そんなわけで香港で初めて迎えた、7月1日ですよ。香港では「特別行政区成立紀念日」あるいは親中派が言う「祖国回帰紀念日」として、祝日です。
早いもので、1997年の、英国領から中華人民共和国香港特別行政区、になってから、もう12年も経つんですね…。
本日は晴天ナリ。朝から暑いです。街頭では、体温以上の気温になってるんじゃないか。
いや、記念式典にも、慶祝パレード見物にも、維園(ヴィクトリア公園)集合の七一大遊行(デモ)にも行かなかったんで、平穏なものでしたよ。祝日なんで、嬉々として「早場」こと、午前中の回の映画鑑賞を35香港ドルで楽しんだだけで。
いまや香港での映画鑑賞は55or65香港ドルが普通です。週1回の割引デーと、このように午前中上映の「早場」くらいが割引料金なだけで。しかも「早場」の設定がかなり減ってる。
ま、こんな日には北京語音声の作品じゃなくて、香港を舞台にした、香港人を主人公にした香港映画が観たいじゃないですか。
そんなわけで選んだのが、香港映画「矮仔多情 Short of Love」(09)です。

何だか冒頭の製作会社ロゴで「本地電影Local何とか」って会社名も出たような気がする(^_^;)
主役は題名通り、158cmもしくは162cmの身長ながら、多芸多才のウォン・ジョーラム王祖藍くん。彼については、別の記事で詳述しますね。

そして彼が次々と"ふぉーりん・らーぶ"しちゃう美女たちが、香港の女性雑誌表紙や雑誌の芸能欄グラビアなどで活躍中の
angelababy/楊穎(エンジェルベイビーじゃなくて、アンジェラベイビーなのね…日本のエイベックス・グループとマネジメント契約してるそうで…)、

