2007年08月31日

「色、戒」公式記者会見開催

笑顔フォトセッショントニー
 ベネチアライオンさんと寅年トニーさん。

フォトセッション02
 ほんとは隣にタン・ウェイ湯唯ちゃんがいました。上のはカットしてすまない。


フォトセッション01
 (誰に何と言われようとも、僕はこの映画が好きなんだもんね!)と内心決然と覚悟しているようなトニーが、何だか痛ましいような……あっぱれと手を叩きたくなるような……。考え過ぎ?

手を振るサングラストニー
 サングラスがミラータイプに変わった?

 フォトセッションの画像集は、こちらに。
 http://ent.sina.com.cn/m/p/2007-08-30/19121696351.shtml

 プレス試写の終わり、Alexandre Desplatによるゆっくりとしたテーマ音楽が再び流れ、字幕が現れると、Salalidoの広々とした上映会場では、すぐには割れんばかりの拍手が巻き起こりませんでした。数百人の観客は自分の席についたまま、依然として映画が造り出した雰囲気に浸っていたそうです。

 現地時間29日、「色、戒」は2度のプレス試写を終えました。長いながい、2時間半の上映が終わると、鑑賞したプレスの人々は一致してこう考えました。「映画がNC-17の等級を"授与された"のは、まさに名は実を伴うというものだった」と。
 初めて銀幕に身を投じたヒロインの湯唯の素晴らしい表現力は、たちまち彼女を今回の映画祭の主演女優賞候補として絶対的な人気者にしました。

 そして現地時間30日正午、ベネチア国際映画祭での「色、戒」公式記者会見が行われました。
 広い場内は超満員、立錐の余地もないとはこのことです。
 アン・リー李安監督が場内に姿を見せた時、満場の記者や映画批評家から拍手が巻き起こり、いつ終わるともしれないほどその拍手は続いたといいます。誰もがアン・リーと、彼の偉大なこの作品に拍手を送らずにはいられなかったのです。
 会見場にはアン・リーのほか、脚本家で製作プロデューサーでもあるジェームズ・シェイマス、及びトニー・レオン、タン・ウェイ湯唯、ジョアン・チェン陳沖、ワン・リーホン王力宏が揃いました。

ベネチア記者会見全員集合
 ………また、端っこ好きなトニー…端っこに引っ込んでる…(^_^;)

 席順は、右からジョアン・チェン、トニー・レオン、アン・リー、タン・ウェイ湯唯、通訳男性、王力宏、ジェームズ・シェイマス?
 アン・リーは黒っぽいジャケットに襟元を開けたチャコールグレー色のシャツ姿、トニーは白ドレスシャツに白いジャケット、黒っぽいジーンズに茶色のベルト。湯唯はその年齢にしてはシックな黒カットソーに白と黒のスカート+ペンダント、髪を後ろできりっとまとめていました。王力宏は黒っぽいジャケットに白シャツで凛々しく、ジョアン・チェンはあでやかな、紺色に青い花柄のワンピース+白ベルトでしたが、これは北京での会見でも着ていたそうな…。
 アン・リーは宣言しました。「性と暴力はこの映画のテーマの一つです。私は持てる限りの力と資源を費やし、私がかつて期待しながら、今まで触れることができなかった内容に直面することができました」と。

 以下は記者会見内容の抜粋です。完全版は他記事と突き合わせてみないと、何とも…。
 会見の主役は、やはり「2046」での王家衛と同じく、アン・リー監督でした。

 記者:「ブロークバック・マウンテン」のなかで、あなたは同性愛に対してとても多く細やかな表現をしました。この「色、戒」では、また男女の愛に戻って描写していますね。外界からの各種の憶測についてどう思われますか?

