2007年07月31日

「色、戒」に武打明星、錢嘉樂が!

 こないだ集めた「ラスト、コーション/色、戒」の画像をしげしげと見ていたら、あら?と気が付きました。
 この護衛らしきスーツ姿の男性、もしや香港のチン・カーロッ錢嘉樂じゃありませんか?

 護衛は錢嘉樂

 拡大してみる。やっぱり、かろちゃんだ!
 やっぱりかろちゃん!

 別のショットも発見。
 かろちゃん立派になって…

 ああああ〜! かろちゃん…胸板も厚く顔の横幅も立派になって…まさかアン・リー監督の歴史ロマンサスペンス大作で、武術指導者としてならした君を見つけることになろうとは…!驚きだよー!
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2007年07月30日

ジョアン・チェンとの共演を喜ぶトニー・レオン

 中央社の黄慧敏記者が、台北から7月30日に発信した記事が、さらに詳しく「ラスト、コーション/色、戒」についてのトニーの談話(河北省の「赤壁」ロケ地まで行った? 電話取材?)を報じています。

 "漢奸"こと売国奴を演じたトニーいわく、自分の俳優人生に於いてもっとも演じるのが難しかった役柄が「色、戒」の"易先生"だったというのです。
 撮影期間中、彼はひどく消耗し、不眠に陥り、食欲も湧かず、すぐにでも統合失調に陥りそうな精神状態だったと。しかし、最も楽しかったのは、ジョアン・チェン陳沖との共演だったとのことです。

 「色、戒」の物語の背景は、30、40年代のオールド上海です。アン・リー李安監督はトニーに、この役柄は絶対に南方訛りのある普通話(いわゆる中国標準語)で演じないといけない、少しでも(広東語的に)訛ってはいけないと要求しました。製作チームは台湾から、テレビドラマ出演者に与えられる「電視金鐘奨」戲劇節目單元劇男主角獎(単発ドラマ部門男優賞)を2005年に受賞した、ベテラン舞台劇俳優のファン・クォンヤウ樊光耀を家庭教師として香港に呼び寄せました。話題になったCMで「唐先生」を演じたことでも有名な彼の中国標準語の発音は、演劇界でも折り紙付きだそうです。撮影3ヶ月前から、トニーは毎日3時間は彼について、台詞を練習したといいます。
 樊光耀は、多分蟹入り海鮮鍋をむさぼってる、この人。
樊光耀先生

 トニーいわく、「訛りのない中国標準語の台詞を話すのは、自分にとって非常にプレッシャーが大きかった。映画の撮影開始前に、もう台詞を1千回近くは暗誦したよ」とのこと。さらに彼はアン・リー監督に「もしもシナリオを(撮影中に)修正したりしたら、僕はすぐに死んでみせるからね!」とぼやいたそうであります。アン・リーはトニーを「虐待」したことを笑って否定。「あれだよ、周瑜が(互いに納得ずくで)黄蓋を打ち据えたようなものだ」と粋なコメントをしたそうであります。

 また、この映画での易先生は、原作小説には無かったディテールが付け加えられている様子で。
 トニーは絶えず同胞を取り調べ、同胞に"漢奸!(売国奴)"と罵られ、凶暴残虐に相手をめった打ちしたり蹴ったりする必要がありました。彼自身も(この役は、本当にひどく残虐だなあ)と感じたといいます。トニーは自分がもうその人物になり切ったような気がしてきて、毎日憂鬱で重苦しく、情緒不安定で怯えの中に生きていて、また誰かの陰謀に陥れられることを恐れ、すぐにでも統合失調状態になりそうな気分だったのでした。撮影していない時にも、トニーは食欲が湧かず、撮影終了後は20数ポンド(9kg以上)も痩せたといいます。
凶悪易先生
 確かに、キョーアクな眼光を帯びている易先生……いいわ、いいわ〜。苦労の成果が実を結んでいるわ〜。

 現在のトニーは笑って言います。「当初は、自分がどうしてこの役を演じることに同意したかわからなかったよ!」。
 しかし、彼が嬉しかったのはジョアン・チェン陳沖と初めて共演できたこと、並びに互いに賞賛し合えたことだったといいます。「ジョアン・チェンと共演するのは、僕の長年の願いだったんだ。以前彼女が出演した『ラスト・エンペラー』を見たときには、彼女が僕の妻役になる日が来るなんて、思ってもみなかったよ!」
陳沖とトニー
 お忍びの溥儀と婉容皇后ではなく、ある夏の日の易夫妻。

 ええ、nancixだってデイヴィッド・リンチ製作総指揮のドラマ「ツイン・ピークス」をインスタントコーヒーとチェリー・パイ片手に見入っている時は、パッカード製材所の未亡人で、いつも悲しそうなタレ目の、謎の東洋系女性ジョスリン・“ジョシー”・パッカードが、まさかトニーと共演し、共にヴェネチアの華となる日が来るなんて夢にも思いませんでしたわさ。ジョシーって、確か香港マフィアに怯えてツイン・ピークスを去った設定じゃなかったかしらん。

 思えば「ラスト・エンペラー」で、溥儀の第二夫人・文繍を演じたヴィヴィアン・ウー[烏β]君梅も米中合作ハリウッド映画「紅美麗(シャンハイ・レッド)」の製作者兼主演女優を立派にこなしているし、「ラスト・エンペラー」の"妻たち"、いまや大活躍ですよー。
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2007年07月29日

「色、戒」でトニーもヴェネツィアへ

 昔むかし、トニー・レオンがお気に入り映画の1本に「ベニスに死す」(71年、ルキノ・ヴィスコンティ監督)を挙げていたので「香港映画人でそんな"お耽美がぐるりと輪を描いた"映画を挙げるのは君だけやー! いったいどこがどう気に入ったというんやー!」と腰抜かしそうになった記憶がありますが、
 そういえばトニー・レオンの名前を一躍国際的に知らしめた「悲情城市」も、ヴェネツィア国際映画祭で1989年の金獅子賞に輝いてやっと、日本での映画ファンの知名度を上げたわけですが。

 アン・リー監督最新作「ラスト・コーション/色、戒」も、いよいよ世界三大映画祭の一つに出陣ですよ!
 コンペ部門で世界初上映ですよ!
傘の中の王佳芝と易先生
 「おぜうさん、せっかくパーマネントしたばかりのおぐしが濡れますよ。この蝙蝠傘にお入りなさい」
 「あらご親切なお方、ワタクシこう見えても人妻ですのよ」(嘘の台詞)

 ヴェネツィア国際映画祭公式サイト(英語)
 コンペ部門作品として発表時は、作品紹介が「CHINA-USA」となっていて物議をかもし、アン・リー監督がきちんと申し入れて、Taiwanと訂正してもらったようですね。現在はちゃんと直ってます。

 製作会社は「出資が米国、ロケ地が中国だったからこんな取り違えが起こったのだろう。ヴェネツィア国際映画祭では監督の国籍を映画の国籍とするのが慣例なのに」とコメントしていますが、中華人民共和国と、国際的には認められていない中華民国の"二つの中国"の問題がまだ解決していないのだと、改めて認識…。
 かつての東京国際映画祭でも、"映画の国籍"は再三もめた問題でしたっけ…。中華圏もそうだけど、オランダを舞台にドイツ、フランス、オランダの俳優が共演し、出資はハリウッドと中国の会社、監督はポーランド人なんてことになったら、「映画の国籍」はどーするんですかねえ。
 今回のことで、アン・リー李安監督は米国のグリーンカード(永住権)を持ってはいるけれど、パスポートとしては台湾のものを持ち続けていることが判明。台湾パスポートだと「中華民国」を国家として認めていない国・地域にはパスポートだけでは渡航できず、ビザ申請が別に必要など、ややこしくなる不利益があるんだけど、それでも。
 いつぞや「アン・リーはもはやアメリカに魂を売った奴」なんて冷たく非難していた日本のアジア映画ライターは、ちゃんとそのことを調べて、彼のルーツへのこだわり、アイデンティティの在り方を、理解していたかしらん。
 
 さて、ちょうど1ヶ月後の8月29日に開幕する、第64回を迎えた今回も、日本では日本からの出品作しか話題にならない(泣)のは仕方のないことですが。
 「壽喜燒西部片」…じゃなくて「スキヤ○・ウエスタン ○ャンゴ」、「導演萬歳」…じゃなくて「監○、ばんざい!」、オダジョーや浅野忠信や宮崎あおいちゃんがぞろぞろ参加予定の青山真治監督作品「サッド・ヴァケイション」よりも、トニーの晴れ姿を地上波で見せろ!……と望むのは売国奴並みの大それた野望ですか? ダメかな…浅野忠信やオダジョー中心で、トニーさん霞んじゃうのか…_| ̄|○

 審査委員長がチャン・イーモウ張藝謀ですが、めざましテレビが例によってチェン・カイコーと間違って紹介しないか、今から杞憂しているnancixです。

 で、トニーさんヴェネツィア国際映画祭行くの? 行くよね? いくら「赤壁」撮影中でも絶対行かなきゃ男がすたるよ! 「世界で最も素晴らしい俳優の一人」と絶賛してくれてるアン・リー李安監督に義理が立たないよ!と案じていたのですが、何しろ「色、戒」製作陣の秘密主義の壁は厚い。
 新華網のこちらに、何とヒロインのタン・ウェイ湯唯にはインタビュー拒否されたので、彼女の母にインタビューしたという記者の特ダネが出ていました。
素顔の湯唯

 タン・ウェイ湯唯は杭州で生まれ育った"杭州姑娘"なのですが、両親は温州人。テレビドラマを中心に女優業を続けていた娘が「色、戒」オーディションでアン・リー李安監督に見い出されたことをきっかけに、一家は杭州武林路から北京に移り住みました。湯唯の母によると、娘は決して両親にも撮影内容について話さず、守秘義務を守っています。同作品の撮影が上海で行われたときも、両親はあえて娘に会いに行こうとせず、娘が必要とする衣類だけを、郵送で撮影チームに送ったそうです。
 近いうちに、アン・リー李安は湯唯とトニー・レオンを伴ってニューヨークにプロモーションに行く予定ですが、もちろん湯唯は単身で米国に行く予定です。この辺り、どこにでもママを伴うチャン・ツイィー章子怡とは異なる親子関係ですね。

 今回米国に行くにあたって、湯唯は上海での同紙ルポ記事を自らアン・リー監督に手渡したといいます。その縁で湯唯の母も取材に応じたのかもしれませんが、やはり映画の内容について、娘の今後のスケジュールについては一切話せないとのこと。記者は中国内の配給関係者から、アン・リー李安と湯唯、トニー・レオンがまもなくヴェネツィアに向かうニュースをつかんだのでした。またトニーのマネージメントオフィスの広報担当者から、彼が「赤壁」の製作チームの了解を得て、ヴェネツィア国際映画祭の開幕式に間に合うように休暇を取ったこともキャッチしたそうです。

 製作費1000万米国ドル(約12億円)、撮影期間2年、音楽監督は久石譲、出演者のジェイシー・チェン房祖名(ジャッキー・チェン成龍ジュニア)が「王妃の紋章/満城蓋帯黄金甲」の皇子役出演依頼を蹴って出演したと明かしたことでも話題を呼ぶ姜文監督7年ぶりの新作「太陽再次昇起」(元は「太陽照常昇起」だった)、
姜文と陳沖と房祖名

 李康生監督の「幇幇我愛神」もコンペティション部門で競い合い、クロージング作品はチャン・チェン張震とスー・チー出演の「天堂口(ブラッド・ブラザース)」なんですから、受賞はどうあれ、日本でもっと話題にしてほしいですよ、全くねえ。

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posted by nancix at 12:08 | Comment(1) | TrackBack(0) | 「色、戒」特集

2007年07月27日

"聞きまつがい"から広がった輪。

 7月23日の記事「セリフの反復と対照」で疑問を呈したら、皆様いろんなコメントでご教授いただきありがとうございました!(*^^*)

