2007年05月29日

「三国志」諸書を読書中。

 そんなわけで高校〜大学時代にヨコシマな読み方しかしなかった「三国志」、改めて読み直しております。
 なぜか読書中に、頭の中で勇ましく鳴り響くBGMは、NHK大河ドラマ「風林火山」のBGM(作曲・千住明)…(^_^;)

三国志〈1〉 Amazonマーケットプレイスのユーズド商品で吉川英治歴史時代文庫「三国志」を全8巻まとめて大人買いできたのは嬉しかったなあ。学生時代は図書館でちょぼちょぼ読んだんだけどね。購入した文庫本は表紙が日焼けしたり、古本独特の匂いがしたりするのだけど、まあそれも良き哉、良き哉(どうも文章が文語体になるのは吉川先生の影響。お許しを)。

 学生時代のヨコシマな読み方というのは、ちょうど某アングラ雑誌で…その……美青年諸葛孔明を巡って男たちの争奪戦?が繰り広げられるお耽美小説が連載されている頃で、女子学生同士で回し読みして「…ありえなーい! こんな女性心理そのもので悶え苦しむ孔明なんてありえなーーーい!」「英雄豪傑武将たちのヒゲはどこいったんだー!」「周瑜の亡霊が夜な夜な、しとねに伏す孔明を……なんて、ギャグでしかなーーい!ギャハハハハハッッッ☆」とバカ(照れ)笑いしてたからで、ついでに吉川先生の本も読んだけど孔明の部分ばかり飛ばし読み。やっぱり「辛いかな大丈夫の恋。――恋ならぬ男と男の義恋。」「主君には、彼と起居を共にし、寝ては牀を同じゅうして睦み、起きては卓を一つにして箸を取っておるなど、ご寵用も度が過ぎる」なんてところで笑いが止められず。ひぃひぃ、勘弁してくだされ〜。吉川先生のこの小説の発表当時は、誰もこんな表現を不審に思わなかったですかそうですかー!

 その後すぐに本格的な三国志ブームがやってきて、オジサン向けビジネス雑誌で「三国志に学ぶリーダーの決断力」「あなたの上司は劉備タイプ? 曹操タイプ?」「諸葛孔明の戦略と戦術―三国志にみる人の読み方・使い方 」なんて特集があっても、真夜中に中国テレビドラマ版を見ても、どうしても例の耽美小説を連想して噴き出してしまうのだった。嗚呼なんてヨコシマな…吉川先生、三国志ファンの方々、本当に申し訳ございませぬ。


 エーーー、今回こそはヨコシマ的見方を押し殺し、ジョン・ウー的観点で呉の孫権&周瑜中心に読んでおります。
 おりますがしかし、そうすると1〜3巻の曹操や劉備や呂布の部分が退屈で仕方がない。いやいや派手にコロコロ人の首が刎ねられまくるしどの君主も部下の讒(ざん)言にすぐ騙されるし曹操は行きずりに親切にしてくれた無辜の一家を誤解を元に虐殺するし、劉備玄徳は負けまくるし妻子も軍も全部捨てて逃げまくるし。。。。。ヘ(。>_)ノ
 呂布もバカだし、ふんっとにもうどうしようもねえです、こいつらぁぁぁ!なんだけど。

 2巻「大江の魚」で、呉の太守の忘れ形見、孫策が登場してワクワク。当年21歳の好青年。
 そして年頃も同じくらいの周瑜が、孫策の竹馬の友の若武者として登場!
 「姿風秀麗、面は美玉のごとく」と、吉川先生……あんまり美々しく描写するもんだから、いやーーんそれをトニー・レオンが演じるの?と照れちゃう(はぁと)。
 孫策って、孫策に仕えた諸葛瑾(孔明の腹違いの兄)もそうだけど、果たしてウーさん版映画では登場するのだろうか? 省略されてしまうだろうか?

