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2007年08月05日

「消えた天使」とアングリー・コントロール

 公開2日目の映画「消えた天使」を、「傷だらけの男たち」上映が終わったばかりの三宮シネフェニックスで鑑賞。
 職人アンドリュー・ラウ劉偉強監督、ハリウッドデビュー作でも映像マジックを駆使して、現在と過去、現実とイメージ、幻想と幻想の境界を軽々と超えて、観客をたっぷりと幻惑してくれます。このMV的手法、多分今後のハリウッド映画でも多用されて定着していき、いつかは飽きられてしまうんでしょうね…。

 いやはや、それにしてもオトコの"アングリー・コントロール"について、「傷だらけの男たち」に続いてまたも考えさせられましたよ。

 「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ」

 哲学者フリードリヒ・ニーチェの「善悪の彼岸Jenseits von Gut und Bose」に書かれているというこの警句を知ったのは、一世を風靡したロバート・K・レスラーの著書「FBI心理分析官―異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記」によってだった。

 いきなり臆面もなくこの警句を掲げるとは、なんと正攻法な映画なんだろーか。

 「羊たちの沈黙」以来、どれほどのサイコサスペンス小説を読んだことか。レスラーが「捕食者」と呼んだサイコパスと闘う、刑事やFBI心理捜査官や精神科医、そして女性検屍官。
 なかには捜査官の恋人の女性精神科医が、自分の家族による性的虐待のトラウマによる多重人格のシリアル・キラーだった!なんて何でも入りの荒唐無稽な筋立てのものもあって、最後まで一読するやすぐにBOOK OFFに叩き売ったけど。
 もちろん、中にはそれこそ長く深淵を覗き過ぎたせいで、コッチの世界に戻れなくなった刑事もいて、ジェイムズ エルロイの「血まみれの月」「ホプキンズの夜」「自殺の丘」に登場したロス市警強盗殺人課のロイド・ホプキンズ部長刑事などは、上司も部下も敵に回して暴走しまくっていた。ま、「ブラック・ダリア」作者のエルロイ自身が母親を絞殺され、10歳にして深淵を覗いてしまった作家だからね。

 どうしてそれらの小説に読みふけっていたかというと、猟奇的殺人や虐待に興味があるというより、ニンゲン自身に興味があったから、としか言いようがない。

 想像を絶する鬼畜の所業に出くわした被害者とその家族と捜査官が、どうなっていくのか。どうしようもないほどの心の傷は、果たして癒やされることはあるのか。何によって癒やされるのか。
 だから「羊たちの沈黙」のクラリス・スターリング捜査官は好きだが、その後のレクター博士を自身の分身とばかりに大活躍させて彼女を虜にさせて悦に入ってるような作家自身は、好きじゃない、とは以前から言っていることだな。

 ところで、米英のそれらの小説に食傷するほどに登場した刑事や捜査官ではなく、しかし性犯罪者と最も関わるべき存在なのが、米国公共安全局の監察官。捜査協力者または妨害者としては今までにも小説内に現れた気がするけど、この「消えた天使」で初めて主役として意識したよ。日本の「保護司」とはかなり意味合いが異なるようだ。
 米国で、7歳の少女が、向かいに住む累犯性犯罪者にレイプされ絞殺されプラスチック容器に押し込められているのを発見された、両親は性犯罪者が向かいに住んでいるのを知らなかったという実際の事件と遺族による運動を契機に作られた、出所後も性犯罪者の名前、住所を公開する法律「性犯罪者情報公開法」(本作映画ではミーガン法とあるが、被害者の名前からメーガン法だと主張する人もいる)によって、性犯罪の前科者は等しく、公共安全局の監察官に居所を把握され、行動をチェックされることになる。しかし、監察官一人に対して、担当する"登録された性犯罪者"は1000人だと、この映画は冒頭で説明する。

 1人で狡猾な性犯罪者、しかも性衝動に突き動かされると理性も体面も世間体も吹っ飛ぶ相手を、1000人もチェック? そりゃどう考えたって無理だよ…激務過ぎる。

 かくして、18年間という長きに渡って監察官を続けてきたエロル・バベッジ(「Shall We Dance?-シャル・ウィ・ダンス?」と比べてもおっそろしく老けたリチャード・ギア、しかし劇中で彼はエロールとフランス語っぽく呼ばれていた気がするんだけどな)は、燃え尽きる寸前である。彼の退職まで、あと18日。そこに赴任してきたのが、新米監察官の若い女性、アリスン・ラウリー(クレア・デインズ)。上司のスタイルズに、彼女を指導するように言い渡されるエロルだが、一方スタイルズはアリスンにも、バベッジについて何かを示唆した様子だ。

 この上司のスタイルズを演じている男優、一目で(あれっ見たことがある!)と直感しました。そう、あのデヴィッド・リンチのテレビドラマシリーズ「ツイン・ピークス」で、ローラ・パーマーの父親リーランド役で怪演を見せていたレイ・ワイズでしたよ! あの、大真面目に歌い、踊り、泣きじゃくるオーバーアクションを思い出すと、しかも彼の家庭内性虐待がローラ・パーマー殺害事件の発端だったことを連想すると、皮肉過ぎて(コイツも実は…?)と最後まで疑いが捨て切れなくて、困りました…。

 かくして、バベッジとアリスンは師父と師妹、または暴走男とそれを監視しコントロールするべき冷静沈着女、という複雑な関係のコンビとなる。
 …この「暴走男とそれをコントロールするべき冷静沈着女」、しかし否応なく暴走に巻き込まれてほだされて行動を共にすることに…の図式は、Xファイルシリーズのジョン・モルダーとダナ・スカリーを模倣しているようで、これまた新鮮味がないんだよねえ…香港映画なら絶対に、ベテランと新米の男性コンビにして腐女子もワクワクドギマギさせてくれるところなのに。米国だと、女の母親的包容力と洞察力と忍耐で、男のアングリー・コントロールをやろうってことになってしまう。ジョン・ウーも「ブロークン・アロー」で、主人公と男まさりの女性をペアにさせられていて、ファンを少々ガッカリさせましたっけ。

 バベッジはアリスンを伴い、担当している登録者たちを訪れる。その強引さ、あからさまに現在進行中の犯罪者扱いして尋問する態度、プライバシー侵害ぶりに、アリスンは嫌悪感さえ覚える。中には過去の犯行があまりにセンセーショナルだったのでペーパーバック「LOVE and DEATHs」が出版されたほどの登録者もいる。それが、現在では美容師として働くビオラ(ケイティー・ストリックランド)。やつれた地味な現在のビオラには、バラバラ殺人3件で死刑になった夫とつるんで、被害者を拉致・性的暴行に加担していた頃のパンク女の面影はない。ビオラは「私も夫に被害者の予行演習に使われた、被害者も同様。それなのにバベッジは毎週、私に嫌がらせに来る」と語り、アリスンのバベッジへの反感を強めさせるのだった。

 このビオラと、死刑になった夫って、いわゆる共依存によって相乗効果を呼び最悪の犯罪を次々に起こしてしまう"ハネムーン・キラー"なんですよね…デヴィッド・バーニーとその妻キャサリンとか、ジェラルド・ギャレゴと妻のシャーリーンとか、実在するペアが何例も。胸が悪くなるような行為を幾つも犯した連中です。

 一方、登録者の一人でハンサムでインテリで裕福、交際する女性を飴とムチで支配し操縦するのが、エドマンド(ラッセル・サムズ)。「饒舌で一見魅力的 /過大な自尊心、自己中心的 /異常なほど嘘をつく /後悔や罪悪感が全くない /冷淡で共感がない /行動の責任を取れない」のサイコパスの典型に当てはまる…のかな。
 ちなみに、先日来日したものの疲労でダウンしたと話題の歌手アヴリル・ラヴィーンは、エドマンドの現在交際中の金髪少女として登場する。
 バベッジに名前を問われて「ベアトリス・ベル」と答えるのだが、耳変質者のnancixは「ベアトリス・ダル」と聞き間違えてププッと笑いそうになった。「ベアトリス・ダル」だと、あの、作家の卵の男を愛しすぎてどんどんわが身を滅ぼし、男に絞殺される「ベティ・ブルー/愛と激情の日々」のヒロインを演じたフランス人女優である。まああの映画では、男が最も美しかった頃のジャン=ユーグ・アングラードなので、何をされても悔い無しだろうけど。
 ベアトリス・ダル本人って、プライベートでも麻薬や傷害事件で逮捕歴があり、なんと刑務所へのボランティア活動中に服役中の囚人と結婚してしまった、典型的な共依存型の女なんである。そりゃリチャード・ギアも皮肉をこめて「そりゃ素敵な名前だ」と言うわよね。案の定っていうか、アヴリル・ラヴィーンにしてはあまりな目に遭わされて……なんだけど。
 アヴリル、よく引き受けたなあ、こんな端役。同じ人気歌手でも、日本のあ○だったら、いくらアンドリュー・ラウ監督からの出演要請でも絶対に断ってるよね。
 もとはしさんもブログでおっしゃっている通り、「アヴリルちゃん、オマエはそんな役柄でホントにいいのか!」ですよ! 今後のフィルモグラフィーでずうっと「処女作は『消えた天使 The Flock』」と書かれるんだぞ! そしてうっかりDVDを手に取った世界中のファンは、キミのあの姿を見てしまうんだ!

 このエドマンドはニューメキシコ州に引っ越してきたばかり。バベッジは「ウェルカム トゥー ニューメキシコ」とか、エドマンドに皮肉な歓迎の台詞を吐く。後に、エドマンドが夜の専門学校?前で女生徒を物色し、獲物として狙いを定めている時に、覆面の大柄な男に棒でめった打ちにされるのだが、その男も「ウェルカム」と一言。

 ……バレバレですよ、バベッジおじさん…_| ̄|○
 もうちょっとうまいこと、自分だとバレないような手口考えないと…。

 このバベッジの暴走ぶり、果たして退職を目前にして、いっこうに減らない卑劣狡猾な犯罪者に思いつめての確信犯的行為なのか、彼の中の別人格がそうしていて本人格には記憶がないのか、映像では定かではない。
 「傷だらけの男たち」の阿頭は、アングリー・コントロールを本人としてはきちんと出来ている上での、計画的犯行(しかも周囲がある程度容認…コラコラ香港警察!)だったけど、バベッジの場合はどうなのだろう。

 バベッジの変容は、やがてダイナー(食堂)のテーブルの上に、自分の癖と同じように、性犯罪関連のニュースや統計結果を報じる記事に、マジックで丸をつけた朝刊を発見して動揺するまでに至る。アリスンは、これが同僚たちのイタズラではないかと推理、帰宅後に同僚に電話して聞き込みするが、ある同僚が「バベッジは6年前にある誘拐事件にのめりこみ過ぎ、トラブルを抱えて、銃を持ち歩くようになった」と彼女に告げる。その誘拐事件とは、女子大生のアビゲイルが大学から突然消え、行方不明になったまま未解決に終わったもの。エロールは今でもアビゲイルの両親のもとを尋ね、悲しむ母親を慰め「自分にはもっと何か出来たはず」という悔恨にさいなまれているのだった。

 そして映画の冒頭で示唆された通り、またしても馬術を楽しんだ直後の女子大生ハリエット・ウェルズが、乗馬ブーツを残して、消えた。
 警察の捜査は難航し、捕えられた彼女がベッドにくくりつけられ、絶叫を上げていても誰も気づかない…。
 バベッジはこのハリエット事件を知り、業務を超えて関わろうとし、ハリエットの自宅で、警察に追い返される。涙目を伏せて煙草を吸うハリエットの母親のやつれた姿をかいま見たアリソンは、その深い哀しみに胸を締め付けられる。しかし、バベッジの暴走は諌めなければならず…。

 ハリエットの乗馬ブーツが発見された踏切に、バベッジとアリスンは立ってみる。(現場100回は東西問わず鉄則ですな)。バベッジは踏み切りの向こう側に立つアリスンにハリエットを重ね合わせ、幻覚を見て眩暈を起こす。アリスンは、貨物列車の乗務員が拉致を目撃している可能性に気が付く。警察には何も話さなかった乗務員らだが、アリスンには正直に「女の子が車の中の人物に話しかけているのを見た。しかし運転席ではなく、助手席の方に話しかけていたね」と話した。
 拉致監禁犯人は、複数?
 拉致監禁犯人は、ハリエットと顔見知り?

