2007年01月05日

「傷城」鑑賞初回。

 1月4日からぐぐっと上映回数が減った「傷城」、尖沙咀の「嘉禾港威」では、午後7時40分からの1日1回限りになってました。
 ぐわーーーーん。
 10日までは、曜日によっては一日2回にもなるんですけどね。
 「黄金甲〜」はまだまだ上映回数が多くてロードショーのノリなのにぃぃ。
 でもやはり、「インファナル・アフェア」ロケ地でしかも、サムボスことエリック・ツァン曾志偉に出くわしたこともある、この映画館で初回は見たいんですよ!
 
 まあ「インファナル・アフェア無間道」と違って、推理ものは真相が明かされて結末を知ってしまうと、マニアでないと何度も何度も見ようという気にはなれないかもしれないからなあ…。
 しかし、1院(シアター1)のM11に陣取ったnancixの周囲を埋めているのは、カップルばっかりですよ。
 まん前のカップルなんか、寿司詰め合わせパックなんか仲良く食ってる! 日本かよ!
 バイオテルム オムの金城武出演CMと、二コール・キッドマン出演のシャネルCMに続いて、今後上映予定作品の予告編が流されます。シャネルって、もしや王家衛がディレクター? トニーの出演CMこそ見たいのに…。
 予告編では、11月30日公開というルイス・クー古天樂と、原作の短編小説も書いたというレネ・リウ劉若英主演の「生日快楽」が見たいなあ。ラブストーリーのおしゃれで小粋な小品佳作を作り続ける、ジョー・マー馬偉豪プロデュース作品です。
 そして銀髪アンディ・ラウ劉徳華とダニエル・ンー呉彦祖ががっぷり組んで共演の「門徒」、2月13日公開予定か…。
 両親がタイ華僑でタイ育ちのピーター・チャン陳可辛がプロデュースしたわけは、タイ・ラオス・雲南省あたりの国境にあたる黄金の三角地帯=ケシの栽培地域におけるロケを敢行する必要があったから、と見た。
 …違うかもだけど。
 アンディ兄貴、いやさすっかりボスの風格を身に着けて、演技がやはり濃い!
 
 お待たせしました、そして「傷城」。

 本音を言えば、下品な4文字ワードだらけ、中国人とミサイル制御にも使えるマイクロプロセッサを取引と言いながら言語は広東語、なのに「おまえらが台湾を併合したいなら」と脅すという胸糞の悪かった「The Departed」に比べると、
 はるかに透明な悲哀に満ちた、抑制の取れたサスペンスに仕上がっていました。
 ”汚れちまった悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる”by 中原中也、ですよ。
 
 トニーの役名が「劉正熙」と、「劉健明」に似ていることを知った時から(まさか、「インファナル・アフェア」のラウの悲劇の変奏曲…? 盛り込めなかったプロットの再利用?)と不安でたまらなかったのですが、いやいやそれがなかなかどうして。
 設定というよりトニーの力量だと思うけど、アンディが演じた愛する女性を大切にするエリート男性像とはまた違った、静謐で抑制の効いた独自の雰囲気を醸し出せていましたよ。ホッと胸を撫で下ろしました。
 だってさー、自分の手料理の皿を食卓に手際よく並べて違和感のない成人男性なんて、トニーしかいませんよ!
 急な来客に向かって「おやおや、おまえもこのスープ飲む?」とお椀に注ぎ分ける手つきが、何とも生活感を漂わせてしまうスタァなんて、トニーだけですよ!
 
 それはともかく、その「我が家に一人は備え付けたい」阿頭と、金城クンが2003年に、クリスマスに沸く中環のSOHOの街角を見下ろす、すっかり公開ロケで有名になったあのシーンで、腐女子が悶絶するよーなあーーーんな一幕を演じていようとは、見るまで予想もしなかった。
 日本に生まれてりゃ絶対にコミケに通っていそうなフェリックス・チョン荘文強、狙ってる? ねえねえ、狙ってるでしょ? 我々トニーファンが悶絶するの、ニヤニヤして見守る気満々? 金城クンも(…何でこんなシーンが必要なんだ?)と疑問を持たずに当然のごとく演じたの?
 
