2007年09月30日

香港最後の「色、戒」鑑賞。

 さてこの日、9月30日(日)夜が、香港最後の「色、戒」鑑賞となりました。明日10月1日は、ホテルを正午にチェックアウトし、早めに九龍駅でシティ・チェックインして、九龍駅の上にこの日オープンとなる、ショッピングモールを見学するつもりだから、映画館には行けない…。

 30日午後は油麻地の百老匯(ブロードウェイ・サーキット)電影中心(シネマテーク)に姜文監督作品「太陽照常升起」(1日3回しか上映してない)を見に行き、併設のショップ「kubrick」で英語版「色、戒」ペーパーバックや台湾の「INK印刻文學生活誌」バックナンバーをお土産に買い、「美都餐室」でドリアを食し、その近くにあった「許留山」で「芒の戀(マンゴーの欲張りセットと日本語併記(笑))」というマンゴーデザートミニセットを食した。

 夕方、いったんホテルに戻って重い荷物を置いてシャワーを浴び、ネットで「奇華餅家」ショップリストを検索。KCR旺角駅の新世界廣場でやっと「奇華餅家」の熊猫クッキーを見つけて、帰りに目に留まった足底マッサージ店(色情お断りとか看板に書いてあったので安心して入ったら、ホットパンツのお姐ちゃんが出て来た…)で45分1500円程度のマッサージを受けて…いて、全然時間がなかったのだ。新世界廣場内の映画館でも「色、戒」をやってて、ここで見ようかなと迷ったのだけど、とにかく新世界廣場自体が大混雑。チケットが買えるかどうか。それに、終わってからホテルに帰って荷物詰めを開始することを考えると…。

 もうすっかりエスカレーターもエレベーターも駆使できるようになったUA CINEMAS 旺角の午後9時の回の「色、戒」、またもほぼ満席でした。ほとんどがカップル、男性の眼鏡率高し。どういうわけか香港の眼鏡男子といえば、判で押したように横長スクエアなセルフレーム眼鏡なんですね。丸っこい眼鏡やふち無し、銀ぶちを全然見かけないです。かえって没個性なんですが、いいのか香港眼鏡男子。

 この日はもうメモ取りは止めて、映画の進行に快く身を任せました。
 やはり香港・今は無きレパルス・ベイ・ホテル(ペニンシュラより8年早い1920年開業、82年閉鎖)がモデルとおぼしきヨーロピアン・レストランでの易先生、惚れます。
 粋な会話、ダブルのクラシックスーツ、真っ白なポケットチーフ、テーブルマナー。

 「ザ・ベランダ/露台餐廳」が舞台だという、このGuy Larocheの広告を見たのと映画「傾城の恋」のせいで、
「ザ・ベランダ」でのかつてのユンファ兄貴
 かつては「レパルス・ベイ・ホテルといえばチョウ・ユンファ!」だったのですが、この日を境にnancixは
 「レパルス・ベイ・ホテルといえばトニーもトニーも!」に鞍替えしました。

 それにしても、女の煙草……。

 王家衛といい、この「色、戒」といい、どーして中華圏映画はやたら女性に煙草を吸わせたがるんでしょう。

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日曜朝の「色、戒」、これで3度目

 待望の日曜日。朝9時からの「色、戒」を試しに見てみることに。
 8時半の回が初回でしたが、さすがに起きられない、朝ごはんが食べられないってばさ。

 夜のチケットは63ドル(958円)でしたが、朝の上映は40ドル(608円)でしたよ。
 ……ていうか、これはアメリカン・エキスプレスカードで映画館窓口でチケットを買ったら1割引に!の割引を適用しての価格でした。普通に窓口で現金で買えば、この10%増しか。

 ちなみに、「色、戒」のチケットには、このように「三級片」なので、入場の際に年齢を証明する身分証明書の提示を求める場合が有るという警告文がホッチキスで留められます。
中国語警告チケット 
 表が中国語、裏が英語。
英語警告チケット

 ……これまで2回の上映では、パスポートを念のため持参していても、身分証明書の提示は求められませんでしたが。……ええ、ええ、どこからどーみても20代以上ですよ悪かったね。

 ちなみにここで、大変遅くなりましたが、楽園男さんの疑問にお応えすると、香港で上映される映画には中国語・英語の字幕は当然付きます。これがなかったらわざわざ香港くんだりまで来て映画を見る価値はありませぬ。DVD買えるまで待ちます。
 使用台詞は全て北京語でしたが、一部広東語と上海語、日本語も混じりました。いずれにせよ、どの地域でも書き言葉は北京語ですので、字幕を読めばどの台詞も意味が理解できます……ただし字幕が猛スピードで消えてしまう(涙)。もうすごい速さです。読みきれない。

 台湾でも、中国語字幕は絶対入ってるはず。英語は…どうだっけ…? 長い間台湾に行ってません。

 そしてレイトショーというか、この日=公開後初の日曜の「色、戒」は、シネコン2館での12回上映。11時40分、午前0時の上映もありました。「色、戒」は上映していませんが、尖沙咀東の「華懋廣場戲院(チャイナチェム)」だったら、曜日によってはもっと遅くの午前1時とか3時上映もあったりして。
 ただし、公開開始から日が経つにつれどんどん上映回数・上映館数が激減しますから要注意。当日の上映時刻も、前日と違ったりするのでWEBもしくは映画館窓口での確認は欠かせません。

 さて旺角朗豪坊内のUA CINEMAS旺角。日曜朝なのに、昨夜と同じ館内は前10列を残してほぼ満席に。今までは若いカップルがほとんどだったけど、年配の男性一人や、大人の家族連れもいる様子で。

 ……そうか、そうなのか。休日の朝っぱらから、君らはトニー・レオンのアレもコレも見たいというのかー!
 正しい香港市民のあり方だ。うむうむ、大いによろしい。それでこそ香港人だ。

 ここで、どんな悲劇でもどんな厳粛な歴史劇でもどこかで笑わないと気がすまない、香港人の笑いのツボをまとめると。
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posted by nancix at 10:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | 「色、戒」特集

謎の国際無言電話攻防戦。

 ここでちょっとばかし、ブレイク。

 その電話が最初にかかってきたのは、香港に到着した9月28日。日本時間の23時13分のことだった。
 自分の日本で使っている、携帯電話にかかってきたのだ。今回は携帯の機種変更をして初めての海外。もう海外レンタルサービスを利用しなくても、そのまんま持ち出せばいいのね♪ 現地の写真もすぐにメールでアップできるわルンルン♪(古い)と喜んで持っていったのだが…。

 その2分後にも着信。次は23時24分。29日午前0時35分にも着信。どれも、「色、戒」鑑賞中で出てはいない。きっかり46秒呼び出して、切った様子だ。受信履歴には「通知不可能」としか出ないので、日本からか香港からか解らない。

 翌日の29日午後5時50分の電話には、出てみた。「ハロー?」と言っても「もしもし?」と言っても「イ尓係邊個呀?」と聞いても無言で、10秒前後で切れた。次が午後8時56分。これも無言。ピポパポ、といった電子音が一瞬聞こえたような気がする。

 次はなんと、30日の午前4時55分、57分だ。携帯電話も重要な怖がらせツールだった「C+偵探」を見た後だったので、さすがに心底震え上がった。いくら何でも、老父がどーにかなったとしても、弟や親族がそんな時間に電話をかけてくるはずがない。あきらめて朝まで待つはずだ。そして午前10時8分にも。この時は、問いかけるこちらの声がわずかに遅れて反響していた。

 大体、nancixはホラーを見た後の電話にはトラウマがあるんだよう。何年も前の夏の、寝つかれなかった深夜、くだらないくだらないと思いつつ、テレビ放送のSFホラー映画(題名いまだ不明)を見ていて、宇宙からの病原菌に伝染した男が醜く変わりはて、病院で医師や看護師に次々と襲い掛かって眼球から脳髄をすすり出し、殺された人間がまた同じようなゾンビと化して…というホラーを見てしまい、たまりかねてテレビの電源を切ってお茶の間の電燈を消した途端、まるでどこかで見ていたように、自宅電話が鳴ったのだ。
 それでも高齢の親族に何かあったのかと受話器を取り、「もしもし?」といくら問いかけても何も答えず、シーーーーンとなったまま、電話は切れた。心底震え上がって戸締まりを確認し、寝室に逃げ込んだものだけど…あれは何だったんだろう…。

 今回もいたずらだろうと思いつつ、一応関西と関東のトニーファン仲間にメールと電話で「私に急ぎで連絡を取りたがってる人がいるのかな?」と聞いてみた。彼女達は連絡網にこの質問を回してくれたようだけど、誰もわざわざ国際電話してきた人はいないみたいだ。
 電話をかけてきて普通に話してるのに、電波の関係で声が聞こえないだけかもしれない。関東の友人が「テストとして、電話してみてあげるよ」と申し出てくれ、申し訳ないけど国際電話してもらった。
 ……フツーに会話できるじゃないか。相手の声もちゃんと聞こえるし。

 30日午後6時台には、立て続けに1分間隔で4回かけてきた。7時台には2回、8時台には1回。出たら10秒足らずで切れる。すぐかけてくる。んもー、いい加減にせんかい。こっちは電話に出るだけでも国際料金取られるはず。端末からの防止設定がないものか、いろいろ調べたけど、海外だと設定できる項目が限られてしまうみたいで。

