山田風太郎や南条某らのように性描写が露骨でないから、父娘で話題にしても恥ずかしくない。
特に藤沢周平作品は、清冽なイメージがある。
やや泥臭くて、何らかの一念や武士としての礼節、男・女としての倫理を守って、生きるのに不器用な人物という設定が、
じゃがいもか下駄に目鼻を付けたような人物も、ちゃんと主役を演じている、
ちょっとだけ目鼻立ちが整っている程度の田舎娘でも、終生のマドンナになれる、
のが、美男美女しか小説の主人公になっちゃいかんのかい?というイジケ女の思いを充たしてくれるのであった。
ハッピーエンドが少なくて、読後に思わず溜息をついて「人生は無常なり」とつぶやかずにはいられない作品もあったけど…。
でも、藤沢作品のドラマ化や映画化は、ねえ…。なぜか、あまり見る気がしないのだ。
平岩弓枝の「御宿かわせみ」はドラマになってなかったら、読まなかっただろうけど。
藤沢作品の人物は決してnancixの周辺にいそうもない、まだ見たことのない北国に住んでいるはずの人々で、毎度テレビや映画でお馴染みの、見慣れたタレントが演じてると違和感バリバリだからかなあ。
こないだまで、とびとびだけど藤沢周平原作のドラマ「秘太刀馬の骨」をNHKで見ていた。
えらくまた、近藤等則による馬のいななきっぽいBGMも、照明も音響もわざとの書き割りみたいなセットと舞台劇っぽい構図も、CGXによる馬透視のイメージ(…馬の骨だからって、そのまんまかよ…_| ̄|○)も、エンディングテーマに袴姿の近藤等則が出現してトランペット吹くのも、前衛的というか、実に実験精神満載のドラマだった。
いったん読んだけどBOOK OFFに売ってしまった原作の文庫本を、また買って、おととい帰りの電車内で読破した。
原作では、段田安則が演じた浅沼半十郎が主役なのに、ドラマでは立ち合いマニアの破天荒な変人・石橋銀次郎をウッチーこと内野聖陽がキャスティングされて、主演になってたよ。
原作では、幼い息子を亡くして気鬱に陥った半十郎の妻が、うつを克服して自信を取り戻す姿が感動的な幕切れを呼んだのだけど、そして「秘太刀馬の骨」の真の使い手は…?という謎解きをさらに奥深いものにしていたのだけど、それがさっぱり無くなってた(泣)
ドラマはなあ…面白いんだか何なんだかよくわからなかった(苦笑)。
延べ20日練習したというウッチーの殺陣は、それなりにカッコよく映されていたけどね。
草葉の陰の藤沢周平先生、いったいどう思ったことだろう…?
で、今朝。
はーーーーーーーーー。
山田洋次監督+木村拓哉で、藤沢周平作品の映画化ですか。
で、デカ活字で「侍」「世界進出」ですか。
……………………。
原作となるこの短編、文庫でいうと「隠し剣鬼の爪」の巻末に収録されている作品だと思う。
いま、「セブン・ソード」原作の徳間文庫「七剣下天山」を買ったばかりで、読み進めているけど、人物名は同じでも人物設定がまるで違うので、大混乱ですよ。
(え? これって黎明でしょ? これがドニー・イェンでしょ?)と思うと、ちっとも進まない。「鹿鼎記」の青年皇帝アンディ・ラウ劉徳華いや康煕帝が、まさか先帝を……あわわわのわ。
そこへいくと、これくらい短い作品の方が、映画題材としてはちょうどいいかも。
主人公、美男子とはいえあんまり好きになれないタイプだし、女の無言の忍従ぶり、ちょっとやだなあ…。
藤沢作品の、ビシバシとダメ男をやりこめるぐらいたくましい、憎まれ口を叩きながらも心でトホホ…あたいって、どうしてこうなんだよぅ…と泣いてるようなひたむきな女性像は、映画化に向いてないかい?

"視力を失った剣士"といえば、やっぱり「楽園の瑕」のトニー・レオンを思い出してしまう。
砂漠をカッと照らすまばゆい太陽を無心に見上げる、まぶしげなあの表情。
思い屈した、意地になりながらも寂しげな横顔。
居酒屋?に座ったまま見せた、冷ややかな瞳の色。
押し寄せる馬賊の大群を前に、不敵に笑ってみせる凄み。
藤沢周平の、寒色系墨画淡彩の世界とは違う、ざらざらと乾いた黄土の、粗いタッチの油彩画世界にたたずむ、シルエット。
あの味わいも、とても好きだ。
さて、山田監督作品は、どんな色合いの絵になるのか。
カンヌだかベルリンだかも米国アカデミー賞も、まーた2004年度カンヌ映画祭みたいに日本映画人の話題一色になるのかねえ。
あともう数センチ横を映してくれれば、王家衛が! ツイ・ハークが! おじさん…じゃなかった山田監督ちょっとどいて! 背後に香港の○○が!なんてことにならないかねえ?