 3巻後半に、曹操が「実をいうと、予は遠い以前から、關羽の男ぶりに恋しておる。(中略)こんどの戦こそ、日頃の恋をとげるにはまたとない好機」と、諸将に關羽への「恋」を告白するところから、がぜん人間関係が面白くなります。うははははは。

 そして白眉は4巻。
 義兄・劉備への純愛ひとすじ!な關羽に寄せる、曹操の片思いってば。
 ……切ない。(こらこら、ヨコシマな読み方はしないはずじゃなかったのか?)
 ちなみに、広東語の先生(香港人男性)は、三国志の登場人物では關羽がいちばん好きだとおっしゃいます。"単騎、千里を走る"のエピソードの、義理堅いところを尊敬できるからだそうです。さすがは男が惚れる美髯公・關羽
 ただし香港の黒社会と警察が両方とも關羽を祀っている理由はご存知ないそうで…nancixの方が少し知っているかも(^_^;)

 ついに4巻「于吉仙人」から、呉の国が、当年27歳の孫策が、その弟で19歳の孫権が登場します!
 周瑜も竹馬の友・同い年(1ヶ月だけ孫策が兄)の孫策の葬儀に駆けつけます!
 孫策を出さないのであれば、この孫策の葬儀のあたりから、ウーさんの映画版も始まってくれるといいのになあ。
 47歳の劉備が27歳の若き孔明に三顧の礼を取るのも、この4巻です。
 孔明の「語韻の清々しさ」、声があまーーーーい響きの金城クンならきっと表現できそう。
 この4巻356ページから、「赤壁の巻」です!
 弁が立つんだ、周瑜様ってば。
 しかし孫権のもとには、呂蒙、甘寧、張昭ら、多彩な武将・知将がひしめいているので、なかなか周瑜が目立たない。ううむ。
 義兄弟の關羽と張飛が嫉妬するほど、孔明は"寝ては牀を同じゅうして睦"む仲の劉備のはぁとをぐぐっとわしづかみにしているのに、です。(だからヨコシマな読み方はやめろーやめろー)。
 
 5巻にして、呉の大賢と呼ばれた温厚篤実の重臣・魯粛(ろしゅく)の計らいにより、ついに孔明が呉に下り、孫権と対面します!
 チョウ・ユンファが演じるのではないかと騒がれた、黄蓋も出てきたよー。呉の大蔵大臣格の人物であり、徳川家光の時代の天下のご意見番・大久保彦左衛門のような存在だったのね。
 このときの周瑜は呉の水軍を指揮する提督。孫策死去の時と同じく、またしても重大な軍議に加わってない(T_T) 孔明を招いての、劉備に味方して曹操に宣戦布告するかどうかの瀬戸際なのにぃ。孫権、忘れないでもっと早くに周瑜を呼び返してよぉ。
 もっとも、周瑜は政治の場から距離を置いていたおかげで、曹操との不戦論派、開戦派、中立派の国内の意見を全て聞いてから、熟慮の上で孔明と対面できることになったのだけど。
 魯粛と周瑜との激烈な論戦を、げらげら笑いのめす孔明、周瑜の愛妻・小喬を曹操に差し出して国難を救おうと(多分、周瑜と小喬が結ばれた経緯を全て承知の上で)提言し周瑜の憤怒をかきたて開戦にもっていく孔明、ホントに人が悪い……(ーー;)

 ブラインドデート(違う)の第一印象は最悪だった周瑜と孔明。
 孔明の思惑通り、周瑜が呉の諸将を説得して、孫権に開戦を決意させる。孫権に全権を託され呉軍大都督として呉軍を率いることになった周瑜だけど、孔明の慧眼と智慮を恐怖し、いきなり「呉のために、今のうちに孔明を刺殺しちゃえ」と考えるなんて、これもあんまりな短慮だーーー!

 ウーさんは、こんな展開にはしないと、信じたい…!

 でもまあ、3日のうちに10万本の矢を集めてきた孔明に、周瑜は自分の不明を深く恥じ、謙虚に頭を垂れて曹操の大軍を打ち破る手段を教えてくれと請い、互いの計略を掌に書いて一緒に見せ合い、「おお、割符を合わせたようだ」と二人で高笑いするのだからホッとするんだけどね…(*^^*)
 このシーンは絶対にウーさん、省略しないで見せてくれるよね!