 その夜は香港在住の友人には香港ケータイに連絡してくれるよう頼み、日本の携帯電話を完全に切って寝た。

 ……自動電源ON設定にしていたのを忘れてた…10月1日朝には3回鳴らされて、うんざり。帰国後の2日には非通知設定で午前0時21分にかかってきた。
 日本に戻ってからは、10秒間隔でかけてくるようになったぞ。

 こうなったらしょうがない。3日夜にはマニュアル首っ引きで「迷惑電話ストップサービス」を設定、次の無言電話を待ち受けた。
 午前0時11分にかかってきてすぐに切れたので、しめた!とばかりにその番号を迷惑番号として登録。残念ながらこちらにはその番号が解らない。うう、逆探知したいぞ。

 お次はなんと、10月4日になってイマドキ珍しい公衆電話からまたかけてきたよ。……しつこいねえ。ヒマと金がもったいなくないか? 公衆電話を探す方が面倒だと思うが。何やら意地になってるのか。そんなにしてまで、こちとらに何を伝えたいのかねえ。孤独か、悪意か、苛立ちか。言葉を使ってくれないと、何にも汲み取ってやれないんだけどなあ。
 「あなたのお名前は? 名前を言ってください、でなければ話せないです」と言っても無言で、やがて切れた。

 というわけで、これを最後に公衆電話も拒否機能を使って当分の間、シャットアウト。
 緊急時には用をなさなくなった携帯電話だけど、致し方ないです。当分の間、nancixに御用の方は、番号の前に186を付けておかけくださいやし。 
 
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2007年09月29日

「色、戒」香港2日目鑑賞。

 朝から所用があり遠出していたので、本日の映画鑑賞は夜19時55分から。

 昨夜の「色、戒」と同じUA CINEMAS 旺角で、アーロン・クォック郭富城主演の「C+偵探」をまずは鑑賞。
C+偵探ポスター

 「色、戒」は長編でもあって、午前中以外は63ドル(958円)だけど、この香港映画は54ドル(822円)なんである。しかも上映回数が、公開直後の週末だというのに「色、戒」よりも少ない。確かに同作のプロデューサーが「不公平だ!」と怒鳴るわけだ。すまないねえ、アーロン……。
 帰国してから広東語の先生に聞いたのだけど、この「C+」は、成績表のA、B、C+、Cの評価に引っ掛けているだけでなく、「[イ私]稼(私立)」=si1ga1の発音に引っ掛けているのだと判明。広東語で+(プラス)はgaと発音するんですね。まさに私立探偵、英語題の「The detective」なのだな。

 んが………。真犯人当て、動機・犯行手口をアーロンが追って真相を解明するストーリーだと思いきや、物語はどんどん、どんどん超自然の存在の証明に偏り…アーロンが尾行し調査する人間は、次々と非業の死を遂げ……。アーロンのあのつぶらでおっきな瞳がさらに見開かれるたびに、凄惨な……凄惨な……。

 ひいぃぃぃぃ! 怖いよおぉぉぉぉぉぉ!
 アーーロン! 後ろうしろうしろーーー!

 推理モノじゃなくて、ホラーじゃねえかぁぁぁ!

 よくよく確かめると、監督はあの「the EYE」「アブノーマル・ビューティ(死亡寫真)」のパン兄弟の片割れ、オキサイド・パン彭順だったんです。そりゃ一筋縄でいく探偵ものは、撮らないわな…。

 あーー失敗した……。騙された……いや、ちゃんと覚悟しておかなかった自分が悪い…。

 しかも、場末の映画館の2階に住み着いて、流行らない私立探偵事務所を開いてるというアーロン=阿探(サム)の設定、どう考えても林海象の「私立探偵 濱マイク 」シリーズの設定をパクってませんか。いいのかこれ。林海象は承知の上? 日本公開できるんだろうか。

 この映画については後にもっと感想を書きますが、その後続けて「色、戒」を見ようとしたら、開始時間を勘違いして買ったことが判明。
 「C+偵探」は21時55分までの109分だったのに、うっかり21時からの「色、戒」を買ってたよ全くがうちょあー。20時半過ぎには「C+偵探」が終わると思ってたなんて…。

 改めて23時の回を買い直す。窓口のおねーさんが交替しててよかった。(この日本女、どんだけ3級片を見る気だよスケベさんねー!)と思われてもおかしくない情況だし。

 時間潰しに、朗豪坊10階の「満記甜品」で、ドリアンのクレープ包を注文してみた。
 ………んーむ。マンゴーの方を注文すればよかった……。後悔至極。
 でも店のおにいさんが「アーユージャパニーズ?」と聞き、レジでは日本語併記のメニュー表をくれるという親切ぶりだったんで、機嫌を直す。

 いざ、階下の映画館へ。

 ………「C+偵探」のアーロンの悪夢よりさらに恐ろしいのが、車の中で王佳芝をいきなり引き寄せる易先生の、低い声で物語る内容だった。

 もう夜が明けようかという午前4時。易先生の車が自宅に到着したのに気づいた、上海・易先生邸に逗留中の王佳芝は、そっと書斎を覗く。
 易先生は何やら、赤い表紙の命令書だか指令書だかを、書斎のゴミ箱で燃やしていた。
 王佳芝に気づいた易先生はキッとなって扉を閉めるよう指示し、短いやりとりを交わす。
 彼女が出て行く時、易先生は怖い顔つきになり「二度と許しが無いまま、ここに入ってくるんじゃない」と厳命します。

 翌晩? 長い間ジェスフィールド76号?前に停まった車の中で待たされた王佳芝。

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2007年09月28日

「色、戒/ラスト、コーション」初体験

香港版ポスター01

 映画「色、戒/ラスト・コーション」のファースト・シーンは、nancixのあらゆる予想に反して、シェパードらしき犬のドアップでした。
 そして眼光鋭い、守衛の顔のアップ。もちろん銃剣だかライフルだかを手にしている。
 彼を含めた大勢の守衛に警護された、高い塀の邸宅。

 1942年、上海・汪精衛政府首長住居區、というような字幕が出ます。

 もうここから、「ライトに照らされて浮かび上がる麻雀卓、その上でまばゆく輝くマダムたちの大ぶりの指輪」、という"女が書いた小説版"のファーストシーンと異なり、"男が撮った映画"なのだ、という感、ありあり。

 しかし、映画の筋は小説の筋にほぼ忠実に、進行していきます。
 小説に名前が出ていた愛国大学生諸君も、全員確認。
 頼秀金という、ヒロインの王佳芝の先輩にあたる女子学生役を演じる女優(朱[艸/正][瑩]、国立台北大学戯劇系卒、アン・リーの友人で舞台演出家でもある頼聲川の推薦で抜擢)が、何だかサンドラ・ンー呉君如を連想させる容貌で。

 映画には、短編の原作小説にはなかったヒロインや[廣β]裕民の家庭事情が付け加えられ、人物に奥行きを与えます。易夫人も内陸部の安徽省出身だと判明するし。
 ヒロイン、王佳芝の母親が上海出身で、一家を挙げて広東省に移住。そこで結婚して王佳芝が生まれたとか言ってたような。その母親の死後、王佳芝の父親は、彼女の弟だけを連れて英国に移住。王佳芝がようやく香港で学業を再開した頃、父は英国の白人女性と再婚し、王佳芝は結婚を祝う手紙を書く一方で、イングリッド・バーグマン主演?の洋画を上映中の映画館で声もなくむせび泣きする。
 彼女の、父親への愛憎の想いが、やがてはずっと年上の易先生へと向けられる、いわばエレクトラ・コンプレックスが、彼女のひたむきな行動の動機づけとなったことを示唆する、設定です。
 [廣β]裕民は、兄が戦死し、跡継ぎを喪いたくない両親の反対でやむなく軍隊に入ることを断念した、愛国精神に燃える大学生。
 易夫人の出身地の安徽省……三国志の舞台の一つで、曹操の出生地じゃなかったかな。中国共産党の何人かの指導者の出身地でもあったような。

 そして、易先生。
 確かにトニー・レオン、老けメイクをしている。
 厳しい、見たことがないほど厳粛な顔をしてみせ、時に見たことがないほど酷薄な表情を浮かべる。

 にも関わらず、
 アン・リーの、父親のような懇切丁寧・厳格な指導で「漢奸」に成り切ったはずにも関わらず。

 カッコよすぎるぢゃないかーーーー!(座席の背もたれ蹴る勢い)
 漢奸をこんなにカッコよく描いて、いいのかアン・リーーーーーーー!(アン・リーを揺さぶる勢い)
 トニーーーーーー! あーたという人は!!!(胸ぐらつかみかかる勢い)
 中山装がこんなに似合うなんて、今まで知らなかったよ!(拝む格好)
地下牢から出てくる易先生

 何より、ダブルのクラシックスーツにポケットチーフ挿して、片手をポケットに、レパルスベイ・レストラン内の電話ボックスから出て近づいてくるそのダンディぶりときたらーーーー!(自分の両膝叩きまくる勢い)
 自宅での朝食時に長めのチーパオ旗袍姿で現れて新聞読んだりして、正妻と秘密の愛人を同じ食卓につかせてキョドリもしない、やっぱりあーたは華人!(♪中国人〜〜by 劉徳華)
旗包姿の易先生

 それでいて、日本式畳の座敷の、四つ足付き膳(デザートの柿を残しちゃいけませんよ皆さん)の前であぐらかいて座っていても、ちっとも違和感がないんだから、不思議なひとだ…。