 結局広東語がまだらにしか聞こえないnancixの"聞きまつがい"だった、日本語字幕で大体は合っていたと判明。十二分に納得いきました\(^o^)/。

もしもおまえなら

 「如果イ尓係イ巨ロ既話、會ロ甘做?」
 「もしもお前が彼のようだったら、同じようにするか?」

俺なら何もしない

 「如果我同イ巨一様、セ都没有(モウは本当は没有じゃなく、有の中の2本線無しの1文字)晒」
 「もしも俺が彼と同じように、何にもなくなったら」

やればできるでもしない

 「我都會ロ甘做、没有ロ羊ロ野[車兪]呀」 
 「俺にもそうできただろう。これ以上何も負けることはない=何も失うものがないんだから」

 広東語で「[車兪](シュー)」は負ける、日本語エンコードでは文字が出ないけど「イェン」が勝つの意味だそうです。
 そういえば「男たちの挽歌/英雄本色」で、ユンファ兄貴扮するマーク哥が寺院で「神を信じるか?」とティロンに聞かれて「信じるさ、俺自身が神だ」と不敵に答えた後、いきなり「出たとこ勝負さ」と呟いて意味ありげにストップモーションになるのが意味不明で長いこと悩んでいたんだが、
 芳賀書店の「デラックスカラーアルバム 周潤發」(絶版)で長屋[木安][女尼]さんが、マーク哥は「賭博都有「[車兪]イェン……」(賭博にだって、勝ち負けはあるんだ)と呟いているのだと書かれておられて、何だそういう意味なら筋が通るわ、神にも仏にもすがらず、己を信じて一かバチか強敵に立ち向かい派手に大博打を打ってやるぜ!という決意表明だったのかと感心し、広東語を習いたい!と強く思ったのでしたっけ。

阿頭の複雑な表情
 さて、きっぱりと阿邦に言い切られて、考え込む阿頭の心中は…?

 うん、確かにぐうさんの解釈通り、それまで妻の疑惑を晴らすために推理力に長けた後輩を利用して自分のアリバイを晴らし、マカオ出身の強盗殺人犯の"真の動機"を見つけ出させて妻も後輩も納得させようとしてきた阿頭だけど。
 単に彼を利用するだけではなく、真の理解者を得たような、ホッとする思いにかられたのか…? 共感されて却って(自分が喪うものは、本当にないのか…?)と不安がよぎって考え込んだのか…?

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2007年07月25日

「色、戒」でワルを演じる 偉仔は苦痛のあまり死にたくなった

 一昨日夜から、もう「ラスト、コーション/色、戒」の画像や記事が溢れ出して、喜びの余り気絶しそう。必死で漁りまくりました。
 収集をほぼ終えたので、まずはおなじみ、台湾の聯合報の葛大維記者による記事の紹介から。
 影帝トニー・レオンはアン・リー監督のために身を投げ出した。新作映画「色、戒」のなかで髪を剃り、毛を抜き、減量し、"女人豆腐を食べ"、また乱暴に殺生しなければならなかったのだ。

 この「吃女人豆腐」という表現に大いに戸惑ったんですが、あの…多分、女の柔肌(たとえばおっぱい…)を弄んだというような意味では…?
 演技を最も愛し、全力投球するトニー・レオンは、初めてアン・リーと「色、戒」で組み、外見から内面に至るまで全て生まれ変わる思いをさせられ、何層にも皮を剥かれる思いもさせられた。
 作品中で、トニー・レオンが演じる易先生は、アイリーン・チャン張愛玲が原作で「生まれつき顔色が青白く清秀で、前髪が幾分禿げていて、一種の奇妙なとんがりの形に頭髪が剃り込まれている。鼻はとても長く、少しネズミのような容貌だ」と描写している。トニーはとても清秀だが、青白さに合わせて、彼は体重を20ポンド(9kg!)以上減らし、痩せて顎をとがらせ、鼻から口元までの法令線をあえて目立たせた。
 (中国語でも法令線は法令紋って書くのね…(^_^;))
50代にちゃんと見える易先生
 頭髪の濃密なトニーは禿げ頭にはならなかったが、人工的に奇妙な「花尖(剃り込みか)」を作り出さなければならなかった。まず髪の生え際を剃り、痛みをこらえて前髪の一部を根っこから抜いて、尖った一角を形作った。今年初頭にトニーは上海で撮影していたが、「カリーナ・ラウと台湾一の富豪・郭台銘とのゴシップで、嫉妬の余り禿げができた」と香港メディアに誤報されたのは、この撮影のための工夫のせいだったのである。

 外見での傷みはまだ辛抱しやすいが、精神的な苦痛は耐えがたいものだ。トニー・レオンは「色、戒」で売国奴の大物を演じる。外見は温和で上品なインテリだが、実は残酷無情なのだ。トニーは以前「傷ついた男たち」でも悪い警官を演じたが、「色、戒」での悪辣さは「傷だらけの男たち」の千倍、万倍にもなる。トニーは毎日精一杯悪辣に演じたが、アン・リー監督はいつも、トニーのワルさの表現がまだ足りないと感じ、1シーンで連続30数回もNGを出したのだった。アン・リー監督を満足させて「OK」と叫ばせることは難しく、トニーはもう自分が良心をすっかり失くしたように感じた。だから後になって「僕は毎日、苦痛で死にたくなった」と叫んだのだった。
 そりゃあアン・リー監督、トニーの「隠してもかくしても匂い立つお子ちゃまの愛嬌」消しに苦労なさったことでしょうね…ご同情申し上げます…。
 「口元に手をやるんじゃありません!」「人差し指を唇に当てないで!」「だから小首を傾げて人をじいっと見るなと言ってるのに!」とかさ……nancixも時々細かく教育的指導したくなるもん…。
 禁じても教育的指導しても、この上目遣い。
23禁じ手のタレ目 

 …いやぁ、この撮影中にトニーが日本に来ても、あんなに可愛くなかったかも…易先生のまんまだったら、クールな鋭いまなざしで、周囲をねめつけてるだけだったかも…。よかった、易先生が抜け切れて、「ひるむな東呉の兵よっっ、突撃ー!」とイケイケ状態の周瑜様が入ってるトニーで。

 「色、戒」には当然「色」の部分が少なくなく、アイリーン・チャン張愛玲は「易先生は腰を下ろすと、腕を抱いて、一方の肘が彼女(タン・ウェイ湯唯が演じるヒロイン、王佳芝)の乳房の最も豊満な南半球の外縁に到達した」と描写する。アン・リーは露骨な色情映画はもう撮れないと話したが、この種の魂を捉えて骨抜きにするような感覚はまさにトニーの本領発揮といったところで、観客の感覚器官をじらし翻弄するに違いない。
 うーーーん、いいね、いいね、さすがはアン・リー監督。
 「彼奴をいじめろ、それが彼奴を伸ばす鍵だ」というトニー使いの奥義を、よーく解っていらっしゃる。
 心身を追い込めば追い込むほどに、トニーはいいものをどんどん出してくる俳優なのよー!「ガラスの仮面」北島マヤタイプ。簡単に1回でOK出しちゃ、ダメーーっ!(ファンはサド)。

 さらに、中国「網易」経由上海熱線の記事によると、1シーンでNGが30回以上というのは、トニーの演技の出来に問題があったからではなく、アン・リーが異なるレベルの効果を求め、トニーに毎回違う試みをやってみるよう求めたからでした。演技のプロとしてトニーも異存はなく、できるだけ求めに応じ、毎回出される課題をクリアーしていったのでした。アン・リーがトニーを「天才」と大いに褒め称え「彼は現代の最も素晴らしい俳優の一人です」と激賞しています。
 そして、トニーは「色、戒」撮影後に「燃え尽きたぜ…白い灰になってよ…」と語り……もとい、心身共に疲労したと語ったのでした。(それが「赤壁」孔明役降板劇につながるわけで…)

 こちらでは、「50数歳の易先生」を演じるため、トニーはメイクに多くの工夫を凝らしたとなっています。わざと肌の肌理(きめ)を粗くし、目の周囲と涙袋辺りに深くて暗いクマを作り出し、表情は陰鬱で、「花様年華」の風流洒脱な周慕雲とははっきりと異なるようにした、とのこと。
目の下クマ易先生
 10年後のトニーは、こうなるのか…?

 アン・リー監督によると「色、戒」の撮影で最も困難だったのは、アイリーン・チャン張愛玲のわずか1万字ちょっとの短編小説を映画にすることではなく、1938年の上海を再現することだったといいます。「カナダで米国の1963年の映画を撮るのなら、車からカミソリまで何でも探し出せるんだ。それなのに香港のかつての風景はもう探し出せないし、国民党執務室の書机1つさえないんだよ」。
 30〜40年代のオールド上海の繁栄を再現するために、この映画では2000万人民元を投資して南京西路を再現しています。200人を超す職人が昼夜問わず4ヶ月取り組み、800mの長さの街路や13階建てのビル、平安戯院(映画館)、カフェ、ファッションブティックとシベリア毛皮店、クラシックカー、人力車などが観客の目の前に再現されるのです。
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2007年07月23日

セリフの反復と対照 

 香港で見た時から「傷だらけの男たち/傷城」は、実にセリフの反復と対照が利いてるなあ、とその妙に感心していた。
 中文字幕を読むのが精一杯で、広東語口語台詞を全て聞き取るにはまだまだなんだけど。

 たとえば、あまりに有名な台詞。
酒は飲みにくいからいい
 3年前の阿頭が、飲めない阿邦がウイスキーのロックをすすって喉にカーッときて顔をしかめると、こう言う。「酒を飲む良さは、それが飲みにくいところにこそあるんだ」。
 阿邦は素直に受け止める。

 そして3年後。阿頭の妻となったスクツァン(やっぱりスーザンにしてほしかったよ…)は、バルコニーで、阿邦に言う。
飲みにくいから酒はいい
 「ねえ、酒を飲むことのよさって何か知ってる? それが飲みにくいところにこそあるのよ!」
 聞き覚えのある台詞に、しかしやさぐれた阿邦は広東語だと、こう言い返す。
 「邊個ソーイ老講ロ架?(どこのバカがそう言ったんだ?)」

 ……バカとはもちろん、阿頭のことだと解っていて、だ。
 一人の男と出会い、彼を理解し、共感し愛した、はずの二人だからこその、親密なひととき。

 そうそう、阿邦とフォン細鳳の間の微妙な駆け引きも見ものだ。
客の悪ノリよ
 太平道の「世界杯(ワールドカップ)」というパブに、彼女に会いたくてやって来た阿邦だけど、互いにツンデレし合ってしまう。
 キティちゃんの髪飾りで前髪を上げているフォンの額が、叩かれたのか殴られたのか、いつのまにか紅く腫れている。心配した阿邦が「おい、どうしたんだそれ?」と聞くと、フォンは恨めしそうに睨み、キティちゃんの手鏡で腫れ具合を見ながら「客の悪ふざけが過ぎただけよ〜(日本語字幕では"悪ノリしただけ")」と言い返す。

 その後、例の"阿頭のストーカー"いや第3の男の追跡劇で、頭をレンガで殴られた阿邦は、店でもらったのか氷で患部を冷やしている。
 彼に気づいたフォンが近づいて来て「どうしたの、その頭?」と面白そうに(でも本心は心配で)尋ねる。

客の悪ノリだ
 阿邦は以前の彼女の口調を真似して「客の悪ふざけが過ぎただけだ〜(日本語字幕では"悪ノリしただけ")」と答えるのだ。フォンは決まり悪そうに周囲を見回し、口を閉じて去ってしまう。
 これも台詞の反復。

 こうして反復について、今日も映画館で確かめているうちに、気づいてしまった。
 パブで陳偉強がマカオでたどった生い立ちについて、阿邦の説明を受けた阿頭が、阿邦を凝視しながら尋ねる。「もしもおまえが彼なら、どうした?」
もしもおまえなら

 阿邦の答えは、日本語字幕なら「俺が彼でも、同じようにしたと思う」となってなかったっけ?
 だけど、中文字幕だとこうだ。
俺なら何もしない
 「俺が彼なら、何もしない」
やればできるでもしない
 「(家族の復讐を)やろうと思えばそれができる、(でも)俺は何もしないで負けたっていい」
 中文字幕だとこうかな。「我也會這麼做、我没甚麼可輸。」
 我没甚麼可輸って、何もしないで負けることができるってこと?

