fanfunfuanさんがコメント欄で教えてくださった通り、「hollywood reporter」サイトによると、8月23日にアン・リー李安の新作「色、戒」はMPAA全米映画協会によって、NC-17の指定を受けました。
つまり、米国では17歳以下の観客は映画館への入場を拒まれる、ということなのでしょうね。(等級の解説は「>>続きを読む」以降を参照)
「hollywood reporter」サイトと中国・南方都市報報道によると、MPAAは「色、戒」についてNC-17指定を受けるだけの多くのシーンがあり、少なくとも3シーンにおいて、性行為への挑発を含んでいる(うち一つは長いモンタージュ)と判定したそう。映像は特定の時代のもと、当時の人々のあいまいで複雑な感情を表現しようとしているのですが、この映画を看た多くの人が、性描写暗示の成分が比較的濃厚だと感じたというのです。
「トニー・レオンの正面からの全裸はありません!」と、ある華人のトニーファンが迅速にファンサイトのフォーラムで表明しています。どうもヒロインの裸身、それも背中を見せるだけのヌードではないシーンがあるのと、男女のオーラル何とかシーン(*^^*)と、男女の間の攻撃性と感情的な闘争を伝えて、幾つかの非伝統的な体位が表現されるとか何とか……非伝統的? 米国基準での?
……でもきっと、いや絶対に、中華圏映画の伝統にのっとって、湯唯ちゃんのおっ○いの中心部分は見せてないのよね…? 日本の男性諸君、期待し過ぎないよーに(^_^;)
そりゃ「恋愛は戦場」みたいなタイトルの戯曲を書いたアイリーン・チャン張愛玲の作品の映画化なんだから、ベッドシーンだって男と女のせめぎ合いだわよ。テロリスト・アターーック!だわよ。(……え?)
アン・リーの「アイス・ストーム」も「ブロークバック・マウンテン」もR指定だったために、「色、戒」は彼にとって初のNC-17作品となります。
NC-17の指定を受けると、米国の一部の新聞やテレビ媒体で広告を打つことができなくなり、一般観客への告知には不利になります。
しかし、「新京報」によると、製作会社のFOCUS FEATURESは、等級を変えるためにこの作品をカットすることは、絶対にしない、と表明しました。フォーカス・フィルムのCEOであり、「推手」(91)以来、アン・リーとずっと二人三脚でやって来て、「色、戒」のシナリオも共同で手がけ、エグゼクティブ・プロデューサーを務めるジェームズ・シェイマスは、この映画の最終編集権はアン・リーに属し、全てのシーンは彼の思いの実現であるので「グリーン・ディスティニー」「ブロークバック・マウンテン」と同じく、製作会社が手を加えることはしない、と断言しているそうです。
中国電影局の副局長である張宏森は、24日に記者の問い合わせに応じ「すでにこの作品は中国での内容についてと技術についての審査(ありていにいえば検閲)を通過した。審査過程で確かに一部、削除した部分があるが、ほんのわずかだ。決して観客のストーリーに関する理解度に影響を与えない」とのこと。また「全米映画協会の成人指定の影響はない、オールヌードのシーンはとても少なく、中国国内で上映するバージョンには、問題となるシーンは現れない」とのこと。
……って、やっぱり中国版はカットされてるんだぁぁぁ(>_<)
日本版は米国版に準拠してくれーーー! 大阪・天六ホクテンザ(隣が成人映画専門館)にまでなら行ける、行ってやるぅぅぅ!