 バベッジとアリスンは登録者の一人、ポルノカメラマンのグレンが根城にしているスタジオ?に乗り込んだ。(まるでお化け屋敷だよこれじゃ…(^_^;)) SMプレイに身もだえする刺青女に、今にもグレンが刃を向けようとしたその時…バベッジらの侵入に気づいて、グレンは愛犬と共に車で逃げ去った。グレンのラボに有ったネガフィルムを、バベッジはやはり登録者でスーパーの現像ショップで深夜働いている黒人男のもとに持ち込み、脅して現像させた。そこに写っていたのは、数枚の人体の部分と、ベッドに縛り付けられている少女。ショッピングモールで虚ろに少女たちを眺めていた別の登録者を脅し、少女を紹介させたバベッジ。生存していた少女の証言によって、次第にハリエット拉致監禁事件の犯人の姿が明らかになっていく…。

 バベッジはアリスンの自宅に同行するが、世間話どころかどうしても尋問風にしか話せない。やがて彼はソファーで寝込んでしまう。アリスンが自分の寝室に戻り、ベッドでビオラと夫の実録風小説を読みながら眠りかけると、猛犬が吠えかかってきた。逃げ惑うアリスン。バベッジが彼女を庇って犬に腕を咬まれ、重傷を負う。犬は外で待っていた、グレンのピックアップトラックに乗って逃げ去った。これは犯人からの報復か、牽制なのか。

 ハリエットから母親に「西海岸にいる」と電話があったことから、警察は単なる家出だと見て捜査を打ち切ろうとする。バベッジも、暴漢にめった打ちにされてケガを負ったエドマンドからの抗議で、退職が早まった。アリスンの自宅に、いきなりバベッジが現れ、彼女をかき口説いてハリエット捜索に協力させようとする。性犯罪者と変わらぬ常軌を逸した不法侵入と脅迫ぶりに、アリスンは恐怖に震えながらバベッジを追い返そうとする。車の中で悄然とするバベッジ。やがて、車の窓ガラスがノックされる……。
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2007年06月16日

『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』、中国では一部カットで公開

 ……だから中国・香港・台湾では、随分と前から報道されてたことなのにさぁ。

 国営新華社通信が海外に配信したのが、15日と随分遅かったってこと?

 このなかの「中国人を悪魔のように描くハリウッドの昔の手法と同じ」というのは、おそらく以前も書いたドクター・フー・マンチューや、スキンヘッドにナマズヒゲに吊り上がり眉の"残酷なミン=ミン・ザ・マーシレス"のイメージと同じ描き方だ!ってことなんでしょう。ミン・ザ・マーシレスはSFコミックシリーズで映画化もされた「フラッシュ・ゴードン」の敵役、世界制覇を狙う惑星モンゴに住む悪の帝王でございます。80年のリメイク版映画でミン・ザ・マーシレスを演じたのは、名優マックス・フォン・シドーだったり。
 
ロミオ・マスト・ダイ 特別版 でも、それを言うなら「ダイ・ハード4.0」でマギー・Qが演じる女テロリストだって、おそらくは"ドラゴン・レディ""チャイナ・ヴァンプ"のイメージの域を出ていないと思う。ジェット・リー李連杰主演作「ロミオ・マスト・ダイ」(00)であっけなく殺された女殺し屋ライダー?役の香港女優フランソワーズ・イップ葉芳華や、「ラッシュアワー2」のチャン・ツイィー、もっと昔で言えば「上海特急」でマレーネ・ディートリッヒと共演したロサンゼルス生まれの華人女優、アンナ・メイ・ウォン黄柳霜と、大して変わりはありませんよね。彼女はドクター・フー・マンチューの娘役を演じたこともあるんです。
上海特急 終生"チャイナ・ヴァンプ(毒婦)"扱いされ続けた彼女の発言が、切ない。
 「スクリーンの中の中国人はどうしていつも残酷な悪者で、嫌われ者の敵役なのかしら。凶悪で、反逆的で、あたかも草むらに潜む蛇……。私たちはそんなじゃない。西洋よりも遥か古くから文明を築いてきた者としては、どうすればいいの? 私たちにも徳性はあります。品行や栄誉に対する厳しい規範を持っています。でもスクリーンではなぜ、こういう面を映さないの? どうして私たちは常に何かをたくらみ、盗み、殺さなければならないのかしら。私はもうウンザリしています」(朝日選書「イエロー・フェイス―ハリウッド映画にみるアジア人の肖像」より引用)

 ハリウッドにおけるチャイニーズの扱いって、そういうアンナの時代から、大して変わっちゃいないんですよ。
 この問題を考察するには、ぜひ村上由見子さんの著書「イエロー・フェイス―ハリウッド映画にみるアジア人の肖像」(朝日選書)を探してお読みください。

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2007年06月08日

ソフィー・マルソーとトニー、共演か?

 まーだー!「赤壁」のトニー分の撮影がこれから始まる!!って時に、こんなニュースも飛び込んできましたよ。
 北京金馬影視文化有限公司とフランスの会社の共同出資(製作予算は1.5億人民元!)による「熱(仮題)」という合作映画の撮影が、来年早々に四川省成都市で始まる予定なのですが、この映画のヒロインはフランス女優のソフィー・マルソー。メガホンを取るのは新鋭女性監督で女優としてのキャリアも長い羅荷·杜提耶=Laure Duthilleul(カタカナで何と表記したらいいんでしょ?)で、ソフィーとは「À ce soir(中国語名は今晩見)」(2005)でも組んでいます。

 ソフィー・マルソーといえば自伝的小説「うそをつく女」も書き、監督も脚本もプロデュースも手がける才女。日本ではロブ・ライナー監督の「あなたにも書ける恋愛小説」(03)以後、公開作品がありませんが、順調に女優業を続けています。監督第3作目、クリストファー・ランバート(クリストフ・ランベールとも)と共演の「La Disparue de Deauville/ドーヴィルの消えた女」(07)が5月に公開されたばかり。珍しく、第60回カンヌ映画祭にも姿を見せました。
 1966年11月生まれ、現在40歳だから、トニーと釣り合うといえば釣り合うのね。
 ユニフランスのこちらの記事で、彼女が2005年に、中国でのフランス映画大使として成都市を訪れたこともあると知りました。

 シナリオを練りつつあるという映画の内容は、こんな感じ。
 ソフィーはファッションデザインを学ぶフランス人女性で、パリで四川省成都市出身の中国人の若者と出会い、恋に落ちる。二人は結婚し1男1女に恵まれるが、まもなく若者は不慮の事故?で亡くなるのだった。フランス人女性は我が子を連れて、夫の故郷である成都を訪れる。そこで出会うのが、トニー扮する小学校の教師。性格がとてもよく、ファッション関連の仕事で起業するよう、いつも励ましてくれる男性だ。二人の間に、次第に芽生える思い…。果たしてヒロインは亡くなった夫への思いを整理し、新しい恋に踏み切れるのか? 子連れの外国人女性を、中国人男性は全て受け入れることができるのか?
 うーーーん、おフランス感覚であまりストーリーを複雑化せず、カップルの感情の変化を丹念に追うように撮影されたら、結構好みの作品に仕上がりそうですよ。

 そういえば金馬影視有限公司といえば、チャン・ツイィー章子怡が女三代記を演じた秀作「ジャスミンの花開く/茉莉花開」を共同制作した実績のある会社でもあります。アンディ・ラウ劉徳華主演の「門徒」と、「赤壁」にも出資しているそう。

 問題は撮影スケジュールですが、今年12月には成都で正式に撮影チームを組みキャスト発表し、来年早々には成都での撮影を開始したいとのこと。トニーが「赤壁」撮影後に「もーだめヘトヘト、半年間休養するぅ〜」と音を上げなければ…実現可能?

 以前から「もしもトニーが外国映画に出るなら、ハリウッド大作でも邦画でもなく、おフランス映画かホ・ジノ許秦豪監督の韓国映画で!」と切望していたnancixにはニンマリ企画ですが、
 例によって慎重派トニーは、製作発表があるまで出るとも出ないとも発言しないんだろうなあ…(-_-;)

 ポシャッた企画も多いし…。

 実現を祈りながら見守るしかありませぬ。
posted by nancix at 04:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | アジア以外の映画

2007年05月24日

「パイレーツ・オブ・カリビアン3」前夜祭

 そんなわけで「パイレーツ・オブ・カリビアン3」前夜祭字幕版、ネットでチケットをリザーブして、神戸で鑑賞してきました。
嘯風船長ユンファ
 大阪などではコスプレで盛り上がろう!という趣向もあったらしいですが、神戸ではごくフツーのレイトショー。観客は真ん中あたりの15列ぐらいしか埋まっておらず、ちょっぴり心配…。まあ、2館で前夜祭やってたしこの国際松竹でも40分早く吹き替え版が上映されたし、終電の問題もあるしね。

 冒頭で、字幕:戸田奈津子というテロップに、「ロード・オブ・ザ・リング」の経験からして不安感…。
 「Fireーーーーー!」「Fireーーーーー!」「Fire Allーーーーー!」が
 「撃てー!」「撃てー!」「撃ちまくれーー!」
 はいいとして、
 「俺たちは腐った卵」って、何?と案の定、頭の中に???が浮かびました。
 英語台詞は「And really bad eggs. Drink up,me hearties,yo-ho!」だったのかな。
 帰宅してから「英辞郎」でbad eggを検索すると、
【1】腐った卵【2】さえない冗談、下手な演技【3】へまな計画、期待外れ、無益な企て
【4】当てにならない人、やくざ(者)、ろくでなし、悪、悪人、不良、悪党、信用できないやつ、人間のくず、恥さらし
 と出たので、「俺たちゃろくでなし 呑もうぜ、ヨーホー!」でよかったんじゃないの、と。
 あと、cuttlefishと呼ばれていたディヴィ・ジョーンズ船長は果たしてイカなのかタコなのか? cuttlefishだったら甲イカじゃないの?も疑問のまま。他にも吹き替え版を見た方が理解できた部分があったかもしれない。

 時代は英国東インド(貿易)会社がアジアなどとの貿易や交易を独占し、制海権を手中に収めている18世紀。もちろん海賊は目の上のコブ。英国海軍は海賊と関係すると見られる家族や一般庶民を片っ端から捕えて絞首刑に処していた。女子どもにも容赦はしない。
 絞首台に載せられた幼い少年は、しっかりと銀貨を握り締めている。彼は恐怖におののきながらも海賊の歌を歌い始める。処刑を待つ行列からも、唱和する声が…! だんだん大きくなっていくその歌声。少年は処刑され、銀貨は絞首台の下に転がり落ち、遺体は身ぐるみはがされ私物は没収されていく。だが歌声は続く。(実はその歌声こそ、海賊たちに決起をうながす「召集の歌」だったらしい。パンフを読まないとわからなかったけど)。
 平然と死刑執行状にサインし続ける英国東インド会社の実力者、ベケット卿の耳にも、歌声が聞こえてきた。
 ベケット卿は、今まで利用してきたエリザベス・スワンの父、ウェザビー・スワン総督をもはや邪魔者とみなし、部下に密かに始末するように指示を出していた。かつて、エリザベスの婚約者であった元提督のノリントンも、ベケット卿の企みを阻止できない。

 舞台は変わって、シンガポールに。水上に木造建築物が立ち並ぶうらぶれた街。英国軍が街路を駆け抜けるなか、ひそやかに水路を進む一艘の小舟があった。舟を操るのは、中国人水夫姿に変装したエリザベス・スワン。彼女はやがてバルボッサ船長とブードゥー教女預言者のティア・ダルマと合流するが、中華系海賊の連中に捕まり、連行されて武装解除されてしまう。
 一方、水路に潜んでいた海賊のラゲッティ&ピンテル、ギブス航海士らは捕まらずに済み、水路から中華系海賊らのアジト地下に潜入することに成功した。
 アジト内のスチームバスルームで、2人の侍女をかしづかせたシンガポールの海賊頭領、サオ・フェン嘯風船長が一行を待ち受けていた。スキンヘッド、顔には無数の刀傷、雄々しいナマズヒゲを伸ばした偉丈夫だ。
 いまさらしょうがないんだけど、この「嘯風」って、北京語でシャオ・フォン、広東語でシウsiu3・フォンfung1としか聞こえないんだけどなあ。どーしてサオ・フェンになっちゃったんでしょーか? やっぱり北京語ピンインの「Xiao feng」のせいか…それでもシャオ・フェンだよねえ。なぜに「サオ」……?
 ちなみに[風嘯]だと、風が吼えるって意味になるのね。