 そして、時は移り変わって2006年。
 んー?とカメラに向かって小首をかしげるのが可愛くてたまらないトニーのシーンにも、萌え〜〜!です。
 不景気な仏頂面ばかりではないし、眼鏡を酷薄にキラリと光らせてばかりでもない、むしろ眼鏡無しのシーンも結構あるので萌え萌え燃え〜でありました。
 金城クンも、いくら無精ヒゲを生やして頭をもじゃくしゃにしても、モトがいいからムサくないんだよねえ…ちゃんと「ウインター・ソング」と別人に見えるから安心した。
 
 ちなみにトニーのスープを飲ませてもらえる急な来客はあのチャップマン・トー(横幅は「インファナル・アフェア」の1.6倍増し)なんですけどね。何とかサスペンス劇場の山村紅葉的コメディ・リリーフ「吹牛光」こと、金城武の元同期(同い年?)で今はいっぱしの主任刑事なんですけどねえ。

 よく考えたら、かなりの数の人間が悲惨な結末を迎えているし、目を覆うばかりの「はんがーちゃん(広東語で一家皆殺しという罵言、呪いの文句)」シーンも勢いよく描かれてしまうのに、
 カップルで見たくなるのは、
 スー・チーちゃんの無邪気さももちろんのこと、トニーの細やかな、報われない献身ぶりが理由なんだよねえ…。
 ええい、話しをここまでややこしくした張本人じゃないか!と頭では解っているのに、
 あの痩せてどうしようもなく寂しげな背中を、ぎゅーっと抱きしめて慰めたく、
 いとおしくてたまらなくさせられる…。
 
 ええ、ええ、嘲笑してくれて結構! えこひいきの引き倒しの執着の固執ですわよ!
 だって長年かけて目にウロコを何枚も何枚も重ねてきたんだもん!(トニーに一服盛られ続けたのかもしれん)
 でもこの映画、酒気帯び運転に手厳しくなった日本で、大丈夫なんだろうか…。あれって明らかに罰金もの、というシーンが一つ…(^_^;)

 永遠に取り返しのつかない、ボタンの掛け違い…。

 泣きはしなかったけど(人物を見分けるのと関係を把握するのに必死)、推理小説を結末まで読んでからまた改めて観点を変えて読み直してみるのと同じように、何度も見たい!気にさせられました。
 
 ただね、ただ…。
 言っても詮無いことだけど、金城クンの酔いっぷりを見せられるにつけても、主題歌というかイメージソングは故・河島英五の「酒と泪と男と女」がふさわしいじゃないかー!と感じたことですよ。
 挿入歌というよりBGMとして野太い男の声の「問血」が入りますけどね。ウイグル語歌詞?なんだそうだけど、河島英五よりも土俗的・演歌的すぎるんだよねえ。
 そう、例によって音楽担当はコンフォート・チャン陳光榮先生です。クリスマス公開を意識したのでしょう、ウイーン少年合唱団の聖歌っぽい歌声も織り込まれます。二胡もトランペットも響いて相変わらず多彩な作風です。association:メディアアジアと明記の「The Departed」は、音楽までときどき陳光榮先生作品に似せてたわ…日本のパクリドラマ「無間道輪舞曲」並みに(苦笑)。
 
 明日は、時間が合えば香港で1館しか上映していない「父子(足本版)」を見て、夜は旺角あたりで「黄金甲〜」を見る予定。明後日、痛ましくも切ない”罪なヤツ”トニーと再会できますように!
posted by nancix at 23:55 | Comment(1) | TrackBack(1) | 旅行記
この記事へのコメント
nancixさんあけましておめでとうございます!と思ったら香港だったのですね!いいな〜!「傷城」いつまでやってますかね?私も25日から訪港できることになったのですが・・・ビミョ〜でしょうか?是非、二流館でも上映してそうな映画館があったら教えてください!その他B級グルメ情報も楽しみにしております。楽しんできてくださ〜ィ
Posted by みかぴー at 2007年01月06日 12:34
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傷だらけの男たち
Excerpt:  『傷ついた二人に 愛を呼び戻した、殺人事件。』 コチラの「傷だらけの男たち」は、「インファナル・アフェア」のアンドリュー・ラウ監督とトニー・レオン主演のコンビによる7/7公開になったPG-12指定の...
Weblog: ☆彡映画鑑賞日記☆彡
Tracked: 2007-08-10 23:15
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