2004年10月29日

紹介されなかった不遇の女優。

 きらびやかな当代きっての中華圏美女をそろえた「2046」だが、ついにパンフレットでも写真集でも紹介されなかった不遇の女優が一人いる。
 ドン・ジェ童潔ちゃんよりもよっぽど出番は多かったのに。
 ナイトクラブのホステスや遊び仲間らとレストランに繰り出す(同伴出勤直前?)周慕雲が、パートナーとして選んだホステスだ。
 もちろん、チャン・ツイィーが苛立って壁を叩いた時、周慕雲に組み敷かれてあえいでいた女だし、
 チャン・ツイィーが面当てに男と戯れて見せ付けた後、お返しとばかりに周慕雲が部屋に呼びつけ、廊下でツイィーにガンを飛ばし、室内で盛大にあえぎ声を聞かせていた女でもある。
 未来部分でも一瞬、アンドロイドとして登場する。
 見分けがつかなかったけど、周慕雲の回想の中で、カリーナと口喧嘩して悪態をつくのも彼女じゃなかったか?

 役名すら与えられていない彼女は、チョン・イウリン張睿羚という香港女優だ。
 英名はFarini Cheung Yiu-Lingという。
 …フェリーニ??? ファリニ?

 最初に彼女を認識したのは「晩9朝5」(94)という、香港の青春群像劇映画だった。
 マット・ディロン、ブリジット・フォンダ主演の 「シングルス」(92)という映画に着想を得たそうなんだけどね。
 この映画でデビューを飾った若手男女は多いのだけど、張睿羚もその一人。
 西洋人女校長の秘書として働く設定の彼女と来たら、冒頭でいきなり、明け方の車内で、チャン・シウチョン陳小春の股間にキモチEことしてあげてるんであった。
 学校に出勤したら可愛いスケジュールブックを開き、イカセた相手の名前と場所を記録してるしさ。
 いやもう、度肝を抜かれましたよ。
裏街の聖者

 そしてトニー・レオン主演作「裏街の聖者」では、トニーとめでたくベッドイン。
 大病院の看護婦なのに「リチャード・ギアのLD」であっさり釣られて、下町医者のトニーさんにお持ち帰りされてしまってた。
「裏街の聖者」より。

 こうして見ると、二人とも若かったなー。

 ペコちゃんみたいな顔でおきゃんで、決して美人とはいえない彼女は、裸も辞さない体当たり演技で女優業を続けていたのだけど「晩9朝5」の好きモノイメージがあまりに強かったのか、レイプ犯を描く三流映画などで安っぽい使われ方されて、気の毒だった。「G4特工 オプション・ゼロ」というアクション映画にも出ていたけどね。
 97年後の香港映画界大不況の一時期は、女優の仕事がなくてウエイトレスとして働いていると週刊誌にすっぱ抜かれたほどだ。
 まさかその後、王家衛に起用され、世界デビューを果たすことになるとは。
 人間、万事塞翁が馬である。
 そんなわけで、彼女を確認するために、もう一度映画館に行こう!
 えっっそんなマニアックな楽しみ方をするのは、日本でnancixぐらいなもんだって?
 ……_| ̄|○

 すいませんねえ、根っからのマニアで、数回見てると脇役も気になってきて仕方ないもんだから。
posted by nancix at 01:24 | Comment(5) | TrackBack(0) | 2046
この記事へのコメント
 私の最愛のマック先生に、あの眼力でほだされる看護婦さん、確かにいましたねー! でも看護婦さんとは、あれっきり?
 あの、毛皮を肩にひっかけたオレンジっぽい色のドレス姿の女性でしょうか?
 チャン・ツイイーとは違って、お互い納得ずくで夜を楽しんでいる大人の関係という感じでしたよね。でも彼女とも、周さんはいろいろあったんでしょうか? お金で解決した? 何となく遠ざかってしまったんでしょうか?
 若い頃はそういうのって不潔!いやらしい!と嫌悪していたのですが、何だかだんだん、そういう一夜の遊びを楽しみたがる、永続的な関係を面倒だと思う男女の生理も、わからないでもなくなりました。
 これって大人の物分かりなのか、堕落なのかよくわかりませんが…。
Posted by YunYun at 2004年10月29日 11:52
早まらなくてよかった・・・
今日見に行こうと思ってたんですが
急用が入り「来週にするか・・」とちょっとしょげてたんです。
なるほど、このお方は覚えてますが
『2046』の方がこの方だとは!?
音楽もヴォーカルを聴きながら
ストリングスの旋律やピアノの弾き方、
効果音に耳がいっちゃう私には
お宝情報でした。
ありがと〜!これでまた楽しみが!
さてルルの部屋にヨディとの写真が飾ってあったかとこの女優さんを探さなきゃ!
(でもこの頃とずいぶん変わってる?)
Posted by ドンチャ at 2004年10月29日 18:18
「裏街の聖者」の看護婦さんでしたかぁ〜。
大好きな作品で何度も見てるのに〜。(^^;
>未来部分でも一瞬、アンドロイドとして登場する。
この場面も全く気付きませんでした。

次回はこの辺も踏まえてじっくりと鑑賞します。
貴重な情報ありがとうございました!
Posted by ミスフィット at 2004年10月29日 19:33
 チョン・イウリン張睿羚は 「裏街の聖者」のときよりもずっと老けて、メイクも濃くて、貫禄出てます。チーママぐらいには(^_^;)
 アンドロイド姿は本当に、一瞬フェイかカリーナとすれ違う程度なのです。
 プロポーションのよさと、ツイィーと対照的な庶民的な容貌で選ばれたのかなー。もっと詳しいプロフィールを「電影双週刊」で見かけた記憶があるんだけど(海外育ちだっけ…)例によってブラックホールに落ち込んで、出てきませんのさ。
Posted by nancix at 2004年10月29日 22:37
解説を拝見して何度も頷いてしまいました。
この女優さん、2046を鑑賞後、ずっと気になっていたのです。どっかで観たにしては・・・でも今回の役はケバい化粧で、上海で撮影してたから上海の女優?(でも広東語喋っているし)などと、もやもやしていました。
まさかあの看護婦さんだったとは!
でもまさにこの人です・・・(2046のときの顔を再度思い出している)。
出番もけっこうあることですし、どこかで彼女を紹介してあげてほしいものです。

貴重な情報を本当にありがとうございました!
Posted by まる☆ at 2004年10月31日 10:08
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