 そう、予想以上にこの映画には、日本人が出て来て、日本語の台詞が聞こえました。
 もちろん上海を占領中の、横暴な日本軍兵士も出てはきますが、彼らは遠景。それだけじゃない。
 米屋の前の行列では「押すな!」という日本語の声が聞こえたし、香港を離れて上海の伯母宅に身を寄せ、伯母と祖母と同居しているヒロイン王佳芝が「学校に行ってきます」と言いつつ向かった教室では、敵性語であるはずの日本語の授業が行われている。日本人女教師が「日本人は、いかにモノをよく考えているかわかりますね」なんつって五段活用を教えているし。
 とりわけ、日本人が多く住む通称"日本人租界"こと虹口区の、日本式料亭では。
 易先生の指令によって一人で訪れた王佳芝を、仲居さんが案内し、1階部分はステージ付きレストランらしく、日本人女性歌手が何やら明るい曲調の歌を、日本語で歌っている。(服部良一先生作曲の流行歌か?)
 2階の障子で仕切られた宴会場では、和服姿の女将さんが廊下を案内してくれる。
 障子が開くと、まろび出てくるのは日本人の軍服の男。「おお、べっぴんだなあ、まあこっちに来て酌をしてくれ」などと、チーパオ旗袍姿の王佳芝に迫る。多分この軍人・佐藤中佐(中国語字幕ではなぜか大佐)を演じているのが藤木勇人さんだとクレジットされていたと思うんだけど、あのドラマ「ちゅらさん」にも出演していた、沖縄の元りんけんバンド・藤木勇人さんだったんだろうか?

 転んだ佐藤中佐の世話を、その座敷に居合わせた芸者に命じ、女将さんは王佳芝に謝りながら、易先生が待つ座敷に誘導する。どこかの座敷からは、「同期の桜」の歌声も響き渡ります。……ええと、この軍歌は昭和19年=1944年頃に流行したはずなんですが…。

 まあそれはともかく、日本人女性の和服姿も、街を行く人力車に乗った芸者さんの着付けも、「SAYURI」とは大違いで、ちゃんとしてました。帯止めやかんざしなどの細部や、時代考証はどうだか解らないけど。女将さん役で出演していた日本人女性が、ゲイシャ・ファッションコーディネーターも務めたとスタッフリストに出てたから、まあ大丈夫なのかと。

 ここからは、原作には全く無かったオリジナル。

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posted by nancix at 23:55 | Comment(4) | TrackBack(0) | 「色、戒」特集

香港到着! 信和中心と旺角巡り

 台風が来るかもしれないと警戒し、予算より2万円ほどオーバーだけど、映画館のあるショッピングモールと隣接していて地下鉄駅の真上でもある「ランガム・プレイス・ホテル朗豪酒店」を選んだ今回の旅。
 ホテルの公式サイトには「ビジネスルーム」なんてないのだが、とりあえず楽天トラベルでは「ビジネスルーム」設定でしたよ。往復はもちろんキャセイパシフィック航空。アジアマイル、まだ香港との往復航空券まで達しないのよー。今回の往復でかなり貯まるはず…。

 荷造りしながら明け方に入浴したら、右足くるぶしあたりに何やら長い糸くずが。思わず手で払った瞬間にチクリとした。ぐぇぇぇ、小さいけどムカデだったんです。お湯で流したけど、絶対咬まれたなぁ…腫れなきゃいいけど。メンターム塗りこんで、荷造り続行。
 レンタルスーツケース押したり引いたりしながら出発、予定より1本遅い電車になってしまったけど、空港バスにギリギリ間に合った。出発1時間55分前には関空に到着しそうだけど、間に合うだろうか?

 ……間に合いました。ここで腕時計を忘れたことに気づき、やむなく免税店で2000円程度の安物時計を買う。しかしこの時計、帰途の機内で日本時間に戻そうと龍頭をいじったとたん、ぴくりとも動かなくなってしまったのだった。……安物買いの錢失いたぁ、このことよ…。

 税関での荷物検査、以前は携帯電話やノートパソコンをバッグから出してカゴに入れてレントゲン検査機にかけなきゃいけなかったのに、今回はバッグに入れたままでOKだった。もちろん手荷物に液体やジェルは入れてない。化粧? んなもんホテルに到着してからでOKらー。
 機内では睡眠を確保するつもりが、ふと目覚めると香港映画「十分愛」をやっていた。"水泳王子""飛び魚王子"ことアレックス・フォン方力申が主演の恋愛映画かぁ、と思いつつ、ついつい見入ってしまった。ヒロインのステフィー・タンケ麗欣(元Cookiesのリーダーらしい))は、日本のファッション雑誌モデルにもいそうなタイプ。自分の友人と結婚した方力申との腐れ縁を断ち切れないまま、合コンのサクラを務めたり(イマドキ「ねるとん」形式かよ!)、若き医師に心惹かれ出会ったその日にディナー→彼の家への誘いをあっさりと受ける→男はやる気まんまんでコンビニで○○ドームを購入するも…なんて、日本のドラマとあんまり変わらない恋愛模様が展開するのでした。
 …日本のテレビ局、2時間スペシャルでリメイクすればぁ?

 しかしこの方力申が演じた男、結婚しておいて妻を残して外泊三昧、やたらステフィーの前に現れて未練がましいし(医師の男とも、コン○ームを見つけて危うくつかみ合いに)、愛人にしているのも実はステフィーと自分の妻の親友だし、嘘つきで不実な男なんである。それでも好きなのかステフィー。友人が心通わせた青年が不治の病で亡くなった話を聞かされるやすっかり影響され「私にとって本当に大事な人は、あなただと気づいたの〜」なんて方力申の前で泣いていいのか。コイツはステフィーに「誤解だよ、君が見かけたあの子は、米国から戻った妹なんだ」なんて打ち明けた若い女の子が、実は短期の遊び相手だったりするのに、ホンットーにいいのか!
 
 息巻いていたら香港到着。両替店で1万円だけ香港ドルに替えたら、620ドルにしかならなかった。レートは0.62か…これよりレートのいい両替屋を市中では捜そう。
 エアポートエキスプレス機場快線に乗ろうとオクトパス・カード八達通を取り出し、「増値機」にかけたら、なぜか「エラー・客務中心に問い合わせなさい」の表示が出る。しかも、予備のカードまで!
 なぜぇぇ? 今年1月には何ともなかったわよぉ?と内心泣きながら、インフォメーションセンター客務中心の長い行列に加わる。女性係員につたない英語と広東語で説明したら、係員がカードの磁気だか記録だかをチェックしてくれて「問題ない。使える」と返してくれた。えええ? 半信半疑で改札へ。……ちゃんと入れました。「増値機」の表示は何だったのよ、じゃあ…?

 エアポートエキスプレスの座席は、背もたれに設けてあった液晶画面がきれいさっぱり無くなっていた。まあ映りが悪くてほとんど見てなかったけど。車両前方に取り付けられている液晶テレビはさらに解像度がよくなり、映画の予告編もクリアーに見られたから素晴らしい。日本メーカーではなく中国ハイアールのものだった。香港の中国化はこんなところでも進行中か。

 九龍駅からタクシーに乗り、旺角へ。運転手はちゃんと正面玄関に車を止めてくれ、さっそくベルボーイがスーツケースを運んでくれた。エレベーターでフロントへ。Keikoさんという女性がチェックインを担当してくれたのだが、日本語は話せないみたいでオール英語だった。
 本来、チェックインは午後3時からだったのだが、nancixが到着したのは2時半少し前。それでもチェックインを受け付けてもらえた。「ベッドは1つ? 2つ?」などと聞いてくれ、渡されたカードキーは27階。おおっ!謎の"ビジネスルーム"からアップグレードしてくれたか!
 「インターネット接続は?」「部屋で設定できます」とのことだったので、そのままエレベーターで27階へ。このとき、エレベーターが2種類あって、途中の階までしか行けないのもあったのに気づかなかったのが、後の敗因となった…。
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posted by nancix at 23:00 | Comment(8) | TrackBack(0) | 旅行記

2007年09月27日

28日から香港旅行に

 だーーーーっもうもうもーう!(泣)。

 毎日、ネットニュースを読むだけ読んで、バッタリ倒れて寝てしまう自分が情けなーい!
 「色、戒」の香港プレミア情報も香港記者会見も訳せてないし、25日の台湾記者会見(以上全てトニー・レオン欠席)も、ブログに書けてなーい!

 24日に江蘇省南通で開かれたという「第9回亞洲藝術節閉幕慶典晩會」に、トニーもアンディ・ラウ劉徳華もジャッキー・チェン成龍も出席しなかったからと、なぜか韓国のピ(Rain)が「彼らと同じステージに立ちたかったから参加したのに! 面子を潰された!!」と怒ったとかいうニュースも
 (歌手の西城秀樹や松田聖子は出演したんだからいいじゃないか…「赤壁」撮影がオシてるのに、なんでトニーが参加してアンディと「無間道」をデュエットできるのさ…もうちょっとトニーの、掛け持ちできない性分を理解して招待を受けろってばさ。ピの芸能人としての国際的知名度って、このイベントにちゃんと出演したニコラス・チェー謝霆鋒と同等クラスじゃないの?)と呆れたのにコメント書けなかったし!