 嘯風船長はバルボッサらの意図を疑い、エリザベスの美貌と勇気に心惹かれた様子。しかし、「ディヴィ・ジョーンズ船長の"海の墓場"に至るための海図がほしい」「"召集の歌"が歌われた以上、9人の海賊長を召集して"評議会"を"世界の涯て"で開かなければならない」というバルボッサらの話に耳を貸そうともしない。それもそのはず、嘯風船長はジャック・スパロウに遺恨がある上に、すでにアジトに海図を盗みに入ったウィルを捕え、大いに立腹していたのだ!
 絶体絶命の彼らに、地下のギブス航海士らが剣を投げ上げた! たちまち乱闘が始まる。そこへベケット卿の配下である英国海軍が乱入してきた! 乱闘のなか、侍女らは殺されたものの、一行は何とか逃げ延びる。
 嘯風船長の配下の中華系乗組員を雇い(嘯風船長ならともかく、たかが水夫なのに英語が堪能すぎて笑える)、奪い取った嘯風船長の海図により、ブラック・パール号はディヴィ・ジョーンズ船長の"海の墓場"を目指して北へ、北へと航行する。氷の海で凍える一行。「境界を越え」「朝日が沈む時」「緑の閃光」…海図に隠された不思議な言葉に導かれ、ブラック・パール号は何と海の果て、滝のように海水が流れ落ちる「世界の果て」から真っさかさまに落ちていく……奇跡的に船は持ちこたえ、ようやく「「ディヴィ・ジョーンズ船長の"海の墓場"」にたどり着いたのだった…。

 独り、「溺死した船乗りが沈む永遠の墓場」に魂と肉体を縛り付けられたジャック・スパロウは、自分の分身と果てもなく会話を繰り返し、狂気と正気の間をさまよっていた。現れたエリザベスやウィル、バルボッサ船長もにわかに実体だと信じることができず、一緒に出発しようという誘いも断ろうとする。「おまえらのうち4人に俺は殺されかけ、1人は成功した。お前らと船に乗ることなんてできるか?」……言葉もないエリザベス。しかし結局、ジャックは墓場に留まることもできず、一行と共に出発する。
 "海の墓場"から"死の国の海"へ…ブラック・パール号の周囲は、海で命を落とした死人で埋まっていた。亡霊のように現れた無数の小舟のなかに、エリザベスは最愛の父の姿を見て必死に呼びかける。父はベケット卿の謀略で殺されたのだと悟ったエリザベスは、深い哀しみと怒りに浸るのだった。

 死人に満ちた海を見下ろし「海の死人をあの世に導くはずのディヴィ・ジョーンズは、一体何をしているの? 職務放棄じゃないの! 女神カリプソが与えた務めを怠るなんて!」と悲しみ怒るブードゥー教女預言者のティア・ダルマ。その声を聞いたウィルは、かつて、彼女と人間だった頃のディヴィ・ジョーンズに何か因縁があったことを悟る。だが彼女は詳細を語ろうとはしなかった。ただ「彼は自分の心臓を抉り出したことで不老不死の命を手に入れたが、その代わり永遠に海の上を船でさまよう運命になった。10年に1度、愛する女に会うため陸に上がることを許されたのに、務めを怠ったためにあのような怪物に姿を変えられたのよ」と打ち明けただけだった。
 エリザベスは父を殺したベケット卿への復讐を誓い、ウィルはディヴィ・ジョーンズ船長の船、フライング・ダッチ万号と一体化しかかっている父"靴ひものビル"を救いたい。だがエリザベスへの恋は、屈折したものになりつつあった。そしてバルボッサ船長とジャック・スパロウは子どものように意地を張り合い、ブラック・パール号の船長の座を奪い合う。

 実は、嘯風船長は東インド会社のベケット卿と密かに通じていた。ベケット卿はまた、ディヴィ・ジョーンズ船長の心臓を入れた「デッドマン・チェスト」を手中に収め、ディヴィ・ジョーンズ船長とその化け物乗組員、フライング・ダッチマン号を操ってもいたのだ。
 "評議会"会場に向かおうとしたブラック・パール号の一行だが、水を求めて上陸したとある島で、シンガポールからずっと行動を共にしてきた中華系乗組員が突然反乱を起こし、エリザベスが嘯風船長の船に捕えられた。嘯風船長はエリザベスに奇妙なことを口にしながら妖しく挑みかかる。「おまえの中に、女神カリプソが封じられているのでは?」……唇を奪われ必死にもがくエリザベス。そのとき……!

 というわけで、後は映画館でご覧くださーい。
 とにかく、当初スチールが発表された時には、(……またまたディズニー映画はフー・マンチューの古色蒼然としたイメージを引っ張り出すのかよっ! 中華系悪役といえばフー・マンチューとドラゴン・レディしか思いつかないのかよ!)と_| ̄|○したものですが、

 いやいやどうして。

 正直言って嘯風船長の登場から、もはやnancixの頭の中ではこの映画の主演は嘯風船長ーー!

 心臓わしづかみ、嘯風船長、らーーぶ!でありました。

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posted by nancix at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(2) | アジア以外の映画

2007年05月23日

「パイレーツ3」アジアプレミア生中継

 来日記者会見に続いて、夕方からもBIGLOBE ストリームで「パイレーツ・オブ・カリビアン3 アジア・プレミア」生中継を見る予定に。

 またまた、予定の18:00になっても動画配信が始まらない。
 18:08、ようやく日本武道館2階スタンド席の女性レポーターが現れた。レッド・カーペットイベントについて説明される。ブラック・パール号をイメージした海賊船のセットが豪華そう。
 18:18。ドクロマークの幕?が大写しになる。幕に隠されたステージの両サイドにスクリーンが設けられ、他作品の予告編やCMが流れている様子。
 18:28。ようやくロビーにいる客に、席に着くようにとの場内アナウンスが。
 18:31。海賊船の上に、"深海の悪霊"ディヴィ・ジョーンズ船長のコスプレをしたイカ男が登場!
 「闇が7つの海を覆う時、海賊の最後の宴が始まる。この世界のはてに奴らが集まったのだ。どうか思う存分、宴を楽しんでくれ…」といったナレーションが流れ、コスプレ男は場内をよろよろと練り歩く。女性レポーター、何を勘違いしたかホンモノのビル・ナイだと紹介したけど、んなわけないって。

 そして「レディーース アンド ジェントルメン!…」とナレーションが始まった! ドクロのスクリーンがゆっくりと動き出す。
 18:37、レッド・カーペットイベント開始! まず入場してきたのは、ディヴィ・ジョーンズ役のビル・ナイ!
 入ってきてすぐ、カーペット両脇を埋めた取材陣に捕まってインタビューが始まってしまう。また特殊メイクについて説明させられている様子。あの、ええと、後がつかえるんじゃ…? 
 続いてバルボッサ船長役のジェフリー・ラッシュが。投げキッスなんかしちゃって♪
 そしてついに! チョウ・ユンファ登場! 場内からそれなりの歓声が。
 襟元をくつろがせた黒シャツにブラックスーツと、渋く決まってます。 彼がしっかりと肩を抱いているのは、長い髪を頭の後ろで束ねて垂らし、白サテンのワンピースを着たジャスミン夫人。
 たはー、唯一の妻同伴者だよ。あ、通訳として我らがサミュエル・チャウ周家[王探]さんも同行してます。
 プロデューサーのブラッカイマーも登場。ユンファの隣で取材陣に応じ始めました。音声に広東語と英語が混じって聞こえてくるーー。
 インタビューを終えたビル・ナイが、得意の敬礼ポーズを決める映像に、周さんの通訳する声がかぶったり。
 ユンファの声も少し聞こえてきました。「…楽しいよ、毎日が誕生日を迎えるようだよ」と言っている様子です。近況なのか、撮影当時のことなのか?
 ゴア・ヴァービンスキー監督もインタビューゾーンに。「3作目にチョウ・ユンファを起用した理由は?」と聞かれ、「ある意味、1、2作は西洋的な観念のものだった。3作目は本当の意味での世界的な映画にするべく、アジアからの起用を考えたんだ…」までは聞き取れました。
 にこやかにファンにサインするユンファの姿がちらりと映る。あああ、君たちホントはジョニデのファンなくせにぃ。おねーさんが瞬間移動するから、代わりなさいっっ!

 そして18:51、ようやく取材ゾーンにオーランド・ブルーム登場! 黒ジャケットと白シャツ、黒ベストかカーディガン、黒ボトム。可愛い……スタンド席のファンを見上げてニコニコしてる…。ウインクなんかして「キャーーーッ!」と言わせて喜んでる〜〜。手もちらちら振る〜。インタビューに集中しなさいってば。
 突き出されたマイクに「コンバンワートーキョー! ゲンキデスカ?アリガトー!」とカタコト日本語連発。通訳さんに教わったのか。いじらしいなあ…。

 19:01。あとはジョニデを残すのみ、なんだけど…まだ出てこない。おっ司会進行役が「ご紹介しましょう」とアナウンス始めた。……が、その後が……続かない。どうなってるのか?
 ……。
 「ただいま、セレブの皆さんが到着いたしました」とのアナウンスに続けて、赤青黄色のTシャツで決まり悪そうに出てきたのは、沖縄の「かりゆし58」? ……ジョニデファンがブーイングしないのが不思議なくらいだ。日本人は従順だよねえ。
 その後、相川七瀬、川村ひかる、「サイキック青年団」コンビの北野誠&竹内義和、平野秀朗(ひらのひであき、関西で活躍中の映画評論家。平野さん出世したね…)、コロッケ、テレビ朝日アナウンサー、女優の田畑智子、そしてnancixお気に入りの10代女優、成海璃子ちゃんも黒ワンピで登場! か、可愛い…。
 山田まりあ、雛形あきこ、森口博子、フードディレクターのバーバラ寺岡、りりこ、男性モデル、SHIHOなども次々と登場ですよ。あれれ、新庄剛志はいないのか…。

 19:11。「いよいよ、お待ちかねの方が登場です!」とアナウンスされ、場内大興奮。
 ジョニデが! ジョニー・デップが登場したのでした!

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posted by nancix at 22:55 | Comment(1) | TrackBack(0) | アジア以外の映画

「パイレーツ・オブ・カリビアン3」来日会見

 本日は代休なので、朝に大車輪で洗濯や家事を終えまして、ソワソワドキドキ、PCの前に座っておりました。

 我らがユンファ兄貴がジョニー・デップやオーランド・ブルームと共演する、夢のような「パイレーツ・オブ・カリビアン3 ワールドエンド」の来日記者会見を、BIGLOBEのネット生中継で見るためです!
 すでに24日の前夜祭(字幕版)チケットはネットで購入済み。終電ギリギリに間に合うよう、神戸の映画館で。
 ……大変たくさんの空席があったような気がするんだが(T_T) 神戸の映画ファンは封切後でもいいのか、別に。

 せっかく米国ロサンゼルス・アナハイムのディズニーランドで19日(現地時間)に行われたワールド・プレミアでは、ジェリー・ブラッカイマーの応援プロデューサー?とやらでレッドカーペットを歩いた新庄剛志にまんまとしてやられ、スポーツ紙やワイドショーは新庄Only!に塗りつぶされ、無視されたも同然のユンファ兄貴に涙いたしましたが、アジア・プレミアではそうはいかないぜBB(広東語のベイビィ)!
 香港が産み育てた東アジアのスーパースター、チョウ・ユンファを無視なんかしやがったら二挺拳銃と鳩ポッポを抱えて日本橋で海賊盤フル量産だぜ! そんな日も来ようかと、常に我が家の物干し台には仏飯の米粒を蒔いて鳩を飼い慣らしてあるんだぜBB! アジア人なら、ひからびようと米粒を粗末にするな!と意味の解らない意気込みで、ネット中継を超高画質で見ました。

 グレーーート、光ファイバーーーー!

 会場は東京・新宿のパークタワーホールとのことで、520人は収容できるはず。ステージ分もあるから、まあ300人の座席は作れるか。

 正午からのはずの来日記者会見、音声(日本語チャンネル?)を確かめるような声が時折入るだけで、画面変わらず。12:07にやっと映像配信が始まるも、女性レポーターからは会見出席者としてユンファの名前が呼ばれず。一抹の不安がよぎる。ジョニデらより一足先に来日してるはずなのに。トニーにも勝るとも劣らぬジャージ姿で(苦笑)。

 12:16。まだ会見始まらず。会場を埋め尽くす記者の皆様お疲れ様です。
 12:18。ようやく会場が暗くなる。いよいよか!
 司会進行役は某川○ロさんじゃなくて、上品な口調の女性アナウンサーの様子でほっと一安心。同時通訳で行われるとのことで、記者の皆さんはイヤホンをつけているのか。
 しかし、またまた「パイレーツ3」の予告編がステージ左右のスクリーンに映し出される。
緑色Tのユンファ 暗いままの場内。やっとステージに、出席者が入場し始めた。暗黒の帝王?("深海の悪霊"じゃなかったっけ)ディヴィ・ジョーンズ役のビル・ナイ(長身、眼鏡)、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー(昭和20年生まれ61歳だというのに、見た目が若いので驚く)、そしてチョウ・ユンファ! 来日時のグレージャージ上下とは打って変わって、すっきりした長袖Tシャツは、なんと目にもまぶしい鮮やかな緑色。背景が真っ赤なので、実に映えます。ブラウン系のストレート・パンツを穿いてる。
 続いて主役のジョニー・デップ。グレー系細縞半袖のポロシャツにジャラジャラとアクセサリーを下げ、腰に柄シャツを縛りつけ、色褪せ系ブルージーンズ。「日曜のお父さん」にはとても見えないからトニー・レオンに見習ってほしかったり。長髪に眼鏡。
 その横に、オーリーことオーランド・ブルーム(以下、オーリー)。グレー系ジャケットに白シャツ、ブルージーンズと、プレーンな着こなし。ハンサムは何を着ても映える〜〜。
 そして1964年生まれとトニーより2歳下には到底見えない貫禄のゴア・ヴァービンスキー監督、実はオーストラリア出身、「シャイン」でアカデミー賞主演男優賞を得たバルボッサ船長役のジェフリー・ラッシュと続きます。

 男ばっかり7人。

 すごい、しゅごーい。

 ジョニデの隣が、隣がユンファ兄貴だよー! ほんとにほんとに、ユンファ兄貴だよー!

