さて、夕方までKCR(九廣鉄道)で馬鞍山などで旧友に会っていて、旺角まで戻るのに直通のバスがなく、KCRに乗って意外に時間を食ってしまったnancix。
通い慣れた定点観測地・信和中心とその周辺の偵察を済ませましたが、いやもう、せっかくのトレンド最先端を示す大看板が並ぶ西洋菜南街も、Rain(ピ)や”猟奇的な彼女”チョン・ジヒョン全智賢ちゃんに侵略されて、港産アイドルは影も形も…(泣)。

アジアコンサートツアーを香港から始めるピ(レイン)の大看板。
「
時間廊CITY CHAIN」という90年代には数々のドラマ仕立てCMで魅了してくれた、時計屋チェーンの店頭を飾る、ダンディなアンディ・ラウ劉徳華の3種の看板だけが、香港スターとして気を吐いておりましたよ。

あ、あとはイーキン・チェン鄭伊健の大看板がネイザンロード側にどどーーんと。やはり腕時計の宣伝。
この旺角にあるシネコン「旺角百老匯Mongkok Broadway」で、年末年始の映画界を制した王者?、チャン・イーモウ張藝謀監督の新作「
満城盡帯黄金甲」を鑑賞です。信和中心に突入する前に座席指定券を買いに行ったら、チケットブースはさすがに週末だけあって、長蛇の列。
列に並ぶ前に、向かいにオクトパスカード八達通かクレジットカードでチケットを買えるタッチパネルが3つ並んでいるのに気が付いた。
持っててよかった八達通。他の女の子が「NANA2」のチケットをクレジットカードで買おうとしても、途中から進めなくなってモタモタしていたのを尻目に、こちらはオクトパスカード八達通で、すんなりチケットを買えました。
ほーほほほっ、まだこちらにはジャック・ニコルソンが背後霊として憑いているのよ、眉毛無し中島美嘉には負けなくてよ(ワタシはいったい、何人…)。
んがっ!、場所的な便利さで選んだこのシネコン、上映前に果てしなく階段を上り、帰りも一気に階段を下りないといけない恐怖の心臓破り館なのを、すっかり忘れておりました…上映10分前に映画館に到着して安心してたら、5院(スクリーン5)は途中からエスカレーターがなくなり、階段を香港若者と一緒に、3階分は駆け上がりましたよ。帰りも7階分くらい下りました。ゼイゼイゼイ。朝の九龍公園ウオーキング、明日は中止だ。
しっかし、ようやくたどり着いてみると、スクリーン、ちっちゃい……_| ̄|○
このキンキラ大作こそ、ワイドスクリーンで堪能すべきなのに…。
今回の予告編は、ビデオ映画ですか?と聞きたくなるほど画質の悪い、オーバーアクションも80年レベルの「ツインズ・ミッション」と王晶プロデュースのマージャンギャンブラーもの「雀聖3」でした。
Twinsがサモハン・キンポー洪金寶や「SPL 狼よ静かに死ね/殺破狼」の悪役ウー・ジン呉京(船越英一郎似)と闘う「雙子神偸/ツインズ・ミッション」、敵に双子のカンフー使いを何組か集めたのが新趣向らしく。これは「ツインズ・エフェクト」などを日本公開した会社が買うんじゃないかなあ。権利金、「傷城」などよりずっと安そうだし。
どっちも「カンフー・ハッスル/功夫」の家主夫妻、元秋と元華が出てたような。
家主夫人こと元秋、さらにキョーレツな厚化粧下品オバサンぶりでした…吉本新喜劇でも通用するよ。中山美保玉砕だな…。
そして、「満城盡帯黄金甲」。
いやはや、何と壮大・絢爛・豪華な家庭不和劇であり、壮絶な夫婦喧嘩であることか。
いつコン・リー鞏俐がアリアを高らかに歌い出すかと思うほど、ギリシャ悲劇やシェイクスピア(「ハムレット」は絶対入ってるよな)を意識した、中華オペラでありました。
イーモウは「LOVERS」を経て「PROMISE 無極」に刺激されて、
行き着いたのは結局「HERO 英雄」秦帝国の集団武力への回帰だったようです。某国だの某宗教団体だののマスゲームの不気味さを思わせる、あまりに揃い過ぎて個の魅力を圧殺したようなシーンが、たっぷり。
さすがに人民解放軍を持つ国の……んがぐぐ。
ただし、完全なるオペラだと、コロス(群集)はたっぷりいても、黒装束の忍者の群れは出てこないよな(大笑)。
どうしても、何が何でも忍者を出したがるのは、トニー・チン・シウトン程小東アクション監督の執着なのか。
日本では「どろろ」をアクション指導し、イーモウ作品でも架空の時代の架空の大王に忍者を操らせる。程小東、大資金を得てしたい放題やりたい放題じゃないですか!
そして「上海ルージュ/揺 揺、揺到外婆橋」に引き続いて、またもやコン・リー鞏俐が酷い目に遭わされる。
文字通り身をワナワナ震わせてすすり泣き、悔し泣きをする彼女の、鼻をすする音が、耳について離れません。
"ワナワナ震え女優コンテスト"があったら、文句なしにダントツで世界一だよなあ…。
いや、ないけど、そういうの。
「上海ルージュ」では、もはや言うことをきかなくなってコントロール不能になった驕慢な愛人を、「オレの言うことを聞けずに勝手に離れていこうとしたら、こうだ!」と男がネチネチいたぶり、愛人の心身を痛めつけていくのがとっても不快でしたが(プライベートでは鞏俐と監督がその頃どうだったか知らない)、今回のネチネチぶりもすごい。
これだからプロデューサーだの監督だの、支配欲剥き出しの"ピグマリオン症候群"の男ってば…。
……まあ、鞏俐扮する王妃も、自分でせっせと家庭不和の種を蒔きまくった割には、マクベス夫人ほどの権勢を持てずに自己破壊衝動に襲われたのか、作戦大失敗だったんだけど…。
彼女が陥る「孤寒症」って、「宮廷女官チャングム」にも出てきた気がするなあ。映像では自律神経性更年期障害で起こるホットフラッシュ(顔面や胸のあたりがカーっと熱くなる。紅潮、のぼせ。体温調節の乱れ)の酷い症状っぽかったんだけど、ああいうのは本当に人為的に起こせるものなんでしょうか。東洋医学の先生に取材したいものです。
「HERO 英雄」への回帰といえば、 音楽が……今回は「HERO 英雄」の現代中国が誇る大作曲家・タン・ドゥン譚盾ではなく梅林茂さんだったのに、
どうしても男女コーラスに「♪ワッワッワッワッ」と歌わせないと、
太鼓をドンドコドコドコドコ叩かせないと、気が済まないのか、イーモウは!
そしてチェン・カイコー陳凱歌もイーモウも、"リウ・イエといえばヘタレ男"なのか? 眉毛を八の字にさせて、あのつぶらな瞳をうるうるさせて、追い詰めて、いたぶらないと気が済まない「ドS」なのか?
場内の失笑をいちばん買っていたのは、あまりにあまりなヘタレぶりの、リウ・イエ君でした…かわいそー…。
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