インスパイヤされたネタ元のアンドリュー・ラウ劉偉強監督なんか、バリバリだ。「インファナル・アフェア/無間道」のダーク・ヒーローに自分の名前をもじってラウこと劉健明と名付けた張本人、今度は「超・韓流映画」と宣伝が勝手に名付けた東宝東和配給の汎東アジア映画「デイジー」で、日本に殴り込みをかけてきますよ! 公開は5月27日(土)に決定だ!……韓国では2月、香港では3月公開なのになあ……。

舞台はオランダ・アムステルダム。そうそう、チャイニーズ・マフィアがブイブイ言わせている都市…って、関係ないない。ラウ監督の旧作「欲望の街/古惑仔シリーズ」第3作目「新・欲望の街〜古惑仔 疾風、再び」でロケした経験がある街…というだけのはず。当然、現地の顔役にもスムーズに挨拶&協力要請……違う、ちがう、現地のロケ・コーディネート業者ともツーカーで、スムーズに撮影を進められたのであろう。
あの「猟奇的な彼女」で、ヘタレ男や礼儀知らずの連中をビシバシ痛快にやっつけてくれた可憐で勇ましいチョン・ジヒョンちゃんがヒロイン。「イル・マーレ」の彼女はよかったなあ。なんせ彼女、清純派美少女不足の香港で、CMに起用されまくり、まだ「冬ソナ」で稼ごうとしてばかりの日本でとは比べものにならないほど稼ぎまくってますから。
異国で暮らす画家の卵役の彼女に、いつも誰だか解らない人から毎日贈られるのは、可憐なデイジーのお花。(♪デイジー デイジー…と歌うとパソコンが発狂して人間を排除しようとするかもしれないので、ご用心)
花の贈り主は、誰? もしや、紫のバラの人・大都芸能の社長、速水真澄…?(んなワケない)
夢見る乙女を、そっと見つめる男はしかし、闇の世界に生きるスナイパー狙撃者。当然彼はインターポールの捜査官に付け狙われ、じりじりと追いつめられる運命にあった! さらに、画家の卵ちゃんは捜査官の方を「デイジーの贈り主」と勘違いしてトキメいてしまいそうな予感…。うぉぉぉ、狙撃者が悲しいぞーーーー!(T_T)
そう。もうおわかりの通り、元ネタはかなりジョン・ウー呉宇森御大の名作「狼・男たちの挽歌最終章」なんである。
悲運の歌姫に恋し、贖罪のために生きようとあがくロマンチストの殺し屋と、彼を追ううちに意気に感じ、共感して彼と歌姫を救うべく、職務も命も投げ打つ一匹狼の刑事! その熱い男たちの義侠と愛の物語を、舞台をオランダの美しい街並みに置き換え、美女を美少女に若返らせロマンチック・少女漫画、いや韓流ドラマ版としたのが、おそらくこの「デイジー」なんである。
舞台はオランダなのに、3人とも韓国人ーーー!(香港でもよくあることさ、フェイ・ウォンとトニー・レオンがなぜかオーストラリアのパースで恋に落ちたTVBドラマスペシャルとかね)
そもそも「狼・男たちの挽歌最終章」も、原案では刑事も歌姫に一目ぼれし、三角関係に陥る設定があり、現に刑事が殺し屋とタッチの差で歌姫に出会い、彼女をうっとりと優しく見つめるシーンの撮影があったと、おまけだらけの米国版LDで初めて知ったっけ。…ま、本編ではあえてその部分をカットし、男と男の共感に焦点を当てたのが、嫉妬だのが挟まれなくて却ってベリーナイシーだったと思うけど。
当然、ウーさんと違ってアンドリューさんのことだから、歌姫を差し置いて殺し屋と刑事が熱く熱く見つめ合うことは残念ながらありえないであろう。しかししかし、ニヒルな狙撃者を演じるはヒット映画「私の頭の中の消しゴム」のチョン・ウソンである。ああチキショー、日本でも旬の男女を、これでもかこれでもかと持ってくるよなあ。刑事役のイ・ソンジェは、申し訳ないがまだ出演作を見たことがないけど…。昔のダニー・リー李修賢の方がルックス的にはイイ男?
しかも、音楽は「花様年華」夢二のテーマ&「2046」の梅林茂さんを起用。
さらにさらに、アクション監督(スタント・コーディネーターと公式サイトでは紹介されているけど、実質は動作導演=アクション監督じゃないのかなあ?)は「インファナル・アフェア」第一作で、ディーロ(デルピエロ選手の広東語なまりの呼称)を演じてキョンとコミカルなやりとりを見せながらも、ヤンVS警官隊の銃撃戦撮影計画をしっかり練ったのに監督コンビがそのシーンを削ったのに激怒して2作目からは不参加だった(前置きが長い)ディオン・ラム林迪安が復活!なんである。ディオンさん、アンドリュー・ラウ監督と仲直りしたんだね。よかったよかった安堵安堵。
てなわけで、2005年9月時点での過去最高額で日本に売れたってことだけど、ゴールデン・ウイークを外しての公開時期で、モトが取れるのか?
職人監督・アンドリュー・ラウのことだから、もちろん元ネタをそっくりなぞるような野暮な真似はしないで、
イマドキの時流に合わせ、イマドキの若者に合わせて、ロマンスとスペクタクル・アクションとをほどよく調和させて、
韓国人も日本人も涙ちょちょ切れるような作品に仕上げていると信じたい。「恋する惑星」で有名になった独特の撮影手法は、実はクリストファー・ドイルじゃなくてアンドリュー・ラウの発案なんだしなあ。
TBS、インスパイヤドラマなんて作ってたら、到底香港・韓国の強力タッグマッチにかなわないぞー。
やーいやーい、ざまあみろー。(いったいnancixは、何処の何者…_| ̄|○)



ところで『イルマーレ』ですが、キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックでリメイクされたのが、今年中に日本公開されるそうです。さて、どんなことになっているやら。
サンドラじゃいかにも世慣れたキャリア・ウーマンって感じで、全然しっとり感が出ないですよね…ラブコメにだけはしないでいただきたいです。ホントに。
>ヤンVS警官隊の銃撃戦撮影計画をしっかり練ったのに監督コンビがそのシーンを削ったのに激怒して2作目からは不参加だった
ってことを知ったことです!
奥が深い!
面白そうだけどハングル語を聞き続けられるかどうかが問題だ・・・