トニー・レオン梁朝偉さん、48歳のお誕生日本当におめでとうございます。
http://t.sina.com.cn/tonyleung0627
んもー、「何歳になったんだっけ?」という素朴なギモンをかき消すこの甘ったれたタレ目ちゃんぶりが素敵。可愛い。くのくのっくのーっ。
そして皆様、本当にごぶさたいたしました&ご心配おかけしました。
足の捻挫がどうにかこうにか治る
>学費生活費が尽きて学校休学を決意
>遅まきながら就職活動、無理かもしれないと弱気になってフラット契約の4月末打ち切りを家主に通告
>期末試験の勉強しながら帰国準備してたら香港の日系IT企業の方から、Twitterのご縁があってIT関係の仕事をしないかという就職の話が
>ビザサポートをしていただいてワーキングビザ申請
>最終の期末試験はほとんどがBマイナス_| ̄|○。金欠にあえぎながらも待つうちに無事、申請が受理される
と簡単に書けばこういう経緯の末に、ワタクシnancix、無事にワーキングビザと香港IDカードを入手できましたよ。
IDカード図書館証化もしたし、百老匯電影中心併設ブックカフェのKublickのカードも、香港電影資料館の視聴覚証も更新したぞ。
名実ともに香港居留民です。まあ、最初は1年だけの許可ですが…。
そして、大変名残惜しいのですが、画像アップロードの残量が心もとないこのseesaaブログからのお引越しを、決意しました。
トニー・レオンさんの誕生日を記念してご紹介させていただくと、
Wordpress利用の新ブログはこちら。Twitterとも連動させています。
http://nancix.isl.hk/
新ブログではトニー・レオン梁朝偉さんの情報だけでなく、香港の各種情報、そしてアジア映画の情報についてウォッチし、気ままに紹介していくつもりです。
仕事人となったので実家にいた時以上に時間が取れず、長文は書けないかと思いますが、もはやブログでの長文は自己満足だけでしかない時代に来たような気もしています。パクられることも覚悟しなきゃいけないしねえ…。
まだまだwordpressについてよくわかっていないし(しかも諸々の事情で英語版だ…)、ここのブログのようにレイアウト変更は容易ではなさそうですが、もしもご興味がおありでしたら、読んでみてくださいまし。
本当にほんとうに、ご愛顧ありがとうございました。
2010年06月27日
2009年12月10日
香港発、上海経由の帰省体験記
10日から、日本に一時帰省しています。
金銭的にはもう一時じゃなくてフルに働かなきゃ文無しって状況なんですが、とりあえず。
ところで今回は初めて、香港の旅行会社で予約して、中国東方航空エコノミークラスを利用してみました。

上海浦東国際空港経由です。香港→上海、乗り換え、上海→大阪で、1日がかり。
もんのすごーーーく不安だったんですが、往復約4万円ですよ4万円!
キャセイパシフィック航空で約8万円、日系旅行会社で全日空の1ヶ月FIX使っても約7万円近くしたんですから、安い!
ああ、今までの一時帰省もこれ使っていれば…!
ただーし。
安いんだから、それなりの覚悟は必要。中華圏では「一分銭、一分貨」って言うようです。所詮は値段なりのもの、とか値段に見合ったそれなりの品質だとか、安かろう、悪かろうだとか言うときに。
かつてのエア・インディア航空のように出発も遅延、到着も大幅遅延したらどうしようかと…それだけは心配でした。エア・インディア利用の時は最終の空港バスに間に合わず、途中からタクシーで自宅まで帰り、結局は高くついたのでした(涙)。
遅延の問題に比べれば、悪名高き中国東方航空の機内食の問題なんて、何てことないさ……(棒読み)。
しかし、上海での乗り換えって、どうなるんだろう? 帰省1日前に、まだ香港に残る予定の日本人留学仲間に「スーツケースなどは、自分で持って乗り換えるんですか?」と聞かれて「さあ?」と首をひねった。
キャセイの台湾経由なら、スーツケースは預けっぱなしで、乗り継ぎ乗客は乗り継ぎ客専用待合室に押し込まれて(階上の売店街や無線Wi-Fiアクセスポイントスタンドには行ける)、待つだけなんですが…。
とにかく、10日午後12時40分のフライトに間に合うように、朝10時半には空港の中国東方航空のカウンターでチェックイン。
バッゲージタグは上海、大阪と印字されているのを渡された。だから、自分でスーツケースを取ってまたカウンターで預けて、はしなくていいんだと思うんだけどなあ…こういう質問を気軽にできない、語学力不足が情けない。
しかもチェックインカウンターで「乗り継ぎの人はこれをジャケットに付けててください」と、紅色の真ん中に黄色い楕円と黒五芒星がプリントされたステッカーを胸につけられた。とほほ、バスツアー客気分。
とにかく、12時15分には香港国際空港の税関も無事に突破、搭乗口前に陣取った。重い特大スーツケースを5階から階段で下ろすのに大汗かいたので、4ドルのワトソンズミネラルウォーターを買うつもりが、見当たらなくて10ドルのフランス製を買って(しかも八達通オクトパスカードが使えない! 関空ならPITAPAカード使えるのに)、レジで振り向いたらそこに4ドルワトソンズミネラルウォーターがあったりして、トホホでしたが。…どうも厄日なのかなあ、気を引き締めて用心しなければ。
搭乗口前では、しばしPCCWの無料無線Wi-Fiを使ってネットブック三昧。香港国際航空には、他にアダプターを差し込んで使えるスタンドも設けられていました。

はああ、どこでも寸暇を惜しんで仕事しなきゃならんのですよね、世界を飛び回るビジネスマンたちはっ。
ところが中国東方航空、なかなか機体が見えてこない。12時20分にようやく、機体が搭乗通路に接続されるありさま。それから整備員が取り付き、機内に清掃人のおばちゃんたちが雪崩れ込み。
おいおいおいおい。間に合うのか? 出発が遅れるのか? 特にアナウンスはないけど…。
12時半、清掃人が手にてに黒ビニール袋を抱えて飛び出してきた。早っ!
搭乗が始まったのは結局12時45分、離陸したのは午後1時過ぎ。
機内は何だか、日本国内便のスカイマーク(神戸-羽田の格安便を利用経験有り)みたいですよ。
乗ったらすぐに、3列に1つの液晶テレビが天井から降りて来て、案内ビデオが流れる。

用が済んで着陸態勢に入ったりしたら、そそくさと折り畳まれてしまう液晶テレビです。
時刻の案内画面も、機内でのエコノミー症候群防止ストレッチの案内もなし(あ、キャセイだけか)。
各シートにヘッドフォンはあるけど、選べるチャンネルがない…。
テレビではやたらと車・豪華マンション群のCMが流れ、合い間に画質の悪い英語ジョークホームビデオ集番組が流れる。
しょうがないから斯巴魯ことSUBARUレガシィ力獅のCM見てたら、登場したのは葛優とスー・チー舒淇の、「狙った恋の落とし方。/非誠勿擾」カップル!
どうもあの映画の続編という設定らしく、豪華な青島迎賓館で2人が挙式する寸前、肝心の白人神父様がフェリー?に乗り遅れ、電話でのSOSでそれを知った、あの「北海道の友人」ウーさんこと[烏+おおざと]逸聡さんと共に、新郎新婦はレガシィ力獅で神父様をお迎えに。風光明媚な海沿い(青島らしいですよ)をレガシィ で疾走したあげく、式場に戻ることなく埠頭で結婚指輪交換!と思ったら指輪でなく…(^_^;) ウーさんも相変わらず、いい味出してるなあ。
以下は3分間の完全版。
こちらはメイキングであります。いやー、SUBARU、やってくれるじゃん。日本で公開の暁には、ぜひとも日本の映画館でもCMを上映してくだされ。
珍しいCMを見て気をよくしたところで、ドリンクじゃなくいきなりランチサービス開始。さああ、来たぞーー!
通路側に座っていたのだけど、エプロン姿の空中小姐に北京語で聞かれて「英語でお願いします…」と気弱にリクエスト。
選べるのは、ビーフ&ライスかチキンか?だけ。
牛丼は日本で食えるしなあ、とチキンを所望。
飲み物は、事前チェックで唯一載せていると聞いていたアルコール飲料、ビールを所望。
で、機内食は、これでした…。

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金銭的にはもう一時じゃなくてフルに働かなきゃ文無しって状況なんですが、とりあえず。
ところで今回は初めて、香港の旅行会社で予約して、中国東方航空エコノミークラスを利用してみました。

上海浦東国際空港経由です。香港→上海、乗り換え、上海→大阪で、1日がかり。
もんのすごーーーく不安だったんですが、往復約4万円ですよ4万円!
キャセイパシフィック航空で約8万円、日系旅行会社で全日空の1ヶ月FIX使っても約7万円近くしたんですから、安い!
ああ、今までの一時帰省もこれ使っていれば…!
ただーし。
安いんだから、それなりの覚悟は必要。中華圏では「一分銭、一分貨」って言うようです。所詮は値段なりのもの、とか値段に見合ったそれなりの品質だとか、安かろう、悪かろうだとか言うときに。
かつてのエア・インディア航空のように出発も遅延、到着も大幅遅延したらどうしようかと…それだけは心配でした。エア・インディア利用の時は最終の空港バスに間に合わず、途中からタクシーで自宅まで帰り、結局は高くついたのでした(涙)。
遅延の問題に比べれば、悪名高き中国東方航空の機内食の問題なんて、何てことないさ……(棒読み)。
しかし、上海での乗り換えって、どうなるんだろう? 帰省1日前に、まだ香港に残る予定の日本人留学仲間に「スーツケースなどは、自分で持って乗り換えるんですか?」と聞かれて「さあ?」と首をひねった。
キャセイの台湾経由なら、スーツケースは預けっぱなしで、乗り継ぎ乗客は乗り継ぎ客専用待合室に押し込まれて(階上の売店街や無線Wi-Fiアクセスポイントスタンドには行ける)、待つだけなんですが…。
とにかく、10日午後12時40分のフライトに間に合うように、朝10時半には空港の中国東方航空のカウンターでチェックイン。
バッゲージタグは上海、大阪と印字されているのを渡された。だから、自分でスーツケースを取ってまたカウンターで預けて、はしなくていいんだと思うんだけどなあ…こういう質問を気軽にできない、語学力不足が情けない。
しかもチェックインカウンターで「乗り継ぎの人はこれをジャケットに付けててください」と、紅色の真ん中に黄色い楕円と黒五芒星がプリントされたステッカーを胸につけられた。とほほ、バスツアー客気分。
とにかく、12時15分には香港国際空港の税関も無事に突破、搭乗口前に陣取った。重い特大スーツケースを5階から階段で下ろすのに大汗かいたので、4ドルのワトソンズミネラルウォーターを買うつもりが、見当たらなくて10ドルのフランス製を買って(しかも八達通オクトパスカードが使えない! 関空ならPITAPAカード使えるのに)、レジで振り向いたらそこに4ドルワトソンズミネラルウォーターがあったりして、トホホでしたが。…どうも厄日なのかなあ、気を引き締めて用心しなければ。
搭乗口前では、しばしPCCWの無料無線Wi-Fiを使ってネットブック三昧。香港国際航空には、他にアダプターを差し込んで使えるスタンドも設けられていました。

はああ、どこでも寸暇を惜しんで仕事しなきゃならんのですよね、世界を飛び回るビジネスマンたちはっ。
ところが中国東方航空、なかなか機体が見えてこない。12時20分にようやく、機体が搭乗通路に接続されるありさま。それから整備員が取り付き、機内に清掃人のおばちゃんたちが雪崩れ込み。
おいおいおいおい。間に合うのか? 出発が遅れるのか? 特にアナウンスはないけど…。
12時半、清掃人が手にてに黒ビニール袋を抱えて飛び出してきた。早っ!
搭乗が始まったのは結局12時45分、離陸したのは午後1時過ぎ。
機内は何だか、日本国内便のスカイマーク(神戸-羽田の格安便を利用経験有り)みたいですよ。
乗ったらすぐに、3列に1つの液晶テレビが天井から降りて来て、案内ビデオが流れる。

用が済んで着陸態勢に入ったりしたら、そそくさと折り畳まれてしまう液晶テレビです。
時刻の案内画面も、機内でのエコノミー症候群防止ストレッチの案内もなし(あ、キャセイだけか)。
各シートにヘッドフォンはあるけど、選べるチャンネルがない…。
テレビではやたらと車・豪華マンション群のCMが流れ、合い間に画質の悪い英語ジョークホームビデオ集番組が流れる。
しょうがないから斯巴魯ことSUBARUレガシィ力獅のCM見てたら、登場したのは葛優とスー・チー舒淇の、「狙った恋の落とし方。/非誠勿擾」カップル!
どうもあの映画の続編という設定らしく、豪華な青島迎賓館で2人が挙式する寸前、肝心の白人神父様がフェリー?に乗り遅れ、電話でのSOSでそれを知った、あの「北海道の友人」ウーさんこと[烏+おおざと]逸聡さんと共に、新郎新婦はレガシィ力獅で神父様をお迎えに。風光明媚な海沿い(青島らしいですよ)をレガシィ で疾走したあげく、式場に戻ることなく埠頭で結婚指輪交換!と思ったら指輪でなく…(^_^;) ウーさんも相変わらず、いい味出してるなあ。
以下は3分間の完全版。
こちらはメイキングであります。いやー、SUBARU、やってくれるじゃん。日本で公開の暁には、ぜひとも日本の映画館でもCMを上映してくだされ。
珍しいCMを見て気をよくしたところで、ドリンクじゃなくいきなりランチサービス開始。さああ、来たぞーー!
通路側に座っていたのだけど、エプロン姿の空中小姐に北京語で聞かれて「英語でお願いします…」と気弱にリクエスト。
選べるのは、ビーフ&ライスかチキンか?だけ。
牛丼は日本で食えるしなあ、とチキンを所望。
飲み物は、事前チェックで唯一載せていると聞いていたアルコール飲料、ビールを所望。
で、機内食は、これでした…。