映画で次々と異なる役柄に挑戦中のレース・ウォン黄婉伶、「イザベラ/伊沙貝拉」(06)にも出演の中国山東省済南生まれの歌手JJこと
ジャー・シャオチェン賈曉晨、2004年度ミス香港で「天使の眼、野獣の街(アイ・イン・ザ・スカイ)/跟蹤」(07)などでしごかれ中のケイト・チョイ徐子珊、
クリッシー・チャウ周秀娜、タヒチ生まれの
エラ・クン官恩娜、「葉問」(08)で葉問師父の妻を演じて話題になったスーパーモデルのリン・ホン熊黛琳ら。
お話はさすがにトニー・レオン&ジャッキー・チョン張學友&アニタ・ユン袁詠儀の「亞飛與亞基〜錯在黒社会的日子」(未、92)、トニー・レオン&レオン・カーファイ梁家輝&アニタ・ユン袁詠儀の「風塵三侠」(未、93)、トニー・レオン&アレックス・フォン方中信の「君を見つけた25時/毎天愛イ尓八小時」(98)などで主人公のモノローグをナレーションにして物語を進行させてきたジェームス・ユン阮世生脚本作らしく、今回も王祖藍クンが砂浜に大の字になって横たわり「ヘミングウェイの『老人と海』いわく……」という引用の呟きから始まる。そして大波をかぶってアップアップする彼が回想する、一週間の出来事、それがこの映画のストーリーなんである。
うう、モノローグ形式の物語進行はぶつぶつ言いのトニー・レオンの十八番だったのに、まさかこんな後釜が現れるとは_| ̄|○
王祖藍が演じるのは、自作プログラミングのソフトで株式市場に挑むカリスマトレーダー、ラム・チーキッ藍子杰。日本の
B・N・F(ジェイコム男)よろしく巨額の金を動かしているらしい。広大な豪邸兼オフィスには、メガネっ子でミニタイトスカートの愛らしい女性秘書(クリッシー・チャウ周秀娜? エラ・クン官恩娜?)が一人。世間知らずで横暴かつ自己中心的な鼻持ちならない彼を有能な彼女がなだめつつ、仕事をさせていた。時は2008年9月15日、砂浜に横たわって大波をかぶる、たった1週間前のことである…。
その朝、デイトレードのプログラムが大暴走? しかし慌てることなく、同時進行で交際中のカノジョの一人のために、8カラットのダイヤを買いに出かける子杰だった。
ところがその日、リーマン・ショック(米国のリーマン・ブラザーズ証券が破綻、そのニュースが引き金になり全世界の株式市場の株価が瞬時に暴落。香港の定年退職者が詳しい説明も受けないまま証券会社に買わされていた同社のミニ債券が、紙クズ同様に…)が世界を襲う。そんなことも知らず、ダイヤをちりばめたVIP用ブラック・クレジットカードを切ってダイヤを購入した子杰。
彼の留守宅では、海外から香港に戻ってきたばかりのカノジョの一人、ジュジュ珠珠(エラ・クン?)が債権者に「藍子杰のスーパーカー19台のコレクションを接収させてもらう」と宣言されて、呆然としていた。次々と運び出される車両と家具。
リーマン・ショックに怒り、証券会社への抗議と政府への損失補てんを求める人々のデモに、藍子杰は巻き込まれて身動きできなくなり、デモを制圧しようとする警官隊との間でもみくちゃになり、ダイヤを側溝に落としてしまった。
服も破れ、ボロボロになってタクシーで自宅に帰還した藍子杰を平手打ちし「"ビッグ・サプライズ"ってこういうことだったの?! お別れよ! 何よっ男を騙すなんて簡単なんだから!」と酷い言葉を投げつけて、ジュジュ珠珠は去る。ガックリと落ち込む藍子杰。彼の金だけが目当てだった他のカノジョたちもさっさと見切りを付け、憂さ晴らしに同性の友人に電話しても居留守を使われるか、「それどころじゃない!」と電話を切られる始末。
すっかり人間不信に陥った彼は、ランカイフォン蘭桂坊(香港の六本木、いや西洋人の多い飲食店街)で毎晩のようにウイスキーをラッパ飲み、泥酔して醜態をさらす有様だった。そんなミジメな彼の前に、純白の羽根(蝶の羽っぽかったかな?)飾りを背中にしょった「心中有愛人間有情會」という集会のチラシを配っている美少女angel(angelababy)が現れた。清純な彼女に一目惚れした藍子杰。彼の身の上を知ったangelは「普通人になって、誰かを手助けしてみたら、気が晴れるかもよ?」と言い置いて姿を消した。
精神科医のDr.ファン馮國基先生の診療室を訪れた藍子杰は、カウンセリングを受けるどころか、正妻と愛人、さらに一目惚れした彼女という3人の女の間で悩む馮先生に「練炭を買え!………炭とバーベキューセットを買って全員集めてバーベキューをして、とことん話し合え!」と助言する。
馮先生が喜んで出て行った後に、患者の一人らしいクリスティー(レース・ウォン黄婉伶)がカウンセリングに訪れた。美女の彼女に一目惚れした藍子杰は馮先生に成りすまし、彼女の相談を聞く。子どもの頃からずっとバレエに打ち込んで来て、今は子ども向けのバレエ教室の教師をしているクリスティーだが、彼女には双子の姉クリスティーヌがいて、姉は足を傷つけて英国へのバレエ留学の夢が断たれたことからぐれ、酒を飲みタバコを吸い男遊びにふけり、夜な夜な会員制ナイトクラブに出かけて一晩中帰らない、さらに意見する妹を殴るなど虐待するというのだった。
クリスティーに「姉を何とかしてください」とすがられた藍子杰は、好奇心もあってクリスティーヌが働いているという会員制ナイトクラブ「Fire」に出かけてみる。黒服コンビのボディチェックを経て、個室でやっと会えたクリスティーヌは毒々しい厚化粧、網タイツの太ももに入れ墨、ムチを持って激しく「跳艶舞」を踊る、清楚で上品な妹とは似ても似つかないみだらな女だった。
その夜はすっかり雰囲気に呑まれてクリスティーヌとの会話に失敗した藍子杰だが、翌晩、仕事から帰るクリスティーヌを呼び止め、妹が心配していると伝える。しかし彼女は「問題があるのは妹の方だわ! 私が何をしようと勝手だろ!」と毒づき、もみ合ううちに吸いかけのタバコを右手の甲に押し付けて、火傷してしまう。
翌日、クリスティーに姉の言い分を伝えに行った藍子杰。だが、クリスティーの手の甲に丸い火傷の痕を見つけてハッとする。バレエのレッスン中に彼女のバッグをこっそり探ると、クリスティーヌのカツラ、衣装などが出てきた…クリスティーとクリスティーヌは「楽園の瑕/東邪西毒」のブリジット・リン林青霞のように同一人物、彼女は2重人格者だったのだ!
馮先生に相談した藍子杰は、先生に赤と緑色の丸薬を託される。赤は人格をそのまま留める薬、緑はもう一つの人格を呼び出す薬だという。どちらを彼女に飲ませるべきか…? 悩みながらクリスティーに会うと、彼女は藍子杰の言葉に狂乱し「姉を殺す! お願い、姉に毒薬を飲ませて!」と黄色い丸薬を託すのだった。
さて、丸薬どころか全ての所持品を取り上げる黒服コンビのチェックを突破し、ナイトクラブに薬を持ち込むにはどうしたら…? 藍子杰はとりあえずトイレに駆け込み、コンドームを手に思案する…。
>>続きを読む