 それもこれも、突然長期自宅療養に入ったまま今月末で退職した契約社員さんの後に入ってくる新人のための、マニュアル作成を、昼休みも午後休憩も犠牲にして作ってるから疲れるのかのう…。通常業務は容赦なく次々と押し寄せてくるし…。

 もーヤダ。現実逃避するするするぅ。

 東京方面では秋の映画祭情報が次々と発表されてるというのに、nancixは28日〜10月1日まで、香港に行って「色、戒」とアーロン・クォック郭富城主演の「C+偵探」を見てまいります!

 これがnancixの遅すぎる夏休みであり、クリスマス休暇……。

 つまり、今年中はもう3泊4日以上の休暇は取れねえええええ。

 東京国際、あきらめるしかないかなあ…シクシクシクシク。
 エドワード・ヤン楊徳昌せんせえええええ。

 TOKYO FILMeXのオープニングシネマ+ジャ・ジャンクーの「無用」なら、週末だし1泊2日で何とかなるかなあ…?
 でもジョニー・トー監督「Exiled 放・逐」(ハリウッドリメイク決定とアカデミー賞外国語映画部門香港代表決定おめでとうございます。三池監督作品よりは見たい)って来年日本公開決定済みなのね。大阪に来るまで待とうかなあ…とか言ってたら結局「ドッグ・バイト・ドッグ/狗咬狗」大阪公開、見に行けなかったのだし…あううう。

 いいんだ。関西もんにだって「大阪アジアン映画祭2007」という11月のお楽しみもあるんだもん。
 わざわざ東京への往復交通費と宿泊代出さなくたって。
 「父子」と「四大天王」さえ見られればあーた。
 「傷男」のシュー・ジンレイさんが主演・監督を務めた「見知らぬ女からの手紙」だって、あまり出来はよくないけどトニー・レオンが白衣の医師を演じる「ヒーリング・ハート/侠骨仁心」を日本語字幕で見られればあーた。

 って、前売券発売は29日(土)で、モロ旅行中じゃねーかぁぁあ!(泣) 誰かnancixの分まで前売券買ってぇぇぇ!
 なんて悲鳴上げてて、帰宅してからでも余裕で前売券買えたりね…(泣)

 とりあえず、香港にはまたまたノートパソコンを持ち込んで、旅行記を書く予定。どうやら台風は来ない、曇り時々雨程度みたいだし、旺角あたりを根城に、街中を駆け回って来たいと思います!

 あああ、もう出勤準備しなきゃ……(ゲッソリ)
posted by nancix at 06:16 | Comment(5) | TrackBack(1) | 日々のこと。

2007年09月18日

トニー・レオンの新マカオホテルCM

 バブリーな好景気に湧くマカオ、というかラスベガスなどからの外資系企業進出VS銀河娯楽集團有限公司などの地場産業の激しい攻防戦に、ご近所セレブのトニーも無縁ではいられないようでして…。

 どこまで攻防戦がエスカレートするか先行きが怖いから止めてよして巻き込まれないでといくらファンが願っても、トニー出演のマカオの(カジノ付き)豪華シティリゾートホテル「澳門星際酒店 StarWorld Hotel」CMは作られ続けている様子。
 前回ご紹介したのは、2006年10月でしたから、2年目もイメージキャラクター契約を更新するってことなのかしらん。

 今回の新作は「欧米か!」でございます。

美女とトニー01
 パーティーではカクテルだかワインだかを薦められ、
美女とトニー02
 プールサイドでもビキニの美女に声をかけられ、
美女とトニー03
 背の高いおねえちゃま達にも大人気のトニー・レオン、可愛がられてアイドル歴ン10年。
美女とトニー04
 ハイハイ、モテてモテて困るMMK男ぶり、幾つになっても健在ね。
 トニーのファッションはラフですっきりシンプルでいいけど、何だか演出にひねりのないCMだわねえ、トニーがモテるのはもう既成事実でアタリマエで別に珍しくもないんだから、もうちょっと何というか渋い男の魅力をかもし出してくれないかなあ…とトホホなのは、女心のシットなのかしらぁ…。

美女とトニー05
 ……なんですかこの仮面の女は。まさかオペラ座の怪人の1シーンですか?
 ♪マスカレーーーード〜 仮面に隠したぁ〜

 「まるで007(ジェームス・ボンド)のように」と中華メディアに形容されている、この美女に取り囲まれたCM、いったいいつ撮影したんでしょうねえ。

 ま、また世界のどこかの篤志家が、You TubeにCM動画をアップしてくれるのを楽しみに待ちます。

 ちなみに澳門星際酒店のCM第一弾は、こちら。



 ところで皆様、アクセススピードの格差などで、YouTubeなどで見る動画が何度も何度も途中で止まって、イライラされておられませんか?
 「いつになったらラストのトニーのウインクが見られるのよう!」などと。

 nancixもイラチなもんで、何とかしてローカルマシンにFLVファイルを落としこんで、好きなだけ繰り返し、ヨダレを拭きつつ見られないかしら…と悪戦苦闘してきた。
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posted by nancix at 23:55 | Comment(2) | TrackBack(0) | トニー・レオン

2007年09月17日

神戸での「日本と孫文」展に行った

展示会場入り口 開催は9月23日までだというので、あわてて2連休最後の日の午後に、兵庫近代美術館ギャラリーの「日本と孫文 日中の心の架け橋」展に出かけてきました。
 せっかく神戸にあるのに、まだ足を運べていない移情閣こと「孫文記念館」全面協力の、入場無料の展示です。現在神戸で開催されている、第9回世界華商大会の協賛企画イベントでもあります。

 どうでもいいのですが、本当にこの、某有名建築家がやたら多用するコンクリート打ちっ放しって、殺風景で暗くて独特の臭いがあるし、好きになれない…。同美術館のギャラリーは特設展・常設展の棟と反対側にあり、しかも3階に上がらなければ入り口にたどり着けず、解りにくいし不便です。まったくもう…。他の建築家にオーソドックスに作ってもらいたかった。

 パネル展示だけかと思いきや、2種類の資料ビデオが常時上映され、孫文の講演における生声まで聞けたりして、結構収穫がありました。
 もちろん、展示物には「大道之行也天下為公」(=“大道”(正道、常理)が正しく実践された時、天下は人々が共有するものとなる。「礼記」にある言葉らしい)「博愛」「革命」などの、孫文自筆の書があった。
 様々な書体を使い分けておられました。船上や立ち話の時にさらさらっと書かれたものもあるみたいだし…。
執務室にて
 易先生の背後にも、孫文先生がちゃんとおられます〜。

 孫文と並ぶ革命家の黄興の書には、「江湖」や「侠情」という、中国武侠小説・映画では御馴染みの言葉がちりばめられていましたよ。
 
 また孫文が唱えた「三民主義」の各種の書物、孫文がロンドンで清国公使館に拉致監禁されて危機一髪!救出された時のエピソードをまとめた「倫敦被難記」の英語・中国語・日本語本も展示されていました。
 この一件で、若き日の孫文(当時は孫逸仙と表記されている)は世界的に有名な革命家となるのでした。やはり、英語・中国語・日本語と3ヶ国語に訳されることって、大事なのね…。
 
 青いチーパオ旗袍を着せられた孫文の立像や、日本で宋慶齢と結婚した時に彼女の母親が送り届けたという婚礼衣装も展示されていました。…やはりトニーと同じ広東人、男性としては小柄だったんだー(^_^;)。

 宋慶齢との結婚誓約書らしきものも展示してありました。あの時代の東アジアにしては、とってもモダンな誓約文が書かれていて、何だか感銘を受けた。49歳の孫文が、22歳の海外帰国子女だった彼女と結婚するのにいかに心を砕いたのか、解るような気がして。
 まあ孫文には若くして親同士が決めたので結婚し、自分の母親と3人の子どもの世話を任せきりにした妻・盧慕貞もいた(一族の写真で初めてその盧慕貞の姿を見た…確かに野暮ったい…)んだけど、宋慶齢と結婚したい一心の孫文は盧慕貞を日本に呼び寄せてまで正式に離婚し、彼女はマカオに戻って貧困にあえぐ人々を助け、そのままマカオで生涯を終えたんだよねえ…。

 資料ビデオには和歌山の「知の巨人」南方熊楠との大英博物館東方図書室での出会いや交流が描かれているシーンもあり、実に興味深かった。この頃の熊楠は大英博物館で、図書目録編纂係を務めていたのね。孫文とは1歳違いだったんだ…。
 汗っかきの30歳の熊楠、孫文にはどんな風に見えていたんだろう。

 その後、孫文は英国を去るのだけど、熊楠の日記帳に惜別の辞として「海外逢知音 南方学長属書 香山孫文拝言(海外で自分の心をよく解ってくれる親友と逢った)」という言葉を書き残したという。

 南方学長とは熊楠への尊称だとか。そして知音とは、琴の名人伯牙が、自分の弾く琴をよく理解してくれていた親友の死後、琴の弦を切ってしまったという「列子(湯問)」の故事から来ているそうで。

 やっぱり「男の友情、やましいものは何もない!」はいいな〜〜(腐女子的思想)。

 そして日本に亡命中の1901年に、孫文は和歌山の弟宅に居候していた熊楠を訪ね、南方一族に温かいもてなしを受けたそう。

 孫文に心酔し、彼の苦闘を助けよう、中国革命を成功させてこそ日本もよくなると信じた日本人は、大勢いた。日本政府が一介の亡命者・孫文の入国を許そうとしなかった時に、神戸の川崎造船所ドックから密かに密入国させた人々もいたくらい(おーい…)。
 さらに、中国大陸での武昌起義(蜂起)では、広東省の恵州で命を落とした日本人突撃隊長(山崎良政)さえいたのね…。その弟純三郎は、孫文の臨終にさえ立ち会ったという側近だったのだ。

 孫文は「日本是予之第二故郷―無日本即無中国、無中国亦無日本」とも考えていたというのに…。

 その孫文の死、1925年からたったの13年で。
 1938年、「ラスト、コーション/色、戒」の易先生は汪精衛政権の特務機関指導者として、香港の愛国大学生から命を狙われる。祖国を侵略し占領しようとする敵国の日本軍協力者、売国奴として。
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posted by nancix at 23:55 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日々のこと。

2007年09月12日

台湾サイン会と関連書と「噴霧」と李安の弟コメント

 「ラスト、コーション/色、戒」について、台湾での「唯一サイン・対面会」の予定が出ました!
 9月24日午後2時半〜3時半の、たった1時間です。
 場所は大型書店、ジュンク堂書店…誠品敦南店(台北市敦化南路一段245號)。
 地図はこちら。新館SOGOの斜め前?