ちなみに、全米公開はインディーズ系ながら9月28日に決定済み(10月5日から拡大公開予定)、台湾では9月25日、香港では9月27日に上映が開始されます。中国での公開開始日だけが未発表。
張副局長は「最終決定ではないが、9月末には公開する見込みだ」とコメント。北京の新影総院線と上海の総合院線は「9月28日には上映する」とすでに公示しているのですが…、果たして。
さて、MPAA全米映画協会の分類によると、米国では映画の等級は6つに分けられます。
G級(General Audiences)は、映画の中に何の暴言、暴力、ヌード、セックスシーンもないが、日常生活で使われている卑語は含まれている可能性があるというもの。これがついている映画は誰でも安心してみることができます。
PG(Parental Guidance Suggested)は、児童が見るには適さない要素があるので、保護者の判断と責任で見てくださいというもの。アニメの「シュレック」シリーズもこの等級なんだそう。
PG-13級(Parents Strongly Cautioned)は、13歳以上の観客だけが見てもよいストーリー及び大人の恋愛が含まれます。ただしヌードやセックスが売り物の作品ではない、という但し書き付き。
R級(Restricted)は成人の間の活動、話題、及び暴力行為、セックスや麻薬耽溺シーンが含まれるもの。17歳以下は保護者同伴でしか見られません。懐かしのマイケル・ダグラス&シャロン・ストーン「氷の微笑」も、この等級だったそう。17歳以下は保護者同伴で見るべきというもの。
NC-17級(No One 17 and Under Admitted)は、成人のみ見ても可という作品。大量のはっきりと描写されたセックスシーンや暴力シーンがあるので、17歳未満は入場できません。ただし作品のなかに必ずしも色情を刺激する要素があるとは限らない=ポルノではない、とも。あのポール・バーホーベン監督の「ショー・ガール」(95)もこの等級に指定され、ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)に10部門でノミネートされ6部門を制覇することに(泣)。
その上がX級。いわゆる日本の「X指定」映画ですね。成人のみ鑑賞可。暴力及び性愛シーンが過激なため、受け入れられない人がいる可能性があるというもの。
ベルナルド・ベルトルッチ監督が31歳の時に発表した「ラストタンゴ・イン・パリ」(72)もX指定を受け、世界各国で上映禁止の憂き目をみました…。しかし、「ラストタンゴ・イン・パリ」も「真夜中のカーボーイ」(69)も、X級指定を受けながらアカデミー賞を堂々と受賞したのですから、なあに、17歳以下なんぞ見られなくてもよろしい。ていうか、性に寛大な(?)日本だとあの「君さえいれば〜金枝玉葉」さえお子ちゃま連れで見に来た若い母親もいたんだから。レスリーとカリーナのあの、コミカルながら赤面のピ○トンシーンで「ママぁ〜あの人たち、何してるの?」という幼児の素朴な疑問の声が響き渡った時にはあなた…。
トニーの頑張りに感嘆し没頭するためには、観客の年齢制限をしてくださった方がありがたいっすーー。(って、そんな能天気なことを言ってていいのか…?)
2007年08月25日
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拙ブログに載せてみましたので、ご覧下さいませ。
そうですね…アメリカでの興行には痛い決定であることは間違いないです。しかし、監督が膨大なフィルムの中から「これだ!」と取捨選択してつないで編集したものを、後からカットさせることは、やっぱり映画ファンとしてはやってほしくない…です。どうせもう「ブエノスアイレス」だって3級片認定されてたんだし(おいおい)、トニーの"他人にみだりに見せたくない、ママとカリーナさえ知っていればいい部分"は映ってないという話だし、17歳以下にわざわざぜひとも見せるべき作品とも思えないし…というわけで、アカデミー賞ノミネートよりも米国での興行成績よりも、作品の完成度をこそ身勝手な映画ファンのnancixは、求めたいのです。
ぐうさん:
おかえりなさーーーい\(^o^)/。そうそう、その記事がまさに今回の話題について報じているものです。そして中国での注目度も、確かに高い。ただし台湾、香港とは温度差がありそう。そのへんの温度差を、今後しっかりと見極めたいものです。
だから北米でオリジナルが観られない状態(上映拒否する映画館が多いとか?)にはなってほしくないです。この映画でNC-17映画への印象が「卑猥な映画」から「大人が観る映画」に変わると良いと思います。MPAAもその意図で名称をXからNC-17に変更したのですし。(Xは現在映画の級には使用してません)
http://ent.sina.com.cn/m/c/p/2007-08-29/20451695034.shtml
やはりこの映画で状況が変わる事を望んでいるようです。
お知らせありがとうございます。そうですね、李安監督はNC-17級だからとひとしなみに(低俗な)色情片と思われたくはない、と強調しておられる様子で。とにかく監督として作品としての完成度を重視する、という姿勢でおられるのですね。
性の営みをどこまで映像で表現するかというのは、いわゆる性的興奮を誘うAVから、恋愛や男女(または同性)のありのままの姿を描こうとする作品まで、あるいは男女の駆け引きやせめぎ合いを表現する手段として、様々な考えや製作者の意向があって当然ですよね…。映画業界人が、観客が、それをどう受け止めるのか、歪めて受け取るのかストレートに受け取るのか、快不快のどちらを感じるのか…どこでどう歯止めをかけるのか…難しい問題ではあります。