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2009年12月09日
カリーナ・ラウ44歳の誕生日はプライバシー厳守
12月8日は、トニー・レオン梁朝偉夫人のカリーナ・ラウ劉嘉玲の誕生日でした。
しかし、香港島のトニー&カリーナのお山の上の豪邸には、いまだにパパラッチがうろうろして出入りをチェックしているのですな…。
以下は、明報の劉一立記者のレポートです。
本来、夫妻が豪邸を新築した時、リビングダイニングルームには見晴らしのいい大きな窓が設けられていました。そこでパパラッチたちはこれ幸いと、窓から見える室内を撮りまくり、あれこれ取りざたしてきたのです。しかしさすがにカリーナらもウンザリしたと見えて、最近その大窓をわざわざ小さめに改築してしまったんだとか。さらに遮光カーテンも取り付け、プライバシーを守っているのです。
カリーナ夫人の44歳の誕生日だった8日、それでも記者は午後ずっと豪邸の前で見張っていたようです。3時45分頃に一人の男性が巨大&豪華な花束を持って豪邸を訪れたので「梁さんからのお届け物ですか?」と声をかけましたが「いいえ」という返事。「では劉さんからですか?」と聞いても、さすがに口が固い。ガードマンが門を開け、答えのないまま花束と男性は中へ。出てきた時に声をかけても、やはり返事がもらえず。
午後6時、豪邸の前で外国籍らしい子どもがサッカーボールを蹴って遊んでいました。しかしうっかりボールを豪邸の敷地内に蹴り込んでしまい、あわててゴミ箱を利用してボールを取ろうとします。すると、防犯カメラで映像を見ていたのか、カリーナの女性アシスタントとガードマンが出てきて、広東語で子供に「どうして入って来ちゃったの? ここはプライベートな場所なのよ、警察を呼ぶわよ?」とたしなめました。子供は決まり悪そうにすぐに謝りました。
どうやらその子供は隣の住人だったらしく、アシスタントは通報せずに済んだようです。
夜7時頃、2人の女性がタクシーで豪邸に到着しました。彼女らはピンク色のマシュマロ花束と、ケーキを携えていたといいますから、少なくともカリーナ夫人は中にいたんでしょうね…?
で、トニーは?
ていうか、劉一立記者さん、いい加減、もう帰りましょうよ…。
しかし、香港島のトニー&カリーナのお山の上の豪邸には、いまだにパパラッチがうろうろして出入りをチェックしているのですな…。
以下は、明報の劉一立記者のレポートです。
本来、夫妻が豪邸を新築した時、リビングダイニングルームには見晴らしのいい大きな窓が設けられていました。そこでパパラッチたちはこれ幸いと、窓から見える室内を撮りまくり、あれこれ取りざたしてきたのです。しかしさすがにカリーナらもウンザリしたと見えて、最近その大窓をわざわざ小さめに改築してしまったんだとか。さらに遮光カーテンも取り付け、プライバシーを守っているのです。
カリーナ夫人の44歳の誕生日だった8日、それでも記者は午後ずっと豪邸の前で見張っていたようです。3時45分頃に一人の男性が巨大&豪華な花束を持って豪邸を訪れたので「梁さんからのお届け物ですか?」と声をかけましたが「いいえ」という返事。「では劉さんからですか?」と聞いても、さすがに口が固い。ガードマンが門を開け、答えのないまま花束と男性は中へ。出てきた時に声をかけても、やはり返事がもらえず。
午後6時、豪邸の前で外国籍らしい子どもがサッカーボールを蹴って遊んでいました。しかしうっかりボールを豪邸の敷地内に蹴り込んでしまい、あわててゴミ箱を利用してボールを取ろうとします。すると、防犯カメラで映像を見ていたのか、カリーナの女性アシスタントとガードマンが出てきて、広東語で子供に「どうして入って来ちゃったの? ここはプライベートな場所なのよ、警察を呼ぶわよ?」とたしなめました。子供は決まり悪そうにすぐに謝りました。
どうやらその子供は隣の住人だったらしく、アシスタントは通報せずに済んだようです。
夜7時頃、2人の女性がタクシーで豪邸に到着しました。彼女らはピンク色のマシュマロ花束と、ケーキを携えていたといいますから、少なくともカリーナ夫人は中にいたんでしょうね…?
で、トニーは?
ていうか、劉一立記者さん、いい加減、もう帰りましょうよ…。
2009年12月06日
ウツ展開だった「花木蘭」…観客の期待は…?
昨日の「跳出去」に続いて、やはり早場で同じ隣駅のシネコンで「花木蘭」を鑑賞。

「跳出去」が、少年マンガスポ根部門テイストなら、「花木蘭」は少女マンガ歴史ロマン少女歌劇部門テイストでした。
古代の民謡「木蘭辞」と明・清時代の木蘭伝説を題材にした映画の「花木蘭モノ」といえば、1939年版のプー・ワンツァン卜万蒼監督、ナンシー・チャン陳雲裳主演作「木蘭従軍」が有名です。説話、京劇、映画と数多くの作品があり、日本では東宝だか宝塚だかの少女歌劇(現在の宝塚歌劇団か)で「木蘭従軍」として上演されたといいます。
その男装の麗人、花木蘭を、あのドラマ「環珠格格」で皇帝の姫として大活躍するおてんば娘を演じた、映画「レッドクリフ/赤壁」で跳ねっ返りの孫権の異母妹姫、孫尚香を演じたヴィッキー・チャオ趙薇が演じる!
しかも共演は「レッドクリフ/赤壁」の趙雲こと胡軍と、「建国大業」での耽美で端正な蒋経国役も目に鮮やかだったイケメン、チェン・クン陳坤! あ、ついでにジャッキー・チェン成龍2世のジェイシー・チャン房祖名も。
てなわけで、ワクワクドキドキしながら見に行ったわけですが……。
ありぇええええええ?
大いに首を傾げる結果となったのですよ。
まず、冒頭にいきなり、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのエルフが、銀の長髪を砂漠の風なびかせて登場、吟遊詩人よろしく朗々と歌い上げます!
……失礼。エルフではなかった、人間だ。

維塔斯ことVITASことヴィタスという、ロシア系(ラトヴィア生まれモスクワ在住)白人歌手でした。 日本オフィシャルサイトもすでにある、天使のようにも悪魔的にも見える、美青年です。
この、維塔斯ことVITASことヴィタスが演じているのは、蒙古系の柔然=ローラン王国の宮廷に、人質同様に養われている北の国の王族、グーター古コ。単宇と呼ばれるローラン王国の老王に、献身的に仕えています。
ところで、男装の麗人が戦う!となれば、観客が期待するのは、いかに男臭い軍営で女と見とがめられずに過ごすかの苦労と、少年並みの華奢な体型をカバーする如何に凄い剣技や内功(気功のように、少ないパワーで相手を吹っ飛ばす…まあ超能力みたいなもの)を身につけているのかと、聡明さで如何にすごい作戦を考え出し、男の沽券ばかり気にして頭の固い将軍・参謀たちをギャフンと言わせるか、だと思うんですよ。軍隊組織にどっぷり浸かった男たちを、組織に囚われない自由な発想で負かし、かつ説得できてこそ、女は出世できるし認められ部下からは敬愛されるんですよね。そういう男社会の紅一点の鮮やかな生きざまと苦労を描くのなら、女だって大いに観たい、参考にしたい。
しかし、今回の花木蘭は……。
魏と柔然=ローラン王国の、国土を巡る戦いはもう何年も続いて一向に終わりが見えない。九大部族を統率する柔然=ローラン王国の単宇の側には、いつも公主こと王女(エンジェル・リュウ劉雨欣、元ミス武漢らしい)がはべっている。
この父娘の仲はいいのですが、どうやら第一王子で、王女とは異母兄妹にあたるらしいメンドゥー門獨(フー・ジュン胡軍)は、好戦的で乱暴者で野蛮、放生と称して気まぐれに無防備な捕虜を虐殺してしまうような非情の男で、単宇と王女の頭痛の種。王女の願いは魏の宮廷に嫁ぎ、政略結婚でもって和平を結ぶことなのですが、門獨は承知しないのです。
長々と続く異民族侵略との戦に疲弊し、老人と女子供しか残っていない、魏の辺境の村。みすぼらしい衣装、髪も何だかざんばらっぽいのが、木蘭です。あらら、木蘭は地方のお嬢様じゃなかったのか。
咳き込みながらも薬を飲むのを嫌がり、酒を飲みたがるしょうがない老父、花弧。あらら、ジャッキー・チェン成龍出演映画でよく顔を見る、成家班のいかつい人、ユー・ウェンコン于榮光じゃないですか。
体格はいいのにゲホゲホ咳を続ける老父。肺結核かしらん…しかし木蘭は、献身的に介護を続けます。
そこへやって来た、軍隊の徴兵人。軍丁とは、日本で言うと普段は農民、イザという時に出陣する郷士(下級武士)に当たるのでしょうか? その軍丁の家の姓を読み上げ、一家のうちの誰かの出陣を命じるのです。
花家も当然、呼ばれました。しかし、老父は病身、木蘭は一人娘…。
黒馬の鞍や自分の鎧甲冑を出し、出陣の支度に余念のない父。その病身を案じる木蘭。父はおそらく、戦場では命長らえることはできまい…。
父娘の会話で、母はすでに十数年前に亡くなり、幼い娘に向かって父が「亡くなった人はお空の星になるのだ」と教えたことが分かります。…ジングル・マー馬楚成監督、ロマンチストだなー。
父に、晩酌を多めに勧めた木蘭。いやあの、肺結核患者に酒飲ませていいの?
まんまと父は熟睡し、木蘭は自分が鎧甲冑を着込み、黒馬の黒風を牽いて、家を出ます。彼女は父の身代わりに、従軍することを決意したのです。
朝、娘の不在に呆然とする老父…村の高台にまろびつつ上がり、娘の姿を追い求めます…。
北魏の第6軍営では、新兵の登録の行列ができていました。木蘭の幼なじみで、子供の頃は泣き虫でいつも木蘭にかばってもらっていた、費小虎(房祖名)は、木蘭姉さんの姿に気づいて驚きます。木蘭にとっては心強い味方。なんせ厳しい軍律に縛られた軍営で、女だと見抜かれないようにしなくてはなりませんから。
男のふりをすると言う木蘭に、小虎は「じゃあ、口数少なくすること。笑う時はホホホじゃなくてアッハッハッ!と豪快に笑うこと、むやみに目を見開かない、僕のように目を小さく!」と忠告します。……ヴィッキーに目を見開くなって、そりゃ無理だよ…(^_^;) 君はパパの整形前ソックリに、目が小さいけどさあ。

同じ兵舎の若い兵士らを、木蘭に紹介する小虎。太っちょ兄弟、美人女房と子供の話ばかりする兵士、病身の母を置いてきたので涙にくれる童顔の兵士…。そのマザコン兵士の泣き声に苛立つのは、この第6軍営の営主の甥っ子にあたる、いじめっ子タイプの胡奎。発音が似ている胡亀(マヌケの意味がある)と、小虎はこっそり呼んでいるのです。胡亀がマザコン兵士を苛めようとしたとき、飛びかかったのは小虎ではなく木蘭その人でした。さんざんぶたれて泣き声を挙げる、胡亀…。
この一件で、他の男よりも一回り小柄で、あなどられがちなはずの木蘭は、兵士たちに一目置かれて「木蘭哥」と慕われるようになるのでした。
木蘭が馬小屋の黒風の世話をしていると、人懐っこく話しかけてきた兵士がいました。例のサッカー兵士…じゃない! まだ若いのに副軍営長の文泰(チャン・クン陳坤)です。最初は自分の正体を知られまいと警戒し、ツンケンしていた木蘭ですが、屈託のない文泰に、だんだんほだされてしまうのです。
しかしむさい男の間で、着替えの時はどうするんだか…その描写はなく、就寝中に「なあ、軍営内に露天風呂があるっていうのは、本当か?」と、寝ぼけまなこの小虎に聞く木蘭。さすがに着たきりスズメでは、自分の体臭に耐えられないですか。
小虎は付いて来てくれず、やむなく木蘭は一人で天然温泉露天風呂へ。実はその風呂、軍営長専用だったようですが、そんなこた木蘭が知るわけがない。
ところが、白濁した湯の中には先客がいました!
よりによって、あの文泰が!
おおおっ、華奢に思えていた陳坤、意外にしっかりと筋肉が付いて…って生唾ゴックンしてる場合じゃなーい!
人影に気づいた文泰に正体を見抜かれまいと、お湯に潜ったり格闘したりで必死になる木蘭。相手が女だと悟った文泰。取っ組み合ってる間に、木蘭の手の甲にはひっかき傷ができてしまいました!
何とか顔を見られずに逃げ去った木蘭。大変だと小虎を揺り起こそうとしますが「そいつ、木蘭哥の顔を見たのかよ? 見られてない? なら大丈夫だろ」と取り合わない寝ぼすけ小虎でした。
訓練中、いけ好かない奴!とばかりに互いにガンを飛ばしてばかりの胡奎と小虎。胡奎がうっかり絹の小袋を落としたのに気づいた小虎は、これ幸い嫌がらせ、とばかりに、絹の高価そうな小袋を訓練地前の池に蹴り込んでしまうのでした。
その日、兵舎に戻った兵士達ですが、目の色を変えた営長と甥っ子の胡奎、そして何故か営長に付き従った文泰の3人が憲兵を引き連れて乗り込んで来て、持ち物検査と身体検査を命じます。あの小袋の中には、胡奎の貴重品が入っていたのです。自分が不注意で落としたくせに、それを「盗まれた」と伯父に訴えた、卑怯な胡奎。
身体検査…! 気が遠くなりそうな木蘭。次々と服を脱いで行く仲間たちですが、木蘭にはできない!
いっそのこと、と木蘭は「盗ったのは私だ!」と名乗りをあげます。驚く兵士たち。文泰は、木蘭の手の甲のひっかき傷を見てハッとし、全てを悟ります。木蘭は女なのだ! だから身体検査でバレるくらいならと、名乗りを挙げたのだ!と。
引っ立てられ、尋問される木蘭。しかし小袋は今どこにあるのか、なぜ盗ったのか、答えることができません。
彼女は軍倉に両手を縛られ吊るされ、処刑を待つことになります。自分の身代わりに木蘭が殺される! 青ざめ、一晩中、必死に池に潜って小袋を探す小虎。しかし、どこに沈んだのか、小袋は見つかりません。
一人で軍倉を訪れ、見張りの兵士を遠ざけ、木蘭の手の縛めを解き、スープを飲ませてやる文泰。木蘭は涙ながらに、自分が父の身代わりで女の身ながら志願したこと、処刑されても父には戦場で華々しく戦死したと告げてほしいこと、従軍以来ずっと悪夢を見てきた、自分の亡骸はすぐに焼き、誰にも見せないことを、文泰に懇願します。哀れに思いながらも、軍規を考えれば、その願いを聞き届けるしかない文泰。「…わかった、悪夢も一緒に焼いてしまおう」と約束します。
ところが翌朝、ローラン王国の大軍が軍営を奇襲してきました! 文泰に縛めを切ってもらい「この隙に一人で逃げろ!」と馬まで用意してもらった木蘭。一旦は馬に乗って軍営を出た木蘭ですが、ローラン軍に苦戦する仲間を見かね、鎧兜に身を包んで再び戦場の真っ只中に駆け戻る! そして敵軍の将兵を地面に倒し、馬乗りになって剣を振り上げるのですが…! いくら武芸に優れていても、人殺しはしたことがない、新兵なのです彼女は!
「木蘭! 剣を振り下ろせ!」。文泰の絶叫にハッと我にかえり、剣を首に叩きつけて血しぶきを浴びる木蘭…!
武将を失ったローラン兵は素早く退却。逃げ足、実に早いです。
こうして武功を挙げた木蘭は、軍営長が戦死したこともあり、窃盗の罪を許され、軍営に戻ることができたのでした。
多くの犠牲者が出て、火葬される軍営長の亡骸にすがり付く胡奎を優しく引き離す、小虎。
兵士らは歌い始めます。「人生百年 如夢如幻 有生有死 壮士何憾? 保我国土 揚我国威 生死何歓? 北地胡風 南国炊煙 思我妻児 望我家円 關山路阻 道長且遠…」と…。
日本でいうと「防人の詩(うた)」ですかねえ…♪海は死にますか 山は死にますか…じゃなくて、万葉集の方の…。
第6軍営の新たな軍営長になったのは、文泰でした。そして、敵の武将を殺した手柄で、副軍営長に花木蘭が選ばれます。…あれ? 窃盗の罪は?
兵士らはみな、木の軍票を身につけていて、名前と出身地を簡単に書いてある。戦場で、亡骸からその軍票を仲間が取り、遺骨代わりに遺族に届けることになっているのですが…。
文泰軍営長はなぜか、その血まみれの軍票を池の水で丁寧に洗い、干していく作業を一人で続けるのです。その辛い作業を手伝う木蘭。
文泰はやがて木蘭に心を許し、自分の父親が自分を嫌っているとずっと思ってきたこと、父に認められたい一心で嫌いな武術にも励んできたこと、しかし実は父は自分を鍛錬するために、わざときつく当たっていたのではないかと思うようになったこと…を打ち明けます。
心の通じ合った二人は転戦の間にもどうにか生き残り、どんどん出世していきます。やがて二人は鎮北将軍と平北将軍にまでなり、そのおかげで兵舎ではなく2人だけのテント?で寝泊まりできる。木蘭も安心して着替えができるというものです。

