2007年05月06日

6日のテレビは何だか"中華圏デー"。

 何だか6日はテレビが「中華圏デー」でしたね…。

 うちの老父がお気に入りで欠かさず見ているらしい「ダーウィンが来た! 生きもの新伝説」では、野生パンダを満喫。
 トニー・レオンの養女?シャンシャンがいる四川省臥龍自然保護区ではなくて、今回はお隣の陝西(せんせい)省秦嶺山脈が舞台でした。タケノコ食べまくりの野生パンダ、木登りしてオスをじらすメスパンダ、激しくいがみ合うオスパンダ2頭…そして、コロコロした手足の短い赤ちゃんパンダ! 赤ちゃんを抱っこして育てるママパンダ! ……ああ、萌え〜〜〜。
 パンダの鳴き声をこんなにいろいろ聞けたのも、この番組が初めてでした。
 今回の取材には、協力として動物写真家の岩合光昭さんがクレジットされていたと思う。しかし実際の取材には、なんとディレクターとカメラマンのたった二人で挑むそう。昔、同行したローカル番組のグルメコーナー担当班でさえ、照明さんと音声さんとカメラマンとカメラマン助手、何でも係のADさんが一緒だったのに…。
 ちなみにこの番組のエンディング・テーマ「ボイジャーズ〜イースト・ミーツ・ウエスト」は、上海出身の二胡奏者のウェイウェイ・ウーさんとサックス・プレイヤーのケニー・Gの素敵なセッションとなっております。平原綾香のオープニング・テーマ「Voyagers(ボイジャーズ)」も、一度聞いたら忘れられないメロディラインだけど、こっちもいいね。

 午後9時からは総合で、NHKスペシャル 激流中国「青島老人ホーム物語」をみる。
 いやー……もう、見てて哀しく情けなくなっちまったい。
 「養児防老」 =子どもを養って老後に備える。つまり、自分の老後を子どもに面倒を見てもらおうと目論むのは、日本でも中国でも変わらないのね。
 だけど、

 特に、高校まではいい子だったのに、解放政策が進むにつれ浮かれて定職につかなくなり、職を転々とし、老親の資産を食い潰し自宅を乗っ取り、親を追い出し老人ホームに住まざるを得なくさせたドラ息子と、頑固そうな父親の電話での会話。
 こういう、親に依存しっぱなしのドラ息子・ドラ娘を「咬 (口ヘンに肯だったかも) 老族=こうろうぞく」と中国では呼ぶそうな。

 うっ……負け犬で親がかりのnancix、耳が痛い。通信費しか月々の生活費用は出してないし。
 
 取材され録音されているのを知ってか知らずか、イイ年齢した息子は「11時前に起きたばっかりだよ!眠いんだよ」と不機嫌で、自分の子どもを持ってやっと親の気持ちが解ったといいつつ、「そっちにお茶の葉余ってないか? 分けてくれよ。無駄金使うことないもんな」と言い放つ。
 お茶ぐらい、テメェが親に買って送ってやるもんだろーが!
 その息子が現在は何の仕事をしてるかというと、老いた父親は「インターネット・カフェだとよ。いくらもらってるか、食っていけてるのかよくわからん」と腹立たしげに妻に告げる。その妻は、交通事故で体が不自由になり、夫が料理して(何だかソーメンとワカメに見えたけど…?)食べさせてやるものの、衰弱する一方。
 ドラ息子以外に娘もいるんだけど、遠距離バスで時々孫娘を連れて様子を見には来るけど、婚家に病気がちの舅、姑がいるから、自分の親の面倒まではみられない…。
 義父母と自分の息子(肥満からくる糖尿病だ…)の病院の送り迎えで一日が過ぎてしまうと嘆く、うちの叔母を思い出したわ…。

 高学歴共働き夫婦で、妻は企業を巡って講演もする心理カウンセラーで、自分の老いた母を宮殿のような立派な老人ホームに預けるという母娘のエピソードも身につまされた。
 娘夫婦は住みなれた家を去ろうとする母に10万人民元の札束をポンと渡して「ささやかですが、これは親孝行のしるしです」と言い、礼は尽くす。だけど、知り合いの一人もいない老人ホームで孤独に暮らす母の精神分析もカウンセリングもできないってのね? 旧正月も、我が家に泊まらせることもせず、老人ホームの年越しパーティーで一人ポツンとごちそうを食べろってのね?
 無口だった母は窓の外を見つめながら、取材班に、ぽつりぽつりと言う。「中国では何千年も続いてきたことが、今次々と変わっています。 …自分の老後がこうなるとは思ってもみませんでした。 …わたしたちは中国が高齢化を迎えた最初の世代です…明日はどうなるか、私にはわかりません」。
 せっかく、古いものを全て悪とし否定し打ち壊そうとした文化大革命の嵐を乗り越えて生き延び、老後を迎えたというのにね…。
 仕事先まで付いて来た取材班に、車を運転しながら胸中を語る娘。「今は仕事に専念できます。でも、複雑な心境です。…私は、理想的な娘になれなかったのでしょうね…」と涙をみせる。