 しかーし、このサイン会に出席するのはアン・リー監督と「色、戒」キャスト、というだけで、トニー・レオンの文字はない…。
 トニー・レオンの英文非公式ファンサイト「TONYLEUNG.INFO」のモデレーターの一人、infoさんによると、トニーは12日に香港に到着。13日に空港で会見を行い、すぐに北京に向かって「赤壁」撮影に戻るそうですが…サイン会に参加できないと、台湾のファンは、がっかりだなあ…でもジョン・ウーさんだって、トニーの帰りを手ぐすね引いて待ってるだろうし…ああ、あっち(アッチ?)でもこっち(えっコッチ?)でも"モテてモテて困る"のMMK男は辛いよ。

「色、戒」電影書 実はこの誠品書店サイトで、この書籍「色、戒電影書」(もれなく映画前売券が2枚付いてくる)と李安監督研究本「一山走過又一山:李安.色戒.斷背山」(李達翰:著)を、衝動的にまとめて取り寄せ注文してしまったんですが、nancixが台湾で「色、戒」を見る予定は今のところない…_| ̄|○。 送料込みで2冊4935円もしたんだけど……(涙)。
 映画公開終了後に、前売券無し価格で買えばよかったんでしょうけどね…待てない待てないー!
李安研究書
 「一山走過又一山:李安.色戒.斷背山」も、香港文匯報が書評を載せているくらいだから、香港で買えるんでしょうけどね…待てない待てないー!
 
 台湾・聯合報によると、アン・リー監督はプレミア上映前に台湾に戻り、年老いたお母様に付き添って中秋節を過ごす予定だとか。現在、台湾でのプレミア上映会に出席すると確定しているのは、ヒロインのタン・ウェイ湯唯ちゃんと、ワン・リーホン王力宏のみ。トニーは河北省に戻って「赤壁」を撮影する関係から、予定は今のところ「喬」、だというのですが…これって「暫時保留」の意味か?

 で、台湾の映画ファンの間ではもっぱら、「色、戒」台湾上映バージョンはノーカットだとしても、果たして「噴霧」有り? 無し?というのが話題だそうで。 新聞局電影處での審査は5人の社会人によって今週金曜午後に行われるとのこと。

 …噴霧……画面に霧吹き……つまり………ボカシっすかー!

 今回は何でこんな用語ばっかり覚えるハメになったのよブツブツブツブツ。
 今までにトニー関係で覚えた単語といえば「低調」やら「鑽牛角尖」やら「折磨」やら「幽黙」やら「頽廃」やら「瀟洒」やら「為情所困」〜♪ だったりしたのにぃぃぃ。(ハイ、トニーファン資格試験に出ます、自分で意味は調べなさい)

 ところで台湾では14日から、渡辺謙製作・主演の「明日の記憶」(95)が公開されるらしく、配給会社「雷公電影公司」代表としてプレミア上映会に現れたのが李安の弟さん、リー・ガン李崗さんでした。
 李安とは3歳違いの、49歳。脚本も書き映画監督も務めプロデューサー業も怠らずコラムも映画評論本も書く多才な台湾業界人です。
李安の弟、李崗さん

 李崗さんは冗談ぽく笑って「我々の映画はタイトルをもう『色戒之明日的記憶』に改めたよ! 本来ならうちのおふくろに来てもらって映画を見てもらうはずだったんだけど、おふくろは今日の質問が『色、戒』に集中して焦点がボケそうだと心配して、臨時に出席を取りやめたのさ!」なんておっしゃったそうで。…焦点がボケるって、「噴霧」の話題に引っ掛けたんだろうか、それとも若年性アルツハイマーに引っ掛け…? 失礼しました。この病気は笑い事じゃないです。

 取材陣に取り囲まれた李崗さんは、「色、戒」の話になると目のふちを赤くし「李安は多くの国際的な賞を受賞したんだけど、私は今回、初めて兄のために泣いたね。今回は最も多く僕が(製作に)参加したからね。過去、李安がハリウッドで撮った『ハルク』も中国語映画『グリーン・デスティニー』も、興行成績的なプレッシャーはとても大きかった。しかし『色、戒』のプレッシャーは心の中にあった。一般人には見えないものだ」と話しました。
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posted by nancix at 23:55 | Comment(4) | TrackBack(0) | 「色、戒」特集

朝日新聞朝刊に「色、戒」

 先日の毎日新聞夕刊にはトニー・レオンの名前さえ載らなかったようですが、今朝の朝日新聞朝刊の文化面には、ベネチア国際映画祭の総括記事が載り、でかでかとトニーと湯唯のスチール写真が!
 東京本社版はカラー写真ですが、大阪本社版は白黒だ。くやしー!(笑)
 でもギリギリのタイミングでしたねー。今日の夕刊や明日の朝刊の予定だったら、安倍総理退陣の臨時紙面構成になり「ヒマねた」として吹っ飛んでいたかも…(-_-;)

 買い損なった方、WEB版をどうぞ。画像もカラーですし。
 いつまでもは掲載されてないと思うけど…。

 「ベネチア、また中華旋風」と銘打つなら、ジァン・ウェン姜文監督の「太陽照常昇起」もリー・カンション李康生監督の「我愛神」も、閉幕作品に選ばれた「天堂口」もジョニー・トー杜[王其]峰らの作品も批評家週間で最優秀作品賞に選ばれた台湾映画「最遙遠的距離」もあったし、「投名状」の6分バージョン上映もあったと報じてくれなきゃ、三地両岸の作家的・作品的多彩さ、その題材的豊穣さが解らないと思うわ〜。

 あと、台湾の旗の扱いについても、初耳〜〜。
 まだ戒厳令解除からたった2年のタイミングだった台湾で、それまでタブー扱いだった二・二八事件を劇中に盛り込んだ「悲情城市」は、当初製作サイドも台湾公開をほぼあきらめていたのだけど、ベネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いたことで国内外の注目が集まり、いわば「外圧」によって台湾内での一般公開が実現した…のは、田村志津枝さんの著作「悲情城市の人びと 台湾と日本のうた」や「侯孝賢の世界」で知ってたんだけど…。

 旗ねえ…ううむぅ…。
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posted by nancix at 08:54 | Comment(0) | TrackBack(1) | 「色、戒」特集

2007年09月11日

「色、戒」中華圏公開予定に変更も

 さて、トニー・レオンは所属マネージメントオフィスを通じ「ラスト、コーション/色、戒」の金獅子賞受賞について「映画がベネチアでの大きな賞に輝いたことを、非常に嬉しく思っています。この作品の1参加者として、僕は深く栄誉と幸せを感じています。アン・リー監督とスタッフの皆さんおめでとうございます。また観客の皆さんの僕たちへの支持に感謝します」と、公式コメントを出しています。
 ワン・リーホン王力宏君はレコーディング・ルームでアン・リー李安監督からの電話を受けて受賞を知らされ、また監督が受賞スピーチで自分の名前も呼んでくれたと知って、大感動したそうです。

 たかのひろこさんのブログ「雕刻時光 movie cafe」で、アン・リーのベネチア〜トロントの旅程図解?を見て、改めて驚愕。トロントからベネチアまでは、ロンドン経由でしたか…そしてもうアン・リー監督は、トロントにとんぼ帰りですか…。「奥さんと祝賀旅行に行きますか?」と記者に聞かれて「うちのカミサンは、旅行でも節約のために公共のバスしか利用しないんだよ。それなら自宅に帰ってぐっすり眠って、台湾の家庭料理を食べるほうが嬉しいなあ」とぼやいていたというアン・リー監督、大はしゃぎの湯唯ちゃん、微笑んで迎えるトニーさんと合流できたかしらん。どんな話をするのかなあ。

 そのアン・リー監督が、今頃になって「実は私の(出世作となった)『ウェディング・バンケット/喜宴』(93)の同性愛の中華系青年は、トニー・レオンのイメージで脚本を書いたんだよ」と述懐している記事(捜狐娯楽 先鋒人物 李安 中年男人的危機與釈放)を読んで、あぜんぼーぜんとした次第。

 確かに92〜93年当時のトニーは歌唱活動にのめりこみ、それまでの甲子園球児のようなサワヤカさ+コミカルでトッポくてちょっと頼りない好青年のイメージから、ダイエットして脱皮し、ウィリアム・チョン張叔平オジサンとクリストファー・ドイル杜可風と王家衛によってたかって、憂愁のアンニュイ美青年へと変貌を遂げた頃ではありましたがね。この記事を書いた記者も「しかし当時、トニー・レオンはすでに有名俳優であって」と驚いている通り、インディーズ系の駆け出し監督だった当時のアン・リーには、到底起用することはできなかったでしょうねえ…。
 結局その役を演じた元航空会社のフライト・アテンダントのウィンストン・チャオ趙文[王宣]は、端正でナチュラルではあったものの、細かい感情表現についてはあの作品では未熟だった気がするわけで。もしもあの役をトニーが演じていたら…?