しかし…死屍累々の戦場で、出世が何になるでしょう…。悲しみを込めて、軍票を干し続ける二人。
ローラン軍にも、文泰将軍と花木蘭将軍の名は轟いていました。門獨王子は苛立ち、さらなる武力補強を図りますが、各部族の族長は何年も続く戦にほとほと嫌気がさし、落雪の前に自分たちの領地に帰りたいと願い出ます。
国王はそれを許し、一時休戦を図るのですが…門獨王子は族長の一部を刺殺して武力で制圧してしまうのです。もはや父にさえ刃向かう、恐れ知らずの餓狼野郎、それが門獨だ!
文泰が先発部隊を統率し、食料などの軍糧も交えた後詰め部隊を託された木蘭。しかし先発部隊が奇襲された、後詰め部隊は軍糧を死守せよと文泰の指令を告げる兵士に、彼の戦死を恐れる木蘭は兵力を一部割いて先発部隊の応援に駆けつけてしまうのです。
ところが、文泰には叱られ、戻ってみると後詰め部隊が襲われて軍糧を略奪されて兵士らも殺されていて…。あの第6軍営時代以来の仲間、「秀才」も犠牲になりました。
責任を感じる木蘭は疲弊し、もうこれ以上戦いたくない、何のために戦うのか、普通のオンナノコ、いや普通の人間になりたいと、虚しさに襲われ始めます。一種の抑ウツ状態ですね。「我々には、進むも退くも選べないんだぞ! それが戦争だ!」と叱咤激励する文泰ですが、ついに「今回の作戦には出なくていい、陣地にいろ! 今回限りだぞ!」と木蘭に宣告することに…。
やるせなく部隊の帰りを待つ、木蘭…。戻って来たのは、ローラン軍の待ち伏せに遭い、さんざん打ち負かされ、負傷者続出の疲れきった敗残部隊でした。しかも、あの小虎が血まみれの文泰の軍票を木蘭に手渡し「亡くなる間際、文泰将軍は、後の事は木蘭哥に任せるとおっしゃいました…あきらめるな、とも」と告げるではありませんか!
ガガガガーーーーーーーーン。
自分の怯えが、ためらいが、文泰や他の兵士を殺した…!
文泰の血まみれ軍票を懸命に洗い、血が洗い落とせないと一人涙し、酒に溺れ、兵士への訓練も中止したままの抑ウツ木蘭。
あああ、これだから女ってのは、感情に溺れて…!って意味ですかカントクーーー! 失礼しちゃうプンプン。
昨日の「跳出去」で、恋人の浮気疑惑でダンスコンテスト出場も仕事も全部放り出して故郷に帰っちゃった彩鳳といい、「エンプレス 運命の戦い/江山美人」で国政を放り出して恋人の危機を救おうとしたケリー・チャン陳慧琳王女といいーーー!
自分の部下らの前ではぐっと自制し訓練を続け、独りになるとポロポロ涙し酒をあおり「あー、やってらんね」とぼやいて不貞寝して翌朝メイクする時に腫れ上がったまぶたに後悔するオヤジ女の方が、世の中多いかもしれないんですぜ、監督、脚本家ーー!
うーん、こんなメソメソするウツ花木蘭、観客が観たかったとは到底思えんのですが…?
とにかく、士気は下がるわいつ奇襲されるかわからんのに指揮官不在だわで、たまりかねた小虎が、干された血まみれ軍票に掴みかかり、必死に止めようとする木蘭哥を叱咤する!
「あんたはもう、俺の知ってた木蘭哥じゃねえっ! あんたの逃避が文泰を死なせたんだ、あんたは自分勝手だ! 彼はあんたに、よき統率者になってほしがっていた。今のあんたの情けない醜態、文泰哥が見たらどんだけ嘆くことか!」
ガガガガーーーーーーーーン、パート2。
あれ…あれあれ? 下からのあおり構図になると、ジェイシー・チャン房祖名、いつのまにか二重まぶたに!
整形前の父親と同じく一重まぶただとてっきり思っていたのに! いつのまに!!
とにかく、また涙する花木蘭。
今回の木蘭、スターダスト・レビューの悪影響か?よく泣く木蘭です。
あ、いや、スタレビュの「木蘭の涙」とは…関係ないか…?
それはともかく。
花木蘭、緊急浮上−ー!
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「跳出去」が、少年マンガスポ根部門テイストなら、「花木蘭」は少女マンガ歴史ロマン少女歌劇部門テイストでした。
古代の民謡「木蘭辞」と明・清時代の木蘭伝説を題材にした映画の「花木蘭モノ」といえば、1939年版のプー・ワンツァン卜万蒼監督、ナンシー・チャン陳雲裳主演作「木蘭従軍」が有名です。説話、京劇、映画と数多くの作品があり、日本では東宝だか宝塚だかの少女歌劇(現在の宝塚歌劇団か)で「木蘭従軍」として上演されたといいます。
その男装の麗人、花木蘭を、あのドラマ「環珠格格」で皇帝の姫として大活躍するおてんば娘を演じた、映画「レッドクリフ/赤壁」で跳ねっ返りの孫権の異母妹姫、孫尚香を演じたヴィッキー・チャオ趙薇が演じる!
しかも共演は「レッドクリフ/赤壁」の趙雲こと胡軍と、「建国大業」での耽美で端正な蒋経国役も目に鮮やかだったイケメン、チェン・クン陳坤! あ、ついでにジャッキー・チェン成龍2世のジェイシー・チャン房祖名も。
てなわけで、ワクワクドキドキしながら見に行ったわけですが……。
ありぇええええええ?
大いに首を傾げる結果となったのですよ。
まず、冒頭にいきなり、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのエルフが、銀の長髪を砂漠の風なびかせて登場、吟遊詩人よろしく朗々と歌い上げます!
……失礼。エルフではなかった、人間だ。

維塔斯ことVITASことヴィタスという、ロシア系(ラトヴィア生まれモスクワ在住)白人歌手でした。 日本オフィシャルサイトもすでにある、天使のようにも悪魔的にも見える、美青年です。
この、維塔斯ことVITASことヴィタスが演じているのは、蒙古系の柔然=ローラン王国の宮廷に、人質同様に養われている北の国の王族、グーター古コ。単宇と呼ばれるローラン王国の老王に、献身的に仕えています。
ところで、男装の麗人が戦う!となれば、観客が期待するのは、いかに男臭い軍営で女と見とがめられずに過ごすかの苦労と、少年並みの華奢な体型をカバーする如何に凄い剣技や内功(気功のように、少ないパワーで相手を吹っ飛ばす…まあ超能力みたいなもの)を身につけているのかと、聡明さで如何にすごい作戦を考え出し、男の沽券ばかり気にして頭の固い将軍・参謀たちをギャフンと言わせるか、だと思うんですよ。軍隊組織にどっぷり浸かった男たちを、組織に囚われない自由な発想で負かし、かつ説得できてこそ、女は出世できるし認められ部下からは敬愛されるんですよね。そういう男社会の紅一点の鮮やかな生きざまと苦労を描くのなら、女だって大いに観たい、参考にしたい。
しかし、今回の花木蘭は……。
魏と柔然=ローラン王国の、国土を巡る戦いはもう何年も続いて一向に終わりが見えない。九大部族を統率する柔然=ローラン王国の単宇の側には、いつも公主こと王女(エンジェル・リュウ劉雨欣、元ミス武漢らしい)がはべっている。
この父娘の仲はいいのですが、どうやら第一王子で、王女とは異母兄妹にあたるらしいメンドゥー門獨(フー・ジュン胡軍)は、好戦的で乱暴者で野蛮、放生と称して気まぐれに無防備な捕虜を虐殺してしまうような非情の男で、単宇と王女の頭痛の種。王女の願いは魏の宮廷に嫁ぎ、政略結婚でもって和平を結ぶことなのですが、門獨は承知しないのです。
長々と続く異民族侵略との戦に疲弊し、老人と女子供しか残っていない、魏の辺境の村。みすぼらしい衣装、髪も何だかざんばらっぽいのが、木蘭です。あらら、木蘭は地方のお嬢様じゃなかったのか。
咳き込みながらも薬を飲むのを嫌がり、酒を飲みたがるしょうがない老父、花弧。あらら、ジャッキー・チェン成龍出演映画でよく顔を見る、成家班のいかつい人、ユー・ウェンコン于榮光じゃないですか。
体格はいいのにゲホゲホ咳を続ける老父。肺結核かしらん…しかし木蘭は、献身的に介護を続けます。
そこへやって来た、軍隊の徴兵人。軍丁とは、日本で言うと普段は農民、イザという時に出陣する郷士(下級武士)に当たるのでしょうか? その軍丁の家の姓を読み上げ、一家のうちの誰かの出陣を命じるのです。
花家も当然、呼ばれました。しかし、老父は病身、木蘭は一人娘…。
黒馬の鞍や自分の鎧甲冑を出し、出陣の支度に余念のない父。その病身を案じる木蘭。父はおそらく、戦場では命長らえることはできまい…。
父娘の会話で、母はすでに十数年前に亡くなり、幼い娘に向かって父が「亡くなった人はお空の星になるのだ」と教えたことが分かります。…ジングル・マー馬楚成監督、ロマンチストだなー。
父に、晩酌を多めに勧めた木蘭。いやあの、肺結核患者に酒飲ませていいの?
まんまと父は熟睡し、木蘭は自分が鎧甲冑を着込み、黒馬の黒風を牽いて、家を出ます。彼女は父の身代わりに、従軍することを決意したのです。
朝、娘の不在に呆然とする老父…村の高台にまろびつつ上がり、娘の姿を追い求めます…。
北魏の第6軍営では、新兵の登録の行列ができていました。木蘭の幼なじみで、子供の頃は泣き虫でいつも木蘭にかばってもらっていた、費小虎(房祖名)は、木蘭姉さんの姿に気づいて驚きます。木蘭にとっては心強い味方。なんせ厳しい軍律に縛られた軍営で、女だと見抜かれないようにしなくてはなりませんから。
男のふりをすると言う木蘭に、小虎は「じゃあ、口数少なくすること。笑う時はホホホじゃなくてアッハッハッ!と豪快に笑うこと、むやみに目を見開かない、僕のように目を小さく!」と忠告します。……ヴィッキーに目を見開くなって、そりゃ無理だよ…(^_^;) 君はパパの整形前ソックリに、目が小さいけどさあ。