 アン・リー:演出を通して心の中の仮の自我に触れるのです。本当は自我は性別を持って分けられるものではありません。同性でもいい、異性でもいい、通常我々は愛情を用いて接触するには文章をもってすればできるのであって、一般的な同性、異性の方式で分けることは望みません。どの人の心の中もとても複雑なものです。たとえば今回の小説についていえば、湯唯の役柄は女性ではありますが、私が性愛について撮影するとき、私は彼らの中間で浮遊することになります。実はそれが私を非常に困惑させました。非常に困難な一つの創作過程、それが映画撮影です。私は観客が私と共にこの種の複雑な性と曖昧模糊な性を分かち合うことを望みます。我々は道徳や、社会規範や習慣を説くのではありません。法律を説くのでもありません。我々は二つの性に介在する、ある曖昧模糊とした地帯について物語るのです。

 記者:あなたのこの映画での表現は相当大胆ですね、とりわけ情欲の部分が。何があなたを駆り立てて、このような選択をさせたのですか?

 トニー(北京語で)僕は実は、自分に対しての要求がとても高いのです。僕は毎回、演技に新しい挑戦があるように希望しています。今回、僕は非常にうれしいです、このように優秀な映画人の皆さんと一緒に、このような映画を創れたからです。
 記者:映画の「色、戒」の結末と、小説「色、戒」の結末を比べると、(映画は)写実的な面がとても多いですね。表現の境地は全てある程度異なっているようです。これはあなたにとって原作小説は、単なる輸送媒体でありツールであるだけだという意味なのでしょうか?

 李安:私は張愛玲のこの小説とその他の小説が大きく異なっていて、書き方も異なっていると感じます。「鉛華を洗い尽くす」と言ってもいい。私は張愛玲の小説に描かれたその他の人物と事柄は、ただ自己を書いている1作があると考えます。30年かけて20ページを書き終え、その中には多くのものが含まれています、その結末を包括してのことです。我々は映画を用いて忠実に実地にそれらを再現しようとした時、ドラマチックな長編映画としてこのストーリーを物語ろうとする時、彼女の手法を騙すわけにはいきません。それは文学の手法であり、彼女の心理を書き出したものであり、心の中の不十分なことであり、それは性を懺悔する一作です。私はずっと、私自身に注意を喚起し、私のスタッフも励ましてきました。張愛玲のこの小説は我々の出発点であり、我々の終点ではありません。いつもあまりに原作に忠実であると、彼女の文学性に惑わされ、撮影をダメにしてしまいます。私はこの落とし穴の中から跳び出して、私の映画の方式で彼女の小説に対する忠誠を表現することにしました。それらの隠喩の内容、それらは矛先を隠して表現されており、ですから改変(の方向)はとても明確でした。私はこの小説で描写されている易先生は、胡蘭成(張愛玲が最初に結婚したジャーナリスト兼作家で、汪精衛政権の要人でもあった人物)を密かに描写しているのが明らかだと感じました。私はそれを、必ずはっきりと指摘しなければなりませんでした。彼女の心の中には多くの恨みがあり、ですから彼女の小説も映画も相当残酷に見えるのです。私はとても多くの手法で、その円を反転させねばなりませんでした。これが私の見方です。

 記者:あなたの映画での表現は人を驚かせるもので、少しも新人の初々しさや拙さを感じさせません。1作も映画を撮影したことがない新人として、撮影及び撮影前の数ヶ月に、あなたに何が起こったのですか?

 湯唯:私は訓練を開始した段階では、監督が私たちに多くの課題を与えてくださいました。それはあなたのおっしゃったようなあの訓練の範囲内で、最も多く稽古したのは、トニー・レオン、王力宏とのレッスンでした。その過程で、ゆっくりとシナリオまで接触していったのです。その後、撮影の過程で、トニー・レオンが私に与えてくれた援助はとても大きなものでした。彼は私を一人の新人扱いせず、私に何のプレッシャーも与えませんでした。私はゆっくりと自分を手放し、手放し、身軽にしていきました。さらに実際に彼と交流を進めたのです。監督が私たちに与えた助けでもあり、私は本当にこの映画に出演できて、とても幸運でした。

 記者:あなたの以前の作品と比べて「色、戒」のラブシーンの表現は相当大胆です。何があならの情欲シーンに対する尺度と把握に影響して、変化させたのですか?