 彼らの背後を通り、通訳が定位置に付く。ジョニデとオーリーの間になっちこと戸田奈津子。…3も字幕はなっちなのか…(-_-;)

 いやそれより、ユンファの後ろに付いたのは、まぎれもなくサミュエル・チャウ周家[王探]さん! シネマート六本木での亜細亜講座、nancixも行きたかですよ…(涙)。

 さて、会見は彼らの挨拶から。もちろんユンファ兄貴は広東語で挨拶。周さんさえいてくれれば誤訳など心配無し!
 「僕はこのキャストのなかでは新人に等しい。わざわざ緑色のシャツを着て来たのは、皆にフレッシュなものをもたらせられればいいと思ったからです」と、謙虚そのもののコメント。
 年上のユンファ兄貴のその態度に、ジョニデはきっちりと敬意を表してました。続いてマイクを握ったジョニデは、挨拶の冒頭で「僕は今日は緑色の服じゃないけど、次回は緑色を着て来たいと思う」なんてフォローする。
 さらに弟分のオーリーも「僕はジョニーの言うことに何でも同意します。僕も緑を着てきたい…」とか何とか。3段オチか!

 ちなみに英語のgreenには「(人が)未熟の、経験の浅い、世間知らずの」という意味があり、「green and fresh」で、日本で言うところの「青二才の」なんて意味になっちゃうんですよね。いやいやユンファ兄貴、そんなに謙遜することないのにー。しかし、中国語で「戴緑帽」というと、妻や恋人を寝取られ恥をかかされること、あるいは妻に男と駆け落ちされても黙認して、亀のように青い頭をすくめてじっとしている臆病な男のことになるんだが……(^_^;)

 「今朝は公園(新宿の?)を散歩して、いろんなヒトと会話できた」と話す監督、「前回日本にはトランジットでしかいられなくて、一晩成田で過ごしただけだったが、今回は家族と一緒に来られて嬉しい」とすっかり観光客モードのジェフリー・ラッシュ。

 さて、質疑応答がスタートします。
 時間が限られているので「全員に聞きたい」は無しね、と司会進行役が釘を刺していたのですが、後半になってくるともうわやくちゃに。
 やはりジョニデとオーリー、監督とプロデューサーに質問が集中。ユンファ兄貴は無視かーっせっかくのアジアプレミアなのにぃぃぃ!蘋果日報他の香港メディアは出席を拒否されたのかーっ!とハラハラしましたが、ボーダーシャツの男性(ディズニーチャンネルのひと)がちゃんと「アジアから参加の俳優として、ジョニー・デップさんなど、共演者への印象は?」と質問してくれました。

 ユンファの答えは「僕は確かにこのなかで新人なのに、皆さんが家族のように扱ってくれて、とても嬉しかったです」。「開心」という、うれしいの意味の広東語が、ユンファ兄貴にはとっても似合います。心を大きく開いて、ほんわか笑顔で人に接して。

 岡山から来たアイドルユニット?の女の子一人が、せっかく質問できるというのに感激で泣き出して言葉が出ずにどっちらけ…なんて一幕もあり、その仲間?が「特殊メイクにどれだけかかりましたか。えっとぉ、ディヴィ・ジョーンズさんに聞きたいですぅ」と言って場内大爆笑。誰だこんな子を貴重な会見の場に参加させたのは。
 ディヴィ・ジョーンズ役のビル・ナイは「ハイハイ、お子ちゃまは退場!」と怒りもせずに「僕(の扮装)はCGで処理されたので、実はセット内では何のメイクもしていないんだ。ただ、全身に白い斑点をつけて、頭の上にかぶりものをして、ちょっと情けない格好だった。まあ2、3日で誰も僕を茶化したりしなくなったがね。廊下で私と同じ服装の数人…乗組員役のみんなだったんだが…を見たときは、思わずお互いに抱き合って苦労を慰め合ったもんだよ」とうまーーーくフォローして貴重なエピソードを語ってくれましたよ。大人だな、ビル・ナイ。

 そして日本テレビ「ザ・ワイド」の男性が「ジョニー・デップとユンファさんに、プロデューサーのブラッカイマーの手腕について聞きたい」と質問。
 ジョニデはユンファと目と目を合わせ、どちらが先に答えるか視線で譲り合ってから、やっとマイクを取りました。
 ユンファを尊重してくれてるーーーー!
 「ブラッカイマーはセーフティ・ネットのような役割で、どんな時も僕らにヘルプをくれ、励ましてくれた。またトルネードのようでもあり、いろいろなことを巻き起こしてくれたよ」というようなことを話していたと思う。
 ユンファは「アジアの俳優として、起用してくれて感謝しています。ジェリーさんは現場ではいつもカメラ片手に、ハロー! ハーイ!と言いながらフラフラしているだけに見えたが、実は裏であらゆることを手配し決定していて、内外からの様々な要求に応えなければならない。とても大変な役目だ。監督に好きなように撮らせ、チームの士気を高揚させる、非常に困難な任務を果たしていたと僕は見ている」というようなコメントを。

 話しながら、ユンファは一瞬でもテレンス・チャンやジョン・ウー監督のことを思い浮かべなかったかな…(T_T)

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posted by nancix at 17:31 | Comment(0) | TrackBack(2) | アジア以外の映画

2007年05月17日

カンヌ映画祭開幕!他にもいろいろ。

 ネットウォッチングが忙しすぎる(泣)。

 王家衛夫妻が余裕綽々でカンヌ映画祭に出発した反面、
 「投名状」後期工作中のピーター・チャン陳可辛監督と、米国留学中のシュー・ジンレイ徐静蕾さんのそろっての不参加、プロモーション全取り消しはどーしたんだ、
 マギーが審査員として紹介されたときに「歌手兼女優」と紹介されて本人あぜん、
 というのも気になるし、
 映画祭内の「香港之夜」がどさくさまぎれに「中国之夜」になってチョウ・ユンファ夫妻も参加するしチャウ・シンチーの新作「長江7号(仮題)」の何がしかの発表もあるとかいうし、
 もー新作が「HERO 英雄」と紛らわしい「キムタク何で来るの?」(談:北野武)に同感ですよ。どうせ日本のニュースは北野、松本、キムタクの日本勢で固められ中華勢はまったく無視されるの解ってるから、自力でネットサーフィンしないとっっ!

 13日にはいつのまにかトニー・レオンが「傷だらけの男たち/傷城」の韓国公開(31日から)を前にして、韓国メディア向けに香港リッツ・カールトンホテルで記者会見してるし!
 ピンクのカーディガン姿、可愛くてたまりません。でもホンットに顎が細くなって、肌も青白かったと朝鮮日報の記者の印象…生真面目な表情になるとお口も時々Mなのは仕方ないにしても…やつれてますよトニーさん(泣)。「僕も、太陽の下で輝きを放つ瞳のスターになりたいですよ…」と淡く微笑んだって……ううう、いいのいいの、いつも憂愁、倦怠の人なんじゃなくて、時にはオチャメな春風さんになれる人だっていうのわかってるからっ!

 で、「傷だらけの男たち」日本メディア向けの取材も香港であるんですか〜? 金城武クンにお任せしたくても、孔明さんはすでに「赤壁」撮影真っ最中ですよーー。(半ばあきらめムード)

 ところで王家衛の「My BlueBerry Nights」に出演のナタリー・ポートマンの役名、Leslieなんですよね…。
 王家衛………(感涙)。
 カンヌで見た中国人記者によると予想通り「新鮮味無し。いつもの王家衛。『2046』よりマシだけど『花様年華』には及ばない」という評だそうで。……まあ、英語映画第一作だから、手堅くね…。

 画像関連は帰宅してからアップ予定。早出だ! いってきまーす。
 
posted by nancix at 06:07 | Comment(1) | TrackBack(0) | アジア以外の映画

2007年05月14日

「My Bluebelly Nights」は東宝洋画系で全国拡大公開。

どうやらカンヌ用らしい公式ポスター
 王家衛作品にしては奇跡的に、もとい無事にカンヌ映画祭のオープニングを飾る段取りになった「マイ・ブルーベリー・ナイツことMy Bluebelly Nights」は、アスミック・エースさんの配給で、東宝洋画系で全国拡大ロードショーになるんですね…。
 2008年公開予定、としかまだわかりませんが。
 タイトルも、原題がそのままカタカナ表記になるだけなんだろーか…?
ノラ・ジョーンズ
(C)Block 2 PICTURES 2006
ニューヨーク州コニー・アイランド。40年以上前からある、何の変哲も無いデリでジェレミーは働いている。最近、ある女性が毎日必ずブルーベリーパイを買いに来る。
彼は密かにその女性に"ブルーベリー"と名づけ、彼女のためにパイを残しておく。
ある日、ひょんなことから、お互い少しだけ過去を明かしあう。そして、ジェレミーは彼女が要らなくなった鍵を預かることになる。
彼女は店に来なくなり、ある時、メンフィスから手紙が届く。
「あなたのブルーベリーパイが世界中で最高!」
ジェレミーはブルーベリーの居所を探し始める…。

監督・脚本:ウォン・カーウァイ/共同脚本:ローレンス・ブロック 「八百万の死にざま」ほか"マット・スカダー"シリーズ
出演:ノラ・ジョーンズ 第一回主演作
ジュード・ロウ 『コールド・マウンテン』『リプリー』
デイヴィッド・ストラザーン 『グッドナイト&グッドラック』『ツイステッド』
ナタリー・ポートマン 『クローサー』『レオン』
レイチェル・ワイズ 『ナイロビの蜂』『アバウト・ア・ボーイ』

2007年フランス=香港/ストゥーディオ・キャナル提供/配給:アスミック・エース
 ということで、てっきり「恋する惑星」フェイ・ウォン王菲&トニー・レオン編と同じく、ノラ・ジョーンズの視点でイケメンのデリ店員が描かれ、彼との出会いや奇妙な恋の顛末が物語られるものだと思っていたら、逆だったんですねえ。

 内容的には単館ロードショー公開(大阪ならシネリーブルや、梅田ガーデンシネマや、懐かしの「恋する惑星」公開館・梅田ロフト下のテアトル梅田で…)でロングランを目論んだ方がよさそうな小品佳作だと思うのですが、さすがにこのキャストなら拡大ロードショーもいけるんだろうか。ていうか、配給権が高かったんで、ロードショー公開しないとモトが取れないんだろうなあ…。クランクイン前の2006年カンヌで、同作の前払印税保証金(MG)の提示額が380万ドル(約4.56億円)だった、これは「超メジャー級の値段」だと、ワイズポリシーの方もぼやいていらっしゃいます。

 まあ、元ネタは「花様年華」撮影中に王家衛が香港のコンビニ勤務のヒゲトニー&客のマギーで撮った"現代編"なんだろうと推測するところで、しかも酔いどれ探偵マット・スカダーシリーズといえばトニーが好きな小説で、ローレンス・ブロックに書いてもらうならまずトニー主演作でしょうが!(T_T)と泣いたマイ・ブルー・ナイツもあったりしたわけですが、こうなったら仕様がない。覚悟を極めましょう。(from 夏目漱石「それから」)いや見ますよ見ます。ジェラシーはちょっと置いといて、見ますです。

 カンヌ映画祭関連のテレビ放映スケジュールは、さすがにMovieWalker編集長ブログが詳しいです。60回記念作品オムニバス「Chacun son cinema(To Each His Own Cinema)」も何とか紹介されないだろうか。松本人志や北野武や河瀬直美監督作品ばっかりだろうか…(-_-;)
 WOWOWの恒例カンヌ特集ページはこちら

 ちなみに@ぴあでは、5月27日(日)に『2007 カンヌ国際映画祭パブリック・ビューイング』ご招待なんてのも企画しているんですね。50組100人が招待されるとか。くぅぅ、クジ運の強い関東の人がうらやましいぜ。
 http://www.pia.co.jp/news/hot/20070510_cannes.html
 応募締め切りは5月17日(木)午前10時まで。

 おっと、会場となるユナイテッド・シネマ豊洲でも、応募受付中。こっちがメインか。
 http://www.unitedcinemas.jp/cannes/index.html

授賞式での、王家衛の勇姿や審査員のマギー・チャン張曼玉のあで姿を見たい方は、急げ!
posted by nancix at 03:19 | Comment(0) | TrackBack(3) | アジア以外の映画

2007年04月29日

今年のウォン・カーワイ王家衛は一味違うぞ!?