同じ兵舎の若い兵士らを、木蘭に紹介する小虎。太っちょ兄弟、美人女房と子供の話ばかりする兵士、病身の母を置いてきたので涙にくれる童顔の兵士…。そのマザコン兵士の泣き声に苛立つのは、この第6軍営の営主の甥っ子にあたる、いじめっ子タイプの胡奎。発音が似ている胡亀(マヌケの意味がある)と、小虎はこっそり呼んでいるのです。胡亀がマザコン兵士を苛めようとしたとき、飛びかかったのは小虎ではなく木蘭その人でした。さんざんぶたれて泣き声を挙げる、胡亀…。
この一件で、他の男よりも一回り小柄で、あなどられがちなはずの木蘭は、兵士たちに一目置かれて「木蘭哥」と慕われるようになるのでした。
木蘭が馬小屋の黒風の世話をしていると、人懐っこく話しかけてきた兵士がいました。例のサッカー兵士…じゃない! まだ若いのに副軍営長の文泰(チャン・クン陳坤)です。最初は自分の正体を知られまいと警戒し、ツンケンしていた木蘭ですが、屈託のない文泰に、だんだんほだされてしまうのです。
しかしむさい男の間で、着替えの時はどうするんだか…その描写はなく、就寝中に「なあ、軍営内に露天風呂があるっていうのは、本当か?」と、寝ぼけまなこの小虎に聞く木蘭。さすがに着たきりスズメでは、自分の体臭に耐えられないですか。
小虎は付いて来てくれず、やむなく木蘭は一人で天然温泉露天風呂へ。実はその風呂、軍営長専用だったようですが、そんなこた木蘭が知るわけがない。
ところが、白濁した湯の中には先客がいました!
よりによって、あの文泰が!
おおおっ、華奢に思えていた陳坤、意外にしっかりと筋肉が付いて…って生唾ゴックンしてる場合じゃなーい!
人影に気づいた文泰に正体を見抜かれまいと、お湯に潜ったり格闘したりで必死になる木蘭。相手が女だと悟った文泰。取っ組み合ってる間に、木蘭の手の甲にはひっかき傷ができてしまいました!
何とか顔を見られずに逃げ去った木蘭。大変だと小虎を揺り起こそうとしますが「そいつ、木蘭哥の顔を見たのかよ? 見られてない? なら大丈夫だろ」と取り合わない寝ぼすけ小虎でした。
訓練中、いけ好かない奴!とばかりに互いにガンを飛ばしてばかりの胡奎と小虎。胡奎がうっかり絹の小袋を落としたのに気づいた小虎は、これ幸い嫌がらせ、とばかりに、絹の高価そうな小袋を訓練地前の池に蹴り込んでしまうのでした。
その日、兵舎に戻った兵士達ですが、目の色を変えた営長と甥っ子の胡奎、そして何故か営長に付き従った文泰の3人が憲兵を引き連れて乗り込んで来て、持ち物検査と身体検査を命じます。あの小袋の中には、胡奎の貴重品が入っていたのです。自分が不注意で落としたくせに、それを「盗まれた」と伯父に訴えた、卑怯な胡奎。
身体検査…! 気が遠くなりそうな木蘭。次々と服を脱いで行く仲間たちですが、木蘭にはできない!
いっそのこと、と木蘭は「盗ったのは私だ!」と名乗りをあげます。驚く兵士たち。文泰は、木蘭の手の甲のひっかき傷を見てハッとし、全てを悟ります。木蘭は女なのだ! だから身体検査でバレるくらいならと、名乗りを挙げたのだ!と。
引っ立てられ、尋問される木蘭。しかし小袋は今どこにあるのか、なぜ盗ったのか、答えることができません。
彼女は軍倉に両手を縛られ吊るされ、処刑を待つことになります。自分の身代わりに木蘭が殺される! 青ざめ、一晩中、必死に池に潜って小袋を探す小虎。しかし、どこに沈んだのか、小袋は見つかりません。
一人で軍倉を訪れ、見張りの兵士を遠ざけ、木蘭の手の縛めを解き、スープを飲ませてやる文泰。木蘭は涙ながらに、自分が父の身代わりで女の身ながら志願したこと、処刑されても父には戦場で華々しく戦死したと告げてほしいこと、従軍以来ずっと悪夢を見てきた、自分の亡骸はすぐに焼き、誰にも見せないことを、文泰に懇願します。哀れに思いながらも、軍規を考えれば、その願いを聞き届けるしかない文泰。「…わかった、悪夢も一緒に焼いてしまおう」と約束します。
ところが翌朝、ローラン王国の大軍が軍営を奇襲してきました! 文泰に縛めを切ってもらい「この隙に一人で逃げろ!」と馬まで用意してもらった木蘭。一旦は馬に乗って軍営を出た木蘭ですが、ローラン軍に苦戦する仲間を見かね、鎧兜に身を包んで再び戦場の真っ只中に駆け戻る! そして敵軍の将兵を地面に倒し、馬乗りになって剣を振り上げるのですが…! いくら武芸に優れていても、人殺しはしたことがない、新兵なのです彼女は!
「木蘭! 剣を振り下ろせ!」。文泰の絶叫にハッと我にかえり、剣を首に叩きつけて血しぶきを浴びる木蘭…!
武将を失ったローラン兵は素早く退却。逃げ足、実に早いです。
こうして武功を挙げた木蘭は、軍営長が戦死したこともあり、窃盗の罪を許され、軍営に戻ることができたのでした。
多くの犠牲者が出て、火葬される軍営長の亡骸にすがり付く胡奎を優しく引き離す、小虎。
兵士らは歌い始めます。「人生百年 如夢如幻 有生有死 壮士何憾? 保我国土 揚我国威 生死何歓? 北地胡風 南国炊煙 思我妻児 望我家円 關山路阻 道長且遠…」と…。
日本でいうと「防人の詩(うた)」ですかねえ…♪海は死にますか 山は死にますか…じゃなくて、万葉集の方の…。
第6軍営の新たな軍営長になったのは、文泰でした。そして、敵の武将を殺した手柄で、副軍営長に花木蘭が選ばれます。…あれ? 窃盗の罪は?
兵士らはみな、木の軍票を身につけていて、名前と出身地を簡単に書いてある。戦場で、亡骸からその軍票を仲間が取り、遺骨代わりに遺族に届けることになっているのですが…。
文泰軍営長はなぜか、その血まみれの軍票を池の水で丁寧に洗い、干していく作業を一人で続けるのです。その辛い作業を手伝う木蘭。
文泰はやがて木蘭に心を許し、自分の父親が自分を嫌っているとずっと思ってきたこと、父に認められたい一心で嫌いな武術にも励んできたこと、しかし実は父は自分を鍛錬するために、わざときつく当たっていたのではないかと思うようになったこと…を打ち明けます。
心の通じ合った二人は転戦の間にもどうにか生き残り、どんどん出世していきます。やがて二人は鎮北将軍と平北将軍にまでなり、そのおかげで兵舎ではなく2人だけのテント?で寝泊まりできる。木蘭も安心して着替えができるというものです。

しかし…死屍累々の戦場で、出世が何になるでしょう…。悲しみを込めて、軍票を干し続ける二人。
ローラン軍にも、文泰将軍と花木蘭将軍の名は轟いていました。門獨王子は苛立ち、さらなる武力補強を図りますが、各部族の族長は何年も続く戦にほとほと嫌気がさし、落雪の前に自分たちの領地に帰りたいと願い出ます。
国王はそれを許し、一時休戦を図るのですが…門獨王子は族長の一部を刺殺して武力で制圧してしまうのです。もはや父にさえ刃向かう、恐れ知らずの餓狼野郎、それが門獨だ!
文泰が先発部隊を統率し、食料などの軍糧も交えた後詰め部隊を託された木蘭。しかし先発部隊が奇襲された、後詰め部隊は軍糧を死守せよと文泰の指令を告げる兵士に、彼の戦死を恐れる木蘭は兵力を一部割いて先発部隊の応援に駆けつけてしまうのです。
ところが、文泰には叱られ、戻ってみると後詰め部隊が襲われて軍糧を略奪されて兵士らも殺されていて…。あの第6軍営時代以来の仲間、「秀才」も犠牲になりました。
責任を感じる木蘭は疲弊し、もうこれ以上戦いたくない、何のために戦うのか、普通のオンナノコ、いや普通の人間になりたいと、虚しさに襲われ始めます。一種の抑ウツ状態ですね。「我々には、進むも退くも選べないんだぞ! それが戦争だ!」と叱咤激励する文泰ですが、ついに「今回の作戦には出なくていい、陣地にいろ! 今回限りだぞ!」と木蘭に宣告することに…。
やるせなく部隊の帰りを待つ、木蘭…。戻って来たのは、ローラン軍の待ち伏せに遭い、さんざん打ち負かされ、負傷者続出の疲れきった敗残部隊でした。しかも、あの小虎が血まみれの文泰の軍票を木蘭に手渡し「亡くなる間際、文泰将軍は、後の事は木蘭哥に任せるとおっしゃいました…あきらめるな、とも」と告げるではありませんか!
ガガガガーーーーーーーーン。
自分の怯えが、ためらいが、文泰や他の兵士を殺した…!
文泰の血まみれ軍票を懸命に洗い、血が洗い落とせないと一人涙し、酒に溺れ、兵士への訓練も中止したままの抑ウツ木蘭。
あああ、これだから女ってのは、感情に溺れて…!って意味ですかカントクーーー! 失礼しちゃうプンプン。
昨日の「跳出去」で、恋人の浮気疑惑でダンスコンテスト出場も仕事も全部放り出して故郷に帰っちゃった彩鳳といい、「エンプレス 運命の戦い/江山美人」で国政を放り出して恋人の危機を救おうとしたケリー・チャン陳慧琳王女といいーーー!
自分の部下らの前ではぐっと自制し訓練を続け、独りになるとポロポロ涙し酒をあおり「あー、やってらんね」とぼやいて不貞寝して翌朝メイクする時に腫れ上がったまぶたに後悔するオヤジ女の方が、世の中多いかもしれないんですぜ、監督、脚本家ーー!
うーん、こんなメソメソするウツ花木蘭、観客が観たかったとは到底思えんのですが…?
とにかく、士気は下がるわいつ奇襲されるかわからんのに指揮官不在だわで、たまりかねた小虎が、干された血まみれ軍票に掴みかかり、必死に止めようとする木蘭哥を叱咤する!
「あんたはもう、俺の知ってた木蘭哥じゃねえっ! あんたの逃避が文泰を死なせたんだ、あんたは自分勝手だ! 彼はあんたに、よき統率者になってほしがっていた。今のあんたの情けない醜態、文泰哥が見たらどんだけ嘆くことか!」
ガガガガーーーーーーーーン、パート2。
あれ…あれあれ? 下からのあおり構図になると、ジェイシー・チャン房祖名、いつのまにか二重まぶたに!
整形前の父親と同じく一重まぶただとてっきり思っていたのに! いつのまに!!
とにかく、また涙する花木蘭。
今回の木蘭、スターダスト・レビューの悪影響か?よく泣く木蘭です。
あ、いや、スタレビュの「木蘭の涙」とは…関係ないか…?
それはともかく。
花木蘭、緊急浮上−ー!
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2009年12月05日
明るい農村娘、上海でストリートダンスに挑戦!「跳出去」
私事ですが、もう12月の家賃を支払うと、いくらも残らない日本・香港の銀行口座ですよ。
帰省まで自炊と引きこもりで切り抜けることにして、冬季休暇突入を記念し、隣駅のシネコンで、早場価格35HKドルで「跳出去 Jump!」を観て来ました。

原作:チャウ・シンチー周星馳、監督:スティーブン・フォン馮徳倫の、少年マンガスポ根部門のスピリッツに溢れた映画です。ステこと馮徳倫といえば、トニー・レオンに誘われて2人で北海道でスキー三昧したこともある35歳です。ユニットDRYとして活躍していた頃の相棒、マーク・ロイ雷頌徳はすっかり貫禄を増して横幅がすごいことになっていますが、ステのイケメンぶりは相変わらず。

♪夢中ーーでーー頑張る君にーーエールをーー部門。
年に数回は、こういう映画も観たくなる、nancixはモラトリアム人間(^_^;) 「フラッシュダンス」とか「カンフー・ダンク!」とか。
製作はチャウ・シンチーが母や姉妹を幹部に迎え(名前借りてるだけという説も)家族経営しているという映画製作会社、星輝公司と、北京の映画製作会社と、北京映画スタジオの共同制作。
冒頭は、ドドド超弩級農村の朝から始まります。
農家の木製窓の雨戸を引き開ける、お下げ髪のすっぴん少女。
旧式にもほどがあるラジオのダイヤルをひねると、「ローズ、ローズ、アイラブユー[王久]瑰[王久]瑰我愛イ尓」が流れてくる。姚莉の歌声かしらん?
自分で料理を始める少女。包丁で野菜をリズミカルに刻み、饅頭(餡なし)をふかし…。
庭には茶色いニワトリもいる様子。自給自足、現金収入はあまりないけど、食うには困らないわけですな。
農家の前に広がる、棚田の美しい姿。風にそよぐ稲穂はすでに黄金色に色づき、収穫の時を迎えています。
たわわに実った稲穂の間から、ひょいと顔を出して少女を呼ぶ、若い農婦3人。少女の幼なじみらしいです。
ここから映画は突然、ミュージカルに突入。村歌というか民謡というのかを、少女と農婦たちが歌い踊る。
農村ミュージカル……「劇団ふるさときゃらばん」のカントリーミュージカルですか?
歌の間に点景として描かれるのは、イマドキありえねーオールバック髪型の青年が朝飯をかき込み、川辺には洗濯物を棒で叩く農婦、広場で朝のラジオ体操…じゃなく功夫を学ぶ子どもたち、それを指導する老人らの姿。