 いやいや、「ブエノスアイレス」までは「僕は役柄に入り込んでしまうタチなので、同性愛の役だけは無理です、やれません」とはにかんで固辞していたトニーだったから、無理だったろうけど…。

 タン・ウェイ湯唯ちゃんは海外ではまだ新人の身ながら、トロントでは道を少し歩けばあちこちからサインをせがむ声がかかる様子。中国に戻ったらさらに、反響はよくも悪くもすごいですよぉ……精神的に潰れるなよぉ。

 ところで、金獅子賞受賞によりアジア各地での「色、戒」上映スケジュールが、いささか変動している様子です。
 もっともはしゃいでいる台湾では、今週金曜にベネチアで上映されたのと同じフィルムを新聞局の「映検」のような審査部門に送り、上映の等級を決めることになっているとか。その結果次第で、当初の予定だった、25日公開より前倒しの、24日夜に公開開始することになるそうです。
 すでにこちらのサイトで、24日(月)上映と赤字で明記されています。今年の中秋節は25日。台湾の観客は中秋の名月と共に、湯唯ちゃんの美しい柔肌やトニーの……もとい、哀しくも恐ろしくも美しい愛と裏切りの物語に、息を呑むことになるのですね。

 ……台湾全体でハリウッド大作並みの100本もフィルムを焼くって……ホントに?

 ただし、トニーは今のところ、中国の「赤壁」製作チームに「台湾でのプロモに、アン・リー監督らと一緒に参加するための休暇をクダサイ」と申請している段階。……香港は? そして日本は?
 それに、まだトニーや湯唯がいつ台湾に到着するのか解らず、予定されているサイン会の場所も時間も、まだ不確定だそうです。おそらくこの2、3日中には答えが出るでしょうと……中華圏のイベントなんてみんなこんなもんでして。

 また9月26日から公開予定の香港では、9月22日にプレミア上映会を開催見込み。湯唯と王力宏が「旋風式」で香港を訪れ48時間びっしりの宣伝スケジュールをこなして去る予定だと香港文匯報は報じていますが、トニーがそこに参加するかどうかは書かれていません。"地元の神様は"何とやら、ですかぁ? ブツブツ。
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2007年09月10日

「色、戒」中華圏主題歌は張學友が!

 うわーーん、見逃してた!

 9月8日の台湾・中國時報サイトに、映画「色、戒」のアジア向け主題歌のニュースが出てたのに〜!

 「グリーン・デスティニー」では"台湾のアン・ルイス"もとい、ココ・リー李[王文]が主題歌「月光愛人/A Love Before Time」を歌い、
 「HERO 英雄」ではフェイ・ウォン王菲が主題歌「英雄」を歌って大いに宣伝を盛り上げたわけですが、
 今回、「色、戒」のアジア向け主題歌を歌うのは、何とあの"歌神"様、トニーのよき友人でもあるジャッキー・チョン張學友だそうですよ!
 アン・リー監督が張學友の歌にほれ込んでいるからという理由での、たっての希望ですよ!
2003年の學友
 ↑2003年の學友……古い画像しかとっさに画像フォルダから出せなくてすいません。

 もちろん、日本のドラマのようにここぞという名シーンに無理やり被せるのではなく、ストーリーがすっかり終わり、キャスト、スタッフ名がずらずらと出る時に、余韻を残して流れるわけです。

 てっきり、出演者でもあるワン・リーホン王力宏君が歌うことになるのかなと考えていたのですが、違っていたのか…。王力宏が「色、戒」にインスピレーションを与えられて自らMVのディレクターを務めたという「落葉帰根」も、なかなかいい曲だし映像も美しかったんだけどなあ。(映像は映画の筋に関係ない、何だか懐かしいような、90年代香港四天王MVや韓国MVを彷彿とさせる純愛悲恋を描いているけどね)

 そうですか、歌神様のお出ましですか…しみじみ。

 かつてはレスリー・チョン張國榮と組んで音楽活動をマネージメントし、今はジャッキーのコンサート活動をマネージメントしているフローレンス・チャン陳淑芬女史は、「學友はすでに主題歌を録音済みです。収録は映画撮影中に行いました。學友はまずメロディーを聞いてみて気に入り、録音することを承諾したのです。しかし學友は現在ワールドツアー中ですし、風邪のために香港紅碪カでのコンサートを(9月2日、3日の)2日間分をキャンセルして休息したばかりです。中国・長春(23日の蘇州か28日の海寧では?)でのコンサートとかち合うので、今月末に予定されている、台北での映画プロモーションには参加できません。しかし来年1月には、台湾でもコンサートを予定しています」とコメントしています。

 残念……久々に、トニーとジャッキーが並んでニコニコする姿が見たかったのになぁ…。
トニー&學友2000年11月
 ↑こちらは2000年11月の、二人。
 トニーが學友のレコード会社に移籍して、學友がお祝いしてくれたことも、ありましたっけ…。

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posted by nancix at 02:31 | Comment(2) | TrackBack(0) | 「色、戒」特集

受賞後、李安監督インタビュー内容

 「色、戒」の、ベネチアでの中華系メディア限定会見について日本語に訳そうと思いつつ、なんせ長いし内容にかなり触れるものですから思案しているうちに、あっという間に時間が経ってしまった…。
 日本の配給会社ワイズポリシーさんのところで何らかの日本語訳が出る予定のようなので、とりあえず保留にしておきます。(それとも中華メディア向けじゃなくて、合同会見の方だけかしら?)

 今回は、ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞直後に、祝賀パーティーでアン・リー監督が中華メディアから受けた合同インタビュー(東方娯楽が掲載)を訳してみます。作者は唐小浪。

 インタビュー中、監督は何度もタン・ウェイ湯唯のずば抜けた表現力を口にして、彼女自身が自分を大事にしてほしい、メディアも彼女に対して愛護してほしいと訴えたのでした。(トニーのことも愛護してクダサイ…)

 なお、授賞式で監督がステージを下りた直後からインタビュー会場までの数百mの移動の間にも、監督の携帯電話はバンバン鳴り出しました。お祝いの電話をかけてきたのはまず湯唯、そしてトニーのトロント映画祭残留組。二人は受賞したと監督に聞かされ子供のように飛び跳ねて喜んだ、というのですが、ト、トニーも飛び跳ねた…? スタッフ、アン・リー監督の家族親族、プロデューサー、友人、そしてチャン・ツイィー章子怡だったのです。「グリーン・デスティニー」出演以来、アン・リー監督とはご無沙汰のはずの彼女の名前を聞いて、インタビューに集まった中華メディアの記者連中は軽くどよめいたと言います。

 問い:チャン・イーモウ張藝謀監督はどのように「色、戒」を評価したのでしょうか?

 アン・リー:彼は私がタン・ウェイ湯唯を"調教"したことを認め、またこの映画の主題意識についても、この種の人間性の抗争は私のテーマでもあると認めました。唯一の批評は、王力宏の出番がとても少ないというものでした。

 問い:中華圏監督がもう連続して2度、金獅子賞を奪取しています。チャン・イーモウもまた中国語圏の映画人です。彼は再びあなたに金獅子賞を与えることに、プレッシャーはなかったのでしょうか?

 アン・リー:彼は確かに、初めは自分の華人としての身分に困惑を感じていました。しかしマルコ・ミューレル主席の建議はとても頷けるものでした。彼はイーモウに、以前のことは考慮する必要はない、誰の作品かも考慮する必要は必ずしもない、誰が誰に票を投じてもいいのだと伝え、彼の負担を軽減したのです。

 問い:この映画が上映された後の、米国の映画専門媒体の評価は高くありませんでした。あなたはどのようにみますか?

 アン・リー:この映画は欧州とアジアではやりやすいのですが、しかし米国では比較的難しいのです。リズム、内容と処理方式を受け入れることができるかの問題なのです。ですから(私の過去)2作の映画も初めは評価がよくなくて、私もさらにオスカーをあえて期待することはなかったのです。(米国アカデミー賞では)6000人余の水準がまちまちな人が、票を投じるのです、誰がどんな結果になるか解るでしょうか? 幸いに、この映画(の金獅子賞受賞について)は、7人の審査員にはいかなる意見の相違もなく、討論もなかったのです。私にとっては大衆が何を言おうと重要ではなく、重要なのは同業者がこの映画に何を感じるかだったのです。
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posted by nancix at 00:19 | Comment(2) | TrackBack(0) | 「色、戒」特集

2007年09月09日

ベネチアで受賞その後

 それでは、ベネチア国際映画祭で見事金獅子賞(最優秀作品賞)を獲得した「色、戒」と、一躍同映画祭の主役と化したアン・リー監督についての話題を、幾つか取り混ぜて。
受賞アン・リー04おちゃめ
 トロフィーを掲げ、おちゃめにはしゃぐアン・リー李安監督。このおちゃめさは、米国で培ったものか…?