 今年のウォン・カーワイ王家衛は、一味違うぞ!

 96年、「恋する惑星」「天使の涙」の巧妙な宣伝戦略により、日本のファッション関係者やモード系学生や広告代理店社員やCMディレクターらが「いやぁおまえ、ウォン・カーワイの映画見た? 見たみたみた? カッコいーよなー! ドイルいいよドイル! あれ俺たちもやりたいよねー!」と話題にしていた(推定)頃に、タケオ・キクチとのコラボレートで撮影されたショートムービー「wkw/tk/1996@7’55”hk.net」が11年ぶりに映画館で上映されるというニュースも喜ばしいけど(nancixはWOWOWで放送された時のをダビングしてもらってこっそり保有、しかし8分バージョンだっけか?)、
 六本木だけか…_| ̄|○。

 第60回カンヌ映画祭のオープニング上映作品に英語作品「My Blueberry Nights(My通称、ワタシのブルーベリーな夜)」が選ばれたことも喜ばしいけど、
 何より安堵させてもらったのが"第60回を記念し「映画館」をテーマにした3分間の短編映画を、世界25ヶ国35人の著名監督に依頼する"という映画祭事務局の企画作品も製作進行中というニュース。
 最近nancix的にはスクープ連発に思える、台湾「聯合新聞網」が、その王家衛作品の一端を報じました。

 この短編映画の主演は残念ながら?トニー・レオン梁朝偉でもチャン・チェン張震でもなく、「サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋/地下鐵」(03)で七変化の"地下鉄天使"クンを演じたViter・ファン・チーウェイ范植偉。
 こちらでも、彼の最新台湾映画出演作についてご紹介しましたっけ。

 ファン・チーウェイ范植偉はジェットトーン澤東とマネージメント契約を交わして、もう5年になるのだとか。27歳かあ。やっと主演ですよ、3分間の短編とはいえ。
 英語タイトルはやたら長いぞ。「I Travelled 9000 Kilometers To Give It To You」。
 「僕は9000キロを旅して君にこれをあげる」とでも訳せばいいのだろーか。

王家衛短編の1シーンより

 何と今回の脚本は、美術監督として名高いウィリアム・チャン張叔平叔父さんが手がけますよ。長年の親友をどしどしこき使ってくれますよねえ、王家衛ってば(^_^;)
 
 9000キロメートルの距離の感覚をかもし出すために、チーウェイくんは喜び勇んで飛行機に乗り香港に馳せ参じたとか。
 ……だけど画像では、明らかに列車に乗ってますよね。ミステリートレイン「2046」号?(^_^;)

ヒロインは、これもまた王家衛のミューズの一人、マギー・チョン張曼玉ではなく「晩9朝5」(94)で上半身ヌードも辞さず、大胆な性愛シーンを演じ台湾金馬奨では最優秀助演女優賞を得たチャン・ヨーリン張睿玲。「裏街の聖者/流氓醫生」(95)では大病院の看護師ながら、トニーの誘いに簡単に応じてベッドイン、リチャード・ギアのLD一緒に見てたり。「2046」でも、トニー扮する周慕雲の誘惑に応じて彼の部屋に入り、ベッドを激しくギシギシいわせあえぎまくって隣室のチャン・ツイィー章子怡を苛立たせた、あの台詞のないナイトクラブホステス役も演じました。ツイィーとの視線バトル、怖かったよね(^_^;) 
 今回は、ファンくんとの年齢差で「姉弟恋」なんて揶揄されています。でも思い返せば「恋する惑星」でも金城武クンは、ミステリアスな年上の大人の女・ブリジット・リン林青霞に興味津々で近づいてたし、「ブエノスアイレス」のチャン・チェンも、年上の男・トニー・レオンに興味津々だったし。「2046」のチャン・チェンも、年上の女カリーナ・ラウに恋焦がれてしまってたし、トニー・レオンは年齢不詳ながら姉のようにギャンブル指導するコン・リーになぜか心惹かれたし…。"無理めの年上"に憧れる青少年ってのは、王家衛の隠れたモチーフなんだよね。メインテーマは足フェチだけどね(爆)。

 まあ、誰が何をして誰に何をあげるにせよ、物語は映画祭実行委員会の規定では、映画館で発生しなければならず、3分間でどう9000キロメートルの距離を描くのか、2人の恋のてんまつはどうなるか、期待したいところです。

 5年前のファン・チーウェイ范植偉クンは「最愛の夏/黒暗之光」(99)「きらめきの季節/美麗時光」(01)などで将来を大いに嘱望され、王家衛が率いるジェットトーン・プロダクション澤東製作公司と10年間の長期マネージメント契約を結んでいました。カリーナ・ラウ劉嘉玲は彼の出演作を見て「昔のトニーを連想させるわ」とコメントして応援。当時の彼は自信満々に「トニー・レオンを目指して、並び立てるように頑張ります!」とコメントしていたそう。
 しかし待ってもまってもチャンスが来ず、ようやく「サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋」でトニー・レオンと少し共演できただけ。しかも王家衛は製作総指揮を務めただけで、監督は香港のジョー・マー馬偉豪さんでした。今回がファン・ジーワイくんにとって、初の王家衛作品主演となるのです。

 王家衛ネット追っかけを自認するもとはしさんも(●ェ●。)さんウォッチャーのgraceちゃんも他の皆さんも、そういうことだから安心したまえ、ハッハッハッハッ。

 …あれ、ちょっと待って。他の中華圏監督のニュースと異なり「無事に完成してフィルムを送付済み、5月20日の映画祭会場での上映を待つばかり」という話題じゃないみたいだな。

 安心するにはまだ早い、かもしんない。ハッハッハッハッ(ごまかし笑い)。
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posted by nancix at 12:41 | Comment(0) | TrackBack(1) | アジア以外の映画

2007年04月05日

やはり東は東、「ブラックブック」試写会

 さて3日夜、まもなく公開される新作映画「ブラックブック」の大阪試写会に行ってまいりました。
ブラックブック

 ちょうど1944年、ナチスドイツ占領から解放される寸前のオランダを舞台にしていて、主人公はレジスタンスに身を投じながらも敵のナチスドイツ将校(ただし切手の価値をよく理解し収集し、元は地理学者だったという文人型)を愛してしまい、総本部に潜入してのスパイ活動のなかで苦悩する若きユダヤ人女性。

 いわば「ラスト・コーション/色、戒」(仮題)西洋版とも言えるので、興味を持っていたのです。
 「この愛は裏切りから始まる」というキャッチコピーなんて、そのまんま「ラスト・コーション/色、戒」に使えそうだし。
 約25億円という、オランダ映画ではありえないほど巨額の製作費を出資したのは、オランダだけでなく英国、ドイツ、ベルギーなど多国籍なのも、中華圏映画と共通するし。

 今回の試写会は、以前からファンの森川みどりさんと、神戸大学大学院経済学研究科教授で外務省に出向、ベルギー日本大使館への赴任が決まっている奥西孝至さんの対談付きで、得をした気分。この奥西孝至さんの談話は、4月6日の朝日新聞大阪本社版夕刊に記事広告スタイルで載るらしいです。

 森川さんには、ぜひとも「ラスト・コーション/色、戒」大阪試写会でも軽妙に知的に司会進行役を務めていただき、アン・リー監督やトニーから貴重なエピソードを引き出していただきたいものです。

 オランダの映画事情には疎かったのですが、同国の総人口は約1632万人。香港は約704万人ですから、2倍以上ですか。しかし北海に面した地理的事情、植民地貿易で繁栄してきた歴史的背景、思想、信条、宗教、人種を問わず受け入れてきた寛容さ(おかげで香港マフィアも麻薬取引と売春で儲け…モガモガモガ…)のためもあり、上映される映画はハリウッド映画が多く、吹き替え無しの英語映画にオランダ語字幕付きで上映されることがほとんどという話でした。
 この映画の出演者もオランダ人だけでなく、ドイツ人、カナダ人など多彩で、台詞も英語、オランダ語、ドイツ語、ユダヤ人の間で話されるヘブライ語?など。そのところは、王家衛映画などに共通しますね。しかもヒロインのラヘル(英語ではレイチェル)=エリス役のカリス・ファン・ハウテンは、ナチスドイツ将校ムンツェ役のセバスチャン・コッホと恋仲になり、いまや熱々カップルなんだそうで…何もプライベートまで国際色豊かにならんでも。
 トニーと、ヒロインのタン・ウェイ湯唯は大丈夫だったよね…(^_^;)

 実を言うと、監督が、ハリウッドで「氷の微笑」「ロボコップ」「トータル・リコール」、栄えある?ラジー賞に輝いた「ショーガール」、「スターシップ・トゥルーパーズ」「インビジブル」のポール・バーホーベンなので、実を言うと好みに合うかどうか、危惧していました。
 「氷の微笑」「ショーガール」のエログロバイオレンスのコッテリぶり、アクの強さに、辟易する淡白な日本人なもんで。「スターシップ・トゥルーパーズ」「インビジブル」はもう予告編だけでおなか一杯になり、観てません。

 で、やはり危惧はある程度当たり、いやもう「グレタ・ガルボかイングリット・バーグマンか」と森川みどりさんが紹介した色白美女、カリス・ファン・ハウテンが、脱ぐぬぐ!
 ホントに濃い茶色からブロンドに髪色を変えると、見違えるほど艶やかに華やかになれる女優です。
色白美女ラヘル(エリス)

 それなのに。

 ワンピースの裾べろーーんで素足を太ももまでおっぴろげー。
 ○っぱいべろーーーーん。
 髪だけでなく別の箇所の毛も薬品を刷毛で塗って脱色しちゃう、それも男の前で!(最初は何をして「染みる〜!」と悲鳴挙げてるのか、気がつかなかったよ…(ーー;))
 全裸も辞さない大胆さ。彼女だけじゃなくて、オランダで助演女優賞を獲得したというロニー役のハリナ・ラインも。

 どんな濡れ場でもおっぱ○を死守する中華圏の女優を見慣れていたので、もークラクラいたしました。
 さすがは"飾り窓の女"などの売春が2000年から合法化されたオランダ……って、ちょっと関係ないか。とにかく、あまりに大胆にスパッと全部見せしちゃうと、イングリット・バーグマンの冷たくツンと澄まして自分を律している中の、ぞくぞくする色気やほのかな媚が生まれないのね、と改めて痛感。
 ためらい、恥じらい、じらし、誘いかけ、また突っぱね…といった男と女の駆け引きの方が、妄想が膨らんでくれるんだよなあ。

 そうそう、この映画はPG-12です。お忘れなく。

 まあ、ラヘルことエリスは戦前まで英語で歌っていた歌手で、中産階級らしい家族と離れて女一人で自活していたという設定なので「アンネの日記」のアンネ・フランクや幼いオードリー・ヘップバーンよりもよほど自分の欲望に正直になれた、因習や女らしい慎みのタブーに縛られず、女の武器をためらいなく使える、「貞操? 何ですかそれ? 愛すればこそ、愛を全身で表現するのよ」とばかりに性に開放的な女性だったって設定なのでしょう。嫌悪感を持つ相手には決して肌を許さないので、蓮っ葉、ふしだらとまでは言いませんけどね。

 あんまりこんなことばっかり書いていると、ロクなトラックバックが来ないので。

 確かにハリウッドで長年苦労しただけあって、観客にとても解りやすく人物を紹介してくれるし、敵味方の関係を二転三転させてスリルを盛り上げる手法は見事。話運びのテンポが実にいい。銃撃戦もある、待ち伏せもある、カーチェイスもある、危機一髪の逃避行もある。2時間24分を飽きさせません。

 ただ事前にパンフ(黒い封筒形式の箱に、綴じていないバラのページが入っています)の人物相関図で、誰がオランダ人で誰がドイツ人かぐらいは、確認しておいた方がいいかも。下劣でスケベな悪役将校、フランケン以外のリーアム・ニーソンorレイフ・ファインズ系ハンサムさんが、みな何となく似て見えてしまうんですよ。最初に登場する若者がとってもハンサム♪なんだけどなあ…。すぐに出番なくなるんだよねえ。レジスタンスの男たちもいい味出してるんだけどねえ…。彼らの描写がちょっと足りない気が。特にハンス・アッカーマンス(トム・ホフマン)の思想、主義、屈折の理由などを、あらかじめもう少し知らせてほしかったなあ…。前歴ではなく、どういう生い立ちの人間なのか、さっぱり解らない。

 それに「シンドラーのリスト」のような叙情性には欠ける。深みがない。ポール・バーホーベンだから。
ポール・バーホーベン監督

 確かNHKの「映像の世紀」の白黒記録映画映像で看たと思う、「対独協力者」の女性たちが街頭に立たされ、髪をバリカンで刈られ屈辱を受けるシーンも再現されているのだけど、最も「対独協力者」だと周囲に思われたはずの二人の女性が告発を免れているので、いまいち深刻さが伝わってこない。ポール・バーホーベンだから。
ポール・バーホーベン監督

 収容所でヒロインが謗られ、あざけられ、上半身の服を脱ぐよう強要されさらに…っていうシーンも、ああこりゃ絶対に正義の味方の助けが来るよねと、観客に安心感を与えてしまうので「愛の嵐」のような頽廃と官能と倒錯の世界には突入しません(しても困る)。健全なスケベで終わります。ポール・バーホーベンだから。
収容所でのエリス

 数奇な運命をたどり過ぎ、最後は銃殺刑に斃れるある人物も、あっけなさ過ぎて拍子抜けしました。ヒロインなら絶対に救いの手が差し伸べられるのになあ。ポール・バーホーベンだから、男に愛がないのか!(愛があってもそれはそれで困る)。
ポール・バーホーベン監督

 「なぜこんなことを?」「金さ!」というやり取りには、拍子抜け…。
 金儲けだけでなく、悪事には人を出し抜き騙しおおせるスリルや、歪んだ支配欲を満たせる愉快さ爽快さ、被害者への軽蔑などもあい混ざっているはずなんですがねえ…?