ニコニコしながら作業服に麦わら帽子、鎌を手にして日除けの手ぬぐいを帽子から垂らして姿で歌い踊る、お下げ髪の鄙には稀な美少女は、彩鳳(キティ・チャン張雨綺)。母は数年前に亡くなり、農夫でも功夫師匠でもある老父(ユエン・チョンヤン袁祥仁、ユエン・ウォーピン袁和平の弟で、今作の武術指導も兼任。「カンフーハッスル/功夫」の、「如來神掌」本をいつも携えている謎のホームレス役)と二人暮らしです。
ここでようやく、タイトルロゴ登場。手書きで何だか可愛い♪
のどかな農村に、一台の車が入り込んできます。老若男女、大騒ぎで見物の図…昭和初期か!
車から降り立ったのは、この農村出身で、いまや成功して上海郊外で紡績工場を経営している男。彼は故郷に、自分の工場で働く出稼ぎ労働者を募集に来たのです。
ますます、昭和初期のとーほぐ東北か!
「脱貧致富」の有名な文句の横断幕が飾られた集会場で、村人を集めての男の説明に、大都会に行ける! 働いて現金収入を得られる!と色めき立つ村人たち。彩鳳も、親友の小雪(ヤオ・ウェンシュー姚文雪)もいます。「小雪」と言っても日本のあの美女とは似ても似つかない、子ブタちゃんであります。ヤオ・ウェンシュー姚文雪は、「ミラクル7号」で男装して、23歳にしていじめっ子小学生の暴龍を演じていた、捨て身の女優です。
出稼ぎ勧誘の男は「平等に公平に、争いにならないように」と、希望者から10人の人選の方法を示します。
それはテレサ・テンの名曲「月亮代表我的心」のメロディに合わせての、椅子取りゲーム!
曲は、骨董モノの”蓄音機”で演奏です! 大正浪漫か!
かき集めたらしき椅子や木製台を丸く並べ、周囲を曲に合わせて歩く村人たち。
和やかなムードが一転、曲を男が止めたとたん、ヌンチャク出して兄弟分どもを叩きのめす青年男!
普段は気のイイおばさんも、彩鳳の親友のふくよかな小雪も、悪鬼のごとき形相でライバルと闘う!
死闘の果てに、彩鳳は小雪の悲鳴を聞いてとっさにおばさんの椅子を取り上げ…小雪に座らせるのかと思いきや! ニッコリ笑って自分が座る! こんの小悪魔ーー!
ずりずり床を這い、ついに無念の死を…違う、気絶する小雪。
壁に張り付いたまま気絶している男、集会場の大扉の上に二つ折りになって伏した男…。
この、少年ギャグマンガちっくな表現がたまりません。
シンチーとステ、少年の心を未だ失わない中年男二人は、日本発のギャグマンガの表現力爆発力について、大いに論じ合い盛り上がったことがあると思われ。
かくして、都会に出られる10人は、かなり強引に決定されたのでした…。
ステの「ドラゴン・プロジェクト」などの一連の監督作と同様、父娘は食卓でおかずを奪い合って一戦交える。勝利者はもちろん老父。彩鳳は首をかしげます。「父さん、私たちなんで毎回食事のたびにこんなことしなきゃならないの?」
…セルフパロディか、ステ!
都会に出るために、いそいそと荷造りをする彩鳳に、何か言いたげな父。
「父さん、母さんが縫ってくれた花柄スカートってどこにある?」「あんなもの、捨てた。丈が短すぎる」「ええっ捨てたですって? …父さん、私の目をちゃんと観て!」
にらめっこの末に、父の嘘を悟り、屋根裏に上がってスカートを引っ張り出してくる彩鳳。
彼女は「嘘をつく人、私を騙そうとする人は、目を見れば解る」と無邪気に信じているのです。いいなぁ…nancixには本心からの言葉か社交儀礼か、本心からの仕方無くのお断りか面倒になって・悪意からのお断りなのか、相手の表情や仕草から読み取れない…。
老父は世間知らずの無邪気な娘を心配し、自分の枕の中から600数人民元(たった約8000日本円)の札を出し、娘に持たせます。おおっ、現金収入、あったんだ!
「辛くなったらいつでも帰って来い。この村にだって、おまえにふさわしいイケメンはいるんだぞ」
……そう言われてとっさに彩鳳が思い浮かべる若い村の男は、エヘラエヘラ鼻の下伸ばして笑ってる、ちょっと知恵が足りないタイプの……_| ̄|○。
とにかく、「手紙を書けよ」とせがむ父に、彩鳳は「イマドキ手紙なんて! 父さん、もっと便利なものがあるのよ!」と反論する。
いや、田舎のご老人にパソコンでEメールを打たせるのは無理でしょ…と思えば、彩鳳は旧式テープレコーダーを示し「カセットテープで声の便りを送るから!」と約束するのでした。
父が就寝した頃、彩鳳の部屋に、外から石をぶつける音。
彩鳳が雨戸を開けてみると、そこには水牛を連れた、恨めしげな目つきの小雪の姿が…。彼女だって、都会に出たかったのです。
家の外で話し合う彩鳳と小雪。
「なあんだ、あなたも街に出て働きたいの? だったらこれ、あげる!」。彩鳳はいとも簡単に、紡績工場からの招請書を小雪に譲ります。
「ええっ、いいの?」「私は街に出たいだけで、この工場で働きたいわけじゃないもの!」
「やったぁ! アタシたち、一緒に都会に行けるんだね!」
満面の笑顔で、喜び合う2人。
その喜びの延長で、舞台はすでに上海。
街路をはしゃぎながら歩むカントリーガール2人。周囲の市民もたじたじです。
ほんの一瞬、目を放した隙に親友の小雪の姿を見失い、青ざめる彩鳳。必死に友の名を呼び続けます。
人買いにさらわれたのか! 臓器売買組織に拉致されたか!
やっと見つけた小雪は、なんと整容院=美容整形外科の大広告パネルに見とれていたのでした。
好奇心旺盛な少女2人は、さっそくその整容院へ。
医師のデスクに飾られたセルフポートレートは、あの周星馳の軍師的存在(だった?)、「少林サッカー」「少林少女」にも出演した、ティン・カイマン田啓文その人のもの!
であるからして、次に映される医師の姿は、当然田啓文だと、思いきや!
少女2人を前に、爽やかに微笑むのは、イケメン代表選手のダニエル・ウー呉彦祖!!!!!!!
ダニエル、友情出演です。ただし広東語版の声の出演は、ティン・カイマン田啓文です。
田啓文、どこまで自虐的なんだ……。
顔はダニエル、声は田啓文の美容整形医、どうやら風邪を引いているらしく、やたらにくしゃみする。
ついには、付け鼻が小雪のほっぺたに飛んで張り付いた!
嗚呼、鼻がはなが、ダニエルの美貌の大部分の要素を占める、鼻筋の通った立派な鼻が!
必死に欠けた鼻を隠しつつ「私はハーバード大学卒業ですよ! 安心して! 大丈夫!」と強調する医師。
整形費用が10数万人民元と聞いて仰天し「私たち、お金無いわよ、割引してよ!」と無茶を要求する彩鳳。
その彩鳳の顔にまで、付け耳?がくしゃみと共に飛んで来て…。
美容整形をすっぱりあきらめた小雪は、やがて送迎バスに乗り込み、紡績工場に向かいます。
一人、上海の街に残った彩鳳は、街頭の大型液晶スクリーンに目が釘付けに!
そこに映されたのは、ストリートダンスに興じる若者たちのイカした姿!
ゴキゲンな音楽についつい体を動かしてしまう、彩鳳。
そう、彼女の夢は、街に出てダンスを学ぶことだったのです!
大型液晶パネルの下には、上海でまもなく行われるストリートダンスコンテスト「挑戦世界冠軍街舞比賽」の参加者募集のポスターが!
弾む心でポスターに見入る彩鳳に、眼鏡にワイシャツにネクタイ姿の男が声をかけます。
自分は「星探=タレントスカウト」だと名乗る男(リー・ションチン李尚正、「ミラクル7号」のカオ曹先生役)。……いかにも怪しい…日本ならAVプロダクションに売り飛ばされて無理やり契約させられ出演させられ…危ない彩鳳、逃げて逃げてー!
しかし、世間知らず=怖いもの知らずの彩鳳は、スカウトマンのストリートダンスコンテスト「挑戦世界冠軍街舞比賽」に代理申請してやるという勧誘を熱心に聞きます。彼女のおなかがぐううぅっと鳴ったのを悟ったスカウトマンは、彼女を伴って、上海麺屋へ。代理申請費用が要ると持ちかけます。
恥も外聞もなく麺を掻きこむ彩鳳。「お金なら、持ってないわ!」の一点張りです。
「現金は600数人民元ならあるけど、今は用心のために紡績工場にいる友達に預けてるの」
彩鳳からようやくそこまで聞き出した、スカウトマン。
「その工場まで、ここからどのくらいかかるんだ?」
「んー、歩いて行くと2日かな!」
「……車なら?」
ひょんな成り行きで、彩鳳に麺代と、交通費を支給することになる、ずるそうでいて実は人がいいのかもしれない、スカウトマン…彼は麺屋の閉店まで、いつまでもいつまでも、彩鳳の帰りを待つことになったようです…。とほほ。
さて、ヒッチハイクで紡績工場までたどり着いた、彩鳳。
守衛に「中にいる友達に会いたいの、緊急の用なのよ!」と訴えますが、仕事中は面会禁止、仕事時間以外も面会禁止だと断られます。
こういう紡績工場は、女工哀史で女工の逃亡防止と侵入者防止のために、厳重な戸締り(鉄鎖何重にも巻き付け!)をしているものだというのは、いつぞやのドキュメンタリー番組で見た記憶がある。
やはり、鉄柵鉄扉鉄鎖で牢獄のようなありさまの、女工宿舎。
ここで、この物語のもう一人の主役、朗少爺(坊ちゃま)(レオン・ジェイ・ウィリアムス立威廉)が登場します。

