「宇宙戦艦ヤマト」20年ぶり復活 06年夏新作公開へ
勘弁してください。
ドジョウの下に何匹柳が……いや逆だ、柳の下に何匹ドジョウを探す気ですか。どこの誰がこんなカビのびっしり生えた時代錯誤の企画に、巨額の金を出し、協力するんですか。小声で言わせてもらいます…アホちゃうか。
孤独なnancixの中学時代、現実逃避の格好のはけ口が「ヤマト」でした。うかうかと母と弟とで出かけた初日の神戸・三宮の国際会館の映画館には、7回り半の行列ができていました(大げさ。ホントは1周ぐらい)。いやだって、アニメ映画なのに。大人の見るもんじゃないのに、こんなにお兄さんたちが! ヒロインの森雪登場シーンで嵐のような拍手が起こるし! いやだって、アニメキャラクターなのに! テレビ画面で、家族で見る「ハイジ」では誰も拍手しないのに!
それは実に新鮮な驚きと興奮でした。映画を通じて、どんなに職業や学校や環境が異なっていても、人はつながれるんだと知った瞬間でした。部活動からドドドドドッと帰って、再放送(再再放送かも)のテレビ画面を食い入るように見つめました。カセットテープで台詞も録音しました…ああっ恥ずかしい。
ラジオドラマも明け方まで聞き入ったし、声優の名前も暗記したし、アニメーターになろうかと思ったこともありました。スタジオぬえを知り、まだきれいな絵を描くアニメーターの一人に過ぎなかった安彦良和を知り、音楽家の宮川泰を知り、富山敬や広川太一郎、伊武雅刀らの声優の名も暗誦しました。松本零士のマンガも集めたし、N崎プロデューサーの「テーマは、愛です」を素直に受け止めていました。
新聞の投書欄には「あの戦艦大和を蘇らせるなんて、軍国主義が若い人にはびこるのが恐ろしい」と苦言が載せられていましたが「私たちは軍艦に熱狂しているのではありません。宇宙のロマンと、乗組員たちの愛と友情に感動しているのです」と、生涯最初で最後の反論を投稿したことも思い出します。
…載ったっけ? 覚えてないなあ。投稿特集が組まれたのは覚えてるんだけど。
若気の至りだ、許せ。
何せ女子中生のしたことだ。
それなのに。
大人はずるくて汚かった。
何度もなんどもうんざりするほど作られる続編。「実は、脳死に至っていなかった」のご都合主義。N崎プロデューサーと松本零士の著作権を巡るいがみ合い。だんだんカリスマ的発言がひどくなったN崎プロデューサーが女とクルーザー遊びにふけり俗物そのものの生活を続けていたことを知り、3億円近い脱税が発覚し、何度も銃刀法違反(密輸入)で逮捕されたことを知り。そして製作会社の倒産。新聞に載る悪相。
知れば知るほど、つくづく嫌になった。
そして時代は「機動戦士ガンダム」に移るわけですが、そっちでもファンパワーの素晴らしさは知ったものの、製作者サイドの内幕ゴシップにはいろいろと幻滅したのだったなあ。いまはもう、ガンダムショップに足を踏み入れる気もないし、ヤマトを再度見る気にもなれません。
すっかり「終わってしまったこと」なのよ。
いま考えると確かに「宇宙戦艦ヤマト」には、国粋主義な面がある。たまたま偶然ガミラスの先制攻撃で日本以外全部沈没…じゃない、全世界滅亡したとしても、日本列島で少しは生き延びていたはずのキムさんリーさんリャンさんら在日韓国人、華人が一人も乗組員にいないのは、なぜ?
森雪一人が金髪だからって、言い訳にはならない。
こんな観点を持てるようになったのも、中華圏映画にのめりこんだおかげかな…。
2004年07月20日
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