 そして、あの決着の付け方。
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2007年03月17日

ETV特集「今村昌平に捧ぐ〜スコセッシが語る映像哲学」

 録画準備をしながら、たまたまNHKの土曜ドラマ「ハゲタカ」をチョイ見した。第1話導入部分で登場したプールサイドにて、無精ひげの松田龍平と、白シャツも凛々しい"ハゲタカ"大森南朋(なお)が対峙していた。松田龍平は新興IT系企業の経営者にして、外資ファンドからのTOB(株式公開買い付け)攻勢に揺れる大空電機の"ホワイトナイツ"、大森南朋は大空電機へTOBをかける寸前に、外資ファンドニューヨーク本社からあっさりと解雇された日本代表。
 TOB合戦には勝った松田龍平だが、その直後にインサイダー取引が発覚、六本木ヒルズの社内には司法の手が入り、大空電機の株は大暴落。尾羽打ち枯らした松田龍平は「ずっとあんたの背中を追ってきた…」と大森を睨み据えながら、ヤケクソかボストンバッグから取り出した札束を宙に撒き、拳銃(なんで社長が拳銃なんか持ってるのだ?)を突きつけ、しかし次の瞬間自分のこめかみに当て…というシーンだった。

 その青ざめた画面の色合い、対峙する2人の男、一方が拳銃を突きつける構図。

 うわーん、デジャブー(既視感)がnancixを襲う。

 ぬぉおおおおお! NHKまで、NHKドラマまでが「インファナル・アフェア」をぉぉぉぉ!

 うわごとを言いながら、結局はNHK教育テレビで放送されたETV特集「今村昌平に捧ぐ〜スコセッシが語る映像哲学」を録画しつつ最後まで見てしまった。
 ……いーよなーー、アカデミー賞を獲れたらこんなにタイムリーに特集番組がNHKで放送されるんだ…。
 「小林旭・渡り鳥シリーズ〜ジョン・ウーが語る映像哲学」
 「60年代東映ギャング映画〜ジョン・ウーが語る男の美学」
 なんて特集は、永遠にありそーもないもんなあ。(ジョン・ウーばっかりかいっっ)

スコセッシ対ヤン?
 …おっと、この画像は香港の雑誌サイトが掲載した、ヤンがスコセッシに銃を突きつけるおちゃらけアイコラ(^_^;)であります。

 今村昌平作品は、欲情だの欲望だのの題名を見ただけでげんなりし、オンナノコ心では(エロ&バイオレンスで、レイプシーンもあるらしいし、"いいとこのお嬢さん"が見てはいけないそら恐ろしい映画)だと思い込んでいた。いくら敬愛する緒形拳が主演でも復讐するは我にありは"人をいっぱい騙し殺した奴が、最期に死刑になる話"だし、
 「うなぎ」「赤い橋の下のぬるい水」なども、なーーんか女の描き方に反発して敬遠してきた。……もう今の年齢なら恐いもん無しかな…DVDレンタルでこっそり一人で見る分には構わないかな…。

 とにかく今村昌平作品に全く思い入れはないけれど、映画がかくも楽々と越境してしまうということはよく解った。人間関係や描かれる情緒が日本的過ぎるんじゃないかと思い込んでいた作品が、ニューヨークのリトルイタリーのカソリックの家庭で育った小柄なNY大学映画学部の大学生すら魅了してしまうということ。
 それは大陸移民の息子で香港スラム街で暴力を見聞きしながら育ち、米国キリスト教徒の援助で悪に染まらず成人できたジョン・ウーの人生行路とダブるような、ダブらないような。
 少なくともスコセッシは「日本映画の様式美をぶち壊すリアリティ志向の今村昌平」に痺れて映画撮影を続け、
 ジョン・ウーは様式美に昇華した高倉健映画やジャン・ピエール・メルヴィル作品に魅せられて「男の友情、やましいものは何もない!…けどチト濃厚過ぎないか?」映画を撮り続けているのだから、方向性はまるで違うんだなあ。
 そしてnancixはジョン・ウー作品や香港男と男の愛憎映画?が好きだ。これはもうどうしようもないのだ。

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2007年01月23日

中国で『ディパーテッド』が上映拒否

 中国で『ディパーテッド』が上映拒否 : シネマトゥデイ
 レオナルド・ディカプリオとマット・デイモンが共演している『ディパーテッド』が、中国の配給会社から上映を拒否されている。本作は、香港映画『インファナル・アフェア』をハリウッド・リメイクしたもので、作品の中には中国人の悪役が登場するが、中国での配給権を持つ香港の配給会社「メディア・アジア」社はこの映画の上映が「適当ではない」とした。また、中国フィルム・グループの副会長は「この作品を見て、本土での上映には向かないと決断した」とAP通信に語ったが、はっきりした理由は語らなかったそう。(後略)
 正確には「中国の配給会社から」ではなく、中国電影局の検閲に引っかかって許可どころか拒絶されたということなんですが……そりゃそうでしょうよ…。

 なぜか広東語を話す人相の悪い中国人(マフィア?)とアイルランドマフィアの取引。軍事用(ミサイル用だったっけ)コンピューターチップを、中国人がマフィアから買うのだが、ミソも○○も一緒かよ!と思わず舌打ちした、ジャック・ニコルソンの「おまえらが台湾を併合したかったら」うんぬんの毒舌。あれで中国で検閲に通って正規に上映して収益を上げようと思うほうが、ちゃんちゃら可笑しい。associateだかassociationだかとしてクレジットされていたメディア・アジア側は、完成試写でさぞかし頭を抱えたのではないか。ニコルソン、それは北京語を話す北京の党幹部に言えっての。広東系マフィアに言ってどうするよ。根本的に制作者サイドは、チャイニーズに対する敬意のかけらもない。まあ、それを言うならボストン警察にもマフィアにもFBIにも全てに対して、敬意なんか○食らえ!ってな調子なんだけどさ。

 と感想を抱いて、たまたま中国新華社のサイトを見ていたら、米国バージョンをメディア・アジア側が修正して検閲に合格するようにしようとそれなりに努力した、広東語を話す中国人を韓国語を話す韓国人に吹き替えようともした(オイオイ…それもヒドい話だなあ)。しかしスコセッシ監督が固執して一切の改変を拒否したので「この映画は中国当局に銃殺された」というニュースが、すでに昨年12月29日付けで出てました。

 スコセッシ監督が日本で「本当はこの映画を作りたくなかったんだ(中略)でも作らなくてはいけない理由があって作ったんだが、撮影中、そして撮った後の今でも私は怒りを感じているんだ」と発言したという報道も、実際はどんな英語を用いてどんな口調で言い放ったのかわからないものの、何に対する怒りなんだ?と首を傾げるしかない。10年越しの企画だという遠藤周作の「沈黙」映画化の方をさっさと進めたいのに、ムダに時間を費やすことになったとお腹立ちなのか? マフィアや手を汚しても良心の痛まない警官のはびこる世相にか? 中国当局の検閲を"弾圧"と感じてのことか?

 監督がリメイクを「させられた」と感じているのなら、米国の映画会社ワーナー・ブラザースにも『インファナル・アフェア』のリメイク権を売ったメディア・アジアサイドにも、随分と失礼な話だし。そんな話をわざわざ来日してすることないと思うんだけど。現場の雰囲気としてはどうだったんだろう。ウィットの一種と受け流されたんだろうか。ワケがわからん…というムードだったんだろうか。せっかくレオ様が週刊朝日の表紙を飾ったというのに(トニーは単独では「東京Walker」の表紙だけだった…)気分の悪い話ではある。

 ところが、香港の新聞サイト「東方日報」は「ワーナー・ブラザースが最近表明したところによると、米国での大ヒットに気をよくして、『ディパーテッド』前伝・続編を作りたいとのこと。マーク・ウォールバーグもインタビューに応えて、ぜひ続編に参加したい、現在映画会社はスコセッシ監督と監督のお気に入りであるロバート・デ・ニーロに交渉中だそうだと明かしている」「香港版のアンドリュー・ラウ劉偉強監督とメディア・アジア上層部には、ワーナーから何の連絡もまだ入っていない。しかしもしもリメイクするなら、ラウ監督はぜひ映画会社とコミュニケーションを取りたい、デ・ニーロの参加は喜ばしいことだと話している」と、ノーテンキに報じているのですが、はてさて。
 ラウ監督自身でリメイクした方が、世界どこでも公開できてよっぽどマシなんじゃないの?
 前伝たって、「ディパーテッド」にはすでにある程度、ヤンとラウ…じゃなかった、ビリーとコリンの生い立ちのエピソードも描かれているんだけど。
 それに続編って……あのラストに、何をどう付け加えろと?

 「○○は、実は脳死に至っていなかった」「○○○の双子の弟がチャイナタウンの食堂で働いていて」という悪夢が頭をよぎります。ああああぁぁ。
posted by nancix at 23:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | アジア以外の映画

2007年01月19日

いよいよ20日、「ディパーテッド」公開。

 金曜日とあって、今夜の夕刊は、映画広告満載でした。

 某新聞大阪本社版は「ドリームガールズ」がフルカラー全面広告、「マリー・アントワネット」もフルカラー5段広告。チン・シウトン程小東アクション監督の「どろろ」は5段広告+インタビュー企画の全面広告で、監督などにコメントさせてる。

 「無間道風雲」…もとい「ディパーテッド」「墨攻」は、かつての「インファナル・アフェア」一発目広告と同じく、白黒5段。
 「インファナル・アフェア」の新聞広告は、2003年のリーグ優勝を果たして話題の的だった星野仙一阪神タイガース監督(当時)のコメントが入ってましたっけ。(配給会社の想定した対象年齢層は、オジサンたちなんですか? おこづかいが乏しく映画見るお金があったらスポーツ紙買って一杯飲みに行ってパチンコでもしてしまうオジサンたちにアピールしてどーすんの???)と疑問いっぱいだったのを思い出します。
 結局「ヤンでトニー・レオンに完落ちでーす!」という女性ファンも多かったのに…シクシクシクシク。

 「墨攻」…キャストをカタカナだけじゃなくて、漢字名も入れてくんないかな…(^_^;)

 毎朝と夕方に見る、地下街の壁の両サイドに目いっぱい貼られた「ディパーテッド」の横長ポスター。「インファナル・アフェア」はJR大阪駅地下に数枚と、この同じ地下街に1枚だけだった…。
 正面睨みの顔ながら、瞳に悲痛さと不敵さを湛えたヤン陳永仁が、今でも恋しい。
 この宣伝攻勢からして「ディパーテッド」はどうせ初登場で10位以内に入るんだろうな、「オリジナルを知らないけど感動した」「いやオリジナルより面白い」「期待してなかったが面白かった」「豪華キャストで堪能した」「インファナル・アフェアファンはウザいから黙ってろ」と評するヒトもとても多いんだろうな、WO○OWなどで放送はもちろん、来年あたりにはゴールデンタイムに、テレビ東京系ではなくフ○か○日かT○Sで地上波で放送…はR-15指定だからかなりカットしないと無理か…と、
 何だか…正直、もうずっと前からこの国ではハリウッド至上主義なんだ、世の中そんなもんだと解りきってることなんだけど、
 いざ目の前に現実を突きつけられると……溜め息が出ます。

 いやまあ、見に行きますよ「デイパーテッド」も。日本語字幕で見たら印象変わるかもしれないし。レオが託したあの封筒ってどうなったんだっけと疑問もまだあるし。

 多分、映画の日かその次のレディス・デーに、かな。
 でも「どろろ」も「墨攻」も見たいし…香港から帰ってやっと全部録画を見た「瑠璃の島スペシャル2007 初恋」でますます惚れた緒形拳さんの「長い散歩」も何とかして見たいんだよな…。
>>溜め息交じりのボヤキの続き
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2006年03月18日

それもまた"家族"についての物語。「ブロークバック・マウンテン」

前売り券 珍しく、アジア映画以外で初日に、しかも前売り券購入で駆けつけてしまった。
 アン・リー李安監督の「斷背山」、じゃなくて「ブロークバック・マウンテン」です。
 シネリーブル神戸の午後3時40分の回は、ほぼ満席でした。
 早めに前売り券を引き換えに行ったのに、整理券番号70番だったもんなあ。
 幸い、先に入った皆さんが後ろの方の席を選んだので、前から3列目の真ん中あたりで人の頭を気にせず見られました。
 ほとんどが女性客でしたが、ちらほらと男性の姿も。
 のっぽで痩せ型の、白人男性もバックパック片手に、一人で見に来ていました。
 観光客かなあ?