彩鳳がうっとり見つめたポスターに紹介されていた、上海「挑戦世界冠軍街舞比賽」の主催母体である、ダンス専門学校の経営者。そしてコンテストの主催者でもある財閥CEO。28歳にして一代で凄まじい財を築き、美女は選り取りみどり取っ換え引っ換え。運転手付きベンツもありオープンカーもあり、なぜか左耳だけにダイヤのピアスを付け、ダンス講師のサミュエル・リー先生(サミュエル・パン彭敬慈、アニタ・ムイ梅艷芳の弟子の一人、「鉄拳高 同級生はケンカ王/我的野蠻同學」「ヒロイック・デュオ英雄捜査線/雙雄」)に向かって堂々と「私はダンス自体には何の興味もない。若者たちの消費力に目をつけ、企業のイメージアップのために学校を経営しコンテストを開くに過ぎないのさ」と言っちゃう、嫌ーな実業家であります。
宿舎に忍び込むものの、監獄並みの鉄扉鉄鎖に行く手を阻まれる彩鳳。そこに近づく、懐中電灯のあかりと、人影!
絶体絶命? しかし彩鳳は幸運にも、懐中電灯片手に様子を見に来た小雪と再会・合流できたのでした!
もちろん、こういう女工宿舎には、鬼舎監のオバサンが存在するのがセオリーでして。
「アーデルハイド!」と、アルプスの少女ハイジを厳格にしつけようとしたロッテンマイヤーさんそっくりの、いやもっとふくよかで何故か傘をいつもたばさんでいる、女舎監(プルーデンス・カオ高宝雲?)が女工を監視する。
小雪と同室の女工たちに庇われ、機転を利かせてどうにか宿舎に留まれた彩鳳。
小雪のベッドに一緒に寝かせてもらい、ストリートダンスへの夢を膨らませるのでした。
ところで「少林サッカー」「カンフーハッスル」をご覧の皆様ならすでに御存知の通り、チャウ・シンチーの”美男美女ではない方々”への執着は、並々ならぬものであります。一種のフリークと言ってもいい、通常ならスクリーンに映し出されることのない、吉本新喜劇団員のような個性豊かな面々が、シンチー作品を彩るのです。ある意味、ギャグ漫画の記号論を用いているともいえます。
この小雪といい、彼女の同室の女工たちといい、なかなかのフリークぶり。なかでも、水前寺清子をもっと粗野にしたような「女」工がすごい。胸はペッタンコだし、どう見てもパパに激似なのか、男顔。シンチーテイストなら、男に演じさせて声だけ吹き替え…いや声も中性的で(泣)。
ある日、ついに鬼の女舎監に見つかってしまう彩鳳! 居候は当然追い出されるものと思いきや、女舎監は憤慨し毒づきながらも「明日からあんたも女工として働きな!」と、お目こぼしを…!
一方、彩鳳はあの上海ストリートダンスコンテストの主催母体である、ダンス専門学校を見学に行きます。エレベーター内で一緒になったのは、実はそのダンス専門学校の経営者で、コンテストの主催者でもある財閥CEO、朗坊ちゃま! ところが実業界雑誌など読んだこともない彩鳳は、彼のことを何も知りません。学費として払おうと持ってきた小銭をエレベーター内にばらまいてしまったのに、拾い集めるのを手伝ってもくれないで先に出て行った彼に、ブツブツ言うばかり。
ところが、先に出ていったはずの朗坊ちゃまは、エレベーターの外から小銭集めを手伝ってくれた…。優しい笑みにボッとなる彩鳳。
おっと、それどころじゃありません。受付でダンスレッスンの受講手続きをしようとした彩鳳ですが、彼女のあまりのみすぼらしさに、受付嬢らは「煩わせないで、さっさと裏に回ってちょうだい! 清潔工人の応募者でしょ?」とすげない。
「清潔工人? あ、ああそうです!」と目を輝かせる彩鳳。彼女は工場での作業の後、この専門学校で清掃しながら、正規レッスンを盗み見て、テクニックを学ぼうと決意するのでした。
昼間は工場でミシン踏み、昼休みは屋上でダンスステップの練習、夜は宿舎を抜け出て、専門学校で掃除をしながら、ダンスの勉強。若いからこそやれる、無茶です。ダンスステップを踏む薄化粧で、右頬にソバカスの巣もある彼女の、しかし幸せそうな、輝く笑顔といったら! まさにカメラが彼女に恋している、としか思えません!
トイレ清掃の合間に、個室で父へのメッセージをカセットテープに吹き込む彩鳳。「父さん、私はいま理想に向かって突き進んでいます! 理想を持つことはたやすいけど、それを続けることは大変です、でも私、頑張るから!」
ああ、なんてけなげで可愛いんでしょう…。
そんな彩鳳の姿を、実は経営者である朗は、ダンススタジオの上から、あるいは出入の際に、そっと観察していたのです。
朗のビジネス仲間なのか大学同級生なのか、ダンススタジオの上で生徒の女性たちを品定めする男たち。赤がいい、いや黄色がいいと盛り上がる友人たちに、朗は「俺なら灰色だな」と漏らします。「灰色?」と怪訝な顔をする友人たち。そう、生徒に灰色の服装の女性はいないのですが、その脇で必死にダンステクを見て覚えようとする、灰色の清掃工人制服の彩鳳の姿が…!
いつものように颯爽とスーツを着込み、、ブランドもので身を固めた美女とデートに出ようとした夜、彼はゴミ収集所でゴミ袋に埋もれてぐうぐう寝入ってしまった彩鳳を見かけます。
肩に手をかけて「お嬢さん、仕事上がりの時間だよ!」と声をかける朗。
目覚めた彩鳳は驚きうろたえ、慌てて駆け去るのでした。
あああ、この朗坊ちゃまが、やはり、彩鳳の「紫のバラの人」ですかー!
「笑っている方が可愛いよ、お嬢さん!」と丘の上でささやいてくれる王子様なんですかー!
(例えが古すぎる)
そんな彩鳳ですが、やはりお年頃の女の子。清掃の合い間についついダンススタジオ内のベンチの上に放置されたキンキラのデコ電 (デコケータイとも)に興味を持って手に取ってしまい、コンテストに向け特別編成されたストリートダンスチームのキツネ目女に目を付けられ、意地悪されてしまう。ストリートダンスチームのメンバーは、世界的にも有名な強豪の韓国チームに、たとえ勝てなくても精一杯の演技をしろとコーチに命じられ、カリカリきているのです。
その特別編成クラスに、コンテスト出場チームメンバーではないけど、熱心に通ってくる眼鏡のサラリーマン・ハン恒(フォン・ミンハン馮勉恒、「ミラクル7号」の体育の先生役やトニー・レオン梁朝偉&ミリアム・ヨン楊千[女華]主演「行運超人」(未)のタクシー強盗役など…実は脚本家だ!)が一人。彩鳳が話しかけるといつも「申し訳ないけど時間がない!」とそそくさと去ってしまう、何だかオタクっぽい男です。ダンスも決してうまくない。
工場では、昼休みに疲れが出て小雪にもたれかかって爆睡し、ミシン掛けに大失敗して女舎監に叱られ、冴えない彩鳳。
ある日、いつものように清掃にかこつけてレッスンを見ていると、あのキツネ目女が「何見てるのよ! あんたの仕事は清掃でしょ! あたしたち、どんだけ高いレッスン料払ってると思うの!」と言いがかりをつけてきます。
なじられて我慢できず、ダンス勝負に出る彩鳳。キツネ目女とのダンス対決には見事勝ちましたが、李講師が割って入り、「おまえには清掃以外に関わってほしくない!」と彩鳳は怒鳴られます。うなだれる彩鳳。彼女に「君のダンスはすごかったよ、才能あるよ!」と言って、そそくさと去るあのオタクサラリーマン。
彩鳳がトイレの個室で清掃作業していると、突然羽毛のようにフワフワと雪が、いやチリが降ってきます。幻想の世界に入ってステップを踏む彩鳳。しかし我に返ると、それはあのダンスチームの女たちが小麦粉だかコーンスターチだかを彩鳳に浴びせかけ、嘲笑していたに過ぎないのでした。
「清掃人がダンスだってさ! あーおかしい、ダンスだって! 踊ってみなよ、ほらほら!」
屈辱にまみれ、逃げるように立ち去る彩鳳でした…。
外は冷たい雨。いつものように紡績工場の女工宿舎の塀を乗り越えた彩鳳でしたが、雨で濡れたガラクタで足が滑り、着地の時に足をくじいてしまいます。あまりの情けなさに座り込んで動けなくなる、彩鳳。
そこに近づく人影が…。
それはあの、鬼の女舎監でした。
ところがその夜、女舎監はいつも持っている傘を彩鳳にさしかけ、「あんた、毎晩どこで何をしてるんだい?」と問いかけます。
「…ダンスを習ってるんです、私の夢なんです!」と答える彩鳳。
「やれやれ、私も夢を持って都会に出てきた多くの若者を見てきたものだ。でも、いつかは誰だって現実に目覚めなければならない。あんたは格別の美人ってわけじゃないし、工場の仕事だってまあまあ出来るに過ぎないじゃないか。夢は夢、現実にしっかりと足を付けて、地道に生きることを考えな!」
「理想で飯は食えないよ。現実は耳に痛いものだろうけど、よく自分で考えなさい」
諭され、うなだれる彩鳳に傘を預け、何故か持っていた小さな傘をさして、去っていくロッテンマイヤーさん、いや女舎監の後ろ姿、カッコいい……。
2段ベッドの下段で、寝付かれず考え込む彩鳳…。あれ? 小雪ちゃんは? いつの間に1人ベッドに?
その夜から、彩鳳は専門学校での清掃作業を休み、紡績工場では気が抜けたようにぼうっと考え込むのでした。
心配する女工仲間。しかし彩鳳が何も語らないので、どうすることもできません。
日曜なのか、公園のベンチでぼんやりしている彩鳳。
その前に、中高年女性軍団と、中高年男性軍団が、つかつかと行進してきます。
……一触即発の、ヤバい事態?
女性の一人が、抱えてきたのはラジカセ。
女性軍団と男性軍団の中間に、ラジカセが置かれ…。
ダンス曲が流れ出すと、男女は互いに一礼し、始まったのは、社交ダンスだったのです!
上海でも、いるんですねえ、公園でダンスに興じる中高年…。
香港の某公園でも、アンプ&スピーカー&カラオケマシーンを持ち込み、カラオケ&ダンスに興じる中高年が名物ですよ。
彩鳳がうっとりと眺めていると、走ってきたのはあのオタクサラリーマンのハン恒。
老女に手招きされ、手を取って社交ダンスを始めるではありませんか。
彩鳳が驚いていると、恒はやがて彩鳳に気づいてレッスンを中断し、彩鳳に話しかけてきました。
「最近、君を学校で見ないけど。もう清掃の仕事は辞めたのか? …皆がみんな、ダンスの才能に恵まれているわけじゃないんだよ。俺には天賦の才はないけど、好きだからヘタでもこうして続けてる。君はせっかく才能に恵まれたんだから、あきらめるべきじゃないよ!」
そういうと、老女の誘いに応じてまた踊り出す、ヘタだけど本当に楽しそうな恒…。
彩鳳は、彼や中高年の皆さんが無心に踊る姿に、何か悟るものがあったのでした。
好きこそものの上手なれ。基本に立ち戻って、踊りたいという自分の気持に忠実になろうと…。
彩鳳が李先生に厳しく咎められた後、彼女は経営者の朗の部屋に呼ばれます。
彼はサミュエル・李先生に電話し「山出しの村娘が、ストリートダンスの花形ダンサーに育つというのは、格好のシンデレラ・サクセスストーリーだ、わが社の企業イメージのアップにも繋がる。彩鳳をチームに加えろ」と命じるのでした。
それで気がついたんですが、このサミュエル・李先生も、片耳にダイヤのピアスしてる…! まさか、二人はゲイカップル…?
そういうわけじゃありませんでした…。かくして学費免除、清掃作業もしなくていい、生活費は学校持ち、という夢のような条件で、ダンスレッスンだけに打ち込むことができるようになった、彩鳳。
さらに、ある日朗が彼女に声をかけます。「君は、ハイヒールを持ってる?」
セレクトショップを貸し切り、彩鳳の鼻の下の産毛も抜き(女だってヒゲは生えるんですっ!)、メイクにヘアメイクに濃いピンクのシルクドレスにハイヒール、全て揃えて高級西洋レストランでのディナーに誘う朗。履き慣れないハイヒールでピョコピョコ歩く彩鳳が可愛い。でも、これじゃリチャード・ギアとジュリア・ロバーツの「プリティ・ウーマン」で、ジャッキー・チェン成龍とスー・チー舒淇の「ゴージャス」じゃないですかぁ!
しかし、英文メニューが読めない彩鳳(^_^;) 「写真入りのメニューはないの?」という問い掛けが、日本でいうファミレス、香港でいう茶餐廳しか知らないんだなあと、リアルに感じさせられます。
彩鳳は朗に問いかけます。「あなたは、どんな時が一番嬉しいの?」
「そうだな…僕の会社が株式上場した時かな」
「え? 何が嬉しかったの?」
「僕の財産が一気に5倍になった」
「ふううん。私が嬉しかったのは、父と農作業をしていて、頭上に虹が出たのを2人で見た時だったわ。楽しいことをするのに、本当はお金なんて要らないのよ」
……どこまでも異なる価値観の、2人です。
……大丈夫かいな……?
ディナーを済ませ(フォークとナイフの使い方、大丈夫だったのかしらん…?)、夜道を紡績工場に向かって歩く2人。塀に映るシルエットが腕を組んでいるように見えるよう、そっと朗の腕の近くまで手を伸ばす、いじらしい彩鳳。その動作に気づいた朗は微笑み、手を繋ぐのです。
うわーーーー、やっぱり「紫のバラの人」かぁぁぁああああ!
そしてついに、ファーストキッスを朗に捧げる、彩鳳……。工場のあの守衛も、見て見ぬふりを決め込んでくれます。
「それでそれで? その後はどうなったの?」と翌日、興味津々で尋ねる女工仲間。
「その後って…何もないわ、そのまま宿舎に帰ってきたもの」と答えつつ、ウキウキの彩鳳。
費用の心配もなくダンスに打ち込め、恋も順調、何というラッキーガール(^_^;)
ストリートダンスチームのあの意地悪キツネ目女も、彩鳳のダンスの才能に一目置き、プレゼントを通じて仲よくなるし。
すっぴんから薄化粧へ。どんどん垢抜け、綺麗になっていく彩鳳。
ある日、デート中にあのスカウトマンに出くわした彩鳳は、義理堅くも上海麺代金と紡績工場までの交通費を返すのでした。突然美女に声をかけられお札を渡され、当然のように受け取ったものの実は相手に心当たりがなく、首をひねるスカウトマン…実は人のいい人、だったんじゃん!
しかし…今までプレイボーイとして名を馳せて来た朗が、どこまで本気なのか? 実は彩鳳も心底彼を信じるところまでは、いかなかったのです…。
彩鳳が小雪をあの高級レストランでのディナーに招待して朗と引き合わせようとした時、朗は「急用が出来たので、ディナーに付き合えない。ここの勘定は僕が持つから、2人で好きなものを食べて」と彩鳳に告げ、急いで去ってしまうのです。
小雪は「彼、あなたに対してどこまで本気なの?」と不安を彩鳳に告げます。
彩鳳はついに、電話を聞いて急に自宅を出て行った朗の車を、タクシーで追うという行為に出ます。あちゃーー。
朗の車は、上海国際空港に到着…到着ゲートから出て来た一人の美女を嬉しげに抱きしめ、車の助手席に乗せるのでした。
それを見届け、タクシーで自宅に戻る彩鳳は、車内でひたすら泣きじゃくる……。
夜、あの空港の美女を伴って帰宅しようとした朗の前に、立ちふさがる小雪。
「あんた、彩鳳に何をしたの! 彩鳳、失跡しちゃったわよ! あんたたちのせいで!」
呆然とする朗…!
朗への不信をきっかけに、失意の彩鳳は突如、ダンスレッスンを辞め、紡績工場も辞め、郷里に一人戻ってしまったのでした…。
少しも変わらぬ田園風景、少しも変わらず彼女を迎えた老父。
BGMはピアノソロで奏でられる、テレサ・テンの「月亮代表我的心」。
寝床で毛布をかぶって泣きじゃくる娘に、なす術のない老父。
「その…ファーストキッスを捧げた以外にも…何か…あったのか?」
彩鳳のうっかりした返事に「その男、殺す!」と気色ばむ老父。「父さん、違うの、キッス以外何もなかったの!」あわてて止める彩鳳。
……えーーーっ、てっきり同棲してあーんなこともこーんなことも捧げちゃった後かと…!
朗、意外に純情じゃーーん?
父の励ましも聞かず、寝床で泣きじゃくるばかりの彩鳳…まだまだ、子供だねえ…。
どこを蹴飛ばしてしまったのか、いきなり彩鳳の声があのテープレコーダーから流れ始める。
あの、声のメッセージです。老父、数度の彩鳳のメッセージを1本のテープにダビングし直したのか? やるなあ。
「父さん、私はいま理想に向かって突き進んでいます! 理想を持つことはたやすいけど、それを続けることは大変です、でも私、頑張るから!」
その自分の言葉を聞いた彩鳳は、ハッとするのです。
果たして彼女は、何もかも放り出したままで、いいのでしょうか!(いいわけがなーい!)
彩鳳のいない間に、あのストリートダンスコンテスト「挑戦世界冠軍街舞比賽」が開幕していました。
世界チャンピオン、韓国の南城隊に挑む、中国の紅星隊!(ダサッ)
そう、あの上海の、朗が経営する専門学校の精鋭によって構成された、男女チームのことです!
アフリカン系アメリカンの司会者によると、会場の拍手喝采が多い方が勝利を収めることになるのです!(だったらサクラを配置すりゃいーじゃん?)。
闘志みなぎる、男ばっかりでの野性的なアクロバットを見せる韓国チーム(プロ?)に比べ、中国男女混成チームはいかにもお上品。やっぱ中国で高いレッスン料払って、わざわざ海外のストリートダンスを学ぼうなんてのは、坊ちゃんお嬢ちゃんなんでしょうか?
チームの花形、あのキツネ目の女が、持ち時間あと1分!というところで、足をくじく。
李先生、焦る。「彼女の代わりを、シンディ、おまえ務められるか? 芋芋は?」
女メンバーが辞退する中、「はい、やります!」と明るく返事してニコニコするのは……!
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帰省まで自炊と引きこもりで切り抜けることにして、冬季休暇突入を記念し、隣駅のシネコンで、早場価格35HKドルで「跳出去 Jump!」を観て来ました。

原作:チャウ・シンチー周星馳、監督:スティーブン・フォン馮徳倫の、少年マンガスポ根部門のスピリッツに溢れた映画です。ステこと馮徳倫といえば、トニー・レオンに誘われて2人で北海道でスキー三昧したこともある35歳です。ユニットDRYとして活躍していた頃の相棒、マーク・ロイ雷頌徳はすっかり貫禄を増して横幅がすごいことになっていますが、ステのイケメンぶりは相変わらず。

♪夢中ーーでーー頑張る君にーーエールをーー部門。
年に数回は、こういう映画も観たくなる、nancixはモラトリアム人間(^_^;) 「フラッシュダンス」とか「カンフー・ダンク!」とか。
製作はチャウ・シンチーが母や姉妹を幹部に迎え(名前借りてるだけという説も)家族経営しているという映画製作会社、星輝公司と、北京の映画製作会社と、北京映画スタジオの共同制作。
冒頭は、ドドド超弩級農村の朝から始まります。
農家の木製窓の雨戸を引き開ける、お下げ髪のすっぴん少女。
旧式にもほどがあるラジオのダイヤルをひねると、「ローズ、ローズ、アイラブユー[王久]瑰[王久]瑰我愛イ尓」が流れてくる。姚莉の歌声かしらん?
自分で料理を始める少女。包丁で野菜をリズミカルに刻み、饅頭(餡なし)をふかし…。
庭には茶色いニワトリもいる様子。自給自足、現金収入はあまりないけど、食うには困らないわけですな。
農家の前に広がる、棚田の美しい姿。風にそよぐ稲穂はすでに黄金色に色づき、収穫の時を迎えています。
たわわに実った稲穂の間から、ひょいと顔を出して少女を呼ぶ、若い農婦3人。少女の幼なじみらしいです。
ここから映画は突然、ミュージカルに突入。村歌というか民謡というのかを、少女と農婦たちが歌い踊る。
農村ミュージカル……「劇団ふるさときゃらばん」のカントリーミュージカルですか?
歌の間に点景として描かれるのは、イマドキありえねーオールバック髪型の青年が朝飯をかき込み、川辺には洗濯物を棒で叩く農婦、広場で朝のラジオ体操…じゃなく功夫を学ぶ子どもたち、それを指導する老人らの姿。

