そう、あのカルトテレビドラマシリーズの前日譚とされた映画「ツインピークス : ローラ・パーマー最後の7日間」(92)がありますな。デビッド・リンチ、まったくやってくれたよ。デイビッド・ボウイやキーファ・サザーランドまで出しながら…。ええ、謎は解き明かされるどころか、かえってますます深まっちゃったんですよ、映画版のせいで。ローラと同じような手口で殺された少女の事件はローラとは直接関係しないし、失踪した捜査官が突然出現して口走る言葉も、事件解明の手がかりにはならない。カイル・マクラクラン扮したFBI特別捜査官は偶然ツイン・ピークスで捜査に当たったんじゃないという因果が明かされるだけ。
映画館を出るときの、あの「狐につままれたような」モヤモヤした、イヤーな感じ、少々「インファナル・アフェア3 終極無間」を初めて見たときに似てます。アラン・マック監督や脚本家のフェリックス・チョンなら、この映画版ツイン・ピークスも見て、パート1の前後を作る上で参考にしたんじゃないかなあと勝手に推測するんだけど、どうだろう。
さてそれでは、3を見てもまだ残る謎について。
○冒頭のサウナ内傷害事件で逮捕されたはずのヤン、保釈+裁判所からの判決(心理治療)が出るのが早すぎないか? 日本以上に香港の裁判はスピードアップされているんだろうか。ウォン警司の圧力だろうか?
○1、2ではラウが勤務していたのは「西九龍警察署」。ところが、審問を受けたのも、庶務課〜内務調査課とラウが勤務していたのも「中央署」。転勤になったのかと思いきや、CID(組織犯罪捜査課)でウォン警司の忠実な部下だった張sirも「内務調査課に配属された」と顔を出す。また回想シーンでヨン様も西九龍警察署にいる。西九龍警察署が吸収合併されて「中央署」になったのか? 引越し途中だとしたら、庶務課が1人しかいないのにあんなにだだっ広い理由も、引越し終了後に将来人員を増やす予定だからとわかるんだけど…? 説明してぇーーフェリックス・チョン!
○保安部のチャン・チョン陳俊巡査部長の泣き言のセリフの途中で銃声がしたのは、どう考えたって「他殺」なのに、やっぱり「自殺」なのか? フツー、当てつけ自殺なら、言いたいこと全部言い終わってからためらいつつ銃口をくわえたりしないか? ヨン様は本当に自ら手を下さなかったのか?
○シェンの正体は、どうやら中国の犯罪者と入れ替わった公安部潜入捜査官のようだが、では弟のリャンと名乗った男は実の弟なのか、同じ捜査官なのか? サムのクラブでヤンを拉致しようとした一幕は、どこまでがシェンと示し合わせてのお芝居だったのか? ヤンとの波止場での銃撃戦以後、負傷したリャンはどうなったのか?
○2まで健在だった警察学校のイップ葉校長、1で葬儀は描写されたけど、死因が全く言及されないままになってしまった…。3の小説版では自宅で心臓発作に見舞われて亡くなり「今日、恩師が死んだんだ…」とポツリと打ち明けて涙するヤンに、ついリー先生がほだされて、あの夢かうつつかわくわくキスシーンに突入するのだけど…(ヤンなら黙って独りで泣けーーー! いや泣くな、1の敬礼シーンの切なさが半減するっっ!)。
○2で、ラウが「被遺忘的時光」という懐メロにどんな思い出があり、こだわっているのかはよくわかった。ではヤンは? 彼がかつてのカリーナ・マリーと同じ「高音は甘く、中音域は正しく、低音がくっきりしている」というセリフを口にするのは単なる偶然なのか? 何がきっかけで彼は極管擴音機こと真空管アンプに詳しくなり、あの懐メロに出合ったのか?
○犯罪者扱いのシェンが難なく香港警察中央署内に入り込めた理由は? どこかで読んだ「香港警察と中国広東省公安部の合同掃討作戦秘密裏に実行中」の説明が映画ではどこにもないので、台湾人犯罪者の引き渡しに来るから保安部で(マカオなどに連れて行って)接待しなけりゃ、とヨン様が部下に指令を出していた公安部VIPがシェンのことだと観客には容易に結びつかない。
○やっぱりラストにカリーナ・マリーが一発撃つシーン、言葉足らずだと思うなあ。(俺を、殺してくれ。この生き地獄から逃れて楽になりたい、もう生きていたくない)というラウの望みをあのシーンに込めるなら、もうちょっとわかりやすく演出を〜〜!
よかった、12も謎が残らないで。
とはいえ、今後香港映画にこれほど観客の頭を悩ませるような説明不足の作品が増えないことを切に望むですよ。脚本家と監督がインテリになりすぎると「説明しなくても、何度も見てわかれよそのくらいー!」「あとでノヴェライズか脚本集出すから読めー!」といくらでも暴走しそうなんだもん。それ、ますます観客離れを引き起こす要因の一つですから。



一度見たきり、でもとりあえず見てるからネタばれコメントもたくさん読みつつ、記憶を手繰り、なぞを深めてそして暖めていました。
さー行くぞー。映画館に。
ツインピークス・・・確かに新たになぞをもらいに行った映画でした。でももうあらためてTV版を見直す気力も出ませんでした。なつかし〜。
nancixさんすごーい!
何が凄いってよくそんなに謎が出てきますね。
それほど「IA」シリーズをよく見てるって事なんでしょうね。
私の謎なんてシェンの弟も捜査官なのか?という事だけです。
この謎が解ける事はないのかな・・・
「終極無間」のDVDを何回も見てるし映画も3回見ているけど、未だにDVDと映画の異なるシーンがわからないです(_ _;)
今週また見に行こうと思っています。
インファナル3→ちょっとだけツインピークス、に同意!
ちゅうわけで登場いたしました。
当時、ある友人からビデオ(長いんだ、これが)を紹介されまして、
ツインピークス本を読んだりして必死に謎を解こうとしましたっけ。
でも、嵌らなかった友はかやのそと。
私、インファナル1も2もぜったいおもしろいから見て〜〜
と布教しまくったんです。
結果、特に香港映画好きというわけではない方からも
大好評でしたんですわ。
繰返し見なくてもノベライズを読まなくても
パンフレット買わなくてもわかる、
いいもんは誰が見てもいい!って事かと。
できることなら3もそういう作品にして欲しかったっす。
イエ、私は好きなんですけど。また見に行くんですけど。
TVで観て、ビデオで更に観て、映画も何度か観て本も買って読んでいたなぁ〜。
余りに懐かしいので・・・書いてしまいました。
謎は新たな謎を呼んで悶悶とする。
まさしくツインピークス的ですわ。
ラウがリー先生乗せて車で事故ったのは夜だったのに
待合室は朝(昼?)ですよね。
鞭打ちにもならず、首ちょっと捻りながら戻ってくるリー先生。
そんな軽傷で入院?て言うか、ほとんど無傷なのも既に結構ナゾなんですけどね。
交通事故による怪我の可能性があるため、ラウ氏が連れて来たか、はたまた救急で運ばれたか?運ばれたとしたら、帰りにリー医師のオフィスへ送るのは難しいか?それだとすれば、ラウ氏が連れて来たのだと推測。あくまでも私的推測です。
難しいな?やっぱり。無理がある鴨。
でも私、そんな風に感じたんだす。