 アン・リー李安監督は、カナダのトロント国際映画祭で、同地でのプレミア上映が3分の2まで進んだところで、あるスタッフが駆け寄って来て開催事務局からの授賞式出席要請を耳打ちしたので、すぐに上映会場を後にしてベネチアへ向かったのでした。

 トニーと湯唯は、アン・リーの機密保持がとても巧みだったと話します。トロント映画祭のプレミア上映会から突然失踪し、祝賀パーティーにも姿を見せなかったので、彼らは監督の不在をとても奇妙に思いました。しかし製作会社スタッフが「アン・リーは体調を崩しまして、自室で休んでおります」と言い訳し、それを信じるしかなかったのです。まさか半日のうちに、大西洋を再び越えてベネチアに戻り、授賞式に姿を現わすことになろうとは、彼らにさえ思いもつかなかったのでした。

 そのアン・リー、あまりにベネチア行き決定が急すぎて、カナダからベネチア行きの航空機チケットが入手できず、とうとう映画祭実行委員会が専用機をチャーターして、何とかかんとか授賞式に出席できたのでした。まさに、国賓並みのVIP扱い……。

 授賞式の1時間前に、アン・リーは無事に、満面に笑みを浮かべてベネチアのリド島、レッドカーペットの上に再度出現。「一昨年(の「ブロークバック・マウンテン」の時)と同じように、実行委員会から出席要請の通知を受けたので、私は戻ってきたんだよ。何か賞をもらえるか? それは解らないなあ」「賞をもらいすぎて嫌になることなんかありえない。特に今回は中国人に見てもらうために撮影したのだから、私にとっては一大挑戦だよ」とマスコミに話したそうです。(? 「グリーン・デスティニー」は西洋人にしか見せないつもりだったの?)

 この映画の後期処理中、香港でアン・リーは仕事に根を詰めすぎて、何度か眩暈を起こし倒れそうになり、医師の診察を受けたほどだったといいます。また授賞式の後の記者会見で、彼は「中国での撮影は非常に辛かった。人生の学習の旅だったとも言える。しかし私の好奇心と達成感は成就できた」とも語りました。
 常々、「華人世界で映画を1作撮ることは、米国で3作の映画を撮るくらい心身を削ることで、とても大変だ。1作の中国語映画を撮り終わると、米国に戻って息をつかないととても体力がもたない」と語っているという監督。特に今回は時代背景と題材の関係で大変な思いをして、過労死寸前まで心身を削ったのだし、受賞は格別に嬉しいことでしょう…。
受賞アン・リー03

 同時に、最優秀撮影賞を獲得した撮影監督のロドリゴ・プリエトについて、中国で6ヶ月もの撮影期間を共に過ごしたなかで、プリエトについて唯一頭を痛めたのは、彼が「ここ(中国)では正統な味のメキシコ料理が食べられないよぉ」と泣きついてきたことだと語りました(場内の記者達は爆笑)。
ロドリゴ・プリエト01
 プリエトはすでに「ブロークバック・マウンテン」で米国カウボーイを描き出し、また中国で初めての撮影だったというのに40年代の上海の少女をも撮ることができ、「天才中の天才」とアン・リーは絶賛しています。アン・リーは7人の審査員(兼映画監督)に丁重に「プリエトを使うべきです、プリエトを使うべきです」と推薦したそうです。そしてこの、深い誠意の持ち主である撮影監督について語るのに「もしもあなたの心がそこにあるなら、どんなことでも成功させることができます」という言葉を引用し、記者たちに熱烈な拍手を浴びたのでした。
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「色、戒」ベネチアで金獅子賞(最優秀作品賞)を獲得!

 うっわーーーーーーーーーー!
 ホントなんですかマジなんですか新浪娯楽さん!
 アン・リー李安監督最新作でトニー・レオン主演映画「ラスト、コーション/色、戒」が、ベネチア国際映画祭で、最高賞の金獅子賞(グランプリ)を獲得しましたよー!\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/!!!!
ベネチア受賞アン・リー

 完全版受賞リストは、こちら(中国語版)
で。

 トニー!!!! 地球のどこにいるの君、ちゃんと起きてるぅぅぅ!?

 マルコ・ミューラー映画祭ディレクターが「受賞スピーチは中国語でする? 英語でする?」と尋ね、アン・リー監督は英語を選びました。

 「私が戻って来たのは、ここに7人のとてもよい映画監督(審査員のこと)がいるためであり、彼らに呼ばれて何も聞かずに馳せ参じたので、大賞を得ることができるなんて思ってもみませんでした。私は非常に不思議な東方の国に観客を連れて向かいました。私は7人の審査員の皆さんが『七人の侍』のように、この映画の撮影の不思議な経歴の仲から、私を救い出したように感じます。もしも、皆さんが1つの金獅子賞を得た後に、もう一つの金獅子賞を得るのが簡単だとお考えなら、それは間違っているのです。私が言うのは、この金獅子を得るのは非常に困難だということです。
 ここで、私は私の勇敢な俳優たち-トニー・レオン、タン・ウェイ湯唯、ジョアン・チェン陳沖、ワン・リーホン王力宏-に感謝します。彼らがいなければ、私はこの映画を完成することができなかったでしょう。私はこの映画の製作者、上海撮影所、ベネチア国際映画祭に感謝します。
 これはベネチア映画祭の75周年(のトロフィー)であり、今晩私はそれを、非常に光栄だと感じます。そして、つい最近亡くなった(イングマール・)ベルイマン監督と(ミケランジェロ・)アントニオーニ監督のように、私はまたこの賞を獲得できました。彼らと同じような栄光を得て、私は非常に嬉しく思っています。ベルイマン監督は私にとって、父親も同様の師匠でありました。この賞を彼に捧げます。(以下は中国語で)私の父母と観客に感謝します。今回この賞を獲得でき、観客の皆さんが私の映画に与えてくださった支援に感謝します、そして上海撮影所(のスタッフ一同)にも。この賞は皆さんと分かち合うべき賞です、ありがとう皆さん!」
捜狐娯楽の記事新浪新聞中心・北京新浪網の記事をミックスしました)
 ※カンヌ、ヴェネチア、ベルリンの三大映画祭を大いに沸かせてきたベルイマン監督とアントニオーニ監督は、2007年7月30日、奇しくも同じ日に相次いで亡くなっています。

 アン・リー監督ぅぅぅ……。
 「ブロークバック・マウンテン」に続く受賞、本当におめでとうございます!
 マスコミ試写以来、トニーらのオールヌードやベッドシーンについての心ない質問ばかりが浴びせられ、毅然と中華マスコミに向かって苦言を呈していた監督ですが、これで充分、心痛も苦労も報われたのではないでしょうか…!

 さらに、
中国抗議で台湾の旗外す ベネチア国際映画祭:共同通信
 【ベネチア8日共同】イタリア北部のベネチアで開かれている第64回ベネチア国際映画祭で、メーン会場の屋外に掲げられている各国の旗のうち、台湾の旗が中国大使館の抗議で外されたことが分かった。イタリアの全国紙「コリエレ・デラ・セラ」が8日報じた。

 同紙によると、ローマにある中国大使館が映画祭当局に対し「台湾の旗を外さなければ、審査員長を務める中国のチャン・イーモウ監督を引き揚げさせ、中国作品の出品を取り消す」と通告。映画祭側はこれに従う形で6日、映画祭に出品している各国の旗のうち、台湾の旗だけを外した。映画祭当局は「国連もイタリアも、国としての台湾を認めていない」ことを理由に挙げているという。
 なんてニュースが流れ、相変わらず高圧的な中国当局に対してクラクラするほど怒りを覚えていただけに、この受賞は忍び難きを忍び、耐え難きを耐えてきた台湾の皆さんにも、朗報中の朗報では?

 監督もこの事実についてマスコミに聞かれ「これは非常に悲しいことだ。皆さんもご存知の通り、私は台湾で成長した。もしも作者論を言うなら、台湾の文化が私を養ったといえる。その大部分は、私の両親と中華の伝統から来たものだ。それらが私を創り上げたのだ。しかし(台湾の)政治的な現状は、非常に人を辱めるものだね」とコメントしていたようで。

 ま、何はさておき、金獅子賞受賞で、日本公開にも大いに弾みがつくぅぅぅぅ! 目指せ、各地での拡大公開&東京単館ロングラン記録更新!
 (ですよね?)

