そのレストランのドアと壁面には、所狭しと来客によるサインやコメントがマジックで書かれていたのだが、ちょいデブ王子君は天井近くを指さし「あれ、オレが書いたの」と広東語で言った。見ると、どうやら仮面ライダーのつもりのマンガチックイラストだった。
「え? あなた、[巾蒙]面超人(香港での仮面ライダーの呼称)、好きなの?」と聞くと、彼はファンキーに「♪セマルゥー ソッカー!」と、調子っぱずれに歌ったのだった。ソッカーじゃないよぉ、ショッカーだよう。…全くもう、日本でも香港でも、特撮好きが昂じて映画業界に入っちゃう若者、いるんだよねえ…(^_^;)
そういえばこの歌を日本人インタビュアーの前で歌ってみせたと聞いたことのある、軟硬天師のエリック・コッ葛民輝は最近どうしているんだろうねえ…。
トニーは一度、スタッフにうながされてドア近くまで来たのだが、また呼び返されて奥へ戻ってしまった。そして、2ショット撮影の順番が我々にも回ってきたのだった。持ってきたデジカメが、とりあえず一度は役に立った。
うー……できればトニー1人の写真を…自分の不細工な、泣き腫らしたまぶたの顔は要らんのだけど…そんなワガママを言えるムードではなかった。トニーはいかにも慣れた感じで、誰にでも腰に手を回してくれた…顔はややムスッとしたまま…。
2ショット写真の後は、全員での記念写真。それが終わって、やっとトニーは解放されるのか…と思うと、また戻って、日本人ファンの誰かが香港人か中国人ファンにプレゼントしたらしい日本製「ラスト、コーション/色、戒」パンフにサインしてるよ…店員にも頼まれて何やらサインを始めたよ…_| ̄|○
あのー…もしもし、世界のトニーファンのみなさーーん、愛してやまないスターさんに帰宅して我が家でゆっくり休養してもらうという選択肢は、皆さんには無いのですかぁぁ?(自分も参加しといて言うな)
でもいよいよ澤東スタッフが帰る気まんまんで、車が来ないか外をうかがっているので、一緒に外を見てみる。日本時間なら丑三つ時、人っ子一人、車1台すら通らない。「よかったですねえ、娯楽記者がいなくて」と思わず言ってしまう、どこまでもスタッフ根性で、ゲストに成りきれない自分が情けない…。
トニーがやっとドア近くに来た。やっぱり、かなり疲れた顔だ…。思い出したようにnancixに聞いた。「君はいつ日本に帰る?」「3日です」と答えると「ふーん」だけ……。日本人は気ぜわしい旅行をするもんだなあ、と呆れたのかもしれない…。
「今夜はゆっくり眠ってくださいね」と、おねんねの仕草付きで広東語で言うと「僕も、そうしたいんだけど」と、ちょっと情けない表情になってぼそっと言った。……そうねえ、今夜って言っても、もはや4月2日、明け方までたったの4時間ぐらいだもんねえ…でもどうせキミは朝9晩5の勤め人じゃないんだから、朝寝坊も好きなだけできるんじゃないの…? 俳優の日課の筋トレなどにいそしんじゃうの…?
はぁぁ、今夜のやりとりはたったのこれだけかあ…。しっかり睡眠をとり、朝刊を買いに行き、飮茶の待ち合わせ時間までにブログを書いて、英文ファンサイトにコンサートレポートを書く方がよっぽど…(以下略)。
やっと迎えのワゴン車が来て、トニーは皆に手を振りながら車に乗り込み、2人ぐらいのスタッフらと共に帰っていった。後のスタッフはそれぞれに、タクシーで帰る様子だった。日本語のできるスタッフさんが香港人ファンのIさんらと我々のことで相談して「彼女たちと一緒に帰ってくれるのね」と確かめてくれていた。足手まとい日本人への気配り、申し訳ありません…<(_ _)>。
韓国人世話役のお姉さんも「再見、サヨナラァー」と声をかけてくれ、思わず「カムサハムニダー」と、天童よしみの演歌で覚えたお礼を言ってしまうnancixなのであった。クスッとお姉さんが笑ったのは、本当は口語では「コマプスムニダ」の方が一般的だったからであろうよ…(コマ…コマ…とっさに発音でけんっっ!)。
香港人ファンのIさんと香港在住の方が率先して、九龍半島へ海を渡って行ってくれるタクシーが止められそうな道路に誘導してくれた。5人とも旺角周辺でいいというので、1台に同乗することに。ぐるりと旺角周辺を回って我々を送り届けるというのも、Iさんが運転手に説明してくれた。結局、nancixのホテルにいちばん早く到着した。タクシー代を払おうとすると、Iさんは「夕食の時でいい」と受け取ってくれない(泣)。結局合計額が幾らになるかもわからないので、その場はお言葉に甘え、払わずに下りることにした。
ホテル玄関を入って行くと、夜勤のベルキャプテンのおじさんが安堵したような顔で迎えてくれた。思わずぶんぶん手を振って「Good night!」としゃがれ声で言い、エレベーターホールに向かった。本当に、ここのホテルマンは親切だなあ…。
自室に戻り、バスタブにお湯を貯めるのに悪戦苦闘する。香港のホテルで、ふんだんに希望温度のお湯が出ることって、ほとんどないような…。お湯が貯まるのを待つ間にノートパソコンでネット接続し、某SNSを見てみると、飮茶の約束をしている香港人の友人Sちゃんから、英文メッセージが届いていた。
「携帯電話の件、了解! 今日はこの時期の香港には珍しいくらい、寒いよ! ジャケットを持ってる? 私は明日、ジャケットやマフラーを持って行ってあげるよ? 必要なら返信してね!」と。
…なんて機転の利く子なんだー! おねーさんは嬉しいよ、キミが大好きだよー! さっそく「ジャケット2枚とカーディガンを持って来ているから大丈夫! 明日の再会を楽しみにしているね!」と返信し、入浴して、午前4時近くにやっとベッドに潜り込めた…。いやはや、長いながい夜だった…"クヨクヨ君"もさすがにもう、熟睡できているであろうか…?
2008年04月02日
やっとお開き。午前様のホテル帰着
posted by nancix at 04:00
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