 しみじみと、よい映画だと思いました。
 アン・リー作品らしく、何よりも"家族"を描き、"家族"を巡って物語る、佳作でした。

 "家族"になりたくても、20年かけてもなれなかった2人。
 どうしようもなく無口で内向的で、とはいえ人一倍激しい思いをひた隠しに隠している、牧童としてしか生きられない不器用な、イニス。
 本来は陽気で奔放で生命力に溢れている単純バカ…率直なロデオ糟ボーイで、少々下まつ毛が長くて顔も長くて(ニコラス・ケイジ系)優男とはいえハンサムで人に嫌われる謂れはないのに「俺は○○に嫌われているんだ」とつぶやくしかない、ジャック。

 マッチョであろう、逞しく強い家父長であろうと努め、子どもたちも雄々しくあれと育て、結果的に息子たちに精神的外傷(トラウマ)を与えただけの、父2人。その影が、物語全体に投げかけられています。

 せっかく"家族"になれたのに、夫の秘密の生活のせいで、心の平安が得られず満たされず、空しく老いて変貌していく、妻2人。
 父の無条件の受け入れ=愛を求めているのに、言を左右にして芯のところでやんわりと拒絶される娘の、淋しさ。

 ほんとに、単なる、同性愛者のすったもんだ、を描いているだけじゃないんです。
 それだけは、解って欲しい。

 女房子どもとの日常的なぐだぐだに疲れ、心を打ち明けられる釣り友達や飲み友達やゲーム仲間、2ちゃんねるナカーマ?と共に現実逃避したいと願う亭主族なら、主人公の行動だって、ある程度は理解できるはずです。
 子どもの夜泣きに腹を立て、妻に八つ当たりした経験のある夫なら、
 共働きで、休日出勤を命じられ、宝物のはずの子どもたちを押し付けあった夫婦なら、
 この映画には身につまされるというものです。
 舅の横暴に頭が上がらない婿養子なら、あるいは裕福な家庭に育った妻をめとった男なら、まだリモコンがついていなかった時代のテレビの、食事中に損聴すべきかどうかのいさかいのけりのつけ方に、心密かに喝采を送るはずです。
 
シッピング・ニュース そういった、日常のディテールを描かせたら、アン・リーは天下一品。
 安心して、映画の時の流れに134分の間、身を任せることができました。
 原作者のアニー・プルーは、おお、なんと「シッピング・ニュース」(01)の原作者でもあったか。(映画版は見てないのだけど)
 面白いというレベルの小説ではなかったけれど、細部まで呆れるほど事細かにきっちり描きつつ、決して美男美女ではない人物像を、その思いを、関係性を生き生きと描き出していく筆致には、感心させられたなあ。
 「ブロークバック・マウンテン」のノヴェライズも、買って帰りましたよ。

 映画版の始まりは、よくあるロード・ムービーのように、幾遜にも連なる山の稜線と道路と、明け方の光のなかをひた走るトラックのヘッドライトから。
 やがて画面に現れる、ブルージーンズがまぶしい2人の青年は、なかなか口を利こうとしません。
 観客は、どっちがイニスでどっちがジャックか、すら解らない。
 こんな寡黙な主人公、ヴィム・ヴェンダース映画でもない限り、ありえない…。ハリウッド映画にあるまじき、寡黙さなのです。
 もどかしいほどの時間を経て、やっと牧場労働者の手配師のアギーレが事務所(トレーラーハウスみたいな)の鍵を開け、「仕事が欲しかったらさっさと入れ」とぶっきら棒に言い放つ。
 どうでもいいけど、アギーレという名前が登場するたび(アギーレ・神の怒り)と呟きたくなる、半可通のnancixなのであった。

 いや実際、彼の煮えたぎる怒りによって、その後イニスとジャックは4年もの音信不通に、耐えねばならなくなるのだけど。
 何気ないふりして別れた後、咳き込むどころか嘔吐まで誘うほど嗚咽する、イニスの姿が切ないです。
 同性愛への罪悪感から嘔吐するんじゃないです。別離の悲しみのあまり呼吸すらままならなくなって、吐きそうになるんです。
 経験者は、語る。(嗚咽から嘔吐に至る経験者、という意味)


 時々(どうせ結婚しても、子どもができて数年したらセクスレスになるのなら、老後を共に過ごすライフ・パートナーは異性ではなく同性の方が気楽じゃないかなあ。それなら濡れ落ち葉と化すかもしれない亭主は、邪魔)と思ったりして来たnancixには、イニスとジャックがお互いを必要とする気持ち、解らないでもない。
 まして、彼らの絆には、人間社会のしがらみから逃れられる、大自然の中で自由を謳歌することの魅力が、分かち難く結びついている。
 以前、確か都会生活に疲れきった3人の中年男が、カウボーイの真似事に挑むことで、自分らしさを取り戻していくという映画があった気がする。
 もしも、イニスとジャックの間に性愛が介在しなければ、同じように、キャンプ好き&現実逃避の仲間、というだけで済んだんだけど。

 常々、同性との間の友情や共感が、いったいどこの時点で何をきっかけに堰を切って性愛に変わってしまうのだ?と首をひねっていたノンケのnancixには、ジャックの誘惑と、イニスの衝動が、少なからずショックであり、目からウロコが落ちる思いでした。
 帰り道であっという間に読めたノヴェライズ(活字がやたら大きいぞ)では、凍えるテント内で、ジャックがイニスの手をつかんで自分の股間に誘った時に、イニスは「なめるんじゃねえぞと思った」、とありました。
 それで、何となく「ブエノスアイレス」で、冒頭のファイ(トニー)が、憤懣を感じているとしか思えない表情をウィン(レスリー)に対して垣間見せた理由が、少し解ったような気がした。
 (てめえに好き勝手に主導権を握られてたまるか、俺だってヤるときゃヤるんだー!)って、感じ?

 男って、男って……。
 同性愛だろうと異性愛だろうと、そんなに肩肘張って、突っ張って生きなきゃいけないものなの?

 それにしても、イニスってば、そんなに激しく、前歯を折る勢いで頭突きみたいに噛み付くように接吻しなくったって……(泣き笑い)。
 あああ、そのキッスのやり方って、デジャブー(既損感)が。
 「いますぐ抱きしめたい」のアンディとか、レスリーのキスシーンとか…。

 若い頃、欧米映画のLDで研究しまくっていたとカリーナが証言するトニーのキッスは、もっと優しくて甘くて、息詰まるくらい切ないんだけど。

 あと、多分イニスはその夜まで童○だったんだと思うけど、いきなりそんな…攻受がすぐに決まるものなのか……リバースも可なのか…?(@_@)
 目からウロコ、じゃなくて目に5枚くらいウロコを重ね入れ。
 
 >>少々ネタばれ覚悟で続きを読む
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2006年03月14日

「ハードボイルド」ハリウッド版製作か?

 ガアァァァアーーーーーーーーン(効果音)

 nancixが本格的にトニー・レオンに転んだきっかけの映画、ジョン・ウー呉宇森監督作品「ハードボイルド 新・男たちの挽歌」が、何とついに4億香港ドルの予算で、ハリウッドリメイクされるというニュースが飛び出しました。
「ハードボイルド」ユンファ兄貴とトニー
 しかも、監督はジョン・スタイリッシュ・"男の友情、やましいものは何もない"・ウーさんではなく、
 ジョニー・トー杜[王其]峰監督ぅぅぅ?
 ユンファ兄貴の推薦によるのだそうです。
 
 「ChinaPress.Com」より。(どうも香港の蘋果日報の孫引きのようなので、いささか眉ツバですが)
 チョウ・ユンファとジョニー・トーは知り合って30年になる。バイブル的映画「過ぎ行く時のなかで」以後は組むことがなかったが、2人はずっと一緒に西洋映画を撮りたいと希望してきた。近日、夢はついに真になりそうだ。ある米国の映画会社が4億香港ドルを投資して、ハリウッド版「ハードボイルド」を撮影するのに、2人を指定してきたのだ。
 チョウ・ユンファは2年の休息の後に、最近映画撮影に復帰した。(中略)年末に再び北京に向かいジョン・ウー監督の「赤壁之戦」に参加して、来年5〜6月にはジョニー・トーとハリウッド版「ハードボイルド」を撮影するのだ。
 当時、ジョン・ウーは「ハードボイルド」と「狼〜男たちの挽歌・最終章」によってハリウッドに討ち入り、その後ある米国の映画会社が2作のリメイク権を購入していた。2年前にジョン・ウーにハリウッド版「ハードボイルド」を、チョウ・ユンファを男性主人公にしてリメイクしないかと打診していた。だがジョン・ウーは当時、重複する題材では撮りたくないと拒絶したのだった。
 その映画会社はあきらめず、昨年再び首脳陣がチョウ・ユンファと連絡を取った。ユンファが親友のジョニー・トーをこの作品(の監督)に推薦したのだ。映画会社はジョニー・トーの監督作品を見て絶賛し、さっそくスタッフを派遣して彼と交渉した。双方とも初歩段階ですでに細部まで話を詰め、投資金額はさらに5000万米ドルに高騰したのだった。

 (中略)一昨日、ユンファは電話でこう語った。「来年は僕と阿トーで、確かに『ハードボイルド』を撮影するよ。実は僕が彼を推薦したんじゃなくて、彼自身の実力で見い出されたのさ! 僕と彼はTVB時代に知り合って以来、現在に至るまで30数年の旧友だ。僕はハリウッドでは、もうある程度の知名度がある、当然自分の旧友にもハリウッドに来て発展してほしいと、強く願うよ」
 「僕は阿トーの最近の作品を見ている。『PTU』『ザ・ミッション 非情の掟/鎗火』『黒社会』など、相当水準が高かった。彼の監督としての腕はもう巨匠クラスさ! 充分な経験があれば外地でも発展できる、ただ香港だけに留まっているべきじゃない。『ハードボイルド』が、彼の海外進出のよいスタートになることを願うよ」

 ジョニー・トーは一昨日、インタビューを受けた時にこう言った。「西洋映画の監督第一作のパートナーが發哥(ユンファ)で、俺はとても嬉しいよ。彼さえいれば、俺は西洋映画を撮るのにプレッシャーは感じない。実はこの作品はタイトル以外、内容はジョン・ウー作品と完全に異なるものだ。映画会社は異なるストーリーを書ける人材を探している。しかし映画のジャンルは変えない。骨子は2人の優れた刑事が捜査に当たるものだ。刑事のうち1人は發哥が演じ、もう一人はハリウッド俳優が演じる。この映画は銃撃シーンが主で、發哥は多すぎる危険なアクションシーンは必要ないんだ。現在俺は香港で映画を撮りながら、一方で西洋映画を準備しているんだ」

