今回は、映画館でメモした「傷だらけの男たち」の広東語セリフノートを持参し、先生に解説してもらう。
今年4月頃に香港版DVDで「傷城」を鑑賞して、謎のストーカーの正体が解らなかったと言ってた先生、nancixのミニノートを見て「えっ、映画館でメモしたの?」といささか呆れる(^_^;)
いやもう…耳でセリフ聞いて字幕を書いて家で発音して、それでも覚えられない鳥頭なもんですから…。
今回、最も教えてほしかったのは、トニーの「チャウシーモッカー」。
2003年クリスマスイブの夜〜クリスマスに、あのタパス「Scirocco」で金城クンの恋の悩みを聞いているうちに、口走った単語ですのだ。
先生、「おそらくチャウシーモッカン、だなあ」と、すらすら漢字で書いてくれた。
「抽絲剥繭」。言文不一致の広東語では、口語ではなく文語だそうだ。
さすが大卒キャリアの阿頭、文語もすらすら引用できるほど頭いいのだ。

生糸を取る時は、せっかく蚕(カイコ)が3日ぐらいかけて作った繭から一本の糸を引っ張り出し、繭を解体するようにして解きほぐしていくものだ。カイコが糸を吐く口は1個しかないので、あのまあるい繭は最初から最後までつながった長い1本の糸でできているらしい。滋賀県を外回りしているときに、絹糸を使った小さな工場を見学させていただき、いろいろと教えていただいたなあ。
「抽絲剥繭」はその繭をほぐして糸を取る行為から来た、常套句なのか。
在抽絲剥繭的調査過程中,意外地在塵封已久的當案紀録中有了重大的發現!なんてときに使う。日本でも「もつれた糸をほぐすように、事件の謎を解き明かしていく」なんて常套句みたいに使うよね。
中文字幕だと「真要花很多時間抽絲剥繭、才能找到兇手…」。
本当に長い時間をかけて繭から糸を引き出すようにしてやっと、(事件の)犯人を探し出せる…。
という意味なのかな。
思えば、世界で初めて養蚕が行われたのは中国で、日本に養蚕技術が伝わったのは弥生中期後半といわれ、中国大陸から朝鮮の楽浪を経て伝わった、、あるいは倭人の先祖が中国の江南地方から日本列島へ移住した時、稲作とともに伝わったとか言われているそうなので、中国人がもののたとえに養蚕に関する言葉を使っても、おかしくないんだよねえ。あの秦の始皇帝に蓬莱に行って不老不死の妙薬を探すからと言って、若い男女を引き連れ日本列島?に来た徐福も、養蚕技術を携えて来たんだっけなあ。
香港では、養蚕農家って昔はあったのかなあ…中国大陸からの輸入だけ?
もう一つ、同じテラスで阿頭が阿邦に話すのが「這様不會鑽牛角尖ロ麻」というセリフ。
「そんなふうに深刻に思い詰めることないだろ…」というふうに訳したらいいのかな。

香港でこの中文字幕を見たとき、何だか笑いがこみ上げてきた。
だって「鑽牛角尖」って、93年前後、トニー・レオンが再び歌謡界に進出した時に、インタビューで必ず口にしていた単語だったから。
(牛の角がどうしたって?)とけげんに思っていたんだけど、当時の先生に「トニーって牛と何の関係があると言ってるんですか?」と聞いてみると「牛じゃないのよ〜。牛の角って、先端に行けばいくほど細くなっていくでしょ? 考えがどんどん煮詰まって、狭くせまく考えて落ち込むことを言うのよ〜」と笑いながら話してくれたもんだ。
当時のトニーは「以前の僕は、悲観的に物事を捉え過ぎて、考え方が柔軟じゃなくて、いくら考えてもどうにもならないことに懸命に取り組んで、どんどん悪いほうに解釈して落ち込んでいたんだ。でも今はそうじゃないよ。とても楽観的に世界を捉えられるようになったんだぁ♪」とアイドル歌手の甘いマスクでたびたび語っていたことになる。
ま、トニーはその後の人生の、香港映画界の、香港経済の波乱のために、またまた鑽牛角尖になっちゃう時期も度々あっただろうけど…。
奇しくも、金城武クンは当時のトニーと同い年ぐらいだろうか。
あのトニーも先輩っぽく、悩める年下にアドバイスなんてしちゃったりなんかするようになったんだなあ、と思わずクスリと笑ってしまったのだった。
あと、先生に「金城武の広東語って、ネイティブが聞くと訛ってますか?」と聞くと「訛ってるというより、時々何言ってるかわからないよー。でもスー・チーの方がもっとわからないね。台湾出身の女優で訛ってないのは、カレーナ・ラム林嘉欣。彼女はちゃんと香港人みたいに広東語を話すよ。最初香港人だと思い込んでいたもん。感心するよー」とのことだった。
……っていうか、カレーナ・ラムちゃんはもともと香港人のパパと、日台ハーフの母親の間に生まれて、カナダ生まれで、台湾でスカウトされて芸能界に入って、2000年に香港進出したんじゃなかったっけ。日本人のパパと台湾人のママの間に生まれて、映画界に入ってから広東語話すはめになった金城クンのほうが、そりゃ不利だよ先生〜。nancixには金城クンの広東語も聞き取りやすいのに、そうか…そりゃ後天的に身につけたなら、ネイティブレベルにはいかないかなぁ…。
広東語、実に奥が深いです。
金城クンも「牛の角? 何だそりゃ?」の時期はなかったのかなあ。
あ、そうかぁ。北京語発音で学生時代から知ってたかも…失礼しました。
さすが本場の四文字熟語だわ、聞いた事がありませんでした。
東京みゆき座は一昨日も今日もほぼ満席の大盛況です。私は金城君のファンですが、この映画で泣くところはいつもトニーさんのシーンです。
ほんとにたくさんのキャプチャありがとう、どの表情もとても印象的ですね。
もうご存じかもしれませんが、ヤフーでニュース見つけたので、貼っておきますね〜。
でも19日って……(;゚o゚)。