こないだ届いた「香港電影通信」2008年1月20日号の巻頭特集「新春座談会 新フェーズ突入! 中華圏が牽引するアジア映画網の拡大」を、大変興味深く読みました。
出席者は野崎歓先生、市山尚三プロデューサー、東京国際映画祭「アジアの風」プログラム・ディレクターの石坂健治氏。
「香港電影通信」にもかかわらず、冒頭は昨年の韓国映画日本公開状況の総括から。
ヲイヲイ…と思っていたら、「キネマ旬報」でもトニーを絶賛してくれた野崎歓先生、やってくれました。「ラスト、コーション」でアン・リー監督にインタビューした話を持ち出し、エドワード・ヤンが「色、戒」を撮影しようとしていた、しかもヒロインの王佳芝がブリジット・リン林青霞というのみならず、レスリー・チョン張國榮も出演させたがっていたというエピソードに持ち込みました。(易先生は「2046」のオペラ好き安ホテルのオヤジ、ライ・チェン雷震だから、レスリーは王力宏が演じた愛国正義漢大学生=女にはオクテな青年役か)
その後も、ともすれば大学講義のように堅くなる談話を和らげ、「ラスト、コーション」話やトニー話に何とかもっていこうとする(「マイ・ブルーベリー・ナイツ」のジュード・ロウが、どうしたってトニー・レオンに見えてしまうって…♪わかーるわかるよ キミのキモチ〜と、テッペイちゃんの古いCMソングを歌ってしまう)野崎せんせの頑張りに、読みながら喝采を送ったのですが。
その野崎せんせ、もちろん東京大学文学部准教授であります。
トニー・レオンに熱いあついエールを送るだけでなく、ちゃんと本業も頑張っておられます。
2月2日、記念すべき「ラスト、コーション」初日の午後2時〜午後4時に、東京大学駒場キャンパス学際交流ホール(京王井の頭線 駒場東大前駅)で第9回LAC 国際シンポジウム「映画と『敵』-中国語圏映画における日本軍の表象」で、司会を務められるのです。
このシンポジウム、太っ腹なことに参加無料、事前登録不要です。
ゲストは香港嶺南大学(「ラスト、コーション」で王佳芝らが在籍していた、あの嶺南大学の現在形ですよ!)の女性研究者、メアリー・ウォン黄淑[女閑]さん、
そして北京からは、北京社会科学院外国文学研究所の許金龍さん、
日本代表は「中国映画を読む本」などの著書が多数ある、東京大学の藤井省三先生。そして日本大学の三澤真美恵さん。
講演タイトルは、藤井先生が「2000年中国映画における「日本兵」――姜文監督『鬼が来た!』と蒋欽民監督『戦場に咲く花』」。三澤真美恵さんは「冷戦期台湾における銀幕の『敵』」。
許金龍さんは「ある南京出身者から見たスクリーン内外の日本兵」。
メアリー・ウォンさんは「Domesticating the Enemy: The Representation of Japanese in Hong Kong Cinema of the 1950s and 1960s」。つまり、敵を飼い慣らす(懐柔する?)〜1950年代〜1960年代の香港映画に見る、日本人の表現、という意味か。
野崎先生のこと、きっとメアリー・ウォンさんには、「色、戒」=「ラスト、コーション」の話題もぶつけると期待したいのですが、どうでしょう?
もちろん、日本軍が中国大陸で快進撃を続け、広東、香港、上海と支配を強めていく時代を描いた「ラスト、コーション」には、日本軍兵士の姿も点描されます。
街中に設けられた検問で、居丈高に中国人市民を牽制する兵士だけでなく、日本人が多く住んでいた虹口地区の日本料理店(料亭?)には、酔って醜態を見せる将校の姿もあります。
「敵」を描くにはあまりに人間くさい描写であり、蒋介石配下らしき藍衣の間諜頭目・呉の非情さの描写に比べると、アン・リー監督、かなり敵国軍人に対してお手柔らかです。
もちろん、宴席に独り残った易先生が、漏れ聞こえる「潮来出島」だか「浮き草や」だかに対して、キツーい一言をおっしゃるシーンもありますがね…。
もしもお時間と興味があれば、このシンポジウムを堪能後、初日夜の「ラスト、コーション」上映に行かれてはいかが。
さらに作品全体への理解が増し、エ○シーン以外への関心度も高まるかもしれません。
ていうか、高めるべし! 高まれ!
高まれば!! 高めよう!!!
2008年01月27日
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リーホンの役ということはないのでは?
しかも、ヒロインがブリジットなら尚更
「花様年華」のマギーのボスです。ご存知とは思いますが、夭逝した女優・樂蒂のお兄さんです。