 その後も、周瑜の計略は全て孔明に以心伝心、見抜かれまくり…。
 こここ恋のテレパシー……?(絶対に違う)

 「赤壁の戦い」終了後の周瑜は、孔明に翻弄され憤然としてばかりなような…。
 うーーーん、物足りない……。

 5巻まで読み終えると、しばし放心状態…。
 まだ曹操と劉備の決着はついていないんだけど(^_^;)

周瑜―「赤壁の戦い」を勝利に導いた呉の知将 あああ、もっともっと周瑜様を読みたい!
 というわけで、6〜8巻をそっちのけにして、やはりAmazonで購入したこちらの文庫本を読み始めた。
 「周瑜―「赤壁の戦い」を勝利に導いた呉の知将」(菊池 道人著)です。
 OK! 「三国志」正史を大元に、「三国演義」のエピソードも少し加えた程度のこちらの周瑜様なら、トニーが演じてもおかしくないです。
 トニーファンにはお勧めです! 周瑜関係略年表も付いているし!
 孫策と周瑜の幼馴染の愛…もとい情愛や、二人の若武者の性格の違い、
 大喬・小喬姉妹とのほのかな愛の芽生え、父亡き後曹操の魔の手を逃れて流浪の身となった姉妹を保護し、小喬に求婚する経緯、
 晴れて夫婦になれてからも、自分が負けたり死んだりして小喬が曹操の手に陥ちるようなことには決してすまいとの決意…
 と、人間くさい周瑜様が存分に楽しめました。
 小喬も単なるなよやかな深窓の美女ではなく、兵書も読むおてんば娘で、結婚後はなかなかの賢夫人です。
 老将・黄蓋と若き大都督・周瑜の連携プレイも、さらに細やかな心理描写で描かれます。
 ウーさん、この本もぜひぜひ読んで参考にしてくれい!………と願っても日本語の本だから無理だけど(^_^;)

 残念ながら、この本では孔明が…。

 意味ありげな笑いをたたえる、にこりとする、「ふふふふ」と含み笑いをする程度で、表情がなーい…。

 周瑜と「火」の文字を互いの掌に書いていて、意気投合するシーンもなーーい…性格がちと"不気味クン"…_| ̄|○。

 金城クンファンには、お勧めできませんな(苦笑)。
諸葛孔明 時の地平線 5 (5) でもね! 孔明ファン向けならそれこそいろんな本・コミックが出ているし、諏訪緑さんのコミック「諸葛孔明 時の地平線」シリーズだってあーーるじゃありませんか!
 ひょうひょうとした青年孔明、凛々しいしかわいーです。
 ただいま13巻。頑張って読破してくだされ。はーーっはっはっはっは……(1〜3巻しか入手できなかったnancixが言うな)。
 
 
posted by nancix at 23:55 | Comment(5) | TrackBack(0) | この本を読んだ
この記事へのコメント
こんにち、お久しぶりです。
メールアドレスがわからないので、フォームで送っております。
お返事いただけると嬉しいです。
Posted by natuki at 2007年05月31日 02:00
北方謙三Verは、吉川版よりも全然乾いた文体ですよ。
Posted by sala at 2007年06月01日 01:48
おひさしぶりでーす。
nancixさんには、ぜひ、『蒼天航路』をお勧めいたします。モーニングで連載されてた漫画なんですが、漢(おとこ)っぷりがよいですよ〜。ちょっと冊数が多いのが……ナニですが(^ ^;)。
Posted by hkpa at 2007年06月01日 13:36
吉川版のあとは是非とも、筑摩文庫の正史『三国志』をおススメします。
史実は小説より奇なり、です。
周瑜なら呉書だけでもおもしろいですよー!
(本当におススメは魏書です。みんなユニークな人なかりで)
この人だけなく、曹操も孔明も、史官によって徹底的に取材された報告をもとに記録されているので、個々の人間像の深みがたまりません。
Posted by まる☆ at 2007年06月02日 10:16
 皆さん、アドバイスありがとうございます! コミックはネットカフェにおこもりして読破するしかなさそうですが(^_^;)、図書館にも通って、いろいろ読んでみようと思いますです。
 筑摩文庫、「ちくま文庫」で検索してたからヒットしなかったのか…(-_-;)。またAmazonのユーズド商品のお世話になろうかと思うです。
Posted by nancix at 2007年06月03日 22:29
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