2007年04月17日

テレンスの言い分と新周瑜役は…

 昨夜ご紹介した"チョウ・ユンファの言い分"に、本日は長年の盟友であり、共にハリウッドで闘ってきた戦友でもあるプロデューサーのテレンス・チャン張家震が、騰訊網(転載:東方娯楽)の取材に応じて、すかさず応酬いたしました。

テレンス・チャン張家振

問い:今回の「赤壁」でチョウ・ユンファを配役交替させなければならなかったことについて、あなたにはどんな感想がありますか?

テレンス:私とジョン・ウーが非常に望まなかったことだ。なぜならウー監督はずっと、チョウ・ユンファと再び一緒に映画を撮影することを渇望してきたからだ。米国でも、毎回インタビューを受けるたびにこの望みを述べてきた。今回撮影する「赤壁」も、特に彼のために周瑜の役柄を設定した。2年余り前に製作発表してからずっと、撮影を準備してきたのだから、今は特別に失望を感じている。

真の原因は保険会社が提出した73の反対意見

問い:真の原因は何なのですか? ユンファが年を取りすぎているのを嫌がった?

テレンス:絶対に違う、それなら当初から彼を起用しなかった。ユンファの年齢は周瑜に比べて20歳は上だ。多くのネチズンもずっと(ユンファの起用に)反対していた。後になって金城武が配役され、(年齢の)問題はさらに明確になった。ある投資家及び配給会社は反対を提出しさえした。しかし我々二人はずっと、ユンファを擁護してきたんだ。
 真の原因は、米国の保険会社がユンファの弁護士との契約交渉に同意せず、(ユンファ側の要求のうち)73箇条について反対意見を提出したことにある。私もできるだけ譲歩したが、残念ながら契約を成立させることができなかった。

問い:聞くところによると、そこは「黄石的孩子」などと同じ保険会社だそうですが…。

テレンス:そうだ、(他作品の時も)彼らは同じ契約を結ぶことに反対した。しかし(プロデューサーの)ビル・コン江志強は、ユンファが「満城蓋帯黄金甲」の出番を終えるのを待ってから、保険会社と契約を交わした。「黄石的孩子」となると、ユンファには20日分の撮影期間しかなく、ギャラは数十万だけだった。その時は保険会社はプロデューサーたちの全報酬を抵当に入れることを求めて、やっと保険をかけることを承諾したんだ。

問い:契約には、あなた方が同意することのできないどんな条件があったのですか?

テレンス:実際とても多かったよ。その多くが、受け入れるにはあまりにも(中国とハリウッドを含む)映画界の規範を超えるもので、私も一々列挙したくはない。

シナリオは昨年初めに彼に渡した

問い:聞くところによると、あなた方は1週間前に初めて彼にシナリオを渡したそうですが?

テレンス:それは馬鹿げた言い草だ。昨年の初めに、私はこっそりとシナリオ初稿をユンファに見せた。米国で映画撮影中だったユンファは、いくつかの周瑜と小喬の愛情シーンを加えるべきだと提案してきた。我々もそれはよいと考えた。
 今年の初めにシナリオ第一稿が完成し、我々はユンファとトニーに同時に渡した。ユンファはまた意見を出し、ウー監督と脚本家の陳汗はユンファの言い分に従ってシナリオを潤色した。この最新のシナリオを、確かに1週間前に彼に渡したんだ。

彼の最近の出演作4作のギャラを加えても「赤壁」のギャラに及ばない

問い:聞くところによると、彼はあなた方に一括払いでギャラをくれと要求したそうですが、そうなんですか?

テレンス:そうだ、彼は確かにそれを要求し、どの独立した映画でも一視同仁(差別を付けず同じ扱い)だと言ったんだ。後になって、私はまず50%を先払いする、金を受け取ったら3日後に製作側に報らせてくれと苦心して哀願したんだ。しかしその他の50%は、我々は銀行に口座を設ける必要がある、撮影が半分済んだら彼に渡すとも。彼は一括で金を手に入れられないが、私にも一度は金を手元に置く必要があったんだ。

問い:彼のギャラはいくらなんですか?

テレンス:500万米国ドルだ。さらに全世界での興収の分配をプラスする、彼に不義理はしていない。彼が最近撮影した4作のギャラを加えても、この額には及ばない。

ユンファを同行してハリウッドで15年発展し、びた一文取っていない

問い:あなたはユンファといつから組んでいるのですか?