来夏から撮影開始という王家衛&トニー・レオンの「一代宗師」は、出品がちょうど1年ずれるかな? 2年、いや3年……?
なはは、いつ完成するかなんて、あんまり考えないことにしよっと。
とにかく日本での、大作or豪華キャスト=世界進出!と直結する短絡思考に対して、つくづく鎖国的な社会であることよと嘆じたり、
昔っから、世界に打って出なければどうにもこうにもならない、
香港という「弾丸の地」だけでは人口的に考えても決してモトが取れない悲哀、中国と台湾の対立の狭間で、東南アジアも日本も欧米もある程度視野に入れないとどうにもならない宿命におかれながら、何とかして作りたい映画を作り続けてきた香港映画人のタフさ、粘り、情熱、シニカルに裏打ちされた楽天主義を、
改めて想ったりしてみる。



藤沢周平氏の作品を映画化する、最初の「たそがれ清兵衛」を観たとき原作と映画とのギャップに違和感がなかったといえば嘘になります。
それでも映像とストーリーそしてその劇中に話される言葉が当地の方言。
うれしかったものです。
そして今、「蝉しぐれ」が公開されております。
こちらは黒土監督の作品。ちょいと趣が違ってよろしいかと・・・。
お時間と懐が暖かいときにでもいかがでしょう?
私は藤沢周平作品読んだことがないので(汗)
原作のイメージはよくわからないのですが、キクタクで時代劇ってどうよ?と思ってしまいました。彼にとっては真価の問われる作品になるんでしょうねー。。。
>王家衛&トニー・レオンの「一代宗師」
POP ASIAでトニーも言ってましたが、来年の夏にはクランクインすることを願いつつ、そうすると完成はいつ?、、、というのは私も考えないようにします(笑)
でも、これからワイドショーでこの話が話題になるたび、「2046」のtakの映像が流れるのなぁ・・。トニーの映像が出るわきゃない、とわかっていつつ、TV画面に釘付けになっちゃうじゃないですか。
その上、今後トニーが来日した時には「木村さんが主演した映画『○○』はご覧になりましたか?」とか「木村さんの演技をどう思いますか?」とインタビューされる姿を想像して、今からトホホ・・なんですけど。
う〜〜む、とうなってしまった次第です。
いや、出来る前から決めつけてはいけませんね。
ベルリンだのアカデミーだのあまり考えないでいい作品を作っていただきたいです。
だいぶ前にドラマ化された「三屋清左衛門残日録」は大好きでした。かなり原作の世界に近いのではと勝手に思っております。(藤沢周平さんご本人も大変気に入っておられたそうです)
「蝉しぐれ」は未見です。テレビ版を見てちょっとがっかりしてしまったから。
思い入れが強いと見るのがこわくなりますね。
>王家衛&トニー・レオンの「一代宗師」
来夏から撮影開始として、その前に他の撮影の予定はないのでしょうか?「赤壁之戦」は?無間道チームの作品は??
私も、このニュースを聞いた瞬間、盲目の剣士やん。楽園の瑕のトニーが脳裏をかすめました。
あのトニーちゃん、せつない瞳…。妻がカーリンだったしねー、
…と、大英雄が頭をよぎる。いかん、木村君の藤沢作品からどこまでもどこまでも違う方向に…。
個人的には、トニーちゃんの孔明がはよーみたいなぁ!
「三屋清左衛門残日録」…ドラマでは主役がかっこ良すぎてビーックリ!でした。うん、いい作品なんです。
「赤壁之戦」キャストについては、まだまだ流動的だと思いますねえ。「セブンソード」の天地会頭領の娘役の女優さんは、出演決定なんて書かれてたけど。
無間道チームの本音としては、「欲望の街 古惑仔」シリーズのように生きのいい若手&新人を育てて、世に華々しく送り出す方に重きを置きたいのではないかなあ、と薄々察するのですが…メディア・アジア側はもちろん、集客が見込めて話題性のあるトニーのようなスターに出てほしいでしょうね…。
はてさて。トニーの「人生の夏休み」は、まだまだ続く??