 これを聞いた阿頭の、そうかとうなずきながらも複雑な表情ってば。
阿頭の複雑な表情
 こここそ、親友にして先輩後輩にして、心の傷を抱えて生きる男同士の道が、決定的に別れてしまった分岐点ではないのか。
 なのに、日本語字幕のせいでそれが曖昧になってやしないか。
 でも広東語台詞が完全に聞き取れているわけではないので、早とちりかも。単なる疑問提起だと思ってください。

 (彼は俺とは違うんだ…彼の受けた心の傷なんか、俺のそれに比べればどうってことないようなもんだ)とどこかで阿頭は侮りながらも、なおも復縁を図る…失礼、解り合っているふりをする。
 パブで一暴れし、愛を確信してウキウキのフォンが阿頭の車から降りた後。
 阿邦は陳偉強のアジトに2人で捜査に入る前に、実は自分ひとりで下調べに行っていた、と阿頭に告げる。
 平静な声で「俺を疑っていたのか」とつぶやく、阿頭。
俺がおまえでもそうしたさ
 申し訳なさにしょげる阿邦に「いいさ、俺がおまえでも、そうしたさ」と阿頭は微笑みかけ、さらに阿邦のミニボトルウイスキーを取って呷ってみせる。(間接キッスー!)

 本当は……本当は……。
 阿頭は阿邦に「俺が陳偉強でも、そんなふうに復讐したと思う」と同意して、理解して、肯定してほしかったんじゃないのかな…。
 車を下りた阿邦を見送る、阿頭に一瞬よぎる表情は(俺の疑いはまだ晴れてない、次の手を打つか)という冷徹な計算というより、一種の寂寥感を浮かべてはいなかっただろうか。


 さらに。
 これは核心にも触れるのだけど、
 こじつけすぎるかな01
 スクツァンの父とマン文叔を襲ったと見られる二人組についての推理をスクツァンに話した阿邦は"第3の男"がエアコン取り付け用穴から密室を脱出したに違いないと話し「こじつけが過ぎるかな?」と自嘲する。
 中文字幕では「是不是很牽強?」だ。

 そしてクライマックスの"痛みの告白"シーン。
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2007年07月22日

直前君はご満悦。

 やっと週末。

 トニー・レオンの英文ファンサイトにもご報告申し上げなきゃ、ファン仁義がすたる!と思いつつなかなか進まない英作文に取り組んでいたら、地元在住の友人が助っ人を買って出てくれた。ありがたーい!(号泣)。
 そして夕方。……あれ? 久々に見る、その英文ファンサイトのフォーラムにプライベートメッセージが入ったというお知らせメール。
 ドキドキしながら夕食後に見に行った。

 ひゃーーー! 14日からぴたっと止まっていた、トニー・レオンからのメッセージが!
 きっとギリギリまで撮影進めてくたくたでネットするひまもなく倒れこんで寝ていて、前日は北京に前泊したりしているんだろうな、もう帰国してから目を通してくれればいーやとあきらめつつ
 「スタンバイOK! チケットを買えたよ! みゆき座はすでに満席! 映画館で会えるね!」だの
 「今朝、横浜も満席になったよ! 香港映画ファンも金城武ファンも来場するよ! みんなあなたのお話を楽しみにしてる!」だの
 と報告していた成果かー!
 午後6時33分。
 Really happy to meet all the japanese fans in Tokyo,
 I enjoy very much on this trip..............take care & see u next year.
 そうかそうか、ハッピーだったか。この短い骨休みをエンジョイしたか、そうかそうか。
 そりゃね、台風一過のせいかぐっと涼しかった東京で、香港スタッフと合流して広東語でいっぱい話せて、念願のお寿司をどこかで食べて、快適な一流シティホテルで熟睡でき、
 舞台に出ても旧知の仲のサミュエル・周先生にサポートしてもらえて安心で、優しいお姉さん司会者に「(お寿司)おいしかったですかぁ?」とあやされて、リアルタイムに満席の観客が自分の話にうなずいたり笑ったりしてくれ、
 中華圏娯楽記者に意地悪質問もされないで済んで(いまだに中華圏ニュースサイトで今回の来日ニュースを探し出せてない…あれだけ「わいちゃい! 偉仔!」と叫びながら彼らが撮影していた写真はどうなったんだろう)、
 enjoy very muchじゃなければ「こんの贅沢もーん!」と背負い投げと無影脚食らわすぞホントにもう、手のかかる直前君なんだから!とか強がりながらも、鼻の奥がつーーーんとしてくるのをどうしましょう。
 パソコンの前でうつむくと、この低い鼻の上にも一筋の涙がつつつと伝うのであった。

 それにしても、トニーって出るとこに出れば、ちゃんと雄弁になれる人なのよね。再認識。 
 
 以前から、映画俳優って、舞台劇俳優よりもちょっと不幸かなあ、と思わないこともなかったのだった。
 映画が仕上がり公開される頃には、俳優たちはすでに別の作品に取り掛かっている。彼らにとっては「もう終わってしまった仕事」なのだ。
 観客が見るのは、いつでも過去の俳優たちだ。自分に厳しい俳優ほど、完成フィルムを見て(ああ、あそこはタイミングが早すぎた)だの(このバージョンよりも別のバージョンの方が僕は上手くできたと思ったのに、なぜ使ってくれなかったんだろう)(この続き、なぜカットされちゃったんだろう)と後悔したりがっかりしたりするかもしれない。映画批評家や観客がどんなに絶賛しても、彼自身には納得がいかないかもしれない。喝采を受けても、どこか醒めてしまってるかもしれない。
批判を受けても、今さらフィルムに収められた演技を修正できやしない。

 舞台劇俳優なら、初日から千秋楽まで、毎日少しずつ調整することも、初日のすぐ後に出た舞台評を読んで、別の試みを取り入れることだって可能だ。観客が見るのはリアルな、いま現在の彼らだ。笑ったり、かたずを呑んだり、思わず身を引いたりの反応が、息遣いが、客席から伝わってくる。そして舞台が終われば、すぐさま喝采を受けることができる。(ブーイングも、しらけた雰囲気もすぐに伝わるから、怖いといえば怖いけど)
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2007年07月20日

トニー・レオン、再び撮影現場へ

 そして午後4時過ぎ。

 自然発生した"勝手にお見送り隊"(10人以下、5人以上)の報告によりますと、トニー・レオンは成田空港に、女性の付き人さんと、見送りの日本側スタッフ(おひげの男性)とProject House(トニーの所属事務所)スタッフの金髪香港女性と共に白ワゴン車で現れたそうです。

 サングラス無し。半袖白ポロシャツ、ジーンズ、ベージュ系バックスキンの紐靴という、実にラフないでたち。日本では誰も、彼が映画俳優だとは気づかないと思う。
 黒の大きめ(登山用?)デイバッグをしょって、他にも抱えきれないほどの大きな荷物を白段ボール箱2個を持ち(ファンからのプレゼントやカードが入ってる? 東京で買い物した分?)、顔見知りのファンの一人が英語で「向こうで待ってるね」と話しかけるとうなずきました。受付カウンターで自分で荷物をヨッコラショと抱えて、係員に出していたそう。付き人が女性だから、レディーファーストな香港人男性としては、力仕事は自分でやるのね…。
 カウンターでは荷物の重量オーバーのせいか、手続きにかなり時間がかかり、出口で待っているファンを何度も振り返り、ニッコリしてくれたとか。自分が振り返るたびにファンが狂喜して手を振るのが面白かった様子で。

 手続きが済むと、自分でひょこひょことファンの前に来て、サイン、握手などをこなし、「See You Next Year!」と告げて絶品のタレ目でやさしく微笑み、付き人と二人だけで飄々と去って行ったとのこと。
 Project House側のジャッキー・パン女史やスタッフは、白ワゴン車で去ったのか…別ターミナルからの香港行き便で帰ったのだろうか。

 17時34分。トニーは再び「周瑜」に戻り、今後ますます暑くなるであろう河北省の大地で、10kgの甲冑を身につけるべく、北京行き直行便に乗って日本を去ったのでした……。ここ数日の東京が涼しくて、よかったねえ。少しは骨休みになったかしら。

 それにしても、「来年会いましょう」って…「赤壁」プロモーションの時…?
 「色、戒」プロモだったら、11月ぐらいだよねえ…舞台挨拶の後に、司会のふくださんが、再来日は11月?と話しておられたような記憶がうっすらあるのに…。

 黙々と仕事しながらも、切ない思いに溜め息ばかりでした。

 なんでこんなに恋しいんだよーーー!
 「日本にいない」のが常態な人なのにー!

 はぁぁ…とにかく映画館で「阿頭」に会いに行こうっと。
posted by nancix at 18:00 | Comment(4) | TrackBack(1) | 「傷城」特集

スポーツ紙掲載…

 早朝の新幹線ホームで買い込めたのは、いちはやく緊急来日を伝えたスポーツ報知と日刊スポーツ。
 スポーツ報知は小さいけどカラー顔写真あり。あと日刊スポーツも小さい文字のみ記事あり。東京駅ではそれだけしか買えませんでした…。

 サンケイスポーツも写真入りだそう。いずれも東京版です。こんなに緊急で、よくぞ取材の段取りがつきました。(撮らせてくれたら、でかく載せられたのに…>まだいうか)
 ※追加。「デイリースポーツ」のサイト。カラー写真入りです!

 へっぽこ臥底は平凡な一日に復帰しま〜す。最後の舞台挨拶内容はやはり今夜アップ予定。新幹線内では、ノートパソコン出しておきながら、改札後は気絶してしまった(>_<)
 阿頭のスープも飲んでないのに〜!
posted by nancix at 09:36 | Comment(1) | TrackBack(0) | 「傷城」特集

2007年07月19日

舞台挨拶日比谷2回目

みゆき座チケット売り場
 みゆき座チケット売り場。「舞台挨拶」と書かれた間に合わせの貼り紙に「完売」「完売」とあるのを、感慨深く眺めてしまいました。
 あんなに"直前君"なのに…「満席の映画館でお迎えしたい」という願いがかなうなんて…。

 午後3時台の回の上映後、舞台挨拶が終わるといったん退場したものの、ロビーに出るとすぐに再入場でき、トイレに行くのがやっとの時間しかありませんでした。この回に駆けつけてくれるはずだった長年の友人二人と、会い損ねて申し訳ないことをしました…(でもトイレは行っておかないと…トホホ)

 さて、今回は上映前の舞台挨拶。最前列の「マスコミ席」の紙が全て取り払われ、熱心なファンで客席の前の方が埋めつくされていた。この回にマスコミが入ると聞かされていたせいか、応援用ボードや、ウチワなどを持参したファンも多く、コンサート並みの華やぎが客席に漂う。さすがに蛍光棒持参の人はいなかった。トニーファンにはこんなふうに華やぐ機会、めったにないんですぅ(泣)。
 nancixらの席は先ほどよりずっと後ろ。そこでトニッキー君は遠慮してしまいこみ、前夜眠れなかったという友人が作ったボードを持つことに。気が付くと、その列を占領した2グループが全員、ボード持ちだったり(笑)。

