
やっとこさ週末に、「ウォン・カーウァイ スペシャルコレクション / 『2046』<=>『in the Mood for Love ~花様年華』」を通しで見ることができましたーー。
初めて、日本語吹き替え版で、両作品を見てみました。
うぉぉおおおー、周慕雲が美声過ぎ!
二枚目ヒーローです、これじゃ。
じゃあトニーは二枚目ヒーローじゃないのか? ってことになりますが、正統なボイスレッスンを受けていないトニー・レオンの話し声は、美声というには微妙にこもっていて、ひずんでいます。
そのひずみ具合が、絶妙な温かみと何ともいえない人間味を醸し出すのです。
外見と声は、"東洋的クラーク・ゲーブル"。
なのにランニングシャツにパンツ1枚で、安下宿でパテみたいなのをパンに塗ってたり。
トニー・レオンがにじませる生活感と、美声がどうもちぐはぐなのです。
ナレーションも、トニーが芝居し過ぎずに、抑えておさえて話していたんだなと言うこと、改めてよく解りました。
声優さんって本来は舞台劇の劇団所属の人が多かったし、声優養成スクールの講師の皆さんも舞台劇出身者が多いんです。だから、声で"芝居"してしまいがち。
アクション映画や、けれん味たっぷりに見得を切るカンフー映画ならそれでいいのですが、王家衛作品に芝居っ気は……実に、合わないのですよね。
原音声のままのTakさんがとてもナチュラルに思えてくるから、不思議です。
日本語吹き替えの台詞は、実に理解しやすいです。意訳もまじえ、字幕では出し切れない各人物の心理のひだを表現しています。ますます周慕雲のひょうひょうとした、つかみどころのない、時にはすっとぼけた、浮雲のようなムードが強められています。ほんっと、食えない奴だぞー(そこが好き)。
これで、トニーの生声だったら…。
音声のデジタル処理技術がさらに進化したら、いつかはトニーの声色のまま、正確な日本語の台詞で聞けるようになったりするのでしょうか?(もちろん声優さんの仕事の確保も大事だが)
「花様年華」では「芝麻糊」の日本語訳が「ゴマの水飴煮」ではなく、「黒胡麻汁粉」になっていたので、ホッ。
ラジオから二度流れてくる"お誕生日ソング"、チョウ・シュエン周[方旋]の名曲「花様的年華」は「かようねんか」と発音されていましたけどね。
そして、特典です。
「花様年華」のメイキングは、香港特別版(スペシャルバージョン)でも見たし…となめてかかってたら、とんでもなかった。
香港版にない、クイーンズカフェ皇后飯店(「欲望の翼」ロケ現場として有名、ただし移転後の店舗)でのトニー&マギーの撮影現場や、「食をテーマにした男女の物語」という初期構想で演じるトニーとマギーの姿も見られるじゃないですか!
ジェットトーン、何を出し惜しみしてたんですか!
黒い帽子を目深にかぶった、憂いのマギー。エプロン姿もニヒルなヒゲのコンビニ店長(王家衛の話では、ワンタン職人)姿のトニー。
これが第54回カンヌ映画祭で上映されたという、20分間の「花様年華2001」の一部ですね!
ちょっと上海で撮影された新天葡萄酒CMに似た雰囲気になりそうだけど。
いったい「花様年華2001」は、いつ日本人に見せてくれるのかねー…_| ̄|○
もう編集してあるんだから、出し惜しみしないでよ、王家衛。
あのー、それで「映画祭&授賞式」というから、カンヌ映画祭でのトニーの最優秀男優賞受賞の瞬間か!と思いきや、韓国・釜山での釜山国際映画祭・野外上映の模様がたったの1分、収録されていただけでした。場所と日時ぐらい、字幕入れればいいのにねえ。問い合わせてくだされば、お答えしたのに…。
マギーの隣には、オリヴィエ・アサイヤス監督の姿が。
あーあ、この頃はお二人、結婚してたのよねえ。
才気煥発、闊達で伝統だの因習だのに縛られたくないマギーを優しくおおらかに包み込み、パートナーシップを築くことができるのは、香港人男性、いや華人男性じゃなくて、欧州男性だと信じ切っていたのにー。
で…あら? 「授賞式」、は?