ニコニコしながら作業服に麦わら帽子、鎌を手にして日除けの手ぬぐいを帽子から垂らして姿で歌い踊る、お下げ髪の鄙には稀な美少女は、彩鳳(キティ・チャン張雨綺)。母は数年前に亡くなり、農夫でも功夫師匠でもある老父(ユエン・チョンヤン袁祥仁、ユエン・ウォーピン袁和平の弟で、今作の武術指導も兼任。「カンフーハッスル/功夫」の、「如來神掌」本をいつも携えている謎のホームレス役)と二人暮らしです。
ここでようやく、タイトルロゴ登場。手書きで何だか可愛い♪
のどかな農村に、一台の車が入り込んできます。老若男女、大騒ぎで見物の図…昭和初期か!
車から降り立ったのは、この農村出身で、いまや成功して上海郊外で紡績工場を経営している男。彼は故郷に、自分の工場で働く出稼ぎ労働者を募集に来たのです。
ますます、昭和初期のとーほぐ東北か!
「脱貧致富」の有名な文句の横断幕が飾られた集会場で、村人を集めての男の説明に、大都会に行ける! 働いて現金収入を得られる!と色めき立つ村人たち。彩鳳も、親友の小雪(ヤオ・ウェンシュー姚文雪)もいます。「小雪」と言っても日本のあの美女とは似ても似つかない、子ブタちゃんであります。ヤオ・ウェンシュー姚文雪は、「ミラクル7号」で男装して、23歳にしていじめっ子小学生の暴龍を演じていた、捨て身の女優です。
出稼ぎ勧誘の男は「平等に公平に、争いにならないように」と、希望者から10人の人選の方法を示します。
それはテレサ・テンの名曲「月亮代表我的心」のメロディに合わせての、椅子取りゲーム!
曲は、骨董モノの”蓄音機”で演奏です! 大正浪漫か!
かき集めたらしき椅子や木製台を丸く並べ、周囲を曲に合わせて歩く村人たち。
和やかなムードが一転、曲を男が止めたとたん、ヌンチャク出して兄弟分どもを叩きのめす青年男!
普段は気のイイおばさんも、彩鳳の親友のふくよかな小雪も、悪鬼のごとき形相でライバルと闘う!
死闘の果てに、彩鳳は小雪の悲鳴を聞いてとっさにおばさんの椅子を取り上げ…小雪に座らせるのかと思いきや! ニッコリ笑って自分が座る! こんの小悪魔ーー!
ずりずり床を這い、ついに無念の死を…違う、気絶する小雪。
壁に張り付いたまま気絶している男、集会場の大扉の上に二つ折りになって伏した男…。
この、少年ギャグマンガちっくな表現がたまりません。
シンチーとステ、少年の心を未だ失わない中年男二人は、日本発のギャグマンガの表現力爆発力について、大いに論じ合い盛り上がったことがあると思われ。
かくして、都会に出られる10人は、かなり強引に決定されたのでした…。
ステの「ドラゴン・プロジェクト」などの一連の監督作と同様、父娘は食卓でおかずを奪い合って一戦交える。勝利者はもちろん老父。彩鳳は首をかしげます。「父さん、私たちなんで毎回食事のたびにこんなことしなきゃならないの?」
…セルフパロディか、ステ!
都会に出るために、いそいそと荷造りをする彩鳳に、何か言いたげな父。
「父さん、母さんが縫ってくれた花柄スカートってどこにある?」「あんなもの、捨てた。丈が短すぎる」「ええっ捨てたですって? …父さん、私の目をちゃんと観て!」
にらめっこの末に、父の嘘を悟り、屋根裏に上がってスカートを引っ張り出してくる彩鳳。
彼女は「嘘をつく人、私を騙そうとする人は、目を見れば解る」と無邪気に信じているのです。いいなぁ…nancixには本心からの言葉か社交儀礼か、本心からの仕方無くのお断りか面倒になって・悪意からのお断りなのか、相手の表情や仕草から読み取れない…。
老父は世間知らずの無邪気な娘を心配し、自分の枕の中から600数人民元(たった約8000日本円)の札を出し、娘に持たせます。おおっ、現金収入、あったんだ!
「辛くなったらいつでも帰って来い。この村にだって、おまえにふさわしいイケメンはいるんだぞ」
……そう言われてとっさに彩鳳が思い浮かべる若い村の男は、エヘラエヘラ鼻の下伸ばして笑ってる、ちょっと知恵が足りないタイプの……_| ̄|○。
とにかく、「手紙を書けよ」とせがむ父に、彩鳳は「イマドキ手紙なんて! 父さん、もっと便利なものがあるのよ!」と反論する。
いや、田舎のご老人にパソコンでEメールを打たせるのは無理でしょ…と思えば、彩鳳は旧式テープレコーダーを示し「カセットテープで声の便りを送るから!」と約束するのでした。
父が就寝した頃、彩鳳の部屋に、外から石をぶつける音。
彩鳳が雨戸を開けてみると、そこには水牛を連れた、恨めしげな目つきの小雪の姿が…。彼女だって、都会に出たかったのです。
家の外で話し合う彩鳳と小雪。
「なあんだ、あなたも街に出て働きたいの? だったらこれ、あげる!」。彩鳳はいとも簡単に、紡績工場からの招請書を小雪に譲ります。
「ええっ、いいの?」「私は街に出たいだけで、この工場で働きたいわけじゃないもの!」
「やったぁ! アタシたち、一緒に都会に行けるんだね!」
満面の笑顔で、喜び合う2人。
その喜びの延長で、舞台はすでに上海。
街路をはしゃぎながら歩むカントリーガール2人。周囲の市民もたじたじです。
ほんの一瞬、目を放した隙に親友の小雪の姿を見失い、青ざめる彩鳳。必死に友の名を呼び続けます。
人買いにさらわれたのか! 臓器売買組織に拉致されたか!
やっと見つけた小雪は、なんと整容院=美容整形外科の大広告パネルに見とれていたのでした。
好奇心旺盛な少女2人は、さっそくその整容院へ。
医師のデスクに飾られたセルフポートレートは、あの周星馳の軍師的存在(だった?)、「少林サッカー」「少林少女」にも出演した、ティン・カイマン田啓文その人のもの!
であるからして、次に映される医師の姿は、当然田啓文だと、思いきや!
少女2人を前に、爽やかに微笑むのは、イケメン代表選手のダニエル・ウー呉彦祖!!!!!!!
ダニエル、友情出演です。ただし広東語版の声の出演は、ティン・カイマン田啓文です。
田啓文、どこまで自虐的なんだ……。
顔はダニエル、声は田啓文の美容整形医、どうやら風邪を引いているらしく、やたらにくしゃみする。
ついには、付け鼻が小雪のほっぺたに飛んで張り付いた!
嗚呼、鼻がはなが、ダニエルの美貌の大部分の要素を占める、鼻筋の通った立派な鼻が!
必死に欠けた鼻を隠しつつ「私はハーバード大学卒業ですよ! 安心して! 大丈夫!」と強調する医師。
整形費用が10数万人民元と聞いて仰天し「私たち、お金無いわよ、割引してよ!」と無茶を要求する彩鳳。
その彩鳳の顔にまで、付け耳?がくしゃみと共に飛んで来て…。
美容整形をすっぱりあきらめた小雪は、やがて送迎バスに乗り込み、紡績工場に向かいます。
一人、上海の街に残った彩鳳は、街頭の大型液晶スクリーンに目が釘付けに!
そこに映されたのは、ストリートダンスに興じる若者たちのイカした姿!
ゴキゲンな音楽についつい体を動かしてしまう、彩鳳。
そう、彼女の夢は、街に出てダンスを学ぶことだったのです!
大型液晶パネルの下には、上海でまもなく行われるストリートダンスコンテスト「挑戦世界冠軍街舞比賽」の参加者募集のポスターが!
弾む心でポスターに見入る彩鳳に、眼鏡にワイシャツにネクタイ姿の男が声をかけます。
自分は「星探=タレントスカウト」だと名乗る男(リー・ションチン李尚正、「ミラクル7号」のカオ曹先生役)。……いかにも怪しい…日本ならAVプロダクションに売り飛ばされて無理やり契約させられ出演させられ…危ない彩鳳、逃げて逃げてー!
しかし、世間知らず=怖いもの知らずの彩鳳は、スカウトマンのストリートダンスコンテスト「挑戦世界冠軍街舞比賽」に代理申請してやるという勧誘を熱心に聞きます。彼女のおなかがぐううぅっと鳴ったのを悟ったスカウトマンは、彼女を伴って、上海麺屋へ。代理申請費用が要ると持ちかけます。
恥も外聞もなく麺を掻きこむ彩鳳。「お金なら、持ってないわ!」の一点張りです。
「現金は600数人民元ならあるけど、今は用心のために紡績工場にいる友達に預けてるの」
彩鳳からようやくそこまで聞き出した、スカウトマン。
「その工場まで、ここからどのくらいかかるんだ?」
「んー、歩いて行くと2日かな!」
「……車なら?」
ひょんな成り行きで、彩鳳に麺代と、交通費を支給することになる、ずるそうでいて実は人がいいのかもしれない、スカウトマン…彼は麺屋の閉店まで、いつまでもいつまでも、彩鳳の帰りを待つことになったようです…。とほほ。
さて、ヒッチハイクで紡績工場までたどり着いた、彩鳳。
守衛に「中にいる友達に会いたいの、緊急の用なのよ!」と訴えますが、仕事中は面会禁止、仕事時間以外も面会禁止だと断られます。
こういう紡績工場は、女工哀史で女工の逃亡防止と侵入者防止のために、厳重な戸締り(鉄鎖何重にも巻き付け!)をしているものだというのは、いつぞやのドキュメンタリー番組で見た記憶がある。
やはり、鉄柵鉄扉鉄鎖で牢獄のようなありさまの、女工宿舎。
ここで、この物語のもう一人の主役、朗少爺(坊ちゃま)(レオン・ジェイ・ウィリアムス立威廉)が登場します。

