内容については
毎年11月下旬、中国市場の覇権をかけた企業の闘いが、12時間にわたって繰り広げられる。中国最大のテレビ局・中国中央電視台(CCTV)が年に一度開く、「勇者のゲーム」と呼ばれるコマーシャル枠のオークションである。参加する企業は、国内外合わせて100社以上。視聴率の高い看板番組の前後など、5秒から30秒のCM枠が、一つずつ競り落とされてゆく。去年の「売り上げ」は、合わせて52億元(約680億円)に上った。急速な経済成長の中、内外の様々な企業がブランド名を全国へ浸透させて市場制覇を目指す戦国時代に突入している中国の消費市場。「市場制覇」の鍵は、全国4億1千万台のテレビをカバーするCCTVのCM枠。中でもゴールデンタイムは「黄金のショーウィンドー」と呼ばれ、これの確保が、巨大市場を狙う内外の企業にとって喫緊の課題となっている。一方、独立採算化の徹底を図るCCTVにとってCM枠は唯一の収入源。オークションは1日で年間収入の7割弱を稼ぎ出す最大のイベントである。番組では、年に一度の「CCTV CM枠オークション」で全国制覇をかけてしのぎを削る企業の姿を、海外、民間、国営のメーカーに密着して取材し、中国に押し寄せる市場変革の現場を見る。と、番組紹介文をまんま引用。すいません…。
知ってる中華圏スターが出ないかなーと、わくわくして見ていたら、案の定、冒頭近くにカリーナ・ラウ劉嘉玲が出演したSK-2のCMを、ショーウィンドー内のモニターに流れているという設定で、見ることができました。カリーナ姐さん、あでやかー。やっぱ桃井かおりには負けてないよー。
それと、中国中央電視台(CCTV)が開いた派手な「CM枠オークション」前夜祭で歌い踊るケリー・チャンも、一瞬映りました。
ニベアやジョンソンアンドジョンソンの中国版のような、低価格フェイス&ボディケア商品の会社と、国産エンジンオイルの草分けのような会社が、モデルケースとして登場していました。
国産エンジンオイルの草分けのような会社のライバルは、油田を持つ国営企業。
低価格フェイス&ボディケア商品の会社のライバルは、何といっても世界の「P&G」。わはは、トニー・レオンが男性スターで初めてのシャンプーCMを撮影した、あのP&Gだー。さすがにそのCMは流れなかったけど。
CCTVも、正月大型歌謡番組に、トニー&マギーの「花様年華」ペアを招いてデュエットさせていたテレビ局。感慨深いものがありました。
それにしても、つくづく、現代中国はバブル期です。
90年代前半の香港では、まだ止め絵ナレーションが流れるだけのテレビCMも多く、「おっ!」と目を引くのは欧米系大手メーカーと政府公報のCMだけだったのを、まだ覚えています。
当時は映画スターがテレビCMに出演することはハリウッド並みにほとんどなく、商品宣伝の道具になるのはプライドが許さないってことなのかなー、イメージキャラクター契約システムの不備からかなーと推測したりもしていました。
それが、チョウ・ユンファやレオン・ライやアンディ・ラウがドラマ仕立ての連続ものCMに出演して話題を呼び、携帯電話会社の熾烈なシェア争いの中で、チョウ・ユンファ&トニー・レオン&ジャッキー・チョンの3大スターCMも作られ…映画不況のなか、こぞって有名人がCMに出演し「代言人(イメージキャラクター)」」なる単語をすっかり覚えてしまったくらい、商品の顔・企業の顔を歌手・俳優が引き受けるようになっちゃったものでした。
でも、つい最近まで、香港で見られる中国テレビ局のCMは、まだまだダサかったのになー。
今回紹介されたCMは、日本人の目から見ても、かなりインパクトがあり、瞬発力があり、CGも使い、コンセプトがはっきりしたものでした。漢字だけカナにして日本の地方テレビ局で放送しても、違和感無いよ。
オークション前に、CMプレゼンが行われたエンジンオイルメーカーの会議室には、立派な電子ホワイトボードも備わっていたし。
パワーポイントを使ったCMプレゼンの後、エンジンオイルメーカー社長は「自画自賛してどうするんだ! クドクドあれこれ言わなくていいんだよ! うちは他の国産オイルよりずっと高級なんだ! 海外のどこにも負けてないんだ! その高級感を出してくれ!」と怒鳴るのでした。
怒鳴られているのは、広告代理店社員? 広告制作プロダクションの社員?