 マスコミはいないが、関係者はまた左脇の扉付近にたむろしていた。ジャッキー・パンさんと、その子飼いの部下らしい金髪香港女性も見えた。金髪女性がビデオカメラを回していたんだっけ。(おっもしやトニー・レオン公式ファンサイトで、ハイライト動画がアップされるかも?)と思わず期待してしまう。

 今回も司会進行役はふくだ・きょうこさん、前置きはほぼ同じ。通訳も同じサミュエル・周先生。
 「それではお迎えしたいと思います、どうか大きな拍手でお迎えくださいませ。トニー・レオンさんです!」
 さっきよりも黄色い悲鳴が炸裂する。トニーも、客席に知った顔を幾つも見つけたのか、何だかさっきよりリラックスムード。

 「まずは今日、お越しいただきましたファンの皆様に、一言メッセージをお願いします!」とふくださん。
 「大家好!」でまた始めて、言葉を切るトニー。「東京にやって来て皆さんに会えて、とてもうれしく思っています。ありがとうございます」。満場、拍手。
 「本当に、ファンの皆様は、待っておりました。今月4日に行われたジャパンプレミア、もう本当に来ていただきたかったんですけれども、次回作の撮影に入られて、お越しいただけませんでした。…しかし、トニーはやって来てくださいました!」 ふくださんの弾んだ声に、また拍手。
 「実は先日のジャパンプレミアの際には、トニーさんはビデオレターで、金城さんと監督にメッセージをいただいたんですけれども、その時のメッセージをご覧になっていない方はおられますか?」とふくださんは客席に聞く。ネットではなく携帯電話ユーザーの数人が手を挙げるが、ふくださんはおかまいなく「あ、いらっしゃらないですよね? いらっしゃったら説明しなきゃいけないんですが。そのときは『がんばってください、僕は撮影しています。でも、ぜひ、日本で、オサケと、オスシをお楽しみくださいね』、とお茶目なメッセージをくださいましたけれども」。

 SUSHI……SAKE……nancix、笑いが止まりません……。

 トニー、すかさず「実はそれは、僕の心の声です」。
 会場、爆笑。
 ふくださん、「トニーさんやってまいりましたよね、東京にね?」
 トニー、はにかみ笑いしながら「ハイ」と小さく答える。「昨夜はさっそく、オスシをいただきました」
 ふくださん、ちっちゃな子供に聞くように「おいしかったですかぁ?」
 トニー、満面の笑顔で小さく「オイシィ…!
 客席、爆笑しつつ温かい拍手。うんうん、よかったよね、苛酷な、灼熱の大地での撮影の合い間に、涼しい日本にオスシ食べに来られて〜!(感涙)

 ふくださん、さらに突っ込む。「そのときに、金城さんがおっしゃっていた一言があるんですけど。『すごく緊張して、トニーの目を見ることができなかったんだよ』と。ホントに(金城さんは)目、見なかったんですか?」ふくださん、さっきまで「トニーさん」だったのが、以後「トニー」に……。
 トニー、「確かにある日、ある場面を撮影していた時には、彼は僕の目を見ないで、すごく緊張していたようなんで、ひょっとしたら、あまりお互いによく知らないからでしょうかと。あるいは、ヘンな噂を色々聞いたからかもしれないと」。
 ト、ト、トニー、ヘンな噂って、ヘンな噂って、えっえっ自分で墓穴掘らないでよー(汗)。誰も金城クンの「阿頭…」という呼び方が甘ーーーーーい(はあと)とか、阿頭と阿邦は現役時代は、さぞかしどんな美人女刑事も割り込めないほどのお似合いコンビだっただろうとか、そんなこと言ってないからーっっ(言ってるじゃないか)
 「まあ、たとえば僕の目が放電してるとか、殺死人(眼力で殺せる)とか、あるいは人を惑わす(眼力がある)とか…そんなことは一切、ありません。今の僕を見てどう思います? 怖い?」

 客席で「[青見]仔呀ロ馬ー(れんちゃいあまー=ハンサムだわよ)」と、広東語でうっとり呟くファンもあり。

 ふくださん「でも、惑わされそうですよねー?」

 ハイ、ハイ、女でも男でも、あんなにじっじぃぃぃーーっと強く見つめたら、トニー…自分ではそんな気なくても、惑っちゃう人がいるの! ここに!
 トニー「そんなことは、ありません…考えたこともありません(自分で噴き出す)」
 金城クンを惑わそうと考えたこともない、ってことー? シュミは変えてないのねー?
>>金城クンとの話も含め続きを読む
posted by nancix at 23:56 | Comment(10) | TrackBack(0) | 「傷城」特集

舞台挨拶日比谷1回目

みゆき座正面
 日比谷シャンテ前から見た、みゆき座。
 階段を下りた突き当たりに、もう某テレビ局主導の映画看板がすでにあったんですが、トニーも目にしただろうか。かつての「2046」共演者、ご無沙汰だけど頑張ってるなと思っただろうか…?

 会場内での一般客の写真はNG、携帯電話もカメラも全てかばんにしまってほしい、でないとスタートできない、もしも撮影しているのを見つけたらその場で中止!と言われたので、トニー・レオン緊急来日舞台挨拶の画像は「ブロコリニュース」他でお楽しみください。ちぇ……フラッシュ無しでも、シャッター音無しでも、ダメ? 「トニーの綺麗なおめめ」が眩まないように、赤くならないように気をつけるのに…アイコラになんて使わないのに…(泣)
 
 マスコミがいない時のトニー、すっごくすっごく可愛い仕草をしてたのです。唇に無意識に人差し指を当てる、両手を口のそばに置く…退場寸前に、言葉無しで(映画見てね映画!)とばかりに、背にしたスクリーンを人差し指でくいくいっと指す……こ、こ、こ、こ、この仕草を記録できないなんて、なんて殺生な! 世界中のトニーファンに見せたい〜!と心の中で煩悶するばかりでした。
 
 はい、では落ち着いて、ていうかあきらめて、
 日比谷みゆき座での第1回目・トニー・レオン舞台挨拶レポートです。
 午後3時55分からの回の上映は、やたら予告編が多かった。きっとこれで時間稼ぎして、トニーの横浜からの到着が遅れても大丈夫なようにしてたんでしょうね。
 さて、実は午後6時台の回にマスコミを入れて写真撮影などがあると聞いていたのに、午後3時台の回に入場してみると、最前列の背もたれにすべて「マスコミ席」という紙が張ってありました。あれれ…。
 そして上映終了後、わらわらと取材の皆さんが入ってきました。ええっ…最前列だけでは足りない人数です。左右の通路に溢れ返り、まだ足りない始末。しかも、言葉がどうも日本語ではない…。
 女性司会の方は「ふくだ・きょうこ」さんと聞こえましたが、フリーのアナウンサーでしょうか。正直言って彼女のナイス突っ込みに内心拍手するところも、ヒヤリとするところも。
 「傷だらけの男たち」は全国79館で公開中、大反響をいただいていて、そのヒットを記念して、主演のトニー・レオンさんの来日が急遽決定したこと、が紹介されます。
 
 司会の隣に、はい、ナイスミドルの人気通訳、サミュエル・周先生(はぁと)です。nancix内心大喜び。トニーも気心の知れた周先生となら、リラックスして話してくれるだろうと思えたからです。
 ただし「マダム・チャンの日記」によると、やはりあまりにも急な来日だったため、周先生はいったん断ったとか…仕方なく先約の仕事をマダムに依頼してまで、トニーに付いてくれたんですね…。ほんとに「直前君」には、ゆかりのある皆が振り回されてたわけだ……。

 今回、周先生は司会者にぴったり付き、マイクを持つトニーを舞台中央に置いて離れる魂胆と見ました。いやーん先生、もっとトニーと寄り添ってあげてくださいよぉ。
 
 司会のふくださんが「大きな拍手でお迎えください」と盛り上げてくれ、いよいよトニーが登場です! おおっ左脇の扉のあたりに何人も関係者がいて、その中には香港からわざわざお越しのプロジェクトハウス(ジェットトーン澤東電影公司のタレントマネージメント子会社)代表、ジャッキー・パン女史の姿も! 柔和な笑みを浮かべて、満席の客席を眺めておられました。

 報道陣のフラッシュの雨の中、トニーは悠然と笑みを浮かべています。7年前の「花様年華」in突然大阪テアトル梅田の時は視線がうろうろとさまよい、見ている方が落ち着かなかったものですが、さすがに場慣れしたんだなあ。オトコノコの成長って、微笑ましくも頼もしいなあ(こらこら)。
 
 客席の歓声と拍手のなか、トニーの第一声は「ハロー」でした!
 
 ホントに「僕も日本のファンにハローと言いたいんだ」という自身のメッセージを実現したよ、この人…(感涙)。
 
 「まず、みなさんに一言メッセージをお願いします」と司会のふくださんにうながされ、トニー、マイクを握り直す。広東語で「大家好!」と始めました。ジャッキーさんら香港組と合流して、旧知の仲の周先生を得て、すっかり頭が広東語モードに切り替わったのでしょうね。
 「日本の皆さんこんばんわ、お会いできて本当にうれしいです」。

 「ホントに(その)一言ですか?」とふくださんが突っ込み、場内は温かい笑いに包まれます。トニー、はにかんで「ええと、これからもこんな機会がもっとあるように、そうすると皆さんと…ええと……面と向かって、コミュニケーションが取れるようにしたいと希望します」。

 うーん…国際フォーラムや六本木アリーナでの、大々的なジャパンプレミアでは観客一人ひとりの顔が見えないから、嫌なんだろうか…その時はその時で立派に振る舞える人なのになあ。
 ここで報道陣にも、後ほどフォトセッションの時間を設けるから撮影を中止するように言われ、「通訳はサミュエル・周さんです」と紹介がある。場内から大きな拍手。ふくださん思わず「サミュエルさんも人気者ですねえ」。場内、笑い。そりゃそうですよ、トニーファンだけでなく中華圏映画ファンでサミュエルさんを知らない人はほとんどいないはず。周先生、思わず(いやそんなわけじゃ)とばかりに手を振って照れる。……あれ? いつのまにか、トニーが周先生のそばにじりじりと移動してないか? なついてるよ、また……(苦笑)。
 
 ここで4日のジャパンプレミアに参加を切望していたのに、残念ながら次回作の撮影のために(だからそこで「赤壁」のタイトルを出して印象づけるように段取りしましょうよ、エイ○ックスさん!)参加がかなわなかった、と説明が入る。「しかし、トニーさんは改めて今回の来日を実現してくださいました。待ってましたよねえ、皆さん!」と客席へ。
 ええ、ええ、当然ですよーーー! 客席から拍手が湧き起こる。
 「傷だらけの男たち」の”初めての悪役”に、ファンもちょっとびっくりしていると思うが、演じてみての感想は?とふくださん。
 「この種の役は、僕は今までやったことがありません。ずっと前から新しい試みを役の上でやってみたいといつも考えて、いろいろ挑戦しているのです。(今回)実際にやってみたらなかなか……んー…新鮮な感じがしました。皆さんも多分……新鮮な感じを持たれたのではないでしょうか」
 「ファンの皆さんがすごくうなずいておられますが、いまの質問を聞いても(トニーさんは)ずっと笑顔でしたよね。人を殺してしまう悪役のイメージからはすごく遠いんですが、役作りに苦労されたことはありますか?」
 トニー、ちょっと真顔になる。「僕自身は暴力的な男ではないので、やはり人を殴ったり殺したりする時のシーンを撮るときは実は難しかったですね。相手を本当に傷つけたらどうしようと、心配でした。そこで撮影現場では、仏像の頭で人を殴って殺すシーンがあったんですが、その時は、僕はやりません。監督やってくださいと言い、監督の手を撮影しました」(場内、笑い)
 ……まあ、格闘シーンの後でも、自分がのしかかった相手の手を引っぱって起こしてやったり、年長の岳華さん(チャウ周元勝役)だと背中に手を回して、丁寧に抱き起こすトニーですから……(^_^;)
抱き起こしトニー

