2007年03月07日

「赤壁」トニー降板続報

 こういう時はいつも諸説紛々なのですが、
 やはり、トニー・レオンが北京での衣装合わせの後で改めて分厚いシナリオ完成稿を受け取って熟読してみたら、
 事前に充分役作りの準備をして飛び込んでいかないと到底出来ない難役なのに、
 「色、戒」の漢奸・易先生から解放されてすぐに諸葛亮孔明に成り切って、誰もが知っている古文的名セリフを涼しい顔で吟じるのは、自分には無理だ…と思い知らされた、ということしか、降板の理由にはならないように思えますです。
 (だったら、旧正月前後に北海道でスキー&スノーボード三昧してる場合じゃなかっただろ!と、あのお尻をペシペシ叩きたいのは山々ですが)
 今降板すれば、クランクインが近いとはいえ、後任と契約を結び直して撮影スケジュールを調整するのに充分なタイミングだと判断して、外部の諸説雑音非難を承知の上でジョン・ウー呉宇森監督に申し出て、監督の了解も得た、と。
 「いつもジョン・ウー監督と顔を合わせる時にギャラの交渉なんかしない」というのも、トニーらしいし。

 で、映画業界の実力者で、トニーとも「インファナル・アフェア」シリーズや「傷城」で何度も一緒に仕事をしているメディア・アジアエンタテインメントグループ寰亞綜藝娯楽集團有限公司代表ピーター・ラム林建岳氏は、台湾聯合報の取材に対し、当初「降板? 確定なのか?」と聞き返し「きっとアン・リー李安の映画撮影で疲れすぎたんだよ」と話したそうです。
 トニーはピーター・ラム氏に対し「従来、『色、戒』ほどくたびれた撮影はない」と洩らしたそうで、心身共に疲労したようだったと。
 ……うーん、やはりトシなんですかね…? たはは…。
 「色、戒」では、クランクインの2ヶ月前から個人教授で1940年代的な北京語の特訓を開始し、時代背景などを知ることのできる書物を読破して準備し、撮影に臨んだものの、完璧主義者のトニー本人としては2ヶ月程度では付け焼き刃だったと感じ、プレッシャーが大きかったと。
 「アン・リーの映画に出演できたことは、トニーにとって非常に価値があり得難い体験だっただろうが、彼は非常に仕事に没頭するタイプなので、とても辛かったと思う。少々の休みだけでまたすぐに新しい作品に取り掛かる(と上手くいかないのではないかと)心配したんだろう」とも、ピーター・ラム氏は代弁してくれたそうです。また、トニーとカリーナはうまくいっていて、問題などないだろうとも。

 そして新浪娯楽がトニー・レオンの所属プロダクションの澤東公司に独占取材したところ、
・トニーの正式降板は事実であり、トニー本人とジョン・ウーがよく話し合った末に双方納得の上で出した結論である。
・トニーは、「赤壁」が歴史的題材を踏まえた映画であり、諸葛亮孔明は中国で最も偉大な代表的人物であるために、真摯な態度でシナリオを読み終えた後、今の自分には観客と監督に対して孔明の才能を演じきって見せるだけの充分な準備が出来ていない、と自覚した。しかし今月末にはクランクインする必要があり、準備期間が不十分である。加えて大量の言語特訓が必要であり、慎重な考慮を経て、トニー自身がやむを得ず降板を決意した。
・金城武が代役を務めることは「赤壁」制作サイドの判断であり、ジェットトーン側はそれに対してコメントする立場にない。
・ジョン・ウーはトニー・レオンが最も尊敬し重んじている監督の一人であり、長年のよき友人でもある。今回の降板をトニーは非常に残念に思っている。将来、再び手を携えて映画作りができればと希望している。
・噂されているような、愛情問題のために仕事を放棄するようなことはない。トニーはプロフェッショナル精神を備えた俳優であり、今までもプライベートな問題を仕事に持ち込むような真似はしてこなかったし、感情のことで撮影進行に支障をきたすことなどない。
 とのことであります。

 次作のクランクインとダブるので、と昨夜は報道されていたのに、スタンリー・クワン關錦鵬監督が御執心の"梅蘭芳の数奇な一生を描いた映画"(あれ? チェン・カイコー陳凱歌監督が進めている作品とは別に?)や、田壮壮監督の新作に出演するという噂に対して「まだしばらくは、トニーの次の仕事の予定を公開する段階ではありません」とジェット・トーンの担当者はコメントしているそうです。
 さらに、昨夜一部で報じられた、チャン・チェン張震がスケジュールの問題で孫権役を降板するという情報も誤報であり、「赤壁」制作者サイドと出演契約について細部を詰めている段階である、とコメントしたとのことです。「赤壁」制作サイドも「張震は依然として我々の出演者リストに載っています」と証言している

 ジェット・トーンとジョン・ウー側が決裂したのではなくて、本当によかったです。
 ただ、こういう類推に基づいた噂ほど勝手に一人歩きして、日本の映画配給界でも映画情報サイトでも「トニー・レオンは高額のギャラ吹っかけて、降板させられたんだってさー」と報じられ、無責任な映画ライターらに吹聴されてしまうんだろうなあ…と、今から頭が痛い…です…(ーー;)。