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2006年03月10日

電通、東宝に出資 映画製作で提携拡大

電通、東宝に出資 映画製作で提携拡大 :FujiSankei Business i
 広告国内最大手の電通は九日、映画会社の東宝の株式を約二十四億円で約百十万株取得し、業務提携したと発表した。電通は九日に東宝の発行済み株式の0・58%を株式市場外の相対取引で取得した。
 電通は東宝系の劇場で配給される映画の共同製作を拡大することに加えて、劇場用映画を使った新しい広告プロモーションやマーケティングの方法を東宝と共同開発していく。(中略)電通は、「映画の共同製作以外に、クライアントの広告展開の中で映画のコンテンツを活用したり、映画にスポンサー企業の商品を登場させたりという新しい広告ビジネスも考えている」(広報室)と話している。
 うーみゅ。そうですか、電通が日本映画を本格的に…。
 東宝との共同製作・業務提携がうまくいったら、次は配給会社との業務提携にも着手しますかねえ。
 そうでなくても、「電通+東宝のアノ映画のヒット商法に、右に倣えー!」ってな雰囲気が、映画業界に蔓延するんでしょうかねえ。
 「SPIRIT」でジェイ・チョウが歌った主題歌の扱いが、日本でだけキャンペーン・ソングに格下げになるようなことが、広告代理店と大手スポンサー様の都合で、今後もどんどん行われるんでしょうねえ。
 映画を単なる映像コンテンツ、あるいは販促ツールとしてしか見られない方々には、たとえお金持ちでも口を出してほしくないものですが…。そういうのって、イマドキは無理なんだろうなあ。

 あ、よく「nancixさんのお怒り」とか言われますが、頭から火を噴き上げて怒ってはいませんよ。
 ため息まじりに「トホホ…」とうなだれてるだけだと思ってくださいね。
 関西人なので、昔から言動が「怖い…」と引かれますけど、言ってるだけで害はない。
 世界の片隅でブツブツ言ってるだけですんで。

 中小配給会社がアジア映画を扱えば、単館で、レイトショー&モーニングショー中心に、7〜10日間程度で上映終わり。
 それも関西じゃ、東京の雑誌が一通り騒いで忘れた頃に、やっと公開。

 大手が扱えば、主題歌をあっさり変更または日本の芸能人とタイアップしての、ミョーなキャンペーン。
 日本プレミアを東京国際フォーラムでぶち上げ、観客に無難な一言を言わせてCM作り。
 中国か香港で作られた有りモノのメイキングフィルムをぶった切って、お手軽な特集番組を製作。
 バラエティー番組に、せっかく来日してくれた出演者を出す。
 いつでも「大ヒット中!」「大好評上映中!」。
 どっちも、ファンとしては痛しかゆしなんだよなあ。

 映画の内容にフィットしていて、観客が思わず「ウマイ!」「すごーい」と手を叩いて喜べるようなプロモーションや宣伝方法、いついつまでも映画のよき記念になる販促グッズの開発などは、できないもんなのだろーか?
 「PROMISE 無極」だと、せっかくの華鎧を粗末に扱って日本のあちこちに出没させるより、ニコラス・チェーの金手指のミニチュア版や、チャン・ドンゴンが大事にしていた純白の羽根(血染めは縁起悪いから却下)を透明樹脂に封じ込めたペンダントを、記念グッズとして映画館&東急ハンズで販売してくれた方がよかったのに。
 「インファナル・アフェア」は、香港や中国では写真集、小説版、シナリオ集、コミック版(冒頭だけ)、ミニ人形、雨傘などなども売り出されて携帯電話の待ち受け画像もダウンロードできてと、メディアミックスぶりがすごかったのに、日本では小説版の翻訳さえ出なかった…。だからT○Sにナメられて、パクリ対象にされたのかなあ…。
 >>ボヤキの続きを読む
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2006年03月06日

米国アカデミー賞の監督賞にアン・リー

 CNNより。
 「ブロークバック・マウンテン」は監督賞と脚色賞、作曲賞の3部門受賞にとどまった、そうです。
 うーん、作品賞は「クラッシュ」かあ……。
 だけどとにかくアン・リー李安監督、おめでとう!
 とりあえずの速報でした!!!!!

 主な受賞リストは以下の通り。
 作品賞=クラッシュ(ポール・ハギス監督)
 監督賞=アン・リー(ブロークバック・マウンテン)
 脚本賞=クラッシュ(ポール・ハギス/ボビー・モレスコ)
 主演男優賞=フィリップ・シーモア・ホフマンカポーティ
 主演女優賞=リース・ウィザースプーン(ウォーク・ザ・ライン/君につづく道)
 助演男優賞=ジョージ・クルーニー(シリアナ)
 助演女優賞=レイチェル・ワイズ(ナイロビの蜂)
 長編アニメ映画賞=ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!

 いずれもまだ作品を見てないから、何とも思わないけど。
 納得できないわ〜〜!なのが、「SAYURI」の衣装デザイン賞、美術賞、撮影賞の三冠受賞!
 よりによって、衣装デザインんんんんんんんんんーーーーーーーー?
 あれがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーー?
 思いっきりお引きずりさんなのが、斬新だったり美しかったりするわけぇぇ??????????
 七五三の古着の変形みたいな、あのよれよれした「KIMONO」の、どこが誉められるわけえええ?
 審査のみなさん方に、京友禅や加賀友禅の美しさ素晴らしさを、視界ジャックして思いっきりシャワーのように浴びせてみたいわーーー!

 と、思い切り叫んで、すっぱり忘れようっと。

 いつか、ウィリアム・チャン張叔平が受賞するといいなあ…。
 ウィリアム小父さんも、もう香港電影金像奨はもらい飽きたと思うの。だからそろそろ、オスカーをね…。
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2006年03月01日

無垢なる瞳を持つ少年の魅力「オリバー・ツイスト」

オリバー・ツイスト〈上〉 せっかくの映画の日、レディース・デーと重なっちゃいました…。
 おまけにちょっと油断して職場を定時に出られず、「単騎、万里を走る」も「THE 有頂天ホテル」も間に合わず。レイトショーだと終電に間に合わないし…。というわけで「オリバー・ツイスト」を見てみました。
 原作を読んだのは遙か昔。ほとんど忘れていて、救貧院で名前をアルファベット順につけられた、というくだりだけ思い出しました。
 美術はすごい。冒頭とエンディングに銅版画(小説の挿し絵かな?)が出てくるのですが、まんま再現できてます。ロンドンの市街地は煙突からの煙でかすみ、馬車が行き交う石畳の街路には、ちゃんと馬の糞も落ちてるし。貧民窟は垢まみれの体臭が臭ってきそう。しかし人口過密だったんだなあ、当時のロンドンって。
 店舗建築は、基本的に「ハリー・ポッター」の頃とあんまり変わってないのが、さすがは英国。
 ふむふむ、あれがporridge(お粥、ポリッジ)か。確かに孤児らには到底足りない量だし、何よりまずそう。焼かないもんじゃ焼みた…あわわわ。

 憂愁のまなざしの美少年、バーニー・クラーク君、長いまつ毛、伏せ目がちの表情、おびえる姿、高熱でくらっと倒れるはかなさ。
 ええですなあ。
 ギムナジウム…じゃない、寄宿制エリート校の制服を着せて、同級生や上級生とふざけたり、窓辺にもたれて哀しげな遠いまなざしを青空に向けたり、図書室の片隅で悩みを打ち明けたりする姿が見たい。少年合唱隊などに入れてもみたい。
 でも来日プロモーションの時にはもう、育ちすぎていたりするんだよね。美少年も美少女も、ほんのいっときの「時分の美」です。

 盗品故買屋でスリ少年団の親玉フェイギン、とてもサー・ベン・キングズレーに見えない特殊メイクぶり。ていうか、キングズレーの素顔が思い出せません。ええと、かつてマハトマ・ ガンジーを演じたんだったよね? 素顔…ガンジーの顔しか出てこない(泣)。フェイギンって、どうも絞首刑になるほどの悪党に思えないなあ。せいぜいが小悪党。前宣伝の「心優しき悪党」では全然ないけどね。しっかり脅すし、ステッキでお尻ペンペンするし。孤児たちに窃盗を強要し、少女には売春させていたとしても、みんな階級社会を生き抜くためのすべ。救貧院よりマシなもの食わせて衣服着せて寝かせてやってたんだし…懲役数年で勘弁してやってほしいような。あの時代は、貧しいというそれだけでも、すでに罪人扱いだもんなあ。

エマ (1) 執筆家のブラウンロー氏、まさかTV版「シャーロック・ホームズの冒険」シリーズの2代目ワトソン君だったとは、見終わって公式サイトを覗くまで気づかなかったなあ。ドラマ見てるときから(ワトソン君、老けすぎ)と思ってたけど、さらに…。
 ちょっと英国を舞台にしたコミック「エマ」で、裸足の孤児エマを家に引き取ってメイドとして仕込み、働く心得やマナー、読み書きを教える元家庭教師を思い出してしまいました。ブラウンロー氏が善人で、ほんとにオリバー君は幸運でした。

 そして、フェイギンに仕込まれた一人で、今は悪党ビル・サイクスの情婦として売春で生計を立てていそうな、ぽっちゃりタイプの小柄なナンシー……うわお! そうだった、「ナンシー」だったんだ。すっかり忘れてたよ。こんなに若い子だっけ。仲間の娼婦には「ナンス!」って呼ばれてるような。
 悪党のビルって完全に反社会性人格障害者なんだけど。フェイギンから売り渡されて無理やり情婦にされて、まあそれでも食えるからいっか、ビルの暴力怖いしネチネチ虐められると厄介だし、適当におだてて慰めて機嫌よく稼がせておこうって感じだったのかな。あの時代には金も家もないのに女一人では、到底生き抜けない。
 そんな彼女が、新顔の美少年の命を救おうと必死になる。何の縁もないのに、みすみす殺されるのは可哀想だというだけで。
 できればナンシーには、密告を知ったビルに襲われても、引っかき傷の10ぐらいこしらえるぐらい抵抗して、ステッキ奪って数発殴り返すくらいの活躍を期待したかった(自分が殴り殺されかけたら、恐怖ですくみ上がっていなければひっかいて、せめて爪の間に犯人のDNA残して検屍官の慧眼に期待)けど、まあ、あの時代の小説なんだから仕方ない…。

 オリバーって、言ってみれば生きるためのすべを何一つ持たない田舎者なんだけど、不思議と助けてくれる人が現れるのは、やはり彼が純情そうな美少年だからでしょうか。生まれつき小ずるそうな悪ガキの顔つきだったら、到底ロンドンまでの旅の途中で助けてくれるおばあさんは出てこなかったんで野たれ死にだし、「早業ドジャー」にも助けてももらえず、ロンドンの街角で飢え死にしてたかと。ブラウンロー氏だって、家に引き取ろうとまでは思わなかったはず。
 美男はトクだ。
 持って生まれた哀しげな瞳の威力に加え、目上の男性には「サー」と呼びかける礼儀正しさも魅力。文字も読めるみたいだし、孤児院や救貧院ではそういうしつけと教育が受けられたんだっけ? それとも、身近にお手本になる人がいたんだっけ? このへんも原作にあったんだろうけど、思い出せない…。とにかく教育と品位は、重要です。持ち前の美醜は仕方ないけど、品格は努力で身につけられるはず。「生きるため、仕方ない」と言い訳して巾着切りにも強盗の手先にもなれたんだけど、幼いながらもオリバーは、不器用なまでに悪に染まることを拒む。非力だから正面切って立ち向かうことはできなくても、泣きながら、必死で。
>>少々ネタばれだが続きを読む
posted by nancix at 23:55 | Comment(0) | TrackBack(1) | アジア以外の映画

2005年12月13日

遅ればせながら「SAYURI」見ましたえ

 神戸なら火曜がレディースデーであり、作業が前工程の大幅遅れで時間が空いてしまったので、職場を定時に出て神戸・三宮に駆け戻った。ルミナリエ目当ての観光客をかき分けかきわけ、神戸国際会館の国際松竹へ。やっとこさ「SAYURI」を見るのです。
 うーん、レディースデーなのに、館内は満員になってない…。ハリポタは札止めなのに。

 思えば米国人作家が書いた「メモワール・オブ・ア・ゲイシャ」が出版されて話題になり、
 スピちゃんことスピルバーグが映画化すると聞き、
 主人公に米国在住の舞踊家オカモト・リカを起用すると聞き知ったのは、何年前のことだったか。

 そして「ラヴソング」を激賞したスピちゃんを頼って、ピーター・チャン陳可辛監督がUFO電影人製作有限公司からイチ抜けて渡米、
 ドリームワークスでスピちゃん夫人がヒロインの「ラブレター」を撮影。
 引き立ててくれたお礼にか、ピーターさんがスピちゃんにマギー・チョン張曼玉を推奨、
 「SAYURI」の豆葉姐さん役の候補になったと聞いたのも、1998年前後のことだと思う。
 
 豆葉姐さん…日本髪のマギーかよぉ…いやまあ、包容力があって聡明で、はんなりとしたなかに闘志を秘めた芸妓さん、マギーなら演じられないことはないだろうけど、「フラワーズ・オブ・シャンハイ」でさえ出演しなかったマギーだしなあ…と、ハラハラしながら事態を見守っていたのだった。
 そのへんのことは、