テレンス:私とジョン・ウー呉宇森は以前、香港で「新里程」公司(マイルストーン)を設立し、3作の映画を撮影した。「狼たちの絆/縦横四海」(91、映画版とテレビドラマ版…とあるが、ドラマは後に米国資本で撮影したはず)、「ハードボイルド 新・男たちの挽歌/槍神」(香港題は辣手神探、92)「恋のトラブルメーカー/我愛紐紋柴」(92)だ。どれもチョウ・ユンファ主演で、当時の関係は非常によかった。

問い:聞くところによると、あなたが彼をハリウッドに連れて行ったそうですね? 15年間びた一文も取らずに。

テレンス:どう言えばいいのか…ジョン・ウーの「男たちの挽歌」が彼をビッグ・スターにした。そしてジョン・ウーの「狼〜男たちの挽歌・最終章」「ハードボイルド 新・男たちの挽歌」で、外国人がユンファに対して興味を持った。私はただ、紹介者の義務を果たしたに過ぎない。

問い:あなたは初め、どのように"紹介"したのですか?

テレンス:私は91年から92年の間にユンファに替わってシカゴ、ニューヨーク、ボストン及び英国のロンドンで「チョウ・ユンファ回顧展」を開催し、6、7作の彼の主演映画を上映し、彼を外国の観客と映画評論家に紹介して認識させた。その後、彼をハリウッド最大の老舗エージェンシーの一つ、ウィリアム・モリス・エージェンシーに紹介して契約させ、彼に代わってビバリーヒルズでパーティーを開き、多くのプロデューサーやシナリオライター、監督及びエージェントを招待して、彼を認めさせたんだ。

問い:あなたが彼のハリウッドでの発展を助けたことがありましたね?

テレンス:ある。私はまた、彼に代わって「リプレイスメント・キラー」などの映画を請けた。自分で出資して彼のために3作のシナリオを用意したこともある。「X-LA」「Charlie Apana」「Lost In Translation」(ソフィア・コッポラ監督作品ではない作品)だ。これらも、彼はとっくに忘れただろうがね。

ユンファには求めない、当初の援助は義務だ

問い:あなたは今回のことで、あなた方の間の友情が傷つくと思いますか?

テレンス:私は"友情"とは双方向のもので、純真で、何の利害関係もないものだと思う。私は彼に求めはしない。私は当初、彼を助ける義務があると考えた。それは彼が優秀な俳優で、彼の演技を紹介して全世界の観客に楽しんでもらいたいと私が望んだからだ。ただそれだけなのだ。

 「陣を敷く前に将軍を換えることは、兵家の忌むところ」であります。テレンス・チャンとジョン・ウーは、ユンファ側の強情さに、ひどく落胆したといいます。
 そして北京新浪網によりますと、北京の中国電影集団公司、略して中影集団は特に新浪を通じて独占声明を発表しました。全文は以下の通り。
 今回の「赤壁」の臨時配役交替事件に関しては、中影集団の望むところではありませんでしたが、直面しなければならないことでもありました。「赤壁」は中国映画で最高の投資額の映画であり、中影集団は中国で最大の投資筋であります。我々は始終、国際的に有名なジョン・ウー呉宇森監督が、この重大で広大な歴史の題材の映画を御することができると、堅く信じています。我々は継続してジョン・ウー監督と手を組み、苦難を幸運に変え、消極を積極に変え、共に奇跡を創造していきます。スケジュール通りに撮影をうまく完了させたとき、まさに「赤壁」は、映画史上初の歴史劇巨編となるでしょう。

 当面、「周瑜」の配役選びにおいて、我々は積極的に「赤壁」製作スタッフとジョン・ウー呉宇森監督と協議しているところです。なおかつジョン・ウー監督の決定を尊重し、「周瑜」役にさらに適合した俳優を選び、多くの「赤壁」を熱愛する観客の皆さんに驚きと喜びをもたらしたいと考えています。我々はこの一件が映画撮影の進度に影響を及ぼすことはない、かえってさらによい結果になると堅く信じております。

 特別に声明いたします。
 2007年4月17日
                                       中国電影集団公司
 手回しがよすぎるこの声明は、明らかに投資家や他国の投資集団に宛ててのものですね…。
 同社の株価?が下がること、今までに「チョウ・ユンファやトニー・レオンなど、東アジアで有名な大スター総出演」を売り物に集めた資金を返せといわれること、を懸念しているのでしょうか。