 「赤壁」新キャストについては、早くも自由時報がこんなパロディ画像を載せて年齢問題を揶揄しているし、公開前も公開後もいろいろ言われちゃいますよね……中国史オタク、小説ファン、テレビドラマファン、ゲームマニアと、皆それぞれのイメージを備えているだろうし。

 えーい金城クン! 雑音なんか気にせずに若々しくフレッシュな孔明を演じて世間を黙らせてちょーだい!
 トニーが(そういう孔明だったら、アリだったのかぁ…)とちょっと降板を後悔するほどに(^_^;)
この記事へのコメント
そうでしたか・・実はかなり
楽しみにしていただけに残念だけれども
でも、トニーさんの真摯さが
この決断をさせたんですもんね。
尊重したいです。そして金城さんには
がんばってほしい。応援したいです。

>トニーが(そういう孔明だったら、アリだったのかぁ…)とちょっと降板を後悔するほどに(^_^;)

うははは(笑)
でも、そういうこともありえるかも・・^-^;
Posted by ガオ at 2007年03月07日 11:58
 何だか「傷城」制作日誌を見ていると、
 勝手知ったる香港内で、
 スタッフとも主に広東語で話せて、大体の皆さんと旧知の仲で冗談も通じて、
 朗らかで大らかな(酔っ払い)金城クンや、いつも笑いの渦を巻き起こすチャップマンらとも和気あいあいで、
 若いけど聡明なシュー・ジンレイさんとも、二人でラブシーン前にミントガムみたいなのを噛む気配りができていて、
 こういう家庭的、兄弟的な雰囲気のなかで自分の役作りに打ち込めるのが、トニーにはとっても楽なんだろうなあ…としみじみ思ってしまいましたよ。
 「HERO 英雄」の時は、あまりそういう雰囲気にはならなかったみたいだし…アン・リー監督作品は一致団結家庭的雰囲気とはいえ、やはり中国ロケで、しかも役が役で…。

 若いときは何事も経験、経験!と、あえて困難にチャレンジする必要があるけど、40代になると経験よりも疲れになって蓄積しちゃうのかも…?
 金城クンはでも、「傷城」で魅せた情感豊かな表情と生来のボディランゲージの豊かさを生かして、各種の作品に挑戦すべきだと思いますです。(課題は女性とのムード作りだけさ! スー・チーに対してではなくトニーに向けて、あーーんな色っぽい表情されてもぉぉぉ!)
 
Posted by nancix at 2007年03月07日 23:40
ご無沙汰しています。TBありがとうございました。
トニーさんは復帰以降も良く働いていたので、今回の判断は無理からぬことです。しかし、最初からトニー孔明を念頭に考えてきたジョン大師の心中を察すると辛いものがあります。当初のアイディアからはほど遠くなりつつある「赤壁」・・・。
Posted by DHS at 2007年03月08日 01:48
TBありがとうございました。
起こったことについて私には何か自分なりに判断するとか・・意見するとか・・そういう能力と蓄積がなかった(涙)。ただ、こーゆーことでまたバッシングされたり、要らぬことを書かれたりするのは悲しいなぁという思いばかりだったような。
「本人が幸せなら、それが一番」という優等生的な言葉しかありませんです。

あの・・ 話かわります。
記事「泣ける香港影視娯楽大使さま。」最後の一行。
『トニー、元はいいんだから引き締まっていこーぜ!(何様)』
私のツボに思いっきり入って、大うけでした。
nancixさんとトニーのこーゆー関係(どーゆう関係?)がとても好きなんだと思います。

Posted by Rita at 2007年03月08日 08:07
DHSさん:
>最初からトニー孔明を念頭に考えてきたジョン大師の心中を察すると辛いものがあります。当初のアイディアからはほど遠くなりつつある「赤壁」・・・
ウー監督は最初からアンディ・ラウとトニー起用を考えてくれてたんでしょうが、アンディはさっさと離脱して自分でライバル作製作に関わるし、日本市場を意識するテレンス・チャンプロデューサーは「金城武を2年前からイメージしてた」と言い出すし…。ジョン・ウーの威光を持ってしても、ユンファ兄貴、アンディ、トニーの夢の揃い踏みは難しい時代なんですねえ…(T_T)。この足並みの揃わなさが、香港らしいのか何なのか…。

Ritaさん:
本人が納得・覚悟していれば、確かにファンや外野がつべこべ言える問題じゃないんですよね…。
ただ、一応おにーちゃんですが「ぼくらの時代」の象徴であるトニーが、若い世代に取って代わられるような事態は、自分の身につまされて、溜め息も出ます…。
ほんと、トニーと面識すらないのに何様なnancix、「どーゆう関係」なんでしょ? ただの一方通行の一人相撲の独り言ってとこですね。デスコミュニケーション=無関係の典型ってことで。危ないから好きになっちゃあ、いけねーゼ。(^_^;)大変失礼しました。
Posted by nancix at 2007年03月09日 07:10
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/35411850

この記事へのトラックバック

残念だけれど、でも惚れ直しました(えへへ)
Excerpt: ジョン・ウー監督の三国志の映画『赤壁』をトニーさんが降板したことを先日、トニーさんファンの心の師匠でもあるnancixさまのブログのコチラの記事で遅ればせながら知ったのですが読めば読むほど、トニーさん...
Weblog: HONG KONG CINEMA DINER
Tracked: 2007-03-09 11:55