 「ここでばらしますが、映画の中でもっとも暴力的なシーン、あの手は僕の手じゃないです。アンドリュー・ラウ監督の手です」
 場内、トニーが澄ました顔で監督に犯行をなすり付けるので大笑い、なぜか拍手まで起こる。
 「そのシーンをご覧いただきましたら、その手の違いがわかりますかね? ぜひもう一度皆さんごらんになって確かめてください」とふくださん。
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posted by nancix at 23:55 | Comment(13) | TrackBack(0) | 「傷城」特集

2007年07月18日

上京、そして成田に響いた謎の呼び出し放送 

 徹夜明けして新幹線に飛び乗ったのが、朝7時前。

 ちょうど携帯電話の自動電源オン機能が働き、午前7時にウェイクアップした途端、飛び込んできた携帯メールが4通ですよ(^_^;)
 それから19日午前0時までに、受け取った携帯メールが51通、グループ送信を含む送信が45通。
 日比谷みゆき座とTOHOシネマズららぽーと横浜の舞台挨拶チケットの融通、
 ダブって取ってしまったという人との確認、ほしい人との橋渡し、チケット受け渡しの相談、
 トニーファンじゃないけど生トニーに興味を示しそうな香港映画ファンや香港4大天王ファンへの連絡、横浜に空席あるから行ってくれるようにの依頼哀願、
 ぴあネット購入にもファミリーマートのデジポケ購入にも慣れていない人へのチケット発券指南(nancix、デジポケは大阪での東京国際映画祭アジアの風上映会の時に発券したことしか経験無いんですが…)、
 東京駅に着いてからはトニーファン仲間と落ち合い、
 明日の相談、日比谷できちんと映画を見て舞台挨拶を見るならやはりその前のららぽーと横浜からの移動は難しいと判明した交通手段やダイヤの確認、連絡回し、明日上京予定の関西ファンの宿泊相談、
 いやもう携帯電話フル稼働で、無我夢中で一日が過ぎました。

 7月1日にトニー来日に備えて携帯電話の機種変更しておいて、よかったなあ。
 以前の機種だとあっという間にバッテリー切れだったし、パンクしてたかも。
 
 ハイ、病院ベンチに座って、告白します。
 実をいうと、いてもたってもいられなくて、休暇も急遽2日取れたのもあって、成田空港に行ってしまいました……。
 ハイ、おばかです。トニーの来日に、頭に血が上ってます。アホです。
 
 他にも大勢来てるのかな、通る旅行客の邪魔にならないよう人員整理しなきゃいけないかも、と心配しながら正午過ぎに第2ターミナルに到着してみると……。
 あれ? それらしき女性たちがいない…脇のベンチにお花抱えて、トニーファン仲間たち数人がいるだけ。
 (閉鎖的な取り巻きだの何だのではなく、あくまで対等に助け合ってファンしてる仲間なので、誤解なきように)
 彼女たちの情報によると、北京や上海からの便が軒並み、遅延しているそうな。
 あらかじめ調べておいた北京-成田直行便はJALが3便、ANAが5便(共同運航含む)。さすがに中華系航空会社は使わないと思う…。

 確率の高いのはファーストクラスがある、13時55分のJALだけど…。

 で、今の成田には第1ターミナルと第2ターミナルがあるんですよね。朝イチバンの便って、ほぼ同時に第1と第2のターミナルに到着するのです。
 あまりに他のファンもいないし、お迎えらしき日本側スタッフもいないので、心配になってきて、第1ターミナルにもシャトルバスで見に行ったけど、向こうにも別に誰もいない。

 一度はテレビカメラスタッフが到着ゲート傍に数人来て、おおっ!と思ったけど、NHKの報道カメラで、到着した中国人観光客家族の引きの絵を撮ってただけみたい。

 お迎えの日本側スタッフも、誰もいない〜?
 いかにも業界風スーツ姿で携帯で「飛行機遅れてるんです。待たせてるクルマ、どうしましょう?」と指示を仰いでるにーちゃんが一人いて、もしや?と仲間の一人が何食わぬ顔で張り付いて外まで行ったけど「固有名詞一切言わなかったから、お迎えかどうかわからない…」と戻ってきた。張り込みの刑事かい。私らは。
 その後もまた別の業界風イタリアンスーツ姿のにーちゃんが携帯で「いえ、これには乗ってないです! 後の便になるとか、何か連絡なかったすか?」と指示を仰いでいるのも、目撃した。
 ネームプレートを持って待ってる人も多く、ラテン系の名前でも(偽名で暗号にして、落ち合う算段か?)と疑惑の目を向けてしまう。
 
 午後2時半頃、数便分の搭乗客が団子になって出てくるのも一段落したので、仕方なく遅い昼食をコンビニおにぎりで、ベンチに座って食べた。なんせ7時過ぎに新幹線内でサンドイッチと缶コーヒーで朝食済ませただけなので、空腹なはずなのにいまいち何も感じない。
 で、食後に移動中「あれ? いまお呼び出しの放送で、○○便でお越しのミスタートニー・レオン〜と英語で言わなかった?」と2人の仲間が気がついた。
 え? そんなこと言ったっけ?
 お迎えの人が、まさか呼び出しかけたりしないよねえ、それとも一般の旅行客で、偶然同名の華人が?と笑って、到着ゲートでまた出てくる人、出てくる人の顔を注視。
 パンダサングラス? 普通のまま?と、立ったまま午後5時半まで待ちましたよ。
 ……これはと思った便にも、それらしい人影はなく。
 後は午後6時台から後に到着するはずの4便分だけだなー…こんなに遅くなったら、今夜はトニー、お寿司食べられないよ…ホテルにチェックインして、疲れて寝るだけ?と内心涙してたんですが。
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posted by nancix at 23:55 | Comment(7) | TrackBack(0) | 「傷城」特集

2007年07月17日

ららぽーと横浜を満席に!

 ……だから、人が定時で出勤した後に…こんな…。中華ニュースサイト巡回はしても、Yahoo!ニュースまではチェックしてなくて…。
 盲点を突かれた〜!

 出し抜きは止めてよ…まだ仕事放り出してクビになるわけにはいかないのよ…。
 でもトニー・レオンのファンである限り、"直前君"に振り回されるのは運命なのよーーー!

 公式サイトのNEWSページで珍しくもいち早く告知された通り、
 7月19日、トニー・レオン梁朝偉、緊急来日&舞台挨拶です。
 金城君は、邦画撮影があるから無理じゃないのかな? 無理むり。多分。だからトニーファンに座席指定券譲って。

 日比谷のみゆき座、午後3時55分終了後と午後6時35分上映前の舞台挨拶有り、確認取れてます。しかし各回、チケットぴあで取れる残席はあとほんの少し。後は直接、映画館窓口に行って座席指定券をGETするしか。

 TOHOシネマズららぽーと横浜の午後2時の回直後に舞台挨拶有りの予定で、全401席の大きさなのに、
 本日12時15分の段階で、19日14時〜16時15分の回は前3列と中央少し、計73席ほどしか埋まっていません!
 と心配してたら本日14時には全席埋まった…と思ったら、次の16時半の回だった!_| ̄|○ 座席の埋まり具合、まだ半分だ……。
 ぎゃーー、アタシのせい? アタシが仕事と携帯メールやりとりと携帯で打ち合わせとネット検索の同時進行で完全に呆けてて14時と午後4時を見間違えて書いたせいなの? ガガーーーン。

 せっかく「赤壁」ジョン・ウー監督と撮影スタッフに頭下げて?、
 車酔いしながら4時間かけて北京に戻って、
 飛行機降りて成田から都心に、また車酔いでぐったりしてまで来日して、
 翌日?には横浜〜日比谷移動を敢行してまた車酔いに苦しみ、でも日本の随行員に悪いから平気なふりをし、
 日比谷挨拶の後は取材取材取材取材…で苦手な「初対面の人たち」と会う難行苦行に耐えるの覚悟で、
 わざわざファンへの責任を果たそうとする直前君…いや香港娯楽影視大使を、ガラガラの映画館で迎えてよいのか! よいわけがなーーい!

 (でも、横浜で午後4時15分からの舞台挨拶見て、日比谷にタクシー飛ばして映画観ずに強引に入場なんて真似、映画ファンのはしくれとして絶対できない! 横浜か日比谷、どっちかでトニーの元気な顔を見られればいいのだ!くくくぅ…分身の術使いたい! 一人は我が家のブラックホールの整理整頓、一人は表稼業でおまんま代稼ぎ、一人はトニーについて香港映画について書きまくり、一人は舞台挨拶……いやみんな生トニーにとびつくよなぁ…)


 なお、来日舞台挨拶は決定しているが、往復何時にどこから何便などの詳細は、まだ…本日中に決まるらしく…(おーーーい……直前くーーーん…大丈夫かぁぁぁ。意識もうろうとなって韓国行きの便に乗ったりするなよぉぉぉ)。
posted by nancix at 12:32 | Comment(20) | TrackBack(2) | 「傷城」特集

2007年07月16日

新潟県中越沖地震に…

 何年たとうが、被災の日々の記憶が甦るものなんだなあ…。

 当時は生きるのに、日々の暮らしをたてていくことに無我夢中だったので、無意識に切り捨てていたモノもあったのに。

 新潟県中越沖地震の被災者の皆様、被災者の親族友人の皆様のご心痛を思い、心からお見舞い申し上げます…。

 今はね、しょっちゅう揺れていて、永遠にまた、またまた揺れるかに思える大地も、いつかは揺れなくなる。これ断言します。
 "地底を龍が通り過ぎて行く"、そんなつもりになって、余震を恐れすぎないで。阪神・淡路大震災の時も、スポーツ紙やテレビが大々的に「震度6強の余震襲来の恐れも」と報じたので、真剣に神戸脱出も考えたけど、結局それほど強烈なのは来なかったから。

 当初は(神戸市○○区だけこんなことになったのかよートホホ〜)と情けない思いをしたり、自分達が「被災者」と呼ばれることに(え? 被災者なんですか? 被災者なんですね?)とすっごく違和感と、隔絶した複雑な思いを抱いたnancixですが(日本語変だ…湯上りのフォアローゼス加氷片のせいか…)。ええと、とにかく新潟&長野の皆さん、あなた方は孤絶してなんかいませんから。世界はあなた方と密接に繋がってますから。どんな困難が立ちはだかっているように思えても、お気を落としすぎないで。1つずつ、行政や各地から駆けつけてるはずの災害ボランティアの皆さんの智恵も借りて、解決していきましょう…と伝えたくても被災地にはネット閲覧の方法がないかもしれないので、口頭でどなたかお伝えください。

 岡山に本部があるNGO・国際医療ボランティア組織のAMDAからも早速、介護福祉士と調整員の皆さんが駆けつけておられるし。
 ここはねえ、阪神・淡路大震災の時に車で何10時間もかけて駆けつけて、地元の医療機関の態勢が整うまで緊急救援プロジェクトを実施してくれた頼もしいボランティア組織なのです。(明日にでも郵便振替での募金の手続きしに行こう…)

 127もの中国語サイト(ソースはgoogle検索)が「日本中部地區新潟縣16日上午發生的[草かんむり+丙]氏6.8級強烈地震」と伝えてますから。「來自中國駐日本大使館的消息説,沒有中國公民在地震中受傷。」なんだそうですから。(って、世界=中華圏かいっっ)
 ん? 新潟県と長野県は中部地区か? 中部というと名古屋あたりではないのか? 中部国際空港/セントレアもあるんだし。

