうなるのかなあ。映画業界、本当に再編や経営母体変更が多くてまさしく"ウォータービジネス"です。働く人も浮き草稼業だよなあ。
さて、こんなに見ているのに、やっぱり今回も冒頭、パブでの阿頭の指輪の有無を確認するのを忘れて、阿頭の挙動に会話に引き込まれてしまう。
一応DVDでは、指輪をしているのを確認したんだけど。

3年前だし……阿頭の計画は2002年にすでに開始されてるんだし…きっと電光石火の素早さでソッチャン周淑珍のハートを射止めて、婚約してたんだきっと。シンプルなプラチナのあれは、婚約指輪だきっとそうだそうに違いないアハハハ…捜査に取りかかると急いで外してしまいこんだんだ…と勝手に納得。
それと、阿頭が阿邦に依頼して入手してもらい、妻にプレゼントしたクラシックなカメラ。「TO My Dearest wife」なんて恥ずかしくなるくらいラブラブの英語メッセージは多分、トニー本人の字だよね。でも、機種は…?

反転してみると、こうなる。

ポラロイド社というロゴはかろうじて読めたんだけど、どんな形式のどんな機種だか、全然ワカリマセン。プロ用なのか…?
ポラロイド社って、ポラロイドカメラ以外も作ってたのかよー!
グラフレックスとかローライフレックスとかライカとかしかわからないよー!
LOMOやHOLGAだったら、現代ブロガーにも人気だけどさ…。
ポラロイド社なら「SX-70」だろーがよー!
キャノンやペンタックスやミノルタなら、メーカーに問い合わせメールだってできるのに…。
それと、今回はスー・チーの歌うような調子の「朋友〜」の台詞がしみじみと心に残った。
スー・チーってどうも同性に受けが悪い様子だけど、nancixはいずみさの国際映画祭で生スー・チーを見たせいもあってか、彼女を長く支援している某S氏の熱い語りを聞いていたせいもあってか、結構彼女はいいと思ってる。
多分、この「傷だらけの男たち」の第一稿だか、トニーがフェリックス・チョンやアラン・マックにローレンス・ブロックの酔いどれ探偵マット・スカダーシリーズについて熱く語ってた頃の設定では、フォン細鳳はもっと翳りのある女性で、阿邦の心から去らないレイチェルの影に呆れたり悲しくなったり苦しんだりで、もっともっと二人の仲はアンニュイな膠着状態、袋小路に陥っているという設定だったんじゃないかと思ってる。マット・スカダーの恋人で元高級娼婦(街娼ではなく、自分の住む豪華マンションに固定客を迎え入れるタイプ)エレインをイメージして。
それが、酔いどれ探偵役を金城クンが演じ、彼を愛する女性をスー・チーが演じることになって、かなり設定が改変され、大人のアンニュイな男女ではなく、もっと生き生きとした、香港の若者に受け入れられるような「可愛い」関係になったのではないか。
スー・チーの、天真爛漫な中に寂しさを垣間見せる演技、見る人がみなければ「またかのブリっ子演技」にしか見えないかもしれないけど…。
阿頭が妻を阿邦に初めて引き合わせ、フォンがサンミゲルビール・ガールとして初登場するシーン。実は、彼女はこんな台詞を吐いているのだ。

「
人生有個真正朋友呀!(人生には真の友ってものがいるものじゃないの!)」…真の友ならgive&takeで助け合うものでしょ? なのにあんたはこのサンミゲルビールキャンペーンガールの格好のワタシに、ビールじゃなくてウイスキーのロックばっかり注文するのね!友達にしたってあんまりにも無神経で役立たずだわ!とばかりに阿邦をなじるわけなんだけど、
パッパラパーでちょっと見目良いとか金持ちの男とすぐに寝て、享楽的に生きてるだけのオンナノコだったら、こんな小難しい台詞を吐くだろうか。と思ったら、この台詞は他でもない、フィリピン原産の
サンミゲルビールの、香港で育った人なら誰でも知ってる有名宣伝コピー「
人生有個真正朋友、的確好極!」(人生に真の親友がいれば、確かに素晴らしいことだ!)のもじりらしい! メディア・アジアの公式サイトの
ニュースコーナー2006年11月26日分に紹介してあった。
小難しくはないのね…でもさっとコピー文をもじれるんだから、機転が利くオンナノコではあるわよね…。
少なくともnancixは、あの時点ではまだ、3日前に店で沈没した阿邦がフォンの家に連れて帰られても、泥酔してしまい男性機能が役に立たなくて(こらこら)、ただ寝かせてもらってただけなんじゃないかなあ、と類推してるんだけど。
バーで初めて会話した時に阿邦に「人生には真の朋友ってのがいるものじゃないか。ていうか、あんたと俺って、真の朋友になれるかな? なれそうじゃないか?」みたいな口説き方されて(何じゃそりゃ、俺のセフレにならないかってことかい。ワケわかんないこの飲んだくれって)と思いつつも、
定期券入れ…じゃなくて八達通オクトパスカード入れから出された若い女の写真にちょっとジェラシー感じつつも、
阿邦のきらめく切れ長の瞳、笑顔に惹かれるものがあって、電話番号交換して、また逢えるかなと胸ときめいて、
だけど先輩らしきカップルと再度来店した彼は、フォンを覚えていないかのように振る舞い、あげくに偉そうに「何だその接客態度は」と言い出す…。
そりゃキレますよねえ、普通。
絶対、こんな飲んだくれの甲斐性無しなんて無視無視!ってなっちゃうはず。
そうならないところが、彼女の包容力であり若さゆえのひたむきさであり、人恋しさであり。
阿邦に"宿泊代"を出されて「次は値上げするわよ」とイヤミを言っても「朋友之間清楚點好=友人の間では(金銭のことは)はっきりさせておく方がいいよな」とかするりとかわされて、ドライな関係にしかなれないのかと寂しさを漂わせつつも(まあ、どうせ私たちはただのセフレだし)と自分に言い聞かせるような調子で呟くあの「係ォー朋友(そうよね、トモダチ)、行拉ー朋友(行こうか、トモダチ)…」の歌うような台詞、何だか忘れられないと思う。
で、あそことかでキィィッとなって「ワタシはアンタの何なのよ! ワタシをないがしろにするのもいい加減にしてよ!」と口汚く罵り泣き喚くのが昔の香港映画の"警官の妻または彼女"。そうしないのは、あるいはフォンはやっぱり、プライド高いくせに実は甘えんぼな香港ジモティ女性ではなく、台湾もしくは大陸から香港に移住して、素敵なカレシとの出会いも夢見ながら、それまでできるだけ独力で生き抜こうとしている女性という設定なのかなあ、と勝手に妄想もしてみる。
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