2008年04月01日

レスリー@映画音楽コーナーでむせび泣き

 ぶっちゃけトークが終わると、スージー・ソー蘇絲黄はまたセリから降りていった。スクリーンに、また映像が映る。今度は映画人たちからのメッセージ。
 チェン・カイコー陳凱歌監督、ピーター・チャン陳可辛監督、スタンリー・クワン關錦鵬監督、メッセージ中は「レスリー」と呼んでたツイ・ハーク徐克監督、レスリーと組んで旧正月映画を何作も作ったレイモンド・ウォン黄百鳴監督兼プロデューサー、最後に、「赤壁」製作が一段落して一息ついたかもしれないジョン・ウー呉宇森監督…字幕が無くて悲しい。
 そしてスクリーンに登場したのは、若い、わかいレスリーの映像…そう、「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」シリーズの、非力だけどけなげで一途な書生さんだ。
 もう何百回も聞いた気がする♪人生路〜〜の「イ青女幽魂2〜人間道」のイントロが始まる。テレビ番組でレスリーとじゃれ合っていた、作曲者のヒットメーカー、ジェームス・ウォン黄霑さんも、もはやこの世の人ではない…。
 歌うはウィリアム・ソー蘇永康。今までの出演者のような黒じゃなくて、ブルーグリーンの光沢あるミディアムコート+黒ボトムを着ていた。
 彼は巧いのよ。ほんっとに巧い。でも、レスリーの声の甘やかさ、ちょっとかすれたりする、湿り気のあるレスリーの歌声じゃない。カーーーンと突き抜ける。
 あああ、レスリーの歌声が恋しくなるぅぅぅ。
 ウィリアム・ソー蘇永康が続いて歌い出したのが「君さえいれば〜金枝玉葉」の挿入歌「今生今世」。「君さえいれば」の名場面が背後のスクリーンに流れ、もうもうもう……。

 nancixの涙の堰が、切れた。

 もうね、目から鼻から力水。
 声を出さずに、むせび泣き。

 そんなつもり、なかったのに。

 大阪での追悼上映会で、「君さえいれば」終映後、声を立てて号泣しているファンを見て(レスリーは観客に笑ってほしくて、楽しませたくて、ほのぼのして帰ってもらえるように頑張って演技したのに、そのキモチを無下にしちゃダメじゃないか! 泣くもんか。あたしゃ、人前でなんか、泣かないぞぉぉぉ)と内心思ってたはずなのに。

 5年分の屈託した思いが、知った人の誰もいない、香港庶民の中に一人混じったおかげで、噴出してしまった。
 声を出さずに泣き続けたのは、今年3月に十三回忌を迎えた母の死の後のしばらくの間だけなのに。

 ステージには、ウィリアムのコートと同じブルーグリーンのドレス姿の女性歌手、ウィニー・シン辛暁[王其]も登場。ウィリアムとデュエットを始めるのは、「さらば、わが愛〜覇王別姫」のイメージソングとしてロックレコードが出した「當愛巳成往事」。

 "愛はもう、過去のものになってしまった"……。

 そうだね、レスリー。
 「當愛巳成往事」を最初にデュエットしたサンディ・ラム林憶蓮と、作曲者でもあるジョナサン・リー李宗盛は、この歌のデュエット後に不倫の恋に陥り、世間の非難ごうごうを耐えて乗り越えて結婚し、でも結局、あっけなく別れてしまったよ…。サンディ&ジョナサン版
 サンディ・ラム林憶蓮を大歌手に育てながら別離を迎え、マンション階下に住んでいた若いロレッタ・リー李麗珍と結婚したクラレンス・ホイ許願も、結局はロレッタと離婚しちゃって、さらに若い女と再婚したよ……。

 本当に、人の思いなんてうつろうもの、はかないよね……。

 映画の中に封じ込められたひとときだけが、輝いていて…。

 ステージでは、あの断ち切られたブリッジをバルコニーに見立て、ブリッジの上にウィニー、ステージ上にウィリアムが立ち、ロミオとジュリエットよろしく「深情相擁」を歌うのだった。そう、この北京語曲は「夜半歌聲〜逢いたくて、逢えなくて」の挿入歌。さすがにウィリアムは提灯ブルマー+付けボクロは拒否したとみえる…。

 歌が終わると、スクリーン上では「レスリーキスシーン集」が始まる。
 いや、
アジア一キッスが巧くて、接吻だけで女をとろけさせることができるのは、トニー・レオンだ!
 と一人だけ声を大にして言って来たnancixですが、レスリーもいろんなキッスを、あーんな人ともこーんな人ともしてきたんだっけ。はううううう。
 続いてのトークは、アニタ・ユン袁詠儀。白シャツに黒ベスト、黒ボトムというマニッシュなスタイルが、相変わらずよく似合う。
 彼女もスツールの上に座り、マイクを持ってのトーク。かなり長かったです。

 「君さえいれば〜金枝玉葉」続編の「ボクらはいつも恋してる!金枝玉葉2」(96)撮影現場では、ベッドルームのセット内で、男物パジャマ姿で、両足の間に羽毛枕はさんでマジに眠りこんでたテディボーイ…いや彼女なのに、いまや1児のママなんだよねえ…。

 アニタのトークが終わると、場内にまぎれもなくトニーの、低いもそもそとしたモノローグが響き渡る!
 そう、映画「ブエノスアイレス/春光乍洩」からのモノローグ!

 アストル・ピアソラ作曲のBGM(うわーどれだー? プロローグ (Tango Apasionado)? フィナーレ? Milonga for3じゃなかったと思う…)がゆるやかに流れ、短髪マッチョな男性ダンサー2人が登場、物憂げに絡み合い、身体を揺らす…。

 違う……。

 マッチョじゃだめなんだってば…。

 レスリー&トニーの少年体型でないと……。

 そしてやっと、やっとやっと!
 トニーが、黒いいでたちでステージに!
 今回は紅を着ようねという周囲の申し合わせに一人だけ抗って白、なんてことは、ありませんでした。
 スポーツ・グラスでもコーディネートの細部が解らず、マフラーをしていたとかは、後で新聞記事を見てやっとわかったこと。

 わっと、アリーナ席後方あたりから歓声が上がる!
 そして、場内を揺るがす大拍手!
 nancixの周囲の一般香港ピープルも「偉仔やぁ」「偉仔やでぇ」とざわめく。…いや、香港人が突然大阪弁になるわけないんだけど、そんなふうにしか聞こえなくて。

 あああ、トニーってば、聴衆に歓迎されているわぁぁぁ! じーーーーーん。
posted by nancix at 17:25 | 旅行記
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