 まあとにかく、ちょっと大阪梅田に買い物に出て、帰りに「傷だらけの男たち」映画館に…と思ったら、JR神戸線は余震で全線止まってるわあおりを食らって並行して走ってる阪神阪急は満員だわ、阪神特急は甲子園に応援に行くらしい法被姿にカンフーバット(2本の細いバットで、メガホンより小さい応援アイテム)手持ちのトラキチだらけで暑苦しいわで、映画館行きは中止して荷物抱えてしょぼり〜んと帰ったことでした。
 
 
posted by nancix at 23:55 | Comment(3) | TrackBack(0) | 日々のこと。

2007年07月13日

「傷だらけの男たち」カイコの繭と牛の角の話。

 本日は、職場の帰りに広東語教室。映画鑑賞はお休み。

 今回は、映画館でメモした「傷だらけの男たち」の広東語セリフノートを持参し、先生に解説してもらう。
 今年4月頃に香港版DVDで「傷城」を鑑賞して、謎のストーカーの正体が解らなかったと言ってた先生、nancixのミニノートを見て「えっ、映画館でメモしたの?」といささか呆れる(^_^;)
 いやもう…耳でセリフ聞いて字幕を書いて家で発音して、それでも覚えられない鳥頭なもんですから…。

 今回、最も教えてほしかったのは、トニーの「チャウシーモッカー」。
 2003年クリスマスイブの夜〜クリスマスに、あのタパス「Scirocco」で金城クンの恋の悩みを聞いているうちに、口走った単語ですのだ。
 先生、「おそらくチャウシーモッカン、だなあ」と、すらすら漢字で書いてくれた。
 「抽絲剥繭」。言文不一致の広東語では、口語ではなく文語だそうだ。
 さすが大卒キャリアの阿頭、文語もすらすら引用できるほど頭いいのだ。

抽糸剥繭

 生糸を取る時は、せっかく蚕(カイコ)が3日ぐらいかけて作った繭から一本の糸を引っ張り出し、繭を解体するようにして解きほぐしていくものだ。カイコが糸を吐く口は1個しかないので、あのまあるい繭は最初から最後までつながった長い1本の糸でできているらしい。滋賀県を外回りしているときに、絹糸を使った小さな工場を見学させていただき、いろいろと教えていただいたなあ。
  「抽絲剥繭」はその繭をほぐして糸を取る行為から来た、常套句なのか。
 
 在抽絲剥繭的調査過程中,意外地在塵封已久的當案紀録中有了重大的發現!なんてときに使う。日本でも「もつれた糸をほぐすように、事件の謎を解き明かしていく」なんて常套句みたいに使うよね。
 中文字幕だと「真要花很多時間抽絲剥繭、才能找到兇手…」。
 本当に長い時間をかけて繭から糸を引き出すようにしてやっと、(事件の)犯人を探し出せる…。
 という意味なのかな。

 思えば、世界で初めて養蚕が行われたのは中国で、日本に養蚕技術が伝わったのは弥生中期後半といわれ、中国大陸から朝鮮の楽浪を経て伝わった、、あるいは倭人の先祖が中国の江南地方から日本列島へ移住した時、稲作とともに伝わったとか言われているそうなので、中国人がもののたとえに養蚕に関する言葉を使っても、おかしくないんだよねえ。あの秦の始皇帝に蓬莱に行って不老不死の妙薬を探すからと言って、若い男女を引き連れ日本列島?に来た徐福も、養蚕技術を携えて来たんだっけなあ。

 香港では、養蚕農家って昔はあったのかなあ…中国大陸からの輸入だけ?

 もう一つ、同じテラスで阿頭が阿邦に話すのが「這様不會鑽牛角尖ロ麻」というセリフ。
 「そんなふうに深刻に思い詰めることないだろ…」というふうに訳したらいいのかな。
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posted by nancix at 23:55 | Comment(2) | TrackBack(0) | 「傷城」特集

「傷だらけの男たち」トニーの腕時計

 そんなわけで、Oちゃんに指摘を受けた「阿頭の腕時計」がこれ。
 金属ベルトがこれで、
腕時計01

 文字盤がこちら。
腕時計02

 うーーむ、これだけではフランク・ミュラーのものなのかどうかワカリマセン…。
posted by nancix at 07:33 | Comment(4) | TrackBack(0) | 「傷城」特集

2007年07月12日

酔いどれ女二人で「傷だらけの男たち」鑑賞

 仕事帰りに親友のOちゃんと待ち合わせている本日に限って、携帯電話を自宅に忘れた……_| ̄|○

 一日中、落ちつかないったら。
 昼休みに念のために公衆電話からOちゃんに連絡し、たとえ電車が遅れても何でもとにかく19時に神戸三宮のいつもの場所で待ち合わせて!と頼んだ。

 何とか間に合いましたとも。

 コンビニでOちゃんがウイスキー水割缶、nancixが宝焼酎ハイボール(竹野内豊、そろそろドラマに出て来ないかな…)を購入。
 本日の神戸三宮シネフェニックス、またも観客15人〜〜〜!

 ……_| ̄|○

 一応、トニーと金城クンが出てるというだけで予備知識ゼロのOちゃんには「あのー、エグいバイオレンスシーンもあるから、目をつぶって耐えてね」と宣言しておいたのだけど「え? どれくらい? 私、『羊たちの沈黙』ほど怖くなかったら大丈夫だよ」と言われて、返答に詰まった……。
 「ええと…その…茶羽ゴキちゃんをスリッパで叩き潰して、まだ生きてるかな?と確かめるよーな冷酷トニーさんと、一家皆殺しシーンがあるけど、その…」と言ってるうちに予告編が始まってしまった。

 ……一応、殴殺シーンはOちゃん大丈夫だったみたいだけど、阿邦がお姫様抱っこして必死に病院内を走るシーンで、昔むかしに恋人を突然の心臓発作で喪ったOちゃんは、そっと涙ぐんでいたみたいだ……。
 ごめん、Oちゃん……。トラウマに来ちゃうとは、思わなかったんだよ…_| ̄|○
 黙って、気づかないふりをするのも友情さ……。

 今回気が付いたこと。
 謎のストーカーの正体を突き止めるべく、コンビニの監視カメラの映像を提出させて、バックヤードか倉庫かで見入るトニーの背後に、日本ペリカン便の袋が!
トニーの背後にペリカン便

 すごいなあ、香港のコンビニって。日本からも直接荷物取り寄せてるんだー(んなわけはない)。

 今回はちゃーーーんとエンディングテーマ(2番まで流してたんだなあ…初めて気が付いた)が終わるまで館内を動かず、映画館を出て二人で山の手の和食ダイニングへ。
 改めて、生ビールと焼酎お湯割りで乾杯!

 「うーんとね、面白かったけどね、眼鏡かけたトニーってほら、あの人に似てない? あの…ヤッシーに」

 ヤッシー……?

 それはもしや、『古畑任三郎』『トリビアの泉〜』『NHK英語でしゃべらナイト』で一般的に知られた、俳優の八嶋智人(やしま・のりと)のことかなぁ?
 「うんそうそう、八嶋さん♪」

 ………首をブンブン、横に振った。
 「似てない! そりゃ金城クンの隣にいるとトニーさん小柄に見えるけど、身長164cmのヤッシーほどじゃなーい!」
 「そうかなあ、似てたよぉ〜? ヤッシーって、時々ああいうスタンドカラーのジャケット着てるじゃない?」

 ………_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○

 トニーが着てたあれは腐っても丈直ししてても肩幅つまんでても、ジョルジオ・アルマーニなんだぁぁぁあ!

 い、いいんだ。立ち直れる、絶対大丈夫。そりゃ八嶋さんだっていい役者だと思うけど、いやとにかく似てないんだから、似てないにてないにてない…。

 「でもやっぱりトニーさん、演技上手いよぉ」

 ありがとうOちゃん。演劇通で、市村正親、滝田栄、鹿賀丈史、真田広之、劇団四季の皆さんの名演を見てきたあーたにそう言われると、ファンとして鼻が高いわ。
 でも年間12万円は観劇代に費やしてるあーたが、なぜ今は大泉"ネズミ男"洋とTEAM NACSに、札幌と東京に同じ舞台を観劇に行くほどハマっているのか、nancixにはイマイチ理解しがたいのだけど。まあ、こちとらも人に理解されない、偏り過ぎた趣味なんだけどさ…。

 「金城クンはねえ、サワヤカでキレイすぎだよね。酔っ払い探偵役だったらもっとヨゴヨゴしててもいいんじゃないかなあ」
 ……うーん、一応無精ひげ生やして、せっかくのアルマーニのジャンパーもスタッフが踏んでふんで車で轢いて(嘘)、あえてよれよれにしてるんだけどねえ。金城クン、とにかく目が澄んでて色っぽいからねえ。

 「あー、そういえば、トニーの腕時計ってフランク・ミュラーだったよね? 私、エンディングのところでディーゼルのロゴ見て、ディーゼルのかしらと思ったけど、もっと高級そうな腕時計だったもん」
 おお? それは気づかなかったぞ。そうかぁ、「インファナル・アフェア」シリーズでも香港の腕時計店「九龍[金表]行」の協力で、ドイツ・ミュンヘンに本社を構えるクロノスイスChronoswissのTORA CH1323Mをトニーとアンソニー・ウォンにはめさせてたスタッフだから、今回もスイスの高級時計を提供してもらうことも、ありえるかもなあ。そういえば今回もトニーは右手首に腕時計してたんだよなあ。でもディーゼルって、何の協力企業だったんだろう? バーやパブのインテリア? スー・チーの私服?
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2007年07月11日

「傷だらけの男たち」やっと迎えた初レディースデー

 そんなわけで「傷だらけの男たち」でも、映画館10回通いのノルマを着実にこなしているnancixですが、
 さすがに帰宅してそのまま寝床に直行バタンキューでは、頭髪が、全身が臭くなり着替えに困るので(スー・チーでいいからメイドとしてよこしてください…)、昨日は洗濯デーに充てました。
 「羊たちの沈黙」の原作小説のクラリスのように、洗濯機にもたれて寝入りそうになったり(^_^;)

 そして本日は、初日に続いて大阪OS劇場で鑑賞です。
 何とか踏ん張って残業を5分で終わらせ、パン買って映画館の階段に向かうと、おおっ! 行列が!
 本日、「傷だらけの男たち」がやっと迎えた、レディース・デーだったんだーー。

 ホクホクしながらも、座席指定券との引き換えが予告編上映に間に合うかハラハラしてたら、どうも同じ時間に始まる「あるスキャンダルの覚え書き」の観客も並んでいるらしいと気づき、ちょっとガッカリ。
 座席指定する順番がやっと来たけど、250円もする発泡酒を買うしか、もはや時間なかったぞ。
 ビールを飲むと…ビールを飲むと僕は……どうなるんだっけ、阿邦?

 何とか上映に間に合い、場内に入ると、おおっ! 前から3列目以外はすべて満席だ!
 さすがは関西のメイン館!! ていうか、君たちが初日と2日目にもここに来てくれてたらーーー!


 今回は、いろんな「阿頭」の笑顔に注目。
 無邪気な笑顔、含みのある笑顔、ほくそ笑み、口角を片方だけ上げるフフン笑い、翳りのある笑顔……そして謎めいた笑顔…。

婿殿と舅
 婿殿として、初対面の舅にはあくまで無邪気に、好青年らしく。

カメラ目線 
 カメラを向けられれば、お茶目に小首傾げてカメラ目線でニパッ。
 ファンがケータイ向けてもそんな顔しないくせにぃぃぃ。やればできるんじゃん?

後輩そっちのけ夫妻
 後輩そっちのけで指絡ませて微笑み交わす新婚夫婦。エッチだ…。

犯行直後
 凶行直後なのに、何ですかその包み込むような微笑は。

ごはん〜
 「ごはん食べよ♪」と、スープ&白ご飯に、自分がさっと炒め物したおかず2皿並べてニッコリ。(nancixも食べたい〜何入れられててもいい〜!)