……下請け会社員としては、身につまされます。
「CM枠オークション」は、なんと午前8時18分からスタート。
なんでそんな早朝からイベントをやるんだー! 地方から出て来てホテル滞在の皆さんも午前6時起きかよ!と驚いたのですが、何でも「8」の数字が重なれば重なるほど縁起がいいということで、この中途半端な時間が選ばれたそう。8時88分はさすがにないもんね。
そして、終わったのは午後10時過ぎ?
中国人、とんでもなくタフだ…。
P&Gの担当者は、さすがに流暢な英語を話していました。中国人なのかアジア系米国人なのか見分けがつかなかったけど。
番組では、広告費に資金を注ぎ込みすぎて倒産(倒産寸前、だっけ?)した酒造会社も紹介されました。
周辺の小売り業者によると、派手な宣伝で得た膨大な受注数に生産が追いつかず、製品に水を混ぜて「水増し」したり、いいかげんな品質管理をしたりしていたとのこと。すっかり信用を落としてしまったんですね…。
宣伝費に注ぎ込んでしまうのも、オークションという、ヒートアップしやすいシステムのせいではないのかなあ。モデルケースの2企業とも、予定していたより、競り落とし値がオーバーしてたもの。大丈夫か。モトがとれるのか?
オークションの競争率が激しいのは、ニュースの後や特集番組内、そしてゴールデンタイム放送の長編ドラマ(全48話など)の枠、と紹介されていたと思う。
ドラマの質やストーリーの面白さ・斬新さなんて、このオークションでは全く問われないのです。出演者の顔ぶれと、いかにスケールがデカいか、話題性があるかだけが、判断基準。
映画が全てこんな基準だけ!で作られたら、さぞ味気ないだろうなあ…スタンリー・クァン監督が、京劇の名役者梅蘭芳の映画を作るのにも、華々しくオーディションして、知る人ぞ知る・実力あって若くて美しい京劇役者の卵を選んで、一躍映画スターに育て上げる!…なんて冒険ができないはずだわ。「その映画、誰と誰が出まんのや? ナンボ儲かりまんのや?」と監督が聞かれ続け、知名度があって一定の興収が見込める主演者でないと、出資元が確保できないのね…。
CM枠オークションでは、日本円にして○億、○十億という金額が飛び交うのでした。
…小市民には、恐ろしすぎる世界だ…。
製品一つひとつを、化粧っけのない女工さんたちが、素朴な瞳の若者たちが組み立てたり拭いたりチェックしたり、の生産ラインでの努力や給料袋の中身は想像できるんだけど。
ラベルデザインについてケンケンガクガクし、海外メーカーの容器デザインを参考に(ウチももっとセンスよく! もっとインパクト高めて売れるものに! 同胞に支持されるものに!)と知恵を絞るのも、何となくわかるんだけど。
その毎日の労働の積み重ねが、年商何百億という数字につながり、だから広告費には何十億注ぎ込める…って数字になるのが、いまいち実感がわかないのです。
そういえば、映画「HERO 英雄」のDVD化権やオフィシャルスポンサー権も、オークションで決めたんじゃなかったっけ。
競り落としたDVD製作会社が、結局は次点の会社に権利を譲ったとか、ひともめしてなかったかなあ。
なんてことをつらつら考えながら、トニー・レオンがCM出演を引き受けた国産ワイン会社は、南京熊猫ケータイ電話会社は、P&Gのシャンプーは、トニー起用によって果たして期待した効果が得られたのか? 現在の製品の売れ行きはどうなのかしらん? 経営は順調なのかしらん? またトニーに声をかけようと思ってくれるのかしらん?
なーんて思いを馳せたことでしたよ。
否も王家衛も無く、じゃなくて否も応もなく、
経済活動に取り込まれる、利用される、
梁朝偉というビッグネーム。
「トニー・レオンが出る!」「トニー・レオンが出演を断った!」というだけで上下するかもしれない、CMや映画などの値段。
ひょっとしたら、いやおそらくCMクライアントの株価も、上下するのかも。
トニー自身は、どう自分の知名度と、折り合いをつけているんだろう…。



ちょっと毛色が違うかもしれませんが、嘉玲さん@SK-II繋がりでTB貼らせてもらいました。
SK-IIもマックスファクター=P&Gだったんですね、驚き。夫婦(じゃないか・笑)そろってP&G。それにしても「効き目がないから」ってイメキャラの嘉玲まで訴えようとしてた中国人ってのも謎です(さすがに、裁判所では却下でしたが)
その頃なんですねイメージキャラクターとか定着したのは…
地下鐵構内でこのCMのポスターに遭遇し改めてトニーレオンは梁朝偉であり「香港で活躍している人なのだ」と納得したあの日がなければ今のhoi-lamは多分いないです(^_^;)
それにしてもそんな番組を見逃したとはと思ったらBSですか…今時地上波のみの家はそうはないですわね(トボトボ)