 李安:映画の上での表現性は、まさにあなたが提示した「恋人たちの食卓/飲食男女」のようです。私たちは自由に飲食を表現できます。性も同じことです。映画を撮影するのは一歩、一歩と、ますます解放されるようなもので、その過程はタマネギを剥くように、さらにその下の層を想像しながら一層一層剥いていくのです。自分に対する探索と理解だけでなく、観客の反応を通して、社会の理解に対して、世界の理解に対して、私もタマネギを剥くように、一層一層剥いていきます。それに、私にも一種の「中年の危機(ミッドエイジ・クライシス)があるのかもしれません。過去試みたことがないことに、すでに持っている力と資源を用いて直面することが少しできたのです。

 記者:「色、戒」を撮影した後、あなたは自分の収穫は何だったと思いますか?

 湯唯:この映画のなかで、私は確かに徹底的に新人です。初めて映画を撮影し、こんなに豊満な役柄に出合え、この素晴らしいグループ、こんなに素晴らしい俳優、この素晴らしい監督に出会えたこと、どの人もプロフェッショナルで、彼らと一緒にいるととても温かい気持ちになれました。今後はこのような機会に巡り合いにくいかもしれません。天が私に与えてくださったこのようなよい機会に感謝します。この映画を通して、私はとても成長できました。

 記者:(「ブロークバック・マウンテン」の)2年後にあなたはベネチアに戻ってきて、「色、戒」は再びメディアの肯定を獲得しています。あなたはこの、中国を代表するのではない国際映画祭において、また新たな重要な位置を獲得できたと思いますか?

 李安:中国映画はこの10数年来、国際的な表面に躍り出ています。これは軽視しがたい事実です。中国映画の一員として、私はこの時に立ち会えるのは、とても幸運だと感じています。私たちもとても長い間雌伏してきて、ついに彼らの表現に出くわす機会に恵まれたのです。ちょうどこの波が世界の注目を浴びる時にです。
 また、ベネチア映画祭は非常に先鋭的な国際映画祭です。ただし主席が中国映画の研究だけしていてもダメで、中国の映画の努力もあってこそなのです。何度も何度もベネチアに来ることができて、コンペティションに参加でき、映画祭に参加することができて、私はとても光栄なのです。金獅子賞に至っては、私はようやく1回(トロフィーを)つかんだだけで、詳しくはありません……この映画の俳優の表現は、非常に精彩を放っています。私は彼らが更に多くの肯定を獲得できることを望みます。

 さすがはアン・リー監督、俳優達への気配りも忘れません。
 会見後は監督、トニー、湯唯、王力宏に多くの記者が群がり、サインを求めた様子。果たして試写を見た後、素のトニーを見た世界の記者は、どう感じたことか…?
 そして、多くの映画人を驚かせた湯唯ちゃんは、果たして主演女優賞に輝くのか? 英語通訳は付きましたが、会見での堂々とした発言ぶりには大いに好感が持てました。まさしく、先行きが楽しみな女優です。
posted by nancix at 03:38 | Comment(1) | TrackBack(0) | 「色、戒」特集
この記事へのコメント
nancixさん、いつもながら詳しい解説をありがとうございます!
一番上のトニー、素敵!!白シャツに白ジャケットがまぶしいですね。笑顔がまた、たまらない・・・映画が日の目を見て肩の荷が下りたような感じかな。あとは観る人が何かを感じ取ってくれれば本望というか。
またまた誘う人を選ばないといけない映画のようですが(笑)トニーたちの汗と涙の?結晶を早く観たいものです。
Posted by かしこ at 2007年08月31日 12:13
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/53352191
△TOPへ