カンヌ映画祭も、2000年10月30日の東京国際映画祭・香港映画祭セレモニーでの王家衛、トニマギの舞台挨拶の映像も、収録できなかったのかー…。
「2046」特典では、上海での記者会見がかなり長く収録されていたので、大歓喜。
退屈しのぎに落書きばっかりしていたのかと思っていたフェイ・ウォンは結構ちゃんと質問に応えてるし、はじっこのドイルにも、ちゃんと質問が飛んでたんじゃないか。どーしてちゃんと報じてくれなかったのよー、日本マスコミ。
監督がついつい補足として口を出すのが、撮影現場でのダメ出しのシーンを彷彿とさせました。
ただしワイドショーで流れた、Takさんの「そこ!(指さし) 俺の話、聞いてる?」教育的指導の気まずい一瞬はカットされてありませんでした、さすがに。
東京・六本木ヒルズでの記者会見。
断片的には報じられていたけど、やっと通しで見られたーーー。はー、DVDってありがたや。
質問は中国語簡体字と日本語でテロップが出るのが、珍しくもありがたかったです。
「2046年には何をしていると思いますか?」の質問に「えーとと、もっと成熟した大人になっていると思います」とはにかみつつもお茶目に答えるトニーがトニーが!
胸きゅーーーーん!
いやあの…大人というより、84歳の好々爺になってるのでは…?
この頃のトニーさんは、自分の未熟さや世間知らずについて、考えるところがあったのでしょうか?
「トニー・レオンさんについて」と聞かれたTakさんとチャン・チェンが答えるときに、トニーがどんな顔をしていたか、見たかったなあ。ちらっと映ったように渋い生真面目な顔をしていたのか、ニヤニヤ照れ笑いしていたのか…。
時差ボケとヨーロッパ行脚の過労で、1日寝込んで帰港を延ばすほど体調最悪だったはずなのに、トニーさんほんっと頑張ったんだね。(「インファナル・アフェア3」でも同じくらい、頑張ってほしかった…くくくぅ)
さあ、お次はフランス版「2046」鑑賞です。って、まだ入手してないんだけど。
しばらく待っていれば、香港で「豪華版」なんつって、数量限定でのDVDになりそうな気もするんだけどねえ。
いったい何枚買わせるんだーーーー!とぼやきつつ、周慕雲のトニーをトニーを見られるのなら、全部ぜんぶぜーーーんぶ!と堕落天使、いえ小悪魔がささやくのでした。
きゃっははー、最高に楽しく読ませていただきました。実は私まだちゃんと見ていなくて。
いちばん笑ったのは「原音声のままのTakさんがとてもナチュラルに思えてくるから、不思議です。」のくだりでした。
でもほんと、吹きかえって「行間」が表現されますから、見た方がいいですよね。フランス版「2046」の記事、楽しみに待ってます。
「2046」「花様年華」でトニーの声を当てている方は、「英雄 HERO」でもトニーの声を当てています。メロメロなほどにダンディな声なのでクラクラしています。
wishさん、やっぱり小杉十郎太さんでしたよね? ダーティ・ハリー=故山田康雄、アラン・ドロン=野沢那智、ジャン・ギャバン=森山周一郎のように、トニーといえば小杉さんってことに今後もなるのかしら。コメディでも??
あーっでも小杉さん、アンディ・ラウ兄貴の声もいくつか担当してらっしゃるのよね。「インファナル・アフェア」はどうだっけ?(まだ日本版DVDは広東語版でしか聞いてない)
「インファナル・アフェア」は別の方がされています。山路和弘さんでした(先日のTV放送時もこの方がトニーの声をあてています)。
公式プロフィールは下のURLにあります。
http://www.seinenza.com/profile/yamaji_kazuhiro.html
字幕では垣間見れないものも表現されているのですね。
いつもは字幕派なのですが、吹き替えの
楽しみ方をおそわった気がしました。ありがとうございます。
あとで吹き替え版楽しんでみようと思います。
そして、うんうん、そうなんですよね、トニーさんって
引算の演技が素晴らしい人だと感じてます。
他の人だったらやりすぎてしまうことを
あえて抑えている感じが最高ですよね。
しかし、日本での記者会見は顔色が・・(号泣)
でも頑張ってましたね。答えた内容もとっても素敵ですね♪
というか『2046』フランス版まであるなんて。
国によって特典が違いそうだから
全部観れたら最高かも。でもアタシは観れそうにないので(ぐすん)、
nancixさんの鑑賞日記を密かに楽しみにしてます(えへへ)
私は、先日やっと『2046』の特典だけみましたが、それだけでお腹いっぱいになってしまいました。nancixさん、通しで見たなんてすごいです〜。