2008年06月03日

シャロン・ストーン騒動についてコメント

 シャロン・ストーンが5月22日にカンヌのエイズチャリティーオークションイベント直前、レッドカーペット上で発言したこと=「冷血言論」?が、日本でさえも報道される大騒動になってますが、
 彼女の発言の全容がわからない上に、報道したのが例の中華メディアということで、今までコメントを控えて事態を見守っておりました。

 シャロン・ストーンといえば、一度はウォン・カーワイ王家衛がディレクターを務めて、ディオール・CAPTUREのCMを撮影した、上海国際映画祭にも参加した、親中派とも目された人物なのに…。
 
 「演藝界512關愛行動」で、カンヌ映画祭以来久々にメディアの前に登場したトニー、カリーナらも、シャロン騒動についてコメントを求められています(香港文匯報)。
 また、ニューヨーク・タイムスのインタビューでシャロンが「香港メディアに映像を編集され、発言を故意に捻じ曲げられた」とコメントしたことで、香港有線電視(ケーブルテレビ)が反論し、i-cable.comでそのインタビュー映像の3分間を公開して、世界の観衆に判断を求めています。英語音声+中国語字幕。
 http://www.i-cable.com/editorial_highlight/sharon.asx

 彼女の発言を要約すると、四川大地震の発生について知っているかと聞かれたのに、
 「もちろん知っているし、興味深い」と返答。そしてなぜか、自分は中国のチベット問題に対する姿勢が好きではないと言い出す。「中国がこの事態をどう処理するかを私は注目している」と皮肉っぽく言い、オリンピック問題もからめる。
 自分はダライ・ラマのよき友だと表明し、中国側はダライ・ラマに対して友好的ではないと批判。ここで「現在発生した地震は、カルマともいえるわ」と、因果応報を匂わす。
 ニューヨーク・タイムズの記事によると、英語ではこうなんですね。
“I’m not happy about the way the Chinese are treating the Tibetans because I don’t think anyone should be unkind to anyone else. And the earthquake and all this stuff happened, and then I thought, is that karma? When you’re not nice that bad things happen to you?”

 しかし彼女はカンヌでの取材の続きで、「私は地震発生後にチベットの組織からのメール(手紙?)を受け取ったの。彼らは被災地に行って救援活動をする必要があると書いていて、私を泣かせたわ」と続けています。果たして被災者にチベット系人民が多いと知っているのかどうか、「彼らは私にも何かしてくれないかと質問してきたから、私はできると応えた。これは私にとってとても大きな教訓よ。人はいつも、謙虚になって誰かのために働くことを学ぶ必要がある、たとえあなたに対して友好的ではない人に対しても。これは私にとって学びの過程のビッグプロセスなのよ」と発言しています。

 これは日本で報じられている「四川大地震はチベット騒乱への中国の対応が悪かったことの報いではないかと思う」とは、少しばかりニュアンスが異なるように思えますが…。

 さらに、ダライ・ラマが欧州を訪問して世界の領袖に訪問を求めているのを、日々新聞で読むが、中国人の激怒を恐れた指導者たちは会いたがらないと述べ、「そんなことはバカバカしい、みんなクレージー・ピープルよ」と、中国人だけでなく、欧州の政治家たちにも皮肉の矢を向けているのでした。

 中華メディアの女性レポーターが「昨日、チャン・ツイィー章子怡が四川大地震の被災者救済を訴えるために、一部のスケジュールを放棄すると言ったんですが」と質問すると、シャロンはけげんそうに「誰?」と聞き返す。「チャン・ツイィーです」と言われてもピンと来なかったようで「みんな、やりたいようにすればいい。ここは自由に発言し自由に事を行える場所だし、心の中で思ってることを言える。私はその行為を停める必要はないと思うけど」と自分の意見を述べ、さらに「中国人はさらに友好的になる必要がある、(世界の)人々から孤立すべきでないわ」「エイズのことだってそうよ、私たちと同性愛者が孤立したとき、エイズ患者の児童が絶えず死んでいった。1分間に1人が死んだのよ。そんなふうであるべきじゃないわ、中国人も我々から孤立すべきじゃないわ、彼ら自身にトラブルが起きたとき、誰が助けてくれるの?人々から孤立することはできない、私たちはさらに友好的になる必要があるわ」と強調していたのでした。

 この時のシャロンの脳裏には、頑迷で閉鎖的で言論の自由がなく世界から孤立した非友好的な中国人VS(西洋?)世界、板ばさみになり中国から弾圧される哀れなチベット人、という図式が、はっきりと出来上がっていたのですね…。
 ところがもはや中華世界は孤立どころか、中華以外の世界にも大いなる影響力を携えていて、彼女の本来の意図とは全く逆の方向に、事態は暴走しているわけで…。
 29日に「私の誤った言葉で、中国の人々が怒りや悲しみを感じたことに、深く謝罪します」という謝罪声明を出しても、中華メディアは猛り狂ったまま「封殺」を宣告しています。いやはや、怖いこわい…。
 うっかり失言するくらいなら、もごもご言葉を濁してハッキリしないぐらいがいいんですかねえ…。

 この発言について「演藝界512關愛行動」出演でのインタビューで「カンヌで彼女の発言を聞いた?」と聞かれたトニー・レオンは、もちろん「聞いていない」とコメント。あんなにインタビュー&連夜のパーティー出席で多忙だったトニーなのに、シャロンの動向に注目してるわけないですよね…。
 「もし本当に彼女がそう言ったのなら、失望を感じるよ」とトニーはインタビューで答え、外国人が中国人の情況を理解していないからだと思うか?と聞かれて「中国人だってこんなことが起こることを望まないよ。彼女の言動は人に反感を持たせるものだ。彼女が謝ったとはいえ、みんなもう彼女に傷つけられたんだ」ともコメントしています。

 カリーナ・ラウはシャロンの言動は彼女が主張する人道精神主義に背くもので、プロフェッショナルらしくなく、客観的でなく、中国人を尊重しないものだ、ただし彼女が謝罪したことを許して受け入れるべきだ、中国人は「講大愛的」なのだから、とコメントしたそうです。
 「講大愛的」は、寛大な、大らかな愛を説く、という意味でしょうか?
 また、今までメディアの報道合戦にさんざん傷つけられてきた若いニコラス・チェー謝霆鋒は「この(未曾有の天災に立ち向かわなければならない)事態で、たった一人の言動にこだわっている場合じゃない。彼女はとてもちっぽけな存在で、全世界が被災者を救おうとする心を妨げるわけじゃない、また中国人の心を妨げることもない。現在、何千何百人の人々が(救援活動や募金活動などの)よいことをしているのだから、それを報じるべきであって、メディアは相手(シャロン)について報道すべきじゃないよ」と冷静に説いております。

 そりゃそうですよね。シャロンを「絶対に許さない」「封殺」だ、と騒ぐ中華メディアもネットユーザーも熱くなりすぎだし、どっちもどっち。
 と、東と西のはざまの日本人は思うわけなんですが。

 阪神・淡路大震災の時の東京メディアによる数々の迷言や失言、まだ覚えてるもんなあ…なかなか人間、赦しの境地に至るのは難しいもんです…。
posted by nancix at 06:06| Comment(0) | TrackBack(0) | トニー・レオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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