ほら吹きチョイ登場寸前
 愛人ネタで部下をたらしこんで捜査関連書類を出させておいて、このフフン笑顔。人の悪いったら。

金城クンへ誘惑視線
 ついでに阿邦に、上目遣いの誘惑視線。ええ、金城クンが「目を合わせられない…」とボヤくはずです。金城クン、トヨエツともアンディともジェット・リーともジャッキー・チュンともアーロン・クォックとも共演してきたくせに、そんなボヤキを初めて聞いたわ。

プーさんと悪戯っ子
 プーさんとイタズラっ子。妙に似合うじゃねーかプーさんと!

邪悪なふくみ笑い
 もちろん、邪悪な含み笑いをしろと言われればやりますよ、片目だけからも涙流せるボクですから〜。

乾杯〜
 放火事件後にとりあえず高級ホテルに居を移して、
 疑い深い女房寝かせて「やっと二人きりになれたね♪」
 かんぱーい。

ボク知んないよ
 え? 第3の男? オーソン・ウェルズ? ボク知んないよ。

くふっ☆
 あれ、新カノが絡まれて、珍しく阿邦がキレそう? 
 面白くなって来た、くふっ☆

間接キッスの僕ら〜
 僕を疑ったって? 間接キッスの仲の僕らだもの〜許すよそりゃあ。
 飲酒運転なんて、職権でもみ消すさっっ。

新しいパンツ欲しいよ
 (変わったね、阿邦…)
 どうして介護生活の真っ最中に、後輩のためにそんな風に温かく微笑めますかアナタという人はアナタという人はっっ。

正体暴露〜
 (とうとう真相に到達したね。ふふん。これが僕の正体さ…)とは言わなかったけれど。

 やっぱりトニー、上手いよ……。
 ヤンの、隠し持ったナイフの刃先をギラリと光らせるような笑みも凄みがあってよかったけれど、
 今回はあくまでも表面はソフトリー。抑えておさえて、抑制を効かせてる。
 この演技メソッドが高く評価されるのは、パッション全開!で評価される香港台湾ではなく日本だと思うんだけど、どうよ。

 で、鑑賞後。
 エンディングテーマ曲のイントロでもう、席を立つ女性多し。

 ま、終電・終バスの都合もありますでしょうし。

 ロビーに出たら「パンフレット売り切れです。入荷未定」と張り紙がしてあった。
 おのれ、配給会社ーーー! もっと部数刷らないと!!! 金城ファンを見くびるにもほどがあるーー! (あえてトニーファンとは申しません…どうせ少数派なんだし…「中国広東省出身」「非情城市」って書いてるパンフなんて、1冊あったらいいんだもーん)

 トイレで並んでたら、前の方のおねーさんが声高に「金城武のための映画やったなぁー」と話していた。

 ………_| ̄|○

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2007年07月09日

三宮シネフェニックスで「傷だらけの男たち」鑑賞

 さて「傷だらけの男たち/傷城」でも、「2046」「インファナル・アフェア」に続いて"映画館10回通い"のノルマを着々と果たしているところであります。
 「試写会で見て、あとは香港版(中国版)DVD見ればいいんだもーん」では、いつまでたっても中華圏映画は日本で市民権を得られないのよ…。
三宮シネフェニックス070709
 今夜は神戸・三宮シネフェニックスの最終回。ここは自由席なので、ギリギリに飛び込んでも大丈夫さっ。
 併映は「女帝(エンペラー)/夜宴」。……ははは、これこそ香港版DVD取り寄せたんで、映画館鑑賞してないや…。

 で、「傷ついた男たち」の観客、10人……_| ̄|○。

 ここで初めて、アンドリュー・ラウ監督最新作の「消えた天使」予告編を見られた。
 「インファナル・アフェアシリーズの鬼才、アンドリュー・ラウ」
 ………鬼才、ですか。そうですか。大辞林では「人間とは思われぬほどのすぐれた才能。また、その才能をもつ人」という意味だけど、何となく、正統派じゃないってことかなぁ〜って気が。
 リチャード・ギアの老いが余すところなく映し出されているような…気がかり。変質者展覧会っていう気もする。小説だとどんな血生臭い、凄惨な場面でも「ふーーん」で済むnancixですが、映像はなぁ…。

 さて、今夜はウイスキーで泣き上戸になるのを避けて、缶のカクテルパートナーエキゾチック・ナイトとカスクートが映画鑑賞のお供ですよ! 飲みにくくなんかないけど美味いです、阿頭!

 今回はヘイこと阿頭と、ポンこと阿邦の心の交流がしみじみと心に残る。介護生活(やはり警察は休職ですか)に没頭する阿頭に、ファーストフードだけど食事を持参し、黙って横にいてくれる阿邦の男らしい、不器用な優しさ。

 ラスト、二人が飲んでいるのが白ワイン(発泡してたっけ…シャンパン?)であって、チャウ周元勝のビクトリアピーク太平山頂の豪邸のワインセラーにあった高級そうな赤ワインではないことに、今更ながら気づいた。
 香港の映画館で見た時は、完全に「あの場所がチャウ周元勝の豪邸で、遺産相続人がいなくなって阿頭の遺言でか阿邦が受け継いで、二人が阿頭夫妻の葬儀を終えて(もちろん阿頭の犯した罪には堅く口を閉ざして)、豪邸のバルコニーでワインで乾杯しているのか!」と驚いたんだけど、全然背後の風景がビクトリアピークから見下ろす風景と違ってましたね。誤解してすまない、阿邦&フォン細鳳。
 
 やっぱり体格差はあれども、金城武の起用は正解だったんじゃないかなあ。レオン・ライがあんなに切ない、優しい、無垢な瞳でトニーを見るとは思えないし…。この作品での金城クンに、ご主人様の指令を待ちわびて足元にまとわりつく、じゃれかかったらご主人様を押し倒してしまいかねないほど大きめのムクムクとしたワンちゃんをどうしても思い浮かべてしまうnancixを、どうか許してくだされ。

 その阿邦に向かって、平然と笑顔を向けて嘘をつく、阿頭の業の深さよ…。

 ええ、テルちゃんこと暉峻創三先生、キネマ旬報7月下旬号読みましたけど、やはりnancixはあえて異を唱えますわ。「恋する惑星」と「インファナル・アフェア」を足して凌駕するなんてこと、少なくともずっと若い世代のアラン・マック麥兆輝とフェリックス・チョン荘文強はてんで考えてない。いいかげん香港映画史では傍流に過ぎない、香港人があんまり映画館で見てない=客入りが悪くて打ち切りの多かった王家衛作品の呪縛から、香港人を解放して観点を変えてみようよ。メインストリームはいつでも、大衆(特に若者)をワクワクさせ、広く支持されたアンドリュー・ラウの娯楽作のほうだったんだから。
 「何が犯人をそのような行為に至らしめたのか」に関心を集中させるだけではなく「真相を追及し全容を相手にぶつけることによって、兄弟以上に堅く結びついた二人の男の関係にどんな化学反応が生じるか」が本作のサスペンスのかなめなのだ。

 いや、真相をぶつけるのかぶつけないのか、いつどんな形でぶつけるのか、それによって二人は対決の時を迎えるのか、裏切られた思いに苦しむのか、告発するのか、捕まえるのか捕まえられるのか…いっそ殺し合うのか…?

 観客は早い時点で犯人を悟ってから、それをハラハラしながら痛ましい思いで見守ることになるのだ。それが香港版のキャッチコピー「知心對手 終極対決」の意味だったのだ。

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2007年07月08日

トニー・レオンは"初の悪役"か?

 今回は、まだ「傷だらけの男たち/傷城」を未見の方は、読まずに放置しておいてください。

 モロにネタバレですから。

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2007年07月07日

「傷だらけの男たち」初日最終回鑑賞

 「傷だらけの男たち」初日も仕事、早出だったので30分早い定時ぴったりで帰れる。
 最終回は午後6時40分から。50分前に、大阪のメイン館、OS劇場に到着して座席指定券と取り替え。「空いているのでどこでもお取りできます」と言われる(涙)。先にパンフレットを買う。
 近くのコンビニでサントリー白角水割の500mlペットボトルを見つける。金城クンになって阿頭を見つめる(はぁと)つもりで購入。
 ケンタッキーで軽く食事を済ませ、600円のパンフレットを眺める。東京で、とある方にいただいたプレスリリースと同様、トニー・レオンのプロフィールが「中国広東省出身」「非情城市」になったまま。

 精一杯トニーの正しいプロフィールと「悲情城市」の正しいタイトルを広めようとしてきたnancixに喧嘩売ってんのかこらーーーー!

 トニーは香港生まれの香港育ち、香港のお茶の間で育てられたテレビ俳優から香港映画界に飛び込んだメイド・イン・ホンコンのシティ・ボーイだーーー!
 ラジオ番組のトークの一部を訂正編集させた金城ファンのおねえさま方を見習って、せめて「赤壁」ではおまえら間違うなよコラー!と抗議のメール&手紙を送るべきか…鼻で笑って無視するか…難しいところだ。トニーファンってこわーい、と風評が立っても、大人しい温厚なほとんどのトニーファンの皆さんに迷惑かかるし…。

 あ、でも坂口さゆりさんと久保真由美さんによるエッセイ2篇はよかったな。やっぱり女性にしかわからんのかもよ、この映画の真髄は。バイオレンス描写がネックで、一般人の友人を誘うにも相手を選ばなければならない辛さはあるけれど。

 上映時間10分前に入場しようと階段を上がっていたら、前の回から出てきたらしいカップルとすれ違い、女の方が「なんや、ややこしくてようわからへんかったなぁ」と言うのが聞こえた…。
 香港の、リピーターらしかったカップルたちの方が、大阪よりも民度が高いのか?

 そして場内に入ると、目の前に広大な空席の海が広がる…あああぁぁ…(ToT)

 金城クン、そしてトニーに合わせて白角水割を口に含んでいると、結構飲めてしまった。
 やはり何度見ても、あのタパス「Scirocco」でウイスキー談義に興じ、「うぁーっ」と目を閉じてみせるトニーの飄々とした演技がナチュラルでたまらなく味がある。しかし、3年前ということは実は劉正煕Sir、すでに生涯をかけたあの計画に着手してたわけなんである…。計画を思いついたのは4年前だと彼は後に言ったのだから。それを知った上でウイスキー談義のくだりを見ると「事件を追うように、女性の心も追ってつかめないはずがない」との人生の先輩としての示唆が、実に恐ろしいWミーニングとなって、観客の胸を詰まらせるのだ…。
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2007年07月06日

おやこんな ところに♪

 ♪おやこんな ところに 夕刊が
 ♪毎日〜毎日〜カラーだわ(はあと)
毎日夕刊

 ♪こんなに アップに しましたよー
毎日夕刊アップ

 ……ちなみに、某ローカル紙では白黒な上に、真横の「それいけ!アンパンマン シャボン玉のプルン」と同じ大きさでした……_| ̄|○

 いやまあ、確かにアンパンマンを必要とする観客もいるさ。PG-12の「傷だらけの男たち」に、幼児連れて行くわけにはいかないもんねえ…。>>続きを読む
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2007年07月05日

日本公開直前プレミアから一夜明けて…

 一夜明けました〜。

 朝5時台からホテルでテレビ番組チェックしてますが、めざましで計3回、プレミア報道を見られた程度。日本テレビは見逃したみたい。
 もうもう羽賀研二&梅宮アンナか、奥菜恵に詳しくなり過ぎそうで自分にうんざりです…。

 記者会見場外で出待ちしていたファン情報では、記者会見で報道陣に1枚のプリントが配布され、トニーは「本日、舞台挨拶を予定しておりました、主演、トニー・レオンは、次回作の撮影延期のために、来日は急遽キャンセルとなりました」との説明が配給会社からあったらしい、そうです。

 今から「日刊スポーツ」と朝食を買いに出ますが、ネットニュースサイトで思わず笑えたのが、オーマイニュースのこちらの記事
 続いて、監督と金城さんには
 「よく働いて、よく遊んで、よくスシ喰って、よく酒を飲んで。プレミア頑張ってね」
 と、笑顔で伝えた。にこやかな表情のトニーに会場にはくすくすと笑い声がこぼれる
 SUSHIーーーー!