 「赤壁」製作スタッフには、この件について緘口令が出されているのですが、匿名を条件に取材に応じたあるスタッフによると(この前置きだと少々マユツバ)、ユンファ側はハリウッドスターと同じく撮影時間は1日○時間まで、祝日は必ず休暇にしろ、そうでなければギャラを倍増して要求する、お抱えのシェフや医療スタッフなど10数人のユンファ専属チームを組織して常駐させろ、などの要求を出してきたというのです。最もそのスタッフが困惑し、笑うしかなかったのは「ウー監督とユンファの台詞指導者以外、撮影現場に居合わせたスタッフは男女問わず、誰もユンファと一切口を利くな。これが守られない場合、ユンファは自由に降板することができる」という条項も含まれていたとか。そのスタッフは「もしも不注意でレンガの破片をユンファの頭上に落としたとしても、俺たちは口を覆ってその場から走って逃げるしかないってのかい?」と呆れていたそうです。
 そして記者が旧作「おばさんのポストモダン生活/姨媽的後現代生活」のスタッフに取材したところ、ユンファ側がこのような要求を出すようになったのは、中国回帰第一作のこの「おばさん〜」からで、この作品ではユンファの出番は少なく、撮影期間も集中していたので、撮影は充分順調に進んだのだといいます。
 しかし、このような情報が漏れるのは、結局は映画の宣伝である疑いが強い、と記者は記しているのですが、日本ではマイナスイメージにはなっても宣伝にはならないのでは…?

 かつてはハリウッドスターの"ナニ様"ぶりを笑いとばし、自分はフランクな香港スタイルを貫くんだと常々語っていたはずのユンファに、このところ一体何が起こっているというのでしょうか…。

 さて、中華圏メディアはもう、ユンファの後釜…もとい、周瑜役に誰が新しく選ばれるかに興味の対象を移しています。こんな風刺イラストまで掲載される始末。

chinapressの周瑜役似顔絵

 おや、金城武だけでなくもう一人、日本人俳優がいらっしゃいますね。
 以前も曹操役に名前が挙がった人。

 ここにきて日本の某出資企業が、周瑜役に強く推しているのがこのおひとだと、いまだに中華圏の新聞サイトには書かれているのですが…さて?

 とにかくネットニュースはもう、新周瑜役を誰が射止めるかでケンケンガクガク。
 台湾では、若者に圧倒的人気のジェイ・チョウ周杰倫に加え、クールな美形で身長が高く「女帝(エンペラー)/夜宴」などの時代劇でも好演を見せたダニエル・ンー呉彦祖説が根強く、
 中国国内ではフー・ジュン胡軍やシァ・ユイ夏雨などが候補に挙げられています。香港のレオン・カーファイ梁家輝、もう他の三国志映画に主演しているのにアンディ・ラウ劉徳華の名も再度浮上。

 ダークホースが、中国のテレビドラマ版「神雕侠侶」で、かつて香港TVB版ではアンディ・ラウ劉徳華が演じた楊過役を、「鹿鼎記」でトニー・レオンが香港TVB版で演じた韋小宝役を、「新・上海灘」でTVB版ではユンファが演じた許文強役を、「英雄本色」(「男たちの挽歌」の原題)でもユンファの当たり役・マークを演じているという、もー美形リメイク何でも来いの男優、ホァン・シャオミン黄曉明。ネット上の新周瑜役投票では「若いし端正な容貌で剣さばきも華麗で、周瑜役にぴったり」と人気No.1だそうです。

黄暁明が周瑜役?

 青島出身で名門・北京電影学院卒業、身長180cm、映画では「女帝(エンペラー)/夜宴」にも出演していますね。
 先日の第26回香港電影金像奨では、「カンフー・ハッスル/功夫」のホアン・シェンイー黄聖依と一緒に、プレゼンテーターを務めました。目つきが厳しい、ルイス・クー古天樂系のスポーツマンタイプなんだよねえ。

 その他、諸葛亮孔明役で、と起用されたはずの金城武を周瑜役に、孫権役のはずのチャン・チェン張震を、
 いやいやすでに「三國之見龍卸甲」撮影に入っているが、アンディ・ラウ劉徳華が再浮上するのでは、なんて声もあり、もうもう百花斉放・百家争鳴。

 それにしてもユンファ……今後どうするんでしょ…。
 弁護士を換える、
 主張の激しい、業界の嫌われ者らしき内輪の人物を大人しくさせ、自分の仕事に関わらせない、
 初心に戻り、自分の意志を断固として貫く…
 嗚呼、そんなこた一介のファンに言われるまでもないですよね…。

 ユンファとティ・ロン、ユンファとレスリー、ユンファとレオン・カーファイ、そしてユンファとトニー…カンフーアクションでもコメディでもない香港映画の、日本では廃れた熱い男の友情(&女は邪魔!)に胸を熱くし、ユンファに男のロマン、自分の分身理想像を託したジョン・ウー監督の意気に感じてこの世界に引きずり込まれたファンとしては、
 (こんなニュースを読めるようになるために、中国語をせっせと覚えたんじゃない…)と溜め息をつくばかりの日々でございます。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/39119980
△TOPへ