彩鳳がうっとり見つめたポスターに紹介されていた、上海「挑戦世界冠軍街舞比賽」の主催母体である、ダンス専門学校の経営者。そしてコンテストの主催者でもある財閥CEO。28歳にして一代で凄まじい財を築き、美女は選り取りみどり取っ換え引っ換え。運転手付きベンツもありオープンカーもあり、なぜか左耳だけにダイヤのピアスを付け、ダンス講師のサミュエル・リー先生(サミュエル・パン彭敬慈、アニタ・ムイ梅艷芳の弟子の一人、「鉄拳高 同級生はケンカ王/我的野蠻同學」「ヒロイック・デュオ英雄捜査線/雙雄」)に向かって堂々と「私はダンス自体には何の興味もない。若者たちの消費力に目をつけ、企業のイメージアップのために学校を経営しコンテストを開くに過ぎないのさ」と言っちゃう、嫌ーな実業家であります。
宿舎に忍び込むものの、監獄並みの鉄扉鉄鎖に行く手を阻まれる彩鳳。そこに近づく、懐中電灯のあかりと、人影!
絶体絶命? しかし彩鳳は幸運にも、懐中電灯片手に様子を見に来た小雪と再会・合流できたのでした!
もちろん、こういう女工宿舎には、鬼舎監のオバサンが存在するのがセオリーでして。
「アーデルハイド!」と、アルプスの少女ハイジを厳格にしつけようとしたロッテンマイヤーさんそっくりの、いやもっとふくよかで何故か傘をいつもたばさんでいる、女舎監(プルーデンス・カオ高宝雲?)が女工を監視する。
小雪と同室の女工たちに庇われ、機転を利かせてどうにか宿舎に留まれた彩鳳。
小雪のベッドに一緒に寝かせてもらい、ストリートダンスへの夢を膨らませるのでした。
ところで「少林サッカー」「カンフーハッスル」をご覧の皆様ならすでに御存知の通り、チャウ・シンチーの”美男美女ではない方々”への執着は、並々ならぬものであります。一種のフリークと言ってもいい、通常ならスクリーンに映し出されることのない、吉本新喜劇団員のような個性豊かな面々が、シンチー作品を彩るのです。ある意味、ギャグ漫画の記号論を用いているともいえます。
この小雪といい、彼女の同室の女工たちといい、なかなかのフリークぶり。なかでも、水前寺清子をもっと粗野にしたような「女」工がすごい。胸はペッタンコだし、どう見てもパパに激似なのか、男顔。シンチーテイストなら、男に演じさせて声だけ吹き替え…いや声も中性的で(泣)。
ある日、ついに鬼の女舎監に見つかってしまう彩鳳! 居候は当然追い出されるものと思いきや、女舎監は憤慨し毒づきながらも「明日からあんたも女工として働きな!」と、お目こぼしを…!
一方、彩鳳はあの上海ストリートダンスコンテストの主催母体である、ダンス専門学校を見学に行きます。エレベーター内で一緒になったのは、実はそのダンス専門学校の経営者で、コンテストの主催者でもある財閥CEO、朗坊ちゃま! ところが実業界雑誌など読んだこともない彩鳳は、彼のことを何も知りません。学費として払おうと持ってきた小銭をエレベーター内にばらまいてしまったのに、拾い集めるのを手伝ってもくれないで先に出て行った彼に、ブツブツ言うばかり。
ところが、先に出ていったはずの朗坊ちゃまは、エレベーターの外から小銭集めを手伝ってくれた…。優しい笑みにボッとなる彩鳳。
おっと、それどころじゃありません。受付でダンスレッスンの受講手続きをしようとした彩鳳ですが、彼女のあまりのみすぼらしさに、受付嬢らは「煩わせないで、さっさと裏に回ってちょうだい! 清潔工人の応募者でしょ?」とすげない。
「清潔工人? あ、ああそうです!」と目を輝かせる彩鳳。彼女は工場での作業の後、この専門学校で清掃しながら、正規レッスンを盗み見て、テクニックを学ぼうと決意するのでした。
昼間は工場でミシン踏み、昼休みは屋上でダンスステップの練習、夜は宿舎を抜け出て、専門学校で掃除をしながら、ダンスの勉強。若いからこそやれる、無茶です。ダンスステップを踏む薄化粧で、右頬にソバカスの巣もある彼女の、しかし幸せそうな、輝く笑顔といったら! まさにカメラが彼女に恋している、としか思えません!
トイレ清掃の合間に、個室で父へのメッセージをカセットテープに吹き込む彩鳳。「父さん、私はいま理想に向かって突き進んでいます! 理想を持つことはたやすいけど、それを続けることは大変です、でも私、頑張るから!」
ああ、なんてけなげで可愛いんでしょう…。
そんな彩鳳の姿を、実は経営者である朗は、ダンススタジオの上から、あるいは出入の際に、そっと観察していたのです。
朗のビジネス仲間なのか大学同級生なのか、ダンススタジオの上で生徒の女性たちを品定めする男たち。赤がいい、いや黄色がいいと盛り上がる友人たちに、朗は「俺なら灰色だな」と漏らします。「灰色?」と怪訝な顔をする友人たち。そう、生徒に灰色の服装の女性はいないのですが、その脇で必死にダンステクを見て覚えようとする、灰色の清掃工人制服の彩鳳の姿が…!
いつものように颯爽とスーツを着込み、、ブランドもので身を固めた美女とデートに出ようとした夜、彼はゴミ収集所でゴミ袋に埋もれてぐうぐう寝入ってしまった彩鳳を見かけます。
肩に手をかけて「お嬢さん、仕事上がりの時間だよ!」と声をかける朗。
目覚めた彩鳳は驚きうろたえ、慌てて駆け去るのでした。
あああ、この朗坊ちゃまが、やはり、彩鳳の「紫のバラの人」ですかー!
「笑っている方が可愛いよ、お嬢さん!」と丘の上でささやいてくれる王子様なんですかー!
(例えが古すぎる)
そんな彩鳳ですが、やはりお年頃の女の子。清掃の合い間についついダンススタジオ内のベンチの上に放置されたキンキラのデコ電 (デコケータイとも)に興味を持って手に取ってしまい、コンテストに向け特別編成されたストリートダンスチームのキツネ目女に目を付けられ、意地悪されてしまう。ストリートダンスチームのメンバーは、世界的にも有名な強豪の韓国チームに、たとえ勝てなくても精一杯の演技をしろとコーチに命じられ、カリカリきているのです。
その特別編成クラスに、コンテスト出場チームメンバーではないけど、熱心に通ってくる眼鏡のサラリーマン・ハン恒(フォン・ミンハン馮勉恒、「ミラクル7号」の体育の先生役やトニー・レオン梁朝偉&ミリアム・ヨン楊千[女華]主演「行運超人」(未)のタクシー強盗役など…実は脚本家だ!)が一人。彩鳳が話しかけるといつも「申し訳ないけど時間がない!」とそそくさと去ってしまう、何だかオタクっぽい男です。ダンスも決してうまくない。
工場では、昼休みに疲れが出て小雪にもたれかかって爆睡し、ミシン掛けに大失敗して女舎監に叱られ、冴えない彩鳳。
ある日、いつものように清掃にかこつけてレッスンを見ていると、あのキツネ目女が「何見てるのよ! あんたの仕事は清掃でしょ! あたしたち、どんだけ高いレッスン料払ってると思うの!」と言いがかりをつけてきます。
なじられて我慢できず、ダンス勝負に出る彩鳳。キツネ目女とのダンス対決には見事勝ちましたが、李講師が割って入り、「おまえには清掃以外に関わってほしくない!」と彩鳳は怒鳴られます。うなだれる彩鳳。彼女に「君のダンスはすごかったよ、才能あるよ!」と言って、そそくさと去るあのオタクサラリーマン。
彩鳳がトイレの個室で清掃作業していると、突然羽毛のようにフワフワと雪が、いやチリが降ってきます。幻想の世界に入ってステップを踏む彩鳳。しかし我に返ると、それはあのダンスチームの女たちが小麦粉だかコーンスターチだかを彩鳳に浴びせかけ、嘲笑していたに過ぎないのでした。
「清掃人がダンスだってさ! あーおかしい、ダンスだって! 踊ってみなよ、ほらほら!」
屈辱にまみれ、逃げるように立ち去る彩鳳でした…。
外は冷たい雨。いつものように紡績工場の女工宿舎の塀を乗り越えた彩鳳でしたが、雨で濡れたガラクタで足が滑り、着地の時に足をくじいてしまいます。あまりの情けなさに座り込んで動けなくなる、彩鳳。
そこに近づく人影が…。
それはあの、鬼の女舎監でした。
ところがその夜、女舎監はいつも持っている傘を彩鳳にさしかけ、「あんた、毎晩どこで何をしてるんだい?」と問いかけます。
「…ダンスを習ってるんです、私の夢なんです!」と答える彩鳳。
「やれやれ、私も夢を持って都会に出てきた多くの若者を見てきたものだ。でも、いつかは誰だって現実に目覚めなければならない。あんたは格別の美人ってわけじゃないし、工場の仕事だってまあまあ出来るに過ぎないじゃないか。夢は夢、現実にしっかりと足を付けて、地道に生きることを考えな!」
「理想で飯は食えないよ。現実は耳に痛いものだろうけど、よく自分で考えなさい」
諭され、うなだれる彩鳳に傘を預け、何故か持っていた小さな傘をさして、去っていくロッテンマイヤーさん、いや女舎監の後ろ姿、カッコいい……。
2段ベッドの下段で、寝付かれず考え込む彩鳳…。あれ? 小雪ちゃんは? いつの間に1人ベッドに?
その夜から、彩鳳は専門学校での清掃作業を休み、紡績工場では気が抜けたようにぼうっと考え込むのでした。
心配する女工仲間。しかし彩鳳が何も語らないので、どうすることもできません。
日曜なのか、公園のベンチでぼんやりしている彩鳳。
その前に、中高年女性軍団と、中高年男性軍団が、つかつかと行進してきます。
……一触即発の、ヤバい事態?
女性の一人が、抱えてきたのはラジカセ。
女性軍団と男性軍団の中間に、ラジカセが置かれ…。
ダンス曲が流れ出すと、男女は互いに一礼し、始まったのは、社交ダンスだったのです!
上海でも、いるんですねえ、公園でダンスに興じる中高年…。
香港の某公園でも、アンプ&スピーカー&カラオケマシーンを持ち込み、カラオケ&ダンスに興じる中高年が名物ですよ。
彩鳳がうっとりと眺めていると、走ってきたのはあのオタクサラリーマンのハン恒。
老女に手招きされ、手を取って社交ダンスを始めるではありませんか。
彩鳳が驚いていると、恒はやがて彩鳳に気づいてレッスンを中断し、彩鳳に話しかけてきました。
「最近、君を学校で見ないけど。もう清掃の仕事は辞めたのか? …皆がみんな、ダンスの才能に恵まれているわけじゃないんだよ。俺には天賦の才はないけど、好きだからヘタでもこうして続けてる。君はせっかく才能に恵まれたんだから、あきらめるべきじゃないよ!」
そういうと、老女の誘いに応じてまた踊り出す、ヘタだけど本当に楽しそうな恒…。
彩鳳は、彼や中高年の皆さんが無心に踊る姿に、何か悟るものがあったのでした。
好きこそものの上手なれ。基本に立ち戻って、踊りたいという自分の気持に忠実になろうと…。
彩鳳が李先生に厳しく咎められた後、彼女は経営者の朗の部屋に呼ばれます。
彼はサミュエル・李先生に電話し「山出しの村娘が、ストリートダンスの花形ダンサーに育つというのは、格好のシンデレラ・サクセスストーリーだ、わが社の企業イメージのアップにも繋がる。彩鳳をチームに加えろ」と命じるのでした。
それで気がついたんですが、このサミュエル・李先生も、片耳にダイヤのピアスしてる…! まさか、二人はゲイカップル…?
そういうわけじゃありませんでした…。かくして学費免除、清掃作業もしなくていい、生活費は学校持ち、という夢のような条件で、ダンスレッスンだけに打ち込むことができるようになった、彩鳳。
さらに、ある日朗が彼女に声をかけます。「君は、ハイヒールを持ってる?」
セレクトショップを貸し切り、彩鳳の鼻の下の産毛も抜き(女だってヒゲは生えるんですっ!)、メイクにヘアメイクに濃いピンクのシルクドレスにハイヒール、全て揃えて高級西洋レストランでのディナーに誘う朗。履き慣れないハイヒールでピョコピョコ歩く彩鳳が可愛い。でも、これじゃリチャード・ギアとジュリア・ロバーツの「プリティ・ウーマン」で、ジャッキー・チェン成龍とスー・チー舒淇の「ゴージャス」じゃないですかぁ!
しかし、英文メニューが読めない彩鳳(^_^;) 「写真入りのメニューはないの?」という問い掛けが、日本でいうファミレス、香港でいう茶餐廳しか知らないんだなあと、リアルに感じさせられます。
彩鳳は朗に問いかけます。「あなたは、どんな時が一番嬉しいの?」
「そうだな…僕の会社が株式上場した時かな」
「え? 何が嬉しかったの?」
「僕の財産が一気に5倍になった」
「ふううん。私が嬉しかったのは、父と農作業をしていて、頭上に虹が出たのを2人で見た時だったわ。楽しいことをするのに、本当はお金なんて要らないのよ」
……どこまでも異なる価値観の、2人です。
……大丈夫かいな……?
ディナーを済ませ(フォークとナイフの使い方、大丈夫だったのかしらん…?)、夜道を紡績工場に向かって歩く2人。塀に映るシルエットが腕を組んでいるように見えるよう、そっと朗の腕の近くまで手を伸ばす、いじらしい彩鳳。その動作に気づいた朗は微笑み、手を繋ぐのです。
うわーーーー、やっぱり「紫のバラの人」かぁぁぁああああ!
そしてついに、ファーストキッスを朗に捧げる、彩鳳……。工場のあの守衛も、見て見ぬふりを決め込んでくれます。
「それでそれで? その後はどうなったの?」と翌日、興味津々で尋ねる女工仲間。
「その後って…何もないわ、そのまま宿舎に帰ってきたもの」と答えつつ、ウキウキの彩鳳。
費用の心配もなくダンスに打ち込め、恋も順調、何というラッキーガール(^_^;)
ストリートダンスチームのあの意地悪キツネ目女も、彩鳳のダンスの才能に一目置き、プレゼントを通じて仲よくなるし。
すっぴんから薄化粧へ。どんどん垢抜け、綺麗になっていく彩鳳。
ある日、デート中にあのスカウトマンに出くわした彩鳳は、義理堅くも上海麺代金と紡績工場までの交通費を返すのでした。突然美女に声をかけられお札を渡され、当然のように受け取ったものの実は相手に心当たりがなく、首をひねるスカウトマン…実は人のいい人、だったんじゃん!
しかし…今までプレイボーイとして名を馳せて来た朗が、どこまで本気なのか? 実は彩鳳も心底彼を信じるところまでは、いかなかったのです…。
彩鳳が小雪をあの高級レストランでのディナーに招待して朗と引き合わせようとした時、朗は「急用が出来たので、ディナーに付き合えない。ここの勘定は僕が持つから、2人で好きなものを食べて」と彩鳳に告げ、急いで去ってしまうのです。
小雪は「彼、あなたに対してどこまで本気なの?」と不安を彩鳳に告げます。
彩鳳はついに、電話を聞いて急に自宅を出て行った朗の車を、タクシーで追うという行為に出ます。あちゃーー。
朗の車は、上海国際空港に到着…到着ゲートから出て来た一人の美女を嬉しげに抱きしめ、車の助手席に乗せるのでした。
それを見届け、タクシーで自宅に戻る彩鳳は、車内でひたすら泣きじゃくる……。
夜、あの空港の美女を伴って帰宅しようとした朗の前に、立ちふさがる小雪。
「あんた、彩鳳に何をしたの! 彩鳳、失跡しちゃったわよ! あんたたちのせいで!」
呆然とする朗…!
朗への不信をきっかけに、失意の彩鳳は突如、ダンスレッスンを辞め、紡績工場も辞め、郷里に一人戻ってしまったのでした…。
少しも変わらぬ田園風景、少しも変わらず彼女を迎えた老父。
BGMはピアノソロで奏でられる、テレサ・テンの「月亮代表我的心」。
寝床で毛布をかぶって泣きじゃくる娘に、なす術のない老父。
「その…ファーストキッスを捧げた以外にも…何か…あったのか?」
彩鳳のうっかりした返事に「その男、殺す!」と気色ばむ老父。「父さん、違うの、キッス以外何もなかったの!」あわてて止める彩鳳。
……えーーーっ、てっきり同棲してあーんなこともこーんなことも捧げちゃった後かと…!
朗、意外に純情じゃーーん?
父の励ましも聞かず、寝床で泣きじゃくるばかりの彩鳳…まだまだ、子供だねえ…。
どこを蹴飛ばしてしまったのか、いきなり彩鳳の声があのテープレコーダーから流れ始める。
あの、声のメッセージです。老父、数度の彩鳳のメッセージを1本のテープにダビングし直したのか? やるなあ。
「父さん、私はいま理想に向かって突き進んでいます! 理想を持つことはたやすいけど、それを続けることは大変です、でも私、頑張るから!」
その自分の言葉を聞いた彩鳳は、ハッとするのです。
果たして彼女は、何もかも放り出したままで、いいのでしょうか!(いいわけがなーい!)
彩鳳のいない間に、あのストリートダンスコンテスト「挑戦世界冠軍街舞比賽」が開幕していました。
世界チャンピオン、韓国の南城隊に挑む、中国の紅星隊!(ダサッ)
そう、あの上海の、朗が経営する専門学校の精鋭によって構成された、男女チームのことです!
アフリカン系アメリカンの司会者によると、会場の拍手喝采が多い方が勝利を収めることになるのです!(だったらサクラを配置すりゃいーじゃん?)。
闘志みなぎる、男ばっかりでの野性的なアクロバットを見せる韓国チーム(プロ?)に比べ、中国男女混成チームはいかにもお上品。やっぱ中国で高いレッスン料払って、わざわざ海外のストリートダンスを学ぼうなんてのは、坊ちゃんお嬢ちゃんなんでしょうか?
チームの花形、あのキツネ目の女が、持ち時間あと1分!というところで、足をくじく。
李先生、焦る。「彼女の代わりを、シンディ、おまえ務められるか? 芋芋は?」
女メンバーが辞退する中、「はい、やります!」と明るく返事してニコニコするのは……!
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