 トニー……やっぱり六本木でSUSHI食べたかったんだ……。

 それにしても「中国の悪天候」……?
 暑すぎることを「悪天候」と??

 と首をひねっていたら、たったいま、昨夜のプレミアに入場できたトニーファンの知人からレポート携帯メールが。
 「コンニチハ(以下は英語で日本語字幕付き)。大変残念なのですが、『赤壁』撮影が大雨の影響で押していて、今回はどうしても日本に行けません。ごめんなさい。近いうちにお会いできるのを楽しみにしています」という、微笑でのメッセージ内容だったそうです。

 今回は「コンバンワ」じゃなかったのねー!
 大雨かーー! そりゃ大変だ…。え、いつ録画したの…?
 微笑…ハニカミ微笑? 照れ笑い? トニーの雰囲気は明るかったそうです。
 

 メッセージビデオレター、公式サイトで期間限定でもいいから、公開してくれないかなぁ……と溜息をついていたら、この2ヶ所にアップされてましたー。
 「ライブ台湾」サイト

 「シネマトピックス Online」予告編上映まで含めてるので少し長いけど、トニーの話し声は上よりもややクリアーに聞こえます。

 襟川クロさん……トニーの「私服」センスに、何かご意見でも??
 「すっぴん」って、だってドーラン塗りまくりの演劇人じゃなくて映画俳優なんですけどーーー。

 今日はお台場の写真展を見て、神戸に帰りますー。
posted by nancix at 07:55 | Comment(1) | TrackBack(0) | 「傷城」特集

2007年07月04日

銀座シネスイッチ

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 予定よりも随分、早めに銀座に出てきてしまったんで、久々の銀ブラしてます。
 銀座シネスイッチでは何を上映しているのか、偵察に来てみたら、窓口に「呉清源 極みの棋譜」のチラシを貼ってあり「前売券発売中」とあるのを発見。
 緑の背景と、白文字のタイトルロゴの太明朝系のフォントが清廉だなあ。
 前屈みに碁盤に向かう、古き良き眼鏡男子姿のチャン・チェン張震の黄色系バージョンチラシもあり? 同じチラシの裏面?

 前売券は、関西では使えないよね…。

 その後、雨が強くなってきたので「山野楽器」銀座本店内に避難。地階が「韓流・洋楽・映画・アニメ・童謡・その他」とか何とかになってたので、ムッとしながら階段下りた。
 DVDコーナーで平置きされてる「インファナル・アフェア3部作」廉価版DVDセットを見つけてうんうんとうなずき、「金城武のスクールデイズ」が、いつぞや香港のレイトショーで一人で見た「學校覇王」なんやー!と思い当たって愕然。しかしスクールデイズではなく、続編と銘打ったジミー・リンとの共演学園ものしか置いてなかったので、購入見送り。
 廉価版の「上海から来た女」(白黒の旧作)を発見してとりあえずGETした。
 ……ウォン・カーワイ王家衛英語作品第2弾、結局どうなったんだろうなあ…??
posted by nancix at 11:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日々のこと。

東京メトロのポスター

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 東京メトロの駅通路で、いきなり出くわした「傷だらけの男たち」ポスター。
 横長に三枚貼ってあります。
 大阪市営地下鉄にも神戸市営地下鉄にも貼ってくれ〜〜(ToT)

 日本公開直前プレミア・六本木ヒルズ徹夜組は、すでに首尾よく座席指定券(一般シネコンのと全く同じ)を入手した様子。引き換え開始時間には33グループ(お一人様も1グループに数えて)は並んでいたとかで、皆さんお疲れ様です…金城君が舞台挨拶を終えて去った後、倒れないでね〜〜。
posted by nancix at 10:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日々のこと。

赤坂で読むAERA

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そんなわけで7月3日はblogの奇妙なコメントやトラバを掃除してたら見事に電車に乗り遅れ、
焦ってJR新快速に乗り換えたら接触事故の影響とやらでいつもより20分も遅刻し、
 JRに乗ったことを大後悔しながら仕事して申し訳程度に残業して帰宅し、
 10年選手のレスポショルダーバッグに荷物ぽいぽい放り込んで飛び出したら、品川駅に停まる最終ののぞみにしか乗れませんでした。
 新幹線内でヘルシー弁当食べて、日付が変わってから赤坂の安宿にチェックインですよ…。
 宿代は安いけど、携帯電話の充電器忘れたんでコンビニで家庭用コンセント接続ACアダプタを買ったら1880円もした(ToT)

 ところで空いてる新幹線内で、アンドリュー・ラウ劉偉強監督表紙の雑誌「AERA」7月9日号を読みふけったのだけど。
 「…ウォン・カーウェイ監督の撮影助手も務めた。」って、えええぇぇぇ…。
 香港の撮影監督は日本の撮影助手とは違いますよ…。クリストファー・ドイルと分担して、第一班、第二班に別れて撮影することはあっただろうけど…。
 香港きってのヒットメーカー、舐められたもんです。
 これも日本人の白人崇拝の為せるわざか…?

 まあ、アンドリュー・ラウ監督やピーター・チャン陳可辛監督、ジョー・マー馬偉豪監督らに脚光が当たるのは、
 「香港映画はウォン・カーワイだけが見るべきものがあって後はダメなんて、一言で片付け決めつけるなぁぁぁぁ! 皆、日本で紹介されてないから知られてないだけやぁぁ!」と小声で呟いて来たnancixにとっては、
 喜ばしいことなんだけどね。
 ピーターさんだって今では難なくカンヌやヴェネチアへの切符を入手してますやん。

 表紙と異なるもう一枚の写真、ラウ監督ってば口許に手をやって、何だかトニー・レオンがよく取るポーズに似てます♪
 「傷だらけの男たち」でも窓辺に佇むトニーが口許に指を…という、無意識に近いポーズ取ってましたよね。「AVBlog(製作日誌)」を見た限りでは、ラウ監督のリクエスト。


 で、ワタクシ、呼ばれても招かれてもいないのに、何しに雨の、もとい花の都に、いつものモバイルノートパソコン抱えて来たんでしょう…。
 結構、システム手帳に記した待ち合わせ時刻がタイトなんですけど。

 はてな?
posted by nancix at 02:33 | Comment(0) | TrackBack(1) | 「傷城」特集

2007年07月02日

エドワード・ヤンの静かなる微笑み

 エドワード・ヤン楊徳昌監督の訃報を、ついさっき知った。

 米国ビバリーヒルズで結腸癌と7年闘い続けてきて、ついに6月29日に力尽き、自宅で亡くなられたそうだ。

 ……ガンを発病していたことですら、全然知らなかった……。香港以上に冷え込んだままの台湾映画界で、資金集めに苦労しつつ、じっくりと次作のプランを練っているんだろうとばかり思ってたのに。
 享年59歳。nancixの亡き母がガンで亡くなったのと、同じ年齢じゃないか…。
 映画監督としては脂が乗り、ますます円熟味を増した人物描写で楽しませてくれるはずの年齢なのに。

 思えばチョウ・ユンファという、アクションもハートフルな恋愛もイメージかなぐり捨ててのコメディもやってのける稀有な男優との巡り会いをきっかけに、香港を中心とするアジア映画に興味を引かれた頃、羅針盤にできたのはたった2冊の書籍だけだった。

 「電影ニューシネマ イメージフォーラムNo.103」(88年、ダゲレオ出版)と「台湾香港新映画宣言 WAVE21」(89年、ペヨトル書房)。
 どちらでもエドワード・ヤン監督は注目すべき映画人として紹介されていた。だけど4人の新人監督がオムニバスで撮影したという「光陰的故事」(82)も、クリストファー・ドイルが撮影し、シルヴィア・チャン張艾嘉が出演した長編映画第一作「海辺の一日/海灘的一天」(83)も、「恐怖分子」(86)も、当時は上映会もなく、見る機会に恵まれなくて、ただただ本の簡単な紹介で、どんなシーンがどのように展開されるのか、想像してばかりいたものだ。ほうちゃんことホウ・シャオシエン侯孝賢監督の作品は、すでに東京じゃ映画祭まで開かれて、一気見もできてたのになあ。

 そして第4回東京国際映画祭インターナショナル・コンペティションで、あの衝撃作「クーリンチェ少年殺人事件/[牛古]嶺街殺人事件」(91)に巡り会う。チャン・チェン張震のデビュー作でもあるこの作品、長いながい、重いテーマの映画なのだが、決して飽きなかった。最後まで息を詰めるようにして見届けた。
 少年のあどけなさや初々しさと、危なっかしい、思い詰めがちな生真面目さを併せ持ったチャン・チェン。その実父でありベテラン俳優でもあるチャン・クォチュー張國柱(ジェリー・イェン出演の「「白色巨塔」 にも出てる)が見せた、大人の苦悩と葛藤。能面のような色白、静謐なクールフェイスが日本のカワイコちゃんアイドルには決して出せない少女の妖しさをかもし出していた、ヒロイン。
 ただ途中で日本のヤクザ映画か歌舞伎の"だんまり"か?という大立ち回りが、暗闇のなかで展開するので、いやそんな凄惨な抗争描写でなく、少年犯罪の経緯に早く話を戻してよ、と思ったのも確かである。何だかその後、4時間バージョンも、ビデオだっけ?で発売されて、さすがにこっちには手が出せなかったっけ。

 「恋する惑星/重慶森林」を追いかけフラレまくった94年、nancixは初めて香港から台湾に足を伸ばし、西門町に宿を取って台湾・香港映画を見まくった。そのなかの1本が「エドワード・ヤンの恋愛時代/獨立時代」(94)だったんである。

 Confucian Confusion=儒者の困惑、なんて韻を踏んだ英語題がついていて、アイロニーあふれる漢字字幕が随時挿入されるのだけど、要するに"ギョーカイ人"とその周辺の男女の恋愛群像劇であって、日本の舞台劇にアレンジしたって充分受ける内容。
 まあ日本人女性にはあまり見られないほどやいのやいのと叫びまくるボーイッシュな女社長と、その彼女に、愛されキャラでソツの無いお嬢さんぶりをなじられ困惑する"台湾のオードリー・ヘップバーン"チェン・シャンチー陳湘[王其]、結婚しても苦労させられるだけとはなっから解るような、殴りたいほどだらしなくロクでもないトホホ男どもの右往左往、を描いていて。
 nancixにとっては明石屋さんまと大竹しのぶなんかでリメイクしてもおかしくないなあ、ヒロインを巡る連中が宮本亜門のそっくりさんと、佐野史郎のそっくりさんと、大鶴義丹のそっくりさんと、松尾貴史のそっくりさんと、越前屋俵太のそっくりさんにしか見えないし、なんてふうにしか思えなかったのであった。
 これを日本の映画批評家が「都市部の若者たちが感じている伝統的な価値観と現代的な実利主義との葛藤を表している」なんつー小難しい言葉を駆使して絶賛し深読みするので、これだからアジア映画への一般女性の敷居が高くなるんだわ…と痛感したりもしたのだった。

 だって、常日頃トホホ男に手を焼いているOLやら自営業やらの女性が見たって、絶対苦笑いできるし女の友情についてわが身を振り返れるし、ギョーカイ人に憧れたって所詮は連中だってトホホ男に過ぎないんだよ、と教訓を得られるし……ってな気安いアプローチで、なぜ誰も紹介してくれなかったんだろう。

 台湾くんだりまでわざわざ出かけていってトレンディー恋愛群像劇を見る必要があったのだろうか、などと首をひねりながら、まあいいや次、とばかりに「アンディ・ラウの天と地/天與地」(94)上映館に移り、「しまったぁぁぁ、北京語吹き替えだぁぁぁ」と内心泣きながら映画館