 何だかねえ…アン・ホイ許鞍華監督の「おばさんのポストモダン生活/姨[女馬]的后現代生活」を見たときも(どーしてこんな希望のないやり切れない結末にしたんだか…。おばさんが智恵を絞って仲間と手を組んで逆襲して、何もかも巻き返す、小気味いい話にすりゃいいものを)とやり切れない思いにかられたけど。
 世知辛くなったのねえ……中国も。
 
 もちろん香港でも共働き夫婦が老親の面倒を看切れず…あるいは香港のゴミゴミした空気の悪い環境から救おうと老親をカナダに移民させたものの、…なんて問題は多々あるわけで。
 90年代、高級住宅地・九龍塘の通い慣れたUFO電影人製作公司への道すがら、こないだまでけばけばしいラブホテルだった建物がそのまま「護老院」の看板を掲げて老人ホームに鞍替えしていてあっけに取られた記憶も甦る。
 元ラブホテルの、窓の無い"エセ宮殿"で一生の最後の日々を過ごすご老体もいれば、"屋上屋"と呼ばれる、台風で吹き飛びそうなビル屋上のバラックで独り暮らしを続け、ある日ひっそりと孤独死を遂げる老女もいる。一方ではトニー・レオンのしっかり者のママのように、海辺の豪邸で何匹ものワンちゃんに囲まれ、メイドに家事全般をしてもらえ、金銭的には何不自由なく、母の日にはトニーもトニー妹一家も集まってペニンシュラでお食事できる老人も…それが日本以上に格差社会の香港なんだなあ、とかねがね思って来た。
 そういうご老人たちのエピソードも、充分映画の題材になるだろうに、現在の香港映画界は若者に受けることしか考えられないのだな。ひところの邦画と同じだ。"辛気臭い物語にスポンサーがつくかっ"てわけなんだ。

 いっそ犬童一心監督作品「死に花」(04)のリメイクでも計画すりゃいいのになあ。海外を忙しく飛び回る子どもたちに不本意ながら老人ホームへ入れられ、規則規則で窮屈だと嘆く元気な老人5人組が、ひょんなことからとてつもない大金を得る計画を立てて頑張る話なんて。その金で気楽に自由気ままに暮らせる、理想のグループホームを建てよう!なんてね。往年のカンフースター勢ぞろい+サモハン・キンポー洪金寶やユン・ワー元華さんあたりが老けメイクして。
 彼らの失踪に慌てふためき助けようと奔走する老人ホームの館長にジャッキー・チェン成龍でも特別出演してもらってさ。


 ブツブツ言いながら入浴して髪を乾かしていたら、今度はMBS毎日放送の「世界遺産」で、「万里の長城(明代)」が始まったよ。
 しまった、2週連続企画だったのか。前回を見逃している。
 こちらは4年間かけての苦労ずくめの撮影を1時間に収めたもの。空撮が圧巻だ。
 こんなに苦労して北の民族からの攻撃を防ごうとしたのに、結局明国はドルゴン率いる清軍に滅ぼされ、明の遺臣たちは「反清復明」を叫んで各地に潜伏し、ある者は「洪門(後の天地会)」などの秘密結社を作り、やがてそれが黒社会に変わり…だったよなあ。幻の福建少林寺も「反清復明」を誓い武術を鍛錬し続ける志士や僧侶らの秘密基地だったんだ。洪家拳を父に学んだのが広東人の黄飛鴻で…と、果てしなく連想は広がる。「三国志演義」「水滸伝」「西遊記」が誕生したのも明代のことだったんだ。

 明滅亡の後、ドルゴン、順治帝、康煕帝と清王国が続き、ロマノフ王朝のソフィア皇女(エルミタージュ美術館の絵画収集の起源となったピョートル1世の異母姉だ…)を女帝になれと韋小寶がそそのかし…ってのは、史実じゃなくて「鹿鼎記」の世界でしたね、失礼。

 とにかく山の尾根に兵士らの手で積み上げられたレンガ、そこに刻まれた年月日と部隊名を見ていると、こんな辺境に駆り出され、いつ果てるともしれない任務に就かされた兵士とその家族がどんな思いをしただろう、と偲ばれてならなかった。
 韓国映画「共同警備区域JSA 」(00)じゃないけど…映画になりそうだよなあ。
 新婚の若者が、新妻を置いて徴兵され「親父も伯父貴も兵隊になって辺境警備に行かされた。俺も行くしかない。俺は死んだものとあきらめてくれ」とか新妻に言い残して村を去り…。
 あきらめきれない新妻が、やがて夫の親族の誘惑を拒んで、たった一人で後を追い…。
 苦難の果てに万里の長城の砦にたどり着くも、面会できず…。

 ……「防人の歌」の世界になっちゃうかな…(^_^;)

 道の辺(へ)の、茨(うまら)のうれに、延(は)ほ豆の、
 からまる君(きみ)を、はかれか行かむ(作:丈部鳥)

 映画の題材が幾らでもある中国。どうか金儲けばかり考えないで、悠久の歴史と人々の姿を再現し、現代を映像で活写することを考えてほしいなあ。
posted by nancix at 23:55 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日々のこと。
この記事へのコメント
4/29のウルルンで、鈴木杏ちゃんが行ってましたよ、中国パンダ保護研究センター。
http://www.mbs.jp/ururun/backno/20070429.shtml
子パンダちゃん、ホント、かわいかったです。
Posted by レインボーママ at 2007年05月08日 11:57
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