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posted by nancix at 03:21 | Comment(9) | TrackBack(4) | 「色、戒」特集

ベネチアで最優秀撮影賞受賞

 ごぶさたしました…遠方より友来る、が続き、
 「色、戒」中華メディアとアン・リー李安監督、トニーらのインタビューを訳したりYouTubeでトニー広東語インタビュー動画見たりしてたら、あっというまにベネチア国際映画祭授賞&閉幕式の日になっちゃいましたよ!
 ええと、いったんニューヨークプロモに出発したアン・リー監督とトニーらですが、いつの間にか監督だけ戻っておられましたね。

 そして日本時間9日午前2時半、
 「色、戒」がオゼッラ賞ことOsella for an Outstanding=最優秀撮影賞を受賞したという朗報が、新浪娯楽の特集サイトにアップされました
 \(^o^)/
 最優秀新人賞は、「the La Graine Et Le Mulet」の女優Hafsia Herziさん。
 無念! 湯唯ちゃん敗れたり……_| ̄|○
 ジャ・ジャンクー賈樟柯の「無用」は、Horizon Documentary Prize(地平線最優秀記録映画=ドキュメンタリー映画)賞を受賞。

 最優秀主演男優賞は、日本全国ロードショー公開がすでに決定している「The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford」で、ブラット・ピット
 西部開拓時代の伝説のガンマンを演じましたが伊藤英明ではないのよ(^_^;)

 プレゼンテーターはイタリア映画界で活躍するトルコ出身の、フェルザン・オズペテク Ferzan Ozpetek監督だったようです。
 そしてブラピは! 会場にいない…友人が代理で金獅子のトロフィーを受け取りました。

 評議委員会大賞を受賞したのは、チュニジア出身のアブデラティフ・クシシュ監督によるフランス映画「La Graine et le mullet」と、米国映画でボブ・ディランの半生を描いた「I'm Not There」(2008年GWシネマライズにて公開予定)。
 「I'm Not There」のトッド・ヘインズ監督も不在で、代理が賞を受け取りました。

 そして……嗚呼、銀獅子賞(最優秀監督賞)は、「Redacted」でイラクで実際に起きた少女強姦殺人事件を描いた、かのブライアン・デ・パルマ監督が受賞!

 やはり、今年は社会性とニュース性、訴求性に満ちた作品が受賞するのか…。
 中国史を題材にしながらも、どちらかというとお耽美に走った「色、戒」は…?

 75周年特別金獅子大賞には、例の「ラスト・タンゴ・イン・パリ」の音楽と共に、かのベルナルド・ベルトルッチ監督が車椅子?で登場!
 これは……同じR指定…失礼、17歳以下は見ちゃダメ仲間の「色、戒」に対して吉と出るか、凶と出るのかー?
 ちなみに75周年特別金獅子大賞のプレゼンテーターは、アッバス・キアロスタミ監督だったようです。

 「色、戒」はさらに受賞数が増えるのか? これだけか?
 他の中華映画は?

 今夜は眠れないぞ!
 
posted by nancix at 02:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 「色、戒」特集

2007年09月01日

「色、戒」、中国では1ヶ月上映延期か…

夜のベネチアで
 夜のベネチアをそぞろ歩き、フォトセッションを行った「色、戒」チームの皆さん。
 別にトニーさん、湯唯ちゃんや王力宏と仲が悪いわけじゃないんですよね。ただ照れ屋さんなだけで。

 ベネチアって、水辺だから夜は冷えるんですかね? トニーは空港でのライトグレーパーカーの下にカーディガンまで重ね着…。何だかこのよれよれっぽい色の抜けたジーンズ、既視感が〜〜。

 お馴染み、台湾聯合報サイトに掲載の、中央社/1日電ニュースによると、オスカー獲得の台湾の映画監督、アン・リーは9月1日、主要な出演者を引き連れて、中国語メディアの記者の取材に臨みました。

 TVBS(香港無線電視集団TVBグループの一員である、台湾の無線衛星電視台)では、情報番組?内でベネチア生中継を敢行したらしい。
 TVBS中継番組トニー
 みみみみ見たかった…_| ̄|○ トニー、相変わらずウィリアム・チョン張叔平好みのチェックっぽい柄シャツを着用してるんですねえ。ウィリアム叔父さんの見立てで購入か?

 さて、アン・リー監督は、これらの取材のなかで、劇中の性愛場面は純粋にストーリー上の必要性から設定したものであり、観客の受容度は考慮しなかったと強調しました。

 彼は、映画の撮影開始前には、俳優同士ではそんなに多くの稽古はしなかったと述べました。俳優たちとはわずかに、映画の内容に合わせてするべきことについてコミュニケーションを取り、むしろ撮影のなかで、どんな動作をするかを共に探し出していったそうです。

 例を挙げると、
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posted by nancix at 23:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 「色、戒」特集

公式ワールドプレミア前後

 いろんな記事をネットサーフィンしてまとめてみました。時系列が前後したらすみません。
赤絨毯全員集合2

 台湾・聯合報の唐在揚記者の31日電によりますと、29日のプレス試写を終えた段階での映画「ラスト、コーション/色、戒」は、30日午前10時にならないうちに、当日午後7時からの公式ワールドプレミアのチケットが売り切れてしまったといいます。チケットの価格は40ユーロ(台湾ドルで1800ドル、日本円で約6300円!)だというのに、1枚求めるのも至難のわざだったのです。
 誰もが、ベネチア映画祭事務局は「色、戒」に頼って、大いに儲けただろうとぼやいていました。

 上映会場のSALA GRANDE前のレッドカーペット上には多くの記者がつめかけ、とりわけ香港有線テレビとTVB(香港無線電視)の取材チームは互いに譲ろうとせず、アン・リーのコメントを求める時に我先にとマイクを突きつけ、小競り合いになりました。アン・リーは思わず眉をしかめたといいます。
 レッドカーペットにトニーが現れると、カーペットの両脇を埋めた映画ファンらの歓声がいっそう大きくなりました。

 カメラの前では「ゲージツのためなら、僕は脱ぎますっっ」なのに、素に戻ると非常に照れ屋さんのトニー、レッドカーペットでのフォトセッションで、せっかくアン・リー監督が場所を譲ってトニーを湯唯ちゃんの隣に立たせようとしたのに、固辞して端っこの位置をキープしていたようです。湯唯ちゃんをエスコートすることも特にせず、湯唯ちゃんは仕方なくトニーの背後で王力宏とハグハグしていたのでした。(マギー・チョンとさんざんゴシップ立てられて、マギーと気まずくなった経験もあるからでしょうか…)
偉仔、真ん中に来なさい
 「偉仔、もっと真ん中に来なさい。ほらほらここに」
 「いえいえ、僕は…端っこが好きなんです…監督、どうぞお構いなく…」
 (私の横に並ぶの、イヤですか? トニーさぁん…(泣))
 てな雰囲気。

タレ目湯唯と李安監督
 というわけで、監督がタレ目湯唯ちゃんと、こんなにお茶目することに。(また"李女郎"とか湯唯ちゃんが言われて、張藝謀監督とチャン・ツイィーみたいな下司の勘ぐりをされかねないのに…)
 フツーなら、主演男優のトニーが湯唯ちゃんとすることじゃないの〜?

 いよいよ上映。上映前にアン・リー李安監督がトニー・レオン、タン・ウェイ湯唯、ジョアン・チェン陳沖、ワン・リーホン王力宏を連れてSALA GRANDEの場内に入って行っただけで、ごく自然に観客全員が立ち上がって拍手を送ったそうです。アン・リー監督は両手での「揮手」の中国式挨拶で、拍手と歓呼に応えました。
 そして上映が終わると、満員の観客の反応はさらに熱烈になり、拍手(スタンディング・オベーション?)は10分以上続きました。そしてアン・リー李安に「素晴らしい!」と叫ぶだけでなく、全力で演技をしたトニー・レオン、湯唯にも最大限の肯定を表しました。めったに人前で涙を見せないのに、感動して目を紅くしている湯唯は、次々とアン・リー監督、トニー、王力宏とハグし合い、さらにジョアン・チェンと抱き合いました。ジョアンはなぐさめるように軽く彼女の背中を叩いて、彼女がいかに多大な犠牲を払ったかを、同じ女性としてちゃんと理解していることを伝えました。

 トニーはプレミア上映が終わって集合写真の撮影を済ませると、そそくさと退場し、ホテルに戻りました。しかし食事のためにスタッフらと共にホテルを出ると、ぞろぞろとパパラッチが付き従いました。慣れているトニーは仕方無さそうに連中に微笑みを向け、無言を通しました。しかしイタリア人女性記者が撮影に夢中になって車道にはみ出すと、トニーは彼女の背後に車を見つけ、思わず「気を付けて! 気を付けて!」と声を掛けて注意をうながしたそうです。
「小心、小心!」と思わず注意

 また、現地ファンだかスタッフだか記者だかにサインを求められても、ちゃんと応じる。…あれ、左端のこの人って、長髪だけど男性…?
現地ファンだか記者だかにサイン

 ……どこかの仏頂面の日本代表選手とは、ちょっと違うんですね…。

 台湾・聯合報の唐記者は「色、戒」が「疑いようもなく第64回ベネチア国際映画祭での最初のクライマックスとなった」と伝えます。(中略) 湯唯はこの映画のなかで27着の旗袍に次々と着替えて時間や場所の変化を伝え、その美しい姿は見る者を感嘆させました。この映画のアートディレクターのピャオ・ルォムー朴若木は、まさに現在「赤壁」のアートディレクターを務めるティン・イップ葉錦添が世に出た頃の、師匠にあたるのです。(マギー・チョン主演の「ロアン・リンユィ 阮玲玉」(91)やジョアン・チェン陳沖出演の「赤い薔薇、白い薔薇」(94)なども手がけたベテラン)

 多くの観客が鑑賞後に、ストーリーが発展するにつれて、トニーと湯唯のまなざしがとても変化を見せたと言いました。もともと、互いの思惑と目的から結びついた二人ですが、最後には感動を誘う真情を表すのです。とりわけトニー・レオンのあのまなざしは、まるで(まなざしだけで多くを)物語っているかのようで、観客の心にストレートに響いたといいます。
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posted by nancix at 15:09 | Comment(3) | TrackBack(0) | 「色、戒」特集
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