中(あたり)でアタれ!ベネチア映画祭金獅子賞日本版
歌手の中(あたり)孝介(27)が、今年のベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した映画「ラスト、コーション」(来年公開)の日本版イメージソングを歌うことが9日、分かった。タイトルは「夜想曲 noctune」で、主人公の男女の揺れ動く気持ちを表現したバラード。同映画のアン・リー監督(53)が中の歌声にほれ込んでの起用だ。(以下略)(スポーツ報知)
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中華圏イメージソングは、トニーと學友、長年の友情の証しともいえる曲なのに……。
この機会をも利用して、いまや中華圏最高の歌神・ジャッキー・チョン張學友の、日本における知名度アップに、結びつけてほしかったのに…。
中孝介といえば、NHK土曜ドラマ「ジャッジ」のエンディングテーマで親しんでいる歌手だし、
自分の公式サイトに中文ページを設け、彼の曲「それぞれに」をアンディ・ラウ劉徳華がカバーしたりしているし。
少しでも亜細亜と繋がりを持つ、しかも音域が広くて音程が安定している歌手が起用されて、
何歳になろうが「あどけない、切ない少女の声」を強制される某女性歌手なんかじゃなくて、まだよかったのかも。
ただねえ…。「夜想曲〜noctune〜」が、たとえ台湾を中心に活動するシンガポール出身の音楽家、トニー主演映画「サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋/地下鐵」のBGMも手がけたホワン・イーダー黄義達の作曲による歌だといっても、書き下ろしにしてほしかった…。
できればアレキサンドル・デスプラが作曲したあの、あまりに印象的なBGMに、日本語歌詞をつけて中孝介なりに、絶唱していただきたかった。
すでに発表済みの有りもんで間に合わせるのは、「傷だらけの男たち」エンディングテーマだけでよかったのに…。まあ、一応「この映画のために」新たにレコーディングし直したっていうけどさ。
で、これが、新録音前の現行の「夜想曲〜noctune〜」ですか?
明るい……。
學友の昏い、くらーい中に深い深い哀しみと苦悶を湛えた歌声と、まるで異なる…。
”青い空”なんて、映画のなかに出て来たかしらん…。
”君らしく 生きていけば”って、自分を見失いそうになるほど時代に、使命に、押し潰される易先生と王佳芝への、これは応援歌なんですか…? 変なの。日本人が応援するな、って話だよね…。
まあ、「色、戒」韓国公式サイトのM/Vコーナーを見ても、現地歌手(誰?)にイメージソングを歌わせている様子だしなあ…。
その国・地域の実力派歌手に歌ってもらって話題を集めてほしいという、アン・リー監督の方針なのかもしれないしなあ。
どうせ、どの歌も本編では流れませんから。
インストゥルメンタルだけで、余韻を残して終わりますから。
ところで、捜していた中華圏イメージソング「淹沒 (Yang-Mou)」の歌詞を、やっとネット上で見つけました。
香港で買ったサントラ盤には、スチール各種と、英文の曲名リストやサンクスリストだけで、中文歌詞入りライナーノーツが入っていなくてショックだったのです。
淹沒 (Yang-Mou)-張學友
作詞:Thomas Chow周禮茂とジェイムス・シェイマスJames Schamus(アン・リーの相棒のプロデューサー)
作曲:Alexandre Desplatアレクサンドラ・デスプラ
這一個夜裡 雨點下得很密
悶透的屋裡 燈光一絲
窗前雨滴四處逃避
心底的日記 混合段數氣息
回憶前後在牆壁響起 耳邊累積
無能為力
前事不斷爬進來
早知道是場禍災
以為可以[身朶]開
這意外意料之外
是天意 上天的安排
該走的時候 感覺背後 濕透
冷已開始蔓延在游走
湧上眉梢 淹沒心頭
記憶不斷闖進來
一切變得明白
曾經擁有的愛
比我更需要存在
比我更需要存在
化開 不要徘徊
來就來 只是一場災
深如海 深如海 如海
深如海 深如海 如海
深如海 如海 如海……
拙訳。(泣きたいほどヘタだ…)
この夜の中 雨粒はしきりに落ちて来る
家の中に閉じこもる 一すじの灯り 窓の前の雨粒は
四方に散って逃れるばかり
心の底の日記に 短いため息を混ぜ合わせ
追憶は前後の壁に響き渡る 耳もとにふり積もって
どうすることもできない
過去が絶えず這い上がって来る
以前からその災いのことは分かっていて
身をかわせると思っていたけれど
この意外な、予想外な出来事は
天の意志 天の計らい
去るべき時に 背後に感じるじっとりと濡れた感覚
さまよう時に その冷たさはすでに広がって行き
眉じりに湧き上がり 胸のうちを溺れさせる
記憶は絶えず飛び込んでくる
全てが明らかに変わってしまった
かつて抱きしめていた愛は
私に比べて更に存在しなければならないもの
私に比べて更に存在しなければならないもの
溶けてゆく 踏み迷う必要などない
来るなら来ればいい ただ一幕の災いよ
深きこと海のごとく 深きこと海のごとく 海のごとく
深きこと海のごとく 深きこと海のごとく 海のごとく
深きこと海のごとく 海のごとく 海のごとく…
紹介サイトによっては、這一個夜裡が特別黒夜裡になってたり、
化開が活該になってたり、
來就來が愛就愛になってたり、
只是一場災が只是一場債になってたりするのは、
皆、MP3ファイルをパソコンやプレーヤーで聴き取りして書いてるからか…?
ともかく、
深いです、學友さん。
深いです、ベテラン音楽人のトーマス・チャウ周禮茂さん。
耳について離れません、學友の、あの歌声が。
まるで覚悟を極めた、処刑の時を一人待つ王佳芝のつぶやきのようで。
まるで王佳芝を永遠に喪った後、狂おしい官能の記憶の獄にただ一人で繋がれた易先生のつぶやき、心の底の声のようで……。
(彼は、彼女の影法師が永遠に彼の傍らにいて、彼を慰めると感じていた)(彼女は生きては彼の人であり、死んで彼の亡霊となるのだ)と張愛玲が書いた、ちょうどその思いにかられる易先生の、耳の底にこだまする歌声のようで……。
その歌声を、より多くの日本の観客にも